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翻訳万華鏡 単行本 – 2013/12/13

4.7 5つ星のうち4.7 5個の評価

翻訳とは何か。プロの翻訳家、翻訳の職人としてあらゆるジャンルの翻訳をこなし、常に第一線で活躍してきた著者が初めて明かす「翻訳上達の極意」と「翻訳の醍醐味」。瞠目のエッセイ!

翻訳は文化の砂丘に生じては消える風紋である。
刹那の印象か、記憶の原風景か、それは人によりけりだ。
だとしても、混淆文化は日本のお家芸だから、翻訳職人はまだまだ忙しい。
いいではないか。何でも来いだ。(本文より)

商品の説明

著者について

1940年、東京生まれ。国際基督教大学教養学部人文科学科卒。翻訳家。主な訳書に『南仏プロヴァンスの12か月』『新・人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』『E.T.』『アバラット』ほか多数。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2013/12/13)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2013/12/13
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 216ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4309022405
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4309022406
  • カスタマーレビュー:
    4.7 5つ星のうち4.7 5個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
5グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2014年7月31日に日本でレビュー済み
1940年生まれの名翻訳家による、おもしろく、おそるべきエッセイ集。

はずかしいが、著者のこれまでの「訳業」にそれほど関心をもったことはなかった。
だが、本書でその一部が採り上げられている名著快著だけでも、ああ、そうだったか、
とうなずき、既読のものは読み返したくなるし、未読のものはひもときたくなる。

また、前半の自叙伝的な回想や、途中に出てくる古典への造詣など
(とくに、著者のエンタメ系の仕事しか知らない人は、驚倒するだろう)
その「翻訳家」としての広汎な文業とは別に、「読書人」としての筆力にも、魅了される。
それがただの本好きの閑話ではなく、社会と時代への鋭利な批評になっている。

もちろん、マクラが長すぎる噺家やMCのほうが面白い歌手と違って、
ちゃんと、本業部分の充実に結びついているところが、またすごい。

著者の覚悟と実践が、端的に記された箇所を引きたい。

「砂丘は日に日に姿を変えつつも、歴史の中に不動の位置を占めて一つところに
留まっている。世にいう文化とは、ちょうどこれと同じではないか。
翻訳は文化の砂丘に生じては消える風紋である。刹那の印象か、記憶の風景か、
それは人によりけり」(p.200)
「古典の規範があって変化の緩慢な英語と、古典と漢字を嫌って退化している
日本語を等価交換するのが職人と役割と心得てずっとやってきた」(p.202)

その結果産み出された、見事な《訳業》の数々。
こういう人が健在な間は、日本語文化は大丈夫、そう思う。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2014年1月14日に日本でレビュー済み
35年以上、翻訳を生業にしてきた池さんの、初めての著書です。
ご自身の訳書との思い出や文章論などから、「翻訳とは何か?」ということが語られます。
自分自身を「職人」と語る池さんの真摯な姿が印象的でした。
「らしい」といえば「らしい」ですが、硬質な文章が少し難しかったので、星を一つ減らしました。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2014年2月1日に日本でレビュー済み
 今から10年ほど前、J・P・ホーガンの『 星を継ぐもの 』(創元SF文庫)を手に取ったときの衝撃を私は今も鮮やかに憶えています。月面に死後5万年を経過した人間の遺体が見つかるという壮大な結構に圧倒されたのはもちろんですが、この英国SFミステリーを流麗で品位あふれる日本語へと見事なまでに移し替えた池央耿氏の翻訳者としての手腕にほれぼれした記憶があります。
 これは、そんな池氏が翻訳家としての道のりを自ら綴った随想集です。

 これまでおよそ40年にわたって様々なジャンルの書物を訳してきた著者は、そのひとつひとつを愛おしげに振り返ります。私が胸躍らせながら読み進めた『星を継ぐもの』についても「広大無辺の文学宇宙」と題して一文を綴っています。ホーガンがあのSFを文明批評の発想で書き起こしたに違いないと評する池氏。まったくもって頷かずにはいられません。

 池氏の繰り出す翻訳文は雅(みやび)な大和言葉や漢語に彩られているのが常ですが、その原点はやはり、古典文学との親しみにあったことが良く分かります。若かりし頃に手にした『唐詩選詳説』や鴎外の硬質な美文から学んだ日本語の力強い輝き。無学な私が氏の日本語を十分に味わうにはこの書の頁を繰りながら幾度も立ち止まって頻繁に辞書を引かなければなりません。しかし日本語の美しさを新たに知る喜びに比べれば、辞書にあたる煩わしさなど、なんでもありません。
 先人たちの積み上げた日本語と私たち現代人が切り離されてしまった哀しさを静かに惜しむ氏の言葉が胸に迫ります。

 古希を過ぎた著者は最近H・G・ウェルズの『
タイムマシン 』(光文社古典新訳文庫)の訳出に取り組んだそうです。氏の円熟の訳業を近いうちにぜひ楽しませてもらおうと思います。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2014年2月14日に日本でレビュー済み
プロの翻訳家として「翻訳大国日本」を支えてきた「職人」池 央耿さんの初めてのエッセイ集です。映画「E.T.」のノベライズ、「人生のに必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」、「南仏プロヴァンズの12か月」などのベストセラーは、この人の流麗な日本語があってこそでした。個人的には大好きな海外ミステリーやSF、とりわけアシモフの「黒後家蜘蛛の会」シリーズやホーガンの「星を継ぐ者」シリーズなどについての翻訳裏話が面白くて、巻をおくことができませんでした。冒頭の「蒟蒻問答」から、「唐詩選風景」では井伏鱒二の「人生足別離→『サヨナラ』ダケガ人生ダ」などの紹介、漱石や賢治の文体模写まで登場して、著者の視野の広さには敬服するしかありません。若い人には文章が少し硬いかなという気もしますが、一読するだけでも日本語のすばさしさにあらためて気づかされるでしょう。この分野では別宮貞徳先生の「誤訳迷訳欠陥翻訳」以来の好著だと思います。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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