再掲
恩田陸(1964- )さんの本は「夜のピクニック」以来である。
自分の母校にも伝統としてある夜の長距離歩行という行事を題材にしていて興味を覚えたのである。そして素晴らしい作品だと思った。
その後、恩田作品を読むこともなかったのだが、今回の作品のタイトルにやられてしまった。自分の最も感動を受けた映画3本のうちの1本が、このブラザー・サンシスタームーンであったからである。
まったくの個人的想像であるが、本作品は恩田さんの高校時代から大学時代、そして今につながる個人史なのだと思った。自分を含めた3人の登場人物に青春時代ともいう不思議な時代を語らせていく。よわよわそうでいて筋が通っているような、そして少し感傷的な時代を。やはり恩田さんの心象描写は上手だとおもう。ただ、本題名の映画のことはあまり出てこないのが残念ではある。そんなこともあって廉価盤のDVDがあることを知り、思わず買ってしまった。
ちなみに感動の3作品の残りは黒沢明監督「デルスウザーラ」と「ある愛の詩」である。
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ブラザー・サン シスター・ムーン 単行本 – 2009/1/23
恩田 陸
(著)
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ねえ、覚えてる? 空から蛇が落ちてきたあの夏の日のことを――
本と映画と音楽……それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。
『夜のピクニック』から4年、恩田陸が贈る、青春小説の新たなスタンダードナンバー誕生!
本と映画と音楽……それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。
『夜のピクニック』から4年、恩田陸が贈る、青春小説の新たなスタンダードナンバー誕生!
- 本の長さ189ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2009/1/23
- ISBN-104309019005
- ISBN-13978-4309019000
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2009/1/23)
- 発売日 : 2009/1/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 189ページ
- ISBN-10 : 4309019005
- ISBN-13 : 978-4309019000
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,303,526位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 30,316位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大学卒。
1992(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞を、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞を、2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞をそれぞれ受賞した。
ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している。著書に、『三月は深き紅の淵を』『光の帝国 常野物語』『ネバーランド』『木曜組曲』『チョコレートコスモス』『きのうの世界』などがある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年7月25日に日本でレビュー済み
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主人公3人の視点でそれぞれに大学時代を回想する。そして今いる居場所を確かめる。今はもう思い出すこともないが、実はあいつとの出会いって分岐点だったよな、なんてことありますよね。「あの頃って青春だったんだな」と気がつくことが...
2009年1月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
§1 「卒論は谷崎潤一郎だった。」
§2 綾音の好きなアラン・シリトーの短編集、しおりの挟まっていた部分の一行:「二人とも、愛のために何もしなかった。だから、いけなかったんです。」
§3 映画『陽のあたる場所』のエイリザベス・テーラーの科白:「私たちは、別れるために出会ったのね。」
本のタイトルと同名の映画のワン・シーンにインスパイアーされ、上記の3つを絡めて、この中編をうまくまとめている。というか、私はエッセイ感覚で読めた。
§1では、イギリス文学至上主義の友人が、アメリカSF好きの男の子を泣かせてしまう話。卒論の締切が迫り、夢に谷崎が出てくる話などユーモアたっぷり。
(今ネットで調べて、びっくり!恩田陸は、ゼミが谷崎で、卒論が永井荷風だったんですね。いずれは彼女が必ず書くであろう耽美小説が楽しみ)
§2 芸大生のハスキーヴォイスという一行で、それ以降、この小説を読み終えるまで、Helen Merrill の歌う”You’d be so nice to come home to.”のメロディが頭から離れなかった。
§3 「人間って、結局無償の愛を与えることでしか満足できないって説、それ、そのまま映画のことだもの。」という言葉は、おそらく映画から得たものだと思われるが、残念ながら、よく覚えていない。
アメリカの友人から聞いたが、村上春樹がバークレーでの講演でこう語ったそうだ。
「いつもいつも『村上春樹』でいるのは疲れるんですよ。だから、創作に疲れると翻訳します。」
恩田さんも、ミステリーに疲れたら、こんな軽いエッセイっぽい小説を書けばいいんです。また、紀行文でもいいですよ。アイルランドのエッセイ、小説のように面白かったから。
§2 綾音の好きなアラン・シリトーの短編集、しおりの挟まっていた部分の一行:「二人とも、愛のために何もしなかった。だから、いけなかったんです。」
§3 映画『陽のあたる場所』のエイリザベス・テーラーの科白:「私たちは、別れるために出会ったのね。」
本のタイトルと同名の映画のワン・シーンにインスパイアーされ、上記の3つを絡めて、この中編をうまくまとめている。というか、私はエッセイ感覚で読めた。
§1では、イギリス文学至上主義の友人が、アメリカSF好きの男の子を泣かせてしまう話。卒論の締切が迫り、夢に谷崎が出てくる話などユーモアたっぷり。
(今ネットで調べて、びっくり!恩田陸は、ゼミが谷崎で、卒論が永井荷風だったんですね。いずれは彼女が必ず書くであろう耽美小説が楽しみ)
§2 芸大生のハスキーヴォイスという一行で、それ以降、この小説を読み終えるまで、Helen Merrill の歌う”You’d be so nice to come home to.”のメロディが頭から離れなかった。
§3 「人間って、結局無償の愛を与えることでしか満足できないって説、それ、そのまま映画のことだもの。」という言葉は、おそらく映画から得たものだと思われるが、残念ながら、よく覚えていない。
アメリカの友人から聞いたが、村上春樹がバークレーでの講演でこう語ったそうだ。
「いつもいつも『村上春樹』でいるのは疲れるんですよ。だから、創作に疲れると翻訳します。」
恩田さんも、ミステリーに疲れたら、こんな軽いエッセイっぽい小説を書けばいいんです。また、紀行文でもいいですよ。アイルランドのエッセイ、小説のように面白かったから。
2009年2月6日に日本でレビュー済み
ストーリーとよべるようなものははっきり言って無い。
大学の4年間。
それは第二章でこう表現される。
「大学生というのはあまり停車駅のない長距離列車にのっているようなものである。」
私は大学にはいって無いのであるが、
そのかわり工業高専というちょっと世間ずれした学校へ行っていた。
その感覚は良く分かる。
高校時代の課外授業の一環で偶然知り合い、
同じ大学に進んだ三人。
そして大学時代に
楡崎綾音が小説に
戸崎衛が音楽に
箱崎一が映画に
「気づく」話である。
「出会う」ではない。
そもそも三人ともそれぞれのジャンルに興味を持っていて、サークル活動をしているのである。
元に戻るが不思議な話しである。
一人ひとりの話がそれぞれ1章で全3章の構成なのだが、決して小説、音楽、映画を熱く語るのではなく、淡々と時間が過ぎた記憶を描くだけである。
しかも共通の思い出として描かれるのが
「泳ぐ蛇」と「名画座で見た映画」で
両方とも高校時代の話なのである。
読んでいて自らも学生時代を思い出したりするのであるが、それは決して「ノスタルジー」ではない。
おのれの語彙の貧弱さが恨めしい。
とにかく私にとっては「新感覚」だった。
大学の4年間。
それは第二章でこう表現される。
「大学生というのはあまり停車駅のない長距離列車にのっているようなものである。」
私は大学にはいって無いのであるが、
そのかわり工業高専というちょっと世間ずれした学校へ行っていた。
その感覚は良く分かる。
高校時代の課外授業の一環で偶然知り合い、
同じ大学に進んだ三人。
そして大学時代に
楡崎綾音が小説に
戸崎衛が音楽に
箱崎一が映画に
「気づく」話である。
「出会う」ではない。
そもそも三人ともそれぞれのジャンルに興味を持っていて、サークル活動をしているのである。
元に戻るが不思議な話しである。
一人ひとりの話がそれぞれ1章で全3章の構成なのだが、決して小説、音楽、映画を熱く語るのではなく、淡々と時間が過ぎた記憶を描くだけである。
しかも共通の思い出として描かれるのが
「泳ぐ蛇」と「名画座で見た映画」で
両方とも高校時代の話なのである。
読んでいて自らも学生時代を思い出したりするのであるが、それは決して「ノスタルジー」ではない。
おのれの語彙の貧弱さが恨めしい。
とにかく私にとっては「新感覚」だった。
2013年12月15日に日本でレビュー済み
テーマはおもしろいと思いますが、第一部と第三部の口語体が冗長に感じました。
また視点は変わるものの三人をつなぐエピソードが繰り返し出てくるため、若干しつこい。
第二部は読みやすく、空気感も味わえました。
きれいなタイトルだなと思って読み始めましたが、映画のタイトルの引用だったらしく、
その映画を見たことのない身としては、余計に十分に味わえていない感はあります。
大学時代を思い出すきっかけにはなりました。
また視点は変わるものの三人をつなぐエピソードが繰り返し出てくるため、若干しつこい。
第二部は読みやすく、空気感も味わえました。
きれいなタイトルだなと思って読み始めましたが、映画のタイトルの引用だったらしく、
その映画を見たことのない身としては、余計に十分に味わえていない感はあります。
大学時代を思い出すきっかけにはなりました。
2014年4月11日に日本でレビュー済み
楡崎彩音、戸崎衛、箱崎一・・・。ザキザキトリオと呼ばれた高校時代の同級生3人が過ごした大学時代を、鮮やかに描いた作品。
とりわけ大きな事件が起こるわけでもなく、時がゆるやかに流れていく。三人三様の大学生活。その中で彼らの接点はほんのわずかでしかない。抱えている思い出も違う。けれど、3人は確実に同じ時を過ごした。同じ空間にいて同じ物を見たこともある。進む道はそれぞれ違っても、彼らは時々人生のどこかで学生生活を懐かしむに違いない。時にはほほえましく、そして時にはほろ苦く。
この作品を読みながら、自分の学生時代と重ね合わせてみた。楽しいことばかりではなかったけれど、とても自分が輝いていたように思う。未来への希望もあった。どんなことにでも挑戦しようという意気込みもあった。この作品は、学生時代の自分自身にたまらなくいとおしさを感じさせる。
淡々とした話ではあるが、どこか人を惹きつけて離さない不思議な魅力を持った作品だと思う。
とりわけ大きな事件が起こるわけでもなく、時がゆるやかに流れていく。三人三様の大学生活。その中で彼らの接点はほんのわずかでしかない。抱えている思い出も違う。けれど、3人は確実に同じ時を過ごした。同じ空間にいて同じ物を見たこともある。進む道はそれぞれ違っても、彼らは時々人生のどこかで学生生活を懐かしむに違いない。時にはほほえましく、そして時にはほろ苦く。
この作品を読みながら、自分の学生時代と重ね合わせてみた。楽しいことばかりではなかったけれど、とても自分が輝いていたように思う。未来への希望もあった。どんなことにでも挑戦しようという意気込みもあった。この作品は、学生時代の自分自身にたまらなくいとおしさを感じさせる。
淡々とした話ではあるが、どこか人を惹きつけて離さない不思議な魅力を持った作品だと思う。
2009年1月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
楡崎綾音(にれざき あやね)、戸崎衛(とざき まもる)、箱崎一(はこざき はじめ)。現在は社会人として活躍している三人の時間を、まるでアルバムをめくるような具合に巻き戻し、三人三様の青春時代を三つのパートに分けて並べて見せる構成の小説。
三人の思い出の心象風景が、話に出てくる三叉路(さんさろ)のように、そこではクロスして繋がっているんだけれど、そこからは別々の道に分かれて伸びているところ。三つの話それぞれに、ある共通の出来事、エピソードが登場し、おぼろにゆらめいている感じで話のピース(断片)としてはめ込まれ、全体の絵柄の一部になっているところ。三人の証言から再現された「青春の一コマ」の映像を見ている気がして、そのミステリアスな味わい、恩田陸テイストの不思議な香りが印象に残りました。
あと、第一部「あいつと私」のなかで楡崎綾音が語る本の出会い、本の思い出に、著者の姿がダブりました。<スティーヴン・キングの『ファイアスターター』が面白くてやめられず>とか、<(バイトしていた飲み屋のお客が)忘れもしない、半村良の『妖星伝』六冊組を貸してくれた>てところ。恩田陸と山田正紀の対談本『読書会』(徳間書店)でそのとおりのことが語られているんですね。だからかな。「綾音って、この登場人物の記憶は著者のそれでもあるなあ」と、そんな重なりも面白かったです。
三人の思い出の心象風景が、話に出てくる三叉路(さんさろ)のように、そこではクロスして繋がっているんだけれど、そこからは別々の道に分かれて伸びているところ。三つの話それぞれに、ある共通の出来事、エピソードが登場し、おぼろにゆらめいている感じで話のピース(断片)としてはめ込まれ、全体の絵柄の一部になっているところ。三人の証言から再現された「青春の一コマ」の映像を見ている気がして、そのミステリアスな味わい、恩田陸テイストの不思議な香りが印象に残りました。
あと、第一部「あいつと私」のなかで楡崎綾音が語る本の出会い、本の思い出に、著者の姿がダブりました。<スティーヴン・キングの『ファイアスターター』が面白くてやめられず>とか、<(バイトしていた飲み屋のお客が)忘れもしない、半村良の『妖星伝』六冊組を貸してくれた>てところ。恩田陸と山田正紀の対談本『読書会』(徳間書店)でそのとおりのことが語られているんですね。だからかな。「綾音って、この登場人物の記憶は著者のそれでもあるなあ」と、そんな重なりも面白かったです。
2009年1月26日に日本でレビュー済み
出だしはいい。
登場人物も、語ることも悪くない。
3人の男女がそれぞれに
学生時代を振り返る。
合間合間に時代背景や当時の学生のことを書いているので
懐かしい世代の方もたくさんいると思う。
そして、世代でない私でも
学生時代の自意識と気恥ずかしさととりとめのなさを
よく書いていると思う。
それなのに・・・
相変わらず物語をきちんと書ききる意志に乏しい。
「ユージニア」のような、
はっきり書かないからこその美しさや恐ろしさも、これにはない。
だから、ただ思いつくまま、意味深に書いただけの印象がぬぐえない。
書ける人なのだからそろそろ集中して、
黒と茶の幻想のような
六番目の小夜子のような
「書ききった」作品が読みたい。
登場人物も、語ることも悪くない。
3人の男女がそれぞれに
学生時代を振り返る。
合間合間に時代背景や当時の学生のことを書いているので
懐かしい世代の方もたくさんいると思う。
そして、世代でない私でも
学生時代の自意識と気恥ずかしさととりとめのなさを
よく書いていると思う。
それなのに・・・
相変わらず物語をきちんと書ききる意志に乏しい。
「ユージニア」のような、
はっきり書かないからこその美しさや恐ろしさも、これにはない。
だから、ただ思いつくまま、意味深に書いただけの印象がぬぐえない。
書ける人なのだからそろそろ集中して、
黒と茶の幻想のような
六番目の小夜子のような
「書ききった」作品が読みたい。