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魅せられて──作家論集 単行本 – 2005/7/21

4.8 5つ星のうち4.8 3個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2005/7/21)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/7/21
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 248ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4309017185
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4309017181
  • カスタマーレビュー:
    4.8 5つ星のうち4.8 3個の評価

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蓮実 重彦
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カスタマーレビュー

星5つ中4.8つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2007年11月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 ほぼ四半世紀に亘って発表された作家論を集めたものだが、蓮實自身があとがきに記す通り、驚くほどに「一貫性が維持されている」(p249)。結局、蓮實はずっと同じ場所にいたのだ。だがそれにしても、本書を刊行直後に購入した際、書名を見て心地良い違和感を抱いたことを憶えている。
 蓮實@文学の本には、攻撃的な能動性を漂わす書名が多い。「〜宣言」系、「〜論」系、「〜批判序説」系等は分かり易いだろう。しかし加えて「の」系とでも呼べる、互いに齟齬するXとYを「XのY」という形に繋ぐ系列がある。既に処女単行本の書名中に「仮死の祭典」の句が見えるが、「仮死」と「祭典」が齟齬することは明らかだろう。『闘争のエチカ』等もこの類か。
 多くの場合この齟齬は、「平面的なもの」vs「深度を有するもの」の関係にある。典型的には『表象の奈落』だが、『帝国の陰謀』『齟齬の誘惑』『「赤」の誘惑』、逆順ながら『事件の現場』も同様。『凡庸な芸術家の肖像』でも、単に誰もそんなものを顧みないという齟齬感に留まらず、「深さ(生身の芸術家)」と「平面(肖像)」の齟齬がある。蓮實的「の」は「と」のように機能しており、「平面」と「深さ」の偏差を糧に語りを駆動させ、ついには前者の勝利を謳う攻撃的な構造を構成する。一見この分類から外れる作家論集にしても、『「私小説」を読む』は「私小説」における「実人生」という物語を廃して「表層」に付くのだし、『小説から遠く離れて』は小説(平面)vs物語(深さ)の対立を含意しており、攻撃性は維持されている。
 というわけで、蓮實@文学の系列中で本書の書名は、やはり相当に特殊だろう。今や「深さ」との闘いにかかずらうことなく、ある種の受動性によって、テクストという誘惑する表層に身を任せている。そして、そのあられもない姿において自らを提示すること自体を、一つの「宣言」とするのだと言う(p251)。だとすれば、落穂拾いとも看做されかねない慎ましやかな佇まいのこの論集は、蓮實における何らかの転機を告げる意義深い1冊だったのではないか。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2006年7月8日に日本でレビュー済み
蓮実の評論は映画評論も小説評論も、もともと小説のような文体と発想力で、とにかく対象の形相にとらわれない自由奔放なスタイルで魅力的だったけど、本書はひさびさに、その蓮実らしさが出ていて○かな。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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