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猫の客 単行本 – 2001/9/1
- 本の長さ137ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2001/9/1
- ISBN-104309014305
- ISBN-13978-4309014302
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2001/9/1)
- 発売日 : 2001/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 137ページ
- ISBN-10 : 4309014305
- ISBN-13 : 978-4309014302
- Amazon 売れ筋ランキング: - 852,294位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 19,455位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1950年、福岡県門司生れ。大学在学中に雑誌「ユリイカ」に詩と詩論を発表しデビュー。みずから極小の版元を構え、詩誌や詩書を刊行、戦後世代を代表する詩人のひとりとなる。その後、「詩の中から新しい散文を生む」(大江健三郎評)実験として、言語の諸形態の混じりあう領域での作品制作をつづける。広く知られた成果に『胡桃の戦意のために』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『左手日記例言』(読売文学賞)、『猫の客』(木山捷平文学賞)、『ベルリンの瞬間』(紀行文学大賞)がある。ほかに、加納光於、河原温、ドナルド・エヴァンズなどの美術家とのあいだに成った書物がある一方、田村隆一の詩集や伊良子清白全集など、詩書装幀の仕事も多い。自装による長篇評伝『伊良子清白』は、2005年春、ライプチヒでの国際ブックフェアにおける「世界でもっとも美しい本」賞の候補となった。1985年、アイオワ大学のInternational Writing Programに招待詩人として参加。1998-99年、ベルリン自由大学客員教授としてベルリンに居住。2005年、「大江健三郎の推奨する詩人」として、共にオーストリアでの文学祭Sprachsalzに参加。2006年、人類学者の中沢新一を多摩美術大学に招聘し、芸術人類学研究所を創設、《野外を行く詩学》部門を担当し、研究をとおして過去の詩人・作家・芸術家の居留地などを結び合わせる《フィールド・ミュージアム・ネット》の活動を展開。2008年と2010年、第1回及び第2回の日中韓・東アジア文学フォーラムに参加。批評家としては、『破船のゆくえ』『光の疑い』などの同時代詩批判からヴァルター・ベンヤミンを基軸とした長篇エッセイ『遊歩のグラフィスム』に至る批評的著作がある。2009年、中保佐和子訳の『胡桃の戦意のために』がアメリカで最優秀海外図書大賞(2009 Best Translated Book Award)を受賞。『葉書でドナルド・エヴァンズに』(飯野友幸による英語訳)、『猫の客』(末次エリザベートによるフランス語訳)などのほか、ドイツ語、韓国語、中国語、ロシア語に翻訳がある。近年の「造本としてのエクリチュール」の実践は、わずか8ページのミニマルな書籍『via wwalnuts』叢書を生み、大部の自装の著作『鳥を探しに』とともに話題を呼んでいる。(作家の写真=望月孝撮影)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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とはいえ、筆致の冴えはさすがである。古風だが丁寧につくられた、すこしファンタジックな日本家屋に間借りする夫婦。その庭に現れるインディペンデントな猫との交流。
読みやすいので、平出作品の入門書になるだろうか。しかし、詩集のファンとしては物足りなさも。
ある日、隣の家族が飼っている猫がそっと家に入ってくる。そこから始まる猫と著者と妻3者の交流、そしてその舞台となった東京近郊の街の風景を描く私小説。静けさに充ちている。
私もかつて、同じアパートの隣人が飼っている猫を可愛がったことがあり、その頃の猫とのあれこれが思い出される。
「うちの猫」「わたしの猫」という言葉が発せられる一方、隣家である猫の飼い主一家の描写からは、猫を所有したり、その愛情を独占したりすることへの懐疑もうかがわれる。猫という生き物は、「抱え込みたい」という気持ちと「気ままにさせてそれを眺めていたい」という気持ちのアンビバレントを人間にもたらすのだろう。
溺愛する飼い猫アブサンを描いた村松友視のエッセイも好きだが、本作に描かれるような、猫と人との微妙な距離感もいいなと思う。
本屋でたまたま見つけたタイトルにあった猫の文字。引き寄せられる様に手に取ってみました。立ち読みは気負いするのでこちらで購入。
皆猫好きは同じ事を考え同じような行動をとるものなのだなと感じました。動物といるといつかは来るであろう唐突で理不尽な別れ。最後辺りで出てくる主人公と言うか語り手の妻から出た言葉「私の猫」。出先で読んでいたのですが最近は歳のせいか目頭が急に熱くなり迂闊にも泣けました。猫好きの“あるある”が至るところに感じられます。隣人の猫を可愛がる妻の行動が微笑ましくそれを優しく見守る夫の日常が猫を中心に描かれ作者独自の美しい文体で繊細に書かれています。猫と言うと浮かぶ単語は 「わがまま」「気まぐれ」「自由」「気高い」「凛」「我が道をゆく」「他人に媚びない」「賢い」等が頭に浮かびます。時に虎のように野性的で時に桜のように美しく端正で神秘的な魅力に満ちている魅惑的でミステリアスな生き物。そして猫といると沢山の何かを貰えます。私自身も亡くした愛猫を悼み深い悲しみの淵にいる反面どこからかやってくる猫の客を期待している自分がこの本に重なります。