この名著に若造が口出すことがおこがましい とものすごく感じるくらいに素晴らしい一冊である。直球なタイトルが付く、その意味を読めば、すぐに理解出来るだろう
日本人で建築を考える人間だったら一度は読むべき本だと思う
2200円はこの本の薄さで考えれば高いように思えるが、書いてある内容を考えれば安い買い物である。
日本建築史を学ぶという観点からだけでも、非常に優れた書物であり、変に半年間授業を受けなくてもそれ以上の智識を与えてくれるだろう。空間論、構造論的な日本建築に対しての捉え方を促進させてくれるおかげで、より抽象的に捉えた日本建築像を手の上に転がしながら新たなる建築のパラダイムシフトに夢想してみるのも楽しい、同時に図面などを通して理解することによって具象性を持って日本建築を考える基礎を与えてくれることは間違い、細かい用語や寺院についてわからなくても読み通す事は容易いように出来ている。出来れば世に溢れている日本建築の大型を横に置くか、実際に見に行ければ心強い。
さらに、タウトが桂離宮を見つけたように近代建築と日本建築との相性の良さは、そのまま村野藤吾に代表されるような商業建築における表面の問題や複合建築と時間変化の問題を考える上で、日本人としてなにを考えるべきなのか?ということを問い直させてくれるのではないだろうか。 行動的空間において位相幾何学に対して言及が少々ある点には驚かされる。行動的空間が持つ洞窟性とはまさに現代日本における都市空間に転写される空間像だろう。
合わせて、鈴木大拙の日本的霊性を読むと、文庫で安いし宗教的な背景とかが理解しやすくて楽しいと思った。特に浄土宗に関しての背景を知った上で読んだ方が平安と鎌倉の違いが明確になると思われる。
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日本建築の空間 (SD選書 37) 単行本 – 1969/6/10
井上 充夫
(著)
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日本建築の空間がもつ比類のない独自性。本書は、建築史と建築美学との融合をめざす著者が、すぐれた観察力と解析力をもって日本建築の空間特性を論じた好著で、建築を学ぶ者にとっての必読書といえる。
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目次
1.序章—空間よりも実体-柱/人と神の同居
2.彫塑的構成—主体の専有空間/垣根としての回廊/門と機能/他
3.絵画的構成—客体のための中庭/正面性の発生/鳳凰堂式プラン/他
4.内部空間の展開—内部空間発展の要素/客体のための内部空間/他
5.幾何学的空間より行動的空間へ—幾何学的空間と行動的空間/幾何学的空間の崩壊と行動の表現/屈折と旋回/他
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目次
1.序章—空間よりも実体-柱/人と神の同居
2.彫塑的構成—主体の専有空間/垣根としての回廊/門と機能/他
3.絵画的構成—客体のための中庭/正面性の発生/鳳凰堂式プラン/他
4.内部空間の展開—内部空間発展の要素/客体のための内部空間/他
5.幾何学的空間より行動的空間へ—幾何学的空間と行動的空間/幾何学的空間の崩壊と行動の表現/屈折と旋回/他
- ISBN-104306050378
- ISBN-13978-4306050372
- 出版社鹿島出版会
- 発売日1969/6/10
- 言語日本語
- 本の長さ260ページ
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登録情報
- 出版社 : 鹿島出版会 (1969/6/10)
- 発売日 : 1969/6/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 260ページ
- ISBN-10 : 4306050378
- ISBN-13 : 978-4306050372
- Amazon 売れ筋ランキング: - 423,631位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 265位日本建築
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2015年1月17日に日本でレビュー済み
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「建築」と「空間」と言うと、私達はどうしても建物内部の空間美やその構造等を連想しがちである。
然しながら、実は建築と空間にはもう一つの側面があり、それが「周辺環境」の中に於ける建築、即ち「空間の中の建築」なのだ。
そこで、こうした「内部空間」と「外部空間」とに着眼し、改めて日本建築と空間との関係を論じたのが本書である。
本書は先ず、序章に於いて、古代の日本人は「空間」よりも「実体」を重視し、その代表格となるのが「柱」である事に言及する。
そして、こうした実体主義の古代人にとっては「空間」が「不安な隙間」であったという事実を解き明かした上で、愈々「空間」と「建築」の関連性、更にはそれ等に対する概念の変遷と発展という問題に切り込んでいくのだ。
主な内容は下記の通り。
1.彫塑的構成
古代に言及した序章に続き、飛鳥・白鳳時代を中心に扱う。
この時代の建築は、寺院ならば仏、神社ならば神等、所謂「主体」となるものの占有空間が存在していただけに、外部空間からは遮断された建築である事を特色としている事を解説。
その上で、当時の建築プランを辿りながら回廊、門等を具体的に考察し、改めて対称性が求められた所に「彫塑的要素」が存在している事を論破している。
2.絵画的構成
奈良時代に芽生え、平安時代に最盛期を迎えた建築について論じている。
絵画的、即ち「正面性」の発展がこの時代に見られ、平等院鳳凰堂等を例に挙げながら、奥行きの無い平面構成、南庭の重要性、翼廊等を詳細に考察している。
また、寝殿造の構造等も追求した上で、総括としてこの時代の建築と「浄土思想」との関わり等にも言及して行くので、非常に勉強になった。
3.内部空間の展開
古代から近世初頭に掛けての「内部空間」の変遷について概説。
言う迄もなく、建物の中には必ずや「空間」は存在するが、この「空間」に対する概念は時代と共に大きく異なる。
本章では庇や隔等に着目する事に依って、これ等が「内部空間の拡張」として用いられた事等を読み解いていくので、具体性があって実に面白い。
特に、ここでは西洋の教会建築をも取り上げ、アプスと同様の「突出」が中世以降の日本建築にも見出せる事を指摘し、この時代に生まれた新たな空間である事を説いている箇所は圧巻である。
4.幾何学的空間より行動的空間へ
主に、安土桃山時代から江戸時代を取り上げ、特に外部空間について掘り下げて行く。
例えば、江戸城本丸を例に挙げながら建築そのものの配置を考察したり、「鑑賞」という視点に立っての構成の重要性を説いたり、或いは近世の城下町や参道に言及する等、実に幅広い。
また、日本建築、或いは庭園について語る時に頻繁に扱われる「借景」についても詳述しており、日本建築の壮大さを実感する事が出来る、極めて貴重な章であった。
以上、簡略に纏めてはみたものの、このレビューではとてもだが内容の充実度をお伝えし切れない事を実感せずにはいられない。
それ程までに本書は奥が深く、幅が広く、そして詳しいのだ。
これは最早、日本建築の歴史と概要、そして空間との相互関係等、その全てを凝縮した一冊としか言いようがないであろう。
図版や写真の掲載も豊富で、然もそれがコンパクトに纏められている。
唯一の難点を挙げるならば、やや学術性が高く、然も、余りにも多くの内容が詰め込まれている為に若干難解に感じる事であろうか。
事実、私のような全くの素人からしてみたら、何やらとても敷居が高い著作に感じられ、本書を読破し、完全に理解するには到底及ばない…と思ってしまったのは事実である。
然しながら、日本建築に造詣が深い方にとっては最も基本的な、然も知りたかった事柄に埋め尽くされているであろうし、これまで日本建築に余り縁がなかった方でも、丁寧に読み込めば本書からは多くを得る事が出来るであろう。
私も今、取り敢えずは通読したので、今一度読み返し、更に多くの発見が出来るよう再挑戦したいと思っている。
然しながら、実は建築と空間にはもう一つの側面があり、それが「周辺環境」の中に於ける建築、即ち「空間の中の建築」なのだ。
そこで、こうした「内部空間」と「外部空間」とに着眼し、改めて日本建築と空間との関係を論じたのが本書である。
本書は先ず、序章に於いて、古代の日本人は「空間」よりも「実体」を重視し、その代表格となるのが「柱」である事に言及する。
そして、こうした実体主義の古代人にとっては「空間」が「不安な隙間」であったという事実を解き明かした上で、愈々「空間」と「建築」の関連性、更にはそれ等に対する概念の変遷と発展という問題に切り込んでいくのだ。
主な内容は下記の通り。
1.彫塑的構成
古代に言及した序章に続き、飛鳥・白鳳時代を中心に扱う。
この時代の建築は、寺院ならば仏、神社ならば神等、所謂「主体」となるものの占有空間が存在していただけに、外部空間からは遮断された建築である事を特色としている事を解説。
その上で、当時の建築プランを辿りながら回廊、門等を具体的に考察し、改めて対称性が求められた所に「彫塑的要素」が存在している事を論破している。
2.絵画的構成
奈良時代に芽生え、平安時代に最盛期を迎えた建築について論じている。
絵画的、即ち「正面性」の発展がこの時代に見られ、平等院鳳凰堂等を例に挙げながら、奥行きの無い平面構成、南庭の重要性、翼廊等を詳細に考察している。
また、寝殿造の構造等も追求した上で、総括としてこの時代の建築と「浄土思想」との関わり等にも言及して行くので、非常に勉強になった。
3.内部空間の展開
古代から近世初頭に掛けての「内部空間」の変遷について概説。
言う迄もなく、建物の中には必ずや「空間」は存在するが、この「空間」に対する概念は時代と共に大きく異なる。
本章では庇や隔等に着目する事に依って、これ等が「内部空間の拡張」として用いられた事等を読み解いていくので、具体性があって実に面白い。
特に、ここでは西洋の教会建築をも取り上げ、アプスと同様の「突出」が中世以降の日本建築にも見出せる事を指摘し、この時代に生まれた新たな空間である事を説いている箇所は圧巻である。
4.幾何学的空間より行動的空間へ
主に、安土桃山時代から江戸時代を取り上げ、特に外部空間について掘り下げて行く。
例えば、江戸城本丸を例に挙げながら建築そのものの配置を考察したり、「鑑賞」という視点に立っての構成の重要性を説いたり、或いは近世の城下町や参道に言及する等、実に幅広い。
また、日本建築、或いは庭園について語る時に頻繁に扱われる「借景」についても詳述しており、日本建築の壮大さを実感する事が出来る、極めて貴重な章であった。
以上、簡略に纏めてはみたものの、このレビューではとてもだが内容の充実度をお伝えし切れない事を実感せずにはいられない。
それ程までに本書は奥が深く、幅が広く、そして詳しいのだ。
これは最早、日本建築の歴史と概要、そして空間との相互関係等、その全てを凝縮した一冊としか言いようがないであろう。
図版や写真の掲載も豊富で、然もそれがコンパクトに纏められている。
唯一の難点を挙げるならば、やや学術性が高く、然も、余りにも多くの内容が詰め込まれている為に若干難解に感じる事であろうか。
事実、私のような全くの素人からしてみたら、何やらとても敷居が高い著作に感じられ、本書を読破し、完全に理解するには到底及ばない…と思ってしまったのは事実である。
然しながら、日本建築に造詣が深い方にとっては最も基本的な、然も知りたかった事柄に埋め尽くされているであろうし、これまで日本建築に余り縁がなかった方でも、丁寧に読み込めば本書からは多くを得る事が出来るであろう。
私も今、取り敢えずは通読したので、今一度読み返し、更に多くの発見が出来るよう再挑戦したいと思っている。
2009年10月29日に日本でレビュー済み
この本の大きなテーマは、日本人の建築に対する関心が、実体的なものから空間的なものへ変遷していく、ということである。概して、空間や間隙への関心というものは、古代の日本人には希薄なものであった。関心は実体にあった。それは、「柱」への関心に現れている。そこには生身の人間がつけこむ隙はない。ただ崇めるだけである。
このような精神性は、いくらか時代の下った白鳳期の法隆寺においても見られる。井上氏は、法隆寺のプランを詳細に観察した上で、その厳しい四方対称性を、彫塑的性格と名づける。それは寺院でありながら、人が礼拝するための「空間」を持たない、外部とは断絶した「実体」なのである。
このような性質は、今日一般に「日本的」「和風」と言われている建築とは大いに違っている。しかし、日本の建築もその出発点から徐々に姿を変えてきたのだと思うと、とても新鮮に思える。
このレビューで全部を紹介することはしないが、このように、各時代における建築の性格を、「実体から空間へ」という一つの統一されたコンテクストの中で徹底的に語る労作である。
この本は、いわゆる日本美を語るものではない。美という、ある意味で魔術的な概念とは切り離し、とても冷静な視点から、日本建築及び日本人の思想を、私たちに示してくれる。
また、建築のみではなく、各時代の造形の精神的背景となった思想や、世界観についても明快な解説を加えてくれる。そのような意味で、建築に興味がなくても、日本や日本人に興味がある人に、一読をおすすめしたい。
このような精神性は、いくらか時代の下った白鳳期の法隆寺においても見られる。井上氏は、法隆寺のプランを詳細に観察した上で、その厳しい四方対称性を、彫塑的性格と名づける。それは寺院でありながら、人が礼拝するための「空間」を持たない、外部とは断絶した「実体」なのである。
このような性質は、今日一般に「日本的」「和風」と言われている建築とは大いに違っている。しかし、日本の建築もその出発点から徐々に姿を変えてきたのだと思うと、とても新鮮に思える。
このレビューで全部を紹介することはしないが、このように、各時代における建築の性格を、「実体から空間へ」という一つの統一されたコンテクストの中で徹底的に語る労作である。
この本は、いわゆる日本美を語るものではない。美という、ある意味で魔術的な概念とは切り離し、とても冷静な視点から、日本建築及び日本人の思想を、私たちに示してくれる。
また、建築のみではなく、各時代の造形の精神的背景となった思想や、世界観についても明快な解説を加えてくれる。そのような意味で、建築に興味がなくても、日本や日本人に興味がある人に、一読をおすすめしたい。