講義本としては『中世の四季』が先に書かれたもので、詩人ダンテや当時の周辺事情については、それに譲る内容と思います。しかし、主要な歌を順に追って行くこの講義本の内容は充実しています。読売文化センターでの連続講義用に作られた文章を元にしています。
平川氏の複数の講義本に重複した見解や引用があることを気にする必要はありません。それほどに、初期段階から彼の考察は一貫して完結したものであり、内容も都度深いものと感じられるからです。ダンテ神曲を読むなら平川訳であり、神曲講義も必読書と思います。
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ダンテ『神曲』講義 単行本 – 2010/8/26
平川 祐弘
(著)
世界文学の最高傑作といわれる、ダンテの『神曲』。その名訳者が、半世紀近くの研究と講義の成果を盛り込んで、ダンテとその作品の魅力を、平明かつ詳細に解き明かす画期的大著。
『神曲』の名訳者が、ダンテとその作品の魅力について縦横に語る画期的大冊、誕生。
大古典『神曲』がいま生動する。
鼻持ちならない自信家にして、彫心鏤骨の苦心を重ねた大詩人─―ダンテ・アリギエーリ。
『神曲』の名訳者が導く、地獄・煉獄・天国をめぐる旅。
◎半世紀近くの研究と講義の成果を盛り込んで、ダンテとその作品の魅力を平明かつ詳細に解き明かす画期的名著。
◎『神曲』の名訳者にして比較文学者である著者が、半世紀近くの研究と講義の成果を盛り込んで、『神曲』の魅力を平明かつ詳細に解き明かす。
◎平川訳『神曲』のテキストを随所に引用。『神曲』未読の方でも本書のみで難なくその魅力に触れることができる。
『神曲』の名訳者が、ダンテとその作品の魅力について縦横に語る画期的大冊、誕生。
大古典『神曲』がいま生動する。
鼻持ちならない自信家にして、彫心鏤骨の苦心を重ねた大詩人─―ダンテ・アリギエーリ。
『神曲』の名訳者が導く、地獄・煉獄・天国をめぐる旅。
◎半世紀近くの研究と講義の成果を盛り込んで、ダンテとその作品の魅力を平明かつ詳細に解き明かす画期的名著。
◎『神曲』の名訳者にして比較文学者である著者が、半世紀近くの研究と講義の成果を盛り込んで、『神曲』の魅力を平明かつ詳細に解き明かす。
◎平川訳『神曲』のテキストを随所に引用。『神曲』未読の方でも本書のみで難なくその魅力に触れることができる。
- 本の長さ509ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2010/8/26
- ISBN-10430920550X
- ISBN-13978-4309205502
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商品の説明
著者について
1931年生まれ。東京大学名誉教授。『東の橘西のオレンジ』でサントリー学芸賞、『ラフカディオ・ハーン』で和辻哲郎文化賞、マンゾーニ『いいなづけ』の翻訳で読売文学賞・日本翻訳出版文化賞を受賞。著書多数。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2010/8/26)
- 発売日 : 2010/8/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 509ページ
- ISBN-10 : 430920550X
- ISBN-13 : 978-4309205502
- Amazon 売れ筋ランキング: - 311,962位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 102位ギリシャ・ラテン文学
- - 516位外国詩
- - 13,234位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
単なる意味の解釈を追う講義ではつまらない。こんなに面白く興味深い講義は少ないのではないか。なにやら富士山の頂に登った感が残る講義でした。
平川先生の長年にわたる真摯で幅広い学問と、講義内容の繊細な配置、なにより少年の如くの瑞々しい感性は、詩人ダンテの『新曲』を語りつくして興味の尽きない講義録です。
我々一般の読者にはお安くない本ですが、内容の充実を考えると決して高くはない。『神曲』[完全版]と『中世の四季』も先立ち読みましたが、世界が豊かに広がる思いがします。
平川先生の長年にわたる真摯で幅広い学問と、講義内容の繊細な配置、なにより少年の如くの瑞々しい感性は、詩人ダンテの『新曲』を語りつくして興味の尽きない講義録です。
我々一般の読者にはお安くない本ですが、内容の充実を考えると決して高くはない。『神曲』[完全版]と『中世の四季』も先立ち読みましたが、世界が豊かに広がる思いがします。
2010年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
15年前に神曲の平川訳を買い、ゆっくり読みました。これで神曲にはまってしまいました。
今回の「講義」も、平川氏の博識と切り口の鋭さが堪能できます。なぜ地獄編は面白く、天国編は面白くないのかなど、誰もが感じていた事の説明が端的に書かれています。寿岳訳は読んでいませんが、細かいところを的確に批判されたりしています。
デカメロンを翻訳中と聞きましたが、完成が待たれます。
今回の「講義」も、平川氏の博識と切り口の鋭さが堪能できます。なぜ地獄編は面白く、天国編は面白くないのかなど、誰もが感じていた事の説明が端的に書かれています。寿岳訳は読んでいませんが、細かいところを的確に批判されたりしています。
デカメロンを翻訳中と聞きましたが、完成が待たれます。
2012年11月28日に日本でレビュー済み
神曲の講義と謳ってはいるが、全共闘やら昔の思い出話やらやたらと無駄話が多い。無駄話が好きな人はいいだろうが、神曲についてここにすべてが書かれているかというとそうではなく、自分の『ダンテの地獄を読む』など他の著書を参照せよとくるのだから悪質だ。
翻訳を読んだり解説本を何冊も読んだり読者はあっちへ行ったりこっちへ来たりしなければならない。
その煩わしさを嘆かない人は実際にはこの本を読んではいないのではあるまいか。
翻訳を読んだり解説本を何冊も読んだり読者はあっちへ行ったりこっちへ来たりしなければならない。
その煩わしさを嘆かない人は実際にはこの本を読んではいないのではあるまいか。
2012年3月31日に日本でレビュー済み
わたしが神曲にはまったのは、ドレの挿絵入り大型本を図書館で手にとったのが最初でした。
クリスチャンではないし、聖書は挫折して読めなかったのに、どうして神曲はあまり抵抗なく
読めるのか不思議でした。生前の行いに応じて死後さまざまな境遇に陥る魂の物語は、
仏教の世界観とも通じる所があるように思います。
わたしは元々、日本の古典文学「謡曲」が好きで、学生時代からずっと読み続けてきました。
平川先生の論考を知るまでは、謡曲と神曲(特に煉獄編)に類似性があるとは夢にも思わず
衝撃を受けました。もしかしたら自分が求めていたものが、謡曲と神曲の中にあることを
無意識に感じ取っていたのかもしれません。
それは人生のいろんな場面で味わされた苦渋の思いを、いつか何とかして浄化したい。
そういうカタルシスを求める思いなのです。浄化された魂は軽くなり、神曲なら天国に近づく
(謡曲なら浄土へ行く)ことができます。せめて文学作品の中だけでも救いがほしい。
そういう人間の普遍的な欲求にこたえる文学が、神曲と謡曲なのだと思います。
ユーラシア大陸の東と西の端で、両者の生まれた時期が近く、中世であることも興味深い。
平川先生の生涯かけた神曲研究の成果がこの値段で読めるとは、至福の至りです。
先生のお仕事がイタリア文学に集中していても、専攻が比較文学であるせいでしょうか。
英仏独文学者の書いたものに比べて、視野が広くスケールが大きいように感じます。
本書は明治以来続いてきた、日本の西洋文学研究のひとつの頂点です。日本語が読めて
文学を愛好する読書人なら、読まなければ損ですよ。
クリスチャンではないし、聖書は挫折して読めなかったのに、どうして神曲はあまり抵抗なく
読めるのか不思議でした。生前の行いに応じて死後さまざまな境遇に陥る魂の物語は、
仏教の世界観とも通じる所があるように思います。
わたしは元々、日本の古典文学「謡曲」が好きで、学生時代からずっと読み続けてきました。
平川先生の論考を知るまでは、謡曲と神曲(特に煉獄編)に類似性があるとは夢にも思わず
衝撃を受けました。もしかしたら自分が求めていたものが、謡曲と神曲の中にあることを
無意識に感じ取っていたのかもしれません。
それは人生のいろんな場面で味わされた苦渋の思いを、いつか何とかして浄化したい。
そういうカタルシスを求める思いなのです。浄化された魂は軽くなり、神曲なら天国に近づく
(謡曲なら浄土へ行く)ことができます。せめて文学作品の中だけでも救いがほしい。
そういう人間の普遍的な欲求にこたえる文学が、神曲と謡曲なのだと思います。
ユーラシア大陸の東と西の端で、両者の生まれた時期が近く、中世であることも興味深い。
平川先生の生涯かけた神曲研究の成果がこの値段で読めるとは、至福の至りです。
先生のお仕事がイタリア文学に集中していても、専攻が比較文学であるせいでしょうか。
英仏独文学者の書いたものに比べて、視野が広くスケールが大きいように感じます。
本書は明治以来続いてきた、日本の西洋文学研究のひとつの頂点です。日本語が読めて
文学を愛好する読書人なら、読まなければ損ですよ。
2010年10月11日に日本でレビュー済み
東京大学の名誉教授でダンテ・ボッカッチョなどイタリア文学の先生が書いたもの。神曲の原題はDivina Commediaというとは知らなかった。同時に、平川先生による新訳の神曲もある。主人公のダンテがローマ詩人のヴェルギリウスの案内によって、地獄・煉獄・天国をめぐるという筋立くらいは知っていたけれど、文学部でもなければ難解だろうと思って手が出なかった。ところが、平川先生の訳はわかりやすく、しかも、源信僧都の往生要集の地獄との対比、イタリア語、英語を彼の和訳と対比、さらには夏目漱石の和訳の間違いの指摘まで出てくる結構なエンターテインメント。司馬遼太郎、塩野七生のように、自分の主観を入れた脱線が入る。東大学園紛争の思出、自分の思想の断片も。思想的にはとても実際的な人で、カルチャーセンターの生徒の方が西宮の私立大学の学生よりはるかに教養・学識があった、などという話から、とてもはっきり物をいう、実際的な先生なのだ、と知れる。東大で陰口叩かれたと書いてあるが、実力があることの裏返しだ。西洋文明の基礎のギリシャ・ローマからキリスト教の文明まで、日本人は案外、こういう古典に直接触れないのは、平川先生の十分の一でもを読んでいる先生がいないからだろう。自分の受けた教育を振返っても高校・大学で世界史など教養で西洋文明の基礎を教えてくれた人はいない。判っている人がいないんだろう。「ミッション系の女子学生が眼を背けたくなるような一神教の自分勝手さ」についての平川先生の観察・解説は鋭い。「ローマ人の物語」を読んで、長かったけれど面白かったと思える人に推薦します。