感性的な人間は鋭敏な激情を制御できない。その発露こそが阿部薫をサックスに向かわせ、薬に依存させる。そんな男女が惹かれ合うことが悲劇である事実がまずある。それでも離れきることもできずズタぼろになりながら行き着く先は。
この物語は事実を基にしたフィクションなのだろうが、物語にはつき物である美談やお涙頂戴は無い。あくまでも暴力や感性や本能。人間は醜さと美しさが同居しているどうしようもない奴だと教えられた。これを読んで体調を崩す人間は深読みしすぎなのか?
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エンドレス・ワルツ 単行本 – 1992/3/1
稲葉 真弓
(著)
- 本の長さ149ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日1992/3/1
- ISBN-104309007465
- ISBN-13978-4309007465
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (1992/3/1)
- 発売日 : 1992/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 149ページ
- ISBN-10 : 4309007465
- ISBN-13 : 978-4309007465
- Amazon 売れ筋ランキング: - 881,428位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 20,274位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年11月23日に日本でレビュー済み
もう5年も前に読んだのですが、強烈だったことを覚えています。
自分には出来ない生き方がそこにあったからか・・。病的なというと身もふたも無い感じであるが、とにかく二人の圧巻の激しさが描かれている。
一人ではバランスがとれず、かといって二人でもバランスがとれず、人間の憎しみと愛おしさとをぶつけ合ったどうしようもない言葉と行為のやりとりが繰り返される。
それでも何処かで憧憬に似た思いも抱かずにはいられない。
こんなに誰かに寄りかかりたい、誰かに寄り添いたい、けれど、誰かのものになりたくてなれない、不器用なのか器用なのか分からない。
この先もずっと自分が掴めない感情や感触、体感があると思いつつ、こんな突っ走らなくても狭間の曖昧さに漂って生きていくのもいいのかも。などなど考えた。
阿部薫のサックスの音など聞いたこともなく、一度聞いてみたいと思ったり、彼の生き方を知りたくて、彼の自伝を探したり、その頃の時代背景や周りを彩った人たち、など興味を広げてその時代を生きた人や薬物など、知識を求めた記憶がある。
癒しには程遠く、ただ、ただ、すげえな。と思い、生き残った娘の行く末などまで心配してしまった。そんな環境で育ったらどうなるの?とか・・・大きなお世話ですが。
自分には出来ない生き方がそこにあったからか・・。病的なというと身もふたも無い感じであるが、とにかく二人の圧巻の激しさが描かれている。
一人ではバランスがとれず、かといって二人でもバランスがとれず、人間の憎しみと愛おしさとをぶつけ合ったどうしようもない言葉と行為のやりとりが繰り返される。
それでも何処かで憧憬に似た思いも抱かずにはいられない。
こんなに誰かに寄りかかりたい、誰かに寄り添いたい、けれど、誰かのものになりたくてなれない、不器用なのか器用なのか分からない。
この先もずっと自分が掴めない感情や感触、体感があると思いつつ、こんな突っ走らなくても狭間の曖昧さに漂って生きていくのもいいのかも。などなど考えた。
阿部薫のサックスの音など聞いたこともなく、一度聞いてみたいと思ったり、彼の生き方を知りたくて、彼の自伝を探したり、その頃の時代背景や周りを彩った人たち、など興味を広げてその時代を生きた人や薬物など、知識を求めた記憶がある。
癒しには程遠く、ただ、ただ、すげえな。と思い、生き残った娘の行く末などまで心配してしまった。そんな環境で育ったらどうなるの?とか・・・大きなお世話ですが。
2007年7月22日に日本でレビュー済み
天才と狂気の狭間を彷徨う男女の物語。阿部薫のアルトサックスの音も聞いたことが無いし、鈴木いずみの著作も読んだことがない。しかしながら本作では其処が問題ではない。男と女の限界まで高まった愛の行方の物語なのである。
読んで実感を得ることは難しい。私は凡庸な中年サラリーマンだから。でも彼らの間には実感することは出来ないが、輝く結晶のような関係性には触れることが出来た。その結晶に触れて何か感じるか、感じないか、そこで本作の評価が分かれるところである。
読んで実感を得ることは難しい。私は凡庸な中年サラリーマンだから。でも彼らの間には実感することは出来ないが、輝く結晶のような関係性には触れることが出来た。その結晶に触れて何か感じるか、感じないか、そこで本作の評価が分かれるところである。
2004年8月1日に日本でレビュー済み
夫、阿部薫に対する鈴木いづみの切ない想いが淡々とした文体の中にそっと秘められているようでした。白昼に二人でワルツを踊るのを見た彼女の現実がまるでフィクションであるかのような錯覚にとらわれてゆく様子が見事な文体であらわされていて不思議な恋愛小説です。