薔薇の名前は未読です、読める気がまるでしない。
フーコーの振り子は読んだが、やはりまるで理解できとらん。
・・・そういう尻込みや挫折した方、初めて
エーコを読む方にはコレ。
巨匠の遺作って、年齢的な衰えも含めて、
代表作に比してダメ扱いされがちだけど。
その衰えが、未熟な読者には丁度いい場合もあります(私です)。
正直コレも正しく理解できとらんだろうが、それでも面白く読めただけ前進したなぁとか思うわけです。
まだ書架の探偵は読んでないけど・・・
ジーン・ウルフも同じ気がする 笑
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ヌメロ・ゼロ 単行本 – 2016/9/21
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購入オプションとあわせ買い
全世界で1000万部以上売れているベストセラー『薔薇の名前』を著した
イタリアの知の巨人ウンベルト・エーコ。
遺された最後の傑作『ヌメロ・ゼロ』が2016年秋刊行予定!
ある新聞のパイロット版を手がけるという名目のもと、
「握りつぶされた真実を告発する新聞の創刊」を目指す編集部。
しかしその新聞発行の裏には、出資者の利益を考慮した
歪んだジャーナリズムの恐ろしい陰謀が隠されていた──
イタリアの知の巨人ウンベルト・エーコ。
遺された最後の傑作『ヌメロ・ゼロ』が2016年秋刊行予定!
ある新聞のパイロット版を手がけるという名目のもと、
「握りつぶされた真実を告発する新聞の創刊」を目指す編集部。
しかしその新聞発行の裏には、出資者の利益を考慮した
歪んだジャーナリズムの恐ろしい陰謀が隠されていた──
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2016/9/21
- 寸法14 x 2.1 x 19.8 cm
- ISBN-104309207030
- ISBN-13978-4309207032
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商品の説明
著者について
1932年イタリア生まれ。小説家・記号学者。現代屈指の碩学として幅広い著作を発表。『薔薇の名前』は世界5500万部を超えるベストセラー。ほかに、『フーコーの振り子』『プラハの墓地』など。2016年没。
1957年東京生まれ。翻訳家。訳書に、E・モランテ『アルトゥーロの島』、D・ブッツァーティ『モレル谷の奇蹟』、T・ランドルフィ『月ノ石』、『ムナーリの機械』など。
1957年東京生まれ。翻訳家。訳書に、E・モランテ『アルトゥーロの島』、D・ブッツァーティ『モレル谷の奇蹟』、T・ランドルフィ『月ノ石』、『ムナーリの機械』など。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2016/9/21)
- 発売日 : 2016/9/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 224ページ
- ISBN-10 : 4309207030
- ISBN-13 : 978-4309207032
- 寸法 : 14 x 2.1 x 19.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 651,941位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 220位イタリア文学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年2月に永眠した現代イタリアの知の巨人、ウンベルト・エーコ。彼の遺した最後の小説は、あるメディア王の権力拡大のために画策された日刊紙「ヌメロ・ゼロ」の発行準備に追われる編集部と、戦後イタリアの陰謀史を交差させ、厳正に生きる者に「記憶すること」の意義を問いかける。
・新聞準備号の編集部を舞台に、読者の意図を汲んだ表現手法、告発者の信憑性を落とし方、取材者との取引、ターゲットとする人物の貶め方など、メディアの「空恐ろしい情報操作のテクニック」の数々が披露される。こんなものを日々われわれは読まされているわけか。
・50男の主人公が見出した、30歳の女記者との幸せな日々。だが、ムッソリーニ生存説、バチカン銀行、ローマ法王暗殺事件、情報機関「グラディオ」など、戦後イタリア史の闇の部分を追究する一記者が殺害されると、事態は急変する。
・著者は記憶を失うこと、無関心になることに警鐘を鳴らす。「Xという事件も情報の大海におぼれてしまうわけだ」(p156)、「でも、私も忘れていたのよ。新しい暴露があるたび前の暴露が消されてしまうかのように。全部引っぱり出すだけでよかったのよ」(p193)
・主人公を含む新聞編集部と影の出資者以外、すべての関係者が実名で登場する。影の出資者ですら、ベルルスコーニ大統領のことを想起させてくれる。どこまでがリアルでどこからがエーコの生んだ世界なのか、あるいは想像とは現実世界と紙一重であるのだろうか。
「世界そのものが悪夢なんだよ」(p197)、情報操作の現実的恐ろしさは、ある日を境に突如報道されなくなる官僚関係の微妙なニュースや、Google検索から削除される事件の痕跡など、われわれ日本人にとっても無縁ではない。
濁世の中で生き抜くこと。第四の権力者であるメディア報道の真の意図を見抜き、自己を護るためにも、確固としたリテラシーだけでなく、個人なりの哲学が必要ってことだな。
・新聞準備号の編集部を舞台に、読者の意図を汲んだ表現手法、告発者の信憑性を落とし方、取材者との取引、ターゲットとする人物の貶め方など、メディアの「空恐ろしい情報操作のテクニック」の数々が披露される。こんなものを日々われわれは読まされているわけか。
・50男の主人公が見出した、30歳の女記者との幸せな日々。だが、ムッソリーニ生存説、バチカン銀行、ローマ法王暗殺事件、情報機関「グラディオ」など、戦後イタリア史の闇の部分を追究する一記者が殺害されると、事態は急変する。
・著者は記憶を失うこと、無関心になることに警鐘を鳴らす。「Xという事件も情報の大海におぼれてしまうわけだ」(p156)、「でも、私も忘れていたのよ。新しい暴露があるたび前の暴露が消されてしまうかのように。全部引っぱり出すだけでよかったのよ」(p193)
・主人公を含む新聞編集部と影の出資者以外、すべての関係者が実名で登場する。影の出資者ですら、ベルルスコーニ大統領のことを想起させてくれる。どこまでがリアルでどこからがエーコの生んだ世界なのか、あるいは想像とは現実世界と紙一重であるのだろうか。
「世界そのものが悪夢なんだよ」(p197)、情報操作の現実的恐ろしさは、ある日を境に突如報道されなくなる官僚関係の微妙なニュースや、Google検索から削除される事件の痕跡など、われわれ日本人にとっても無縁ではない。
濁世の中で生き抜くこと。第四の権力者であるメディア報道の真の意図を見抜き、自己を護るためにも、確固としたリテラシーだけでなく、個人なりの哲学が必要ってことだな。
2019年4月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
短め(Kindleのカウントで3000未満)なので読み終えましたが、おそらく作者が読み取ってほしいと思う部分をほとんど理解できなかったろうと思います。
20世紀のイタリアの社会史を陰謀史観で読み替えていくことで、歴史や報道の持つ客観性や普遍性への疑いを訴えることがテーマなのかも、と思います。
しかし、イタリア現代史を知らなかったり、読解力が低かったりで、字面を追いかけるのが精一杯でした。
20世紀のイタリアの社会史を陰謀史観で読み替えていくことで、歴史や報道の持つ客観性や普遍性への疑いを訴えることがテーマなのかも、と思います。
しかし、イタリア現代史を知らなかったり、読解力が低かったりで、字面を追いかけるのが精一杯でした。
2019年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1. P.219: 「ハ長調協奏曲」はラフマニノフなら「ハ短調協奏曲」であろう。
2. P.233/252 地名「オルテ」は「オルタ(Orta)」であろう。文中湖の名は「オルタ湖(Lago d'Orta)」ときちんと書かれている。上記2点は物語でもホントのことを書いてもいいのだから間違いであろう。
2. P.233/252 地名「オルテ」は「オルタ(Orta)」であろう。文中湖の名は「オルタ湖(Lago d'Orta)」ときちんと書かれている。上記2点は物語でもホントのことを書いてもいいのだから間違いであろう。
2016年11月9日に日本でレビュー済み
引き込まれるようにして一気に読んでしまった。小説のような、ノンフィクションのような、読んでいる途中で話中の「事件」がウソなのかホントなのかわからなくなる。ただ、「訳者あとがき」によると、編集部の人間を除き「作品中に言及されるのはすべて実在人物であり、現実に起こった事件」であるとのこと。それを読んで、あぁ、世界には深い闇があるなと改めて思った次第。
舞台は「日刊紙」の編集部、といってもその新聞は発行前の準備段階で、しかもその新聞は、社主(金主)が政界や裏社会を脅すための”道具”に過ぎず(怪文書のようなものか)、実際に発行されることは決してない新聞の紙面を作り上げていくという、もうその設定からしてゾクゾクする。
そして編集部内でのやり取りのなかで、新聞の紙面がいかにして「作り上げ」られていくかが語られる。これは別に取材の苦労話や編集作業の話ではなく、いかにして「読者の知りたいこと」もしくは「読者に伝えたいこと」を紙面に載せ、逆に「読者に伝えたくないこと」は載せず、記事の行間や紙面割りで「読者の想像力を操作するか」というテクニックの話だ。要は、嘘はつかず、かといって正直に言うでもなく、それでいて世論を操作するにはどうすれば?という話。
はて、日本のマスコミも、、、どうなんでしょうねぇ。
【以下、引用】
「読者の言葉を使わなければならない」(読者の精神年齢に合わせろ!)
(事実と意見は区別しなければならないが、住民や識者のコメントのように)
「カギかっこさえつければ、こういう言葉も事実になる。つまり、これこれの人がしかじかの意見を言ったという事実です。・・・ふたつの相対する主張を載せて、ひとつの出来事について異なる意見があることを示し、新聞は反駁の余地のない事実として報道するわけです。この場合の巧妙な策は、まず、ありきたりの意見を紹介し、次にもうひとつの意見を、記者の考えに非常に近い、より論理的な意見を紹介すること。こうすれば、読者はふたつの事実を情報として得た印象を持つが、実際にはそのうちのひとつだけを、より説得力のあるものとして受け取るように仕向けられるわけです。」
「新聞に何を載せるかは、予定表をつくる必要がある。・・・ニュースが新聞をつくるのではなく、新聞がニュースをつくるのだ。」
「ひとつひとつをとってみれば、この四つの記事のどれも、特に読者の関心を引くものではないが、四つをひとまとめにすると、どうしても目立ってしまう。・・・ニュースのないところから、あるいはニュースの読み取れないところから、ニュースを立ちのぼらせる訓練だ。頑張ってくれ」
「他人が確かめることができるデータを公言するより、ほのめかしに留まったほうがいい。ほのめかすというのは、何かはっきりしたことを言うというのではない。反論者に対して疑問を抱かせることになればそれでいい。・・・効果的なほのめかしとは、それ自体はとくに価値のない事実、しかも、ほんとうであるので否定しようのない事実についてのものだ」
「いいか、今日では、告発・非難に応酬するためには、その反対を示す必要などないのだ。告発者の信憑性を失わせるだけでいい。・・・100パーセント完全無欠の人間などいない。・・・何かしら奇妙なことのひとつぐらいはしたはずだ。あるいは、彼が毎日することを奇妙化するのだ。想像力を働かせてやってくれ。いいか?」
「ドイツ語にいい言葉がある。シャーデンフロイデ、他者の不幸を見て得られる喜び。新聞は、こういう感情を尊重し、かつ掻き立てるべきなのだ。」
くれぐれも悪用なさらぬよう、、、
舞台は「日刊紙」の編集部、といってもその新聞は発行前の準備段階で、しかもその新聞は、社主(金主)が政界や裏社会を脅すための”道具”に過ぎず(怪文書のようなものか)、実際に発行されることは決してない新聞の紙面を作り上げていくという、もうその設定からしてゾクゾクする。
そして編集部内でのやり取りのなかで、新聞の紙面がいかにして「作り上げ」られていくかが語られる。これは別に取材の苦労話や編集作業の話ではなく、いかにして「読者の知りたいこと」もしくは「読者に伝えたいこと」を紙面に載せ、逆に「読者に伝えたくないこと」は載せず、記事の行間や紙面割りで「読者の想像力を操作するか」というテクニックの話だ。要は、嘘はつかず、かといって正直に言うでもなく、それでいて世論を操作するにはどうすれば?という話。
はて、日本のマスコミも、、、どうなんでしょうねぇ。
【以下、引用】
「読者の言葉を使わなければならない」(読者の精神年齢に合わせろ!)
(事実と意見は区別しなければならないが、住民や識者のコメントのように)
「カギかっこさえつければ、こういう言葉も事実になる。つまり、これこれの人がしかじかの意見を言ったという事実です。・・・ふたつの相対する主張を載せて、ひとつの出来事について異なる意見があることを示し、新聞は反駁の余地のない事実として報道するわけです。この場合の巧妙な策は、まず、ありきたりの意見を紹介し、次にもうひとつの意見を、記者の考えに非常に近い、より論理的な意見を紹介すること。こうすれば、読者はふたつの事実を情報として得た印象を持つが、実際にはそのうちのひとつだけを、より説得力のあるものとして受け取るように仕向けられるわけです。」
「新聞に何を載せるかは、予定表をつくる必要がある。・・・ニュースが新聞をつくるのではなく、新聞がニュースをつくるのだ。」
「ひとつひとつをとってみれば、この四つの記事のどれも、特に読者の関心を引くものではないが、四つをひとまとめにすると、どうしても目立ってしまう。・・・ニュースのないところから、あるいはニュースの読み取れないところから、ニュースを立ちのぼらせる訓練だ。頑張ってくれ」
「他人が確かめることができるデータを公言するより、ほのめかしに留まったほうがいい。ほのめかすというのは、何かはっきりしたことを言うというのではない。反論者に対して疑問を抱かせることになればそれでいい。・・・効果的なほのめかしとは、それ自体はとくに価値のない事実、しかも、ほんとうであるので否定しようのない事実についてのものだ」
「いいか、今日では、告発・非難に応酬するためには、その反対を示す必要などないのだ。告発者の信憑性を失わせるだけでいい。・・・100パーセント完全無欠の人間などいない。・・・何かしら奇妙なことのひとつぐらいはしたはずだ。あるいは、彼が毎日することを奇妙化するのだ。想像力を働かせてやってくれ。いいか?」
「ドイツ語にいい言葉がある。シャーデンフロイデ、他者の不幸を見て得られる喜び。新聞は、こういう感情を尊重し、かつ掻き立てるべきなのだ。」
くれぐれも悪用なさらぬよう、、、
2019年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
エーコの小説は、時として難解で、歴史的背景を知らないとよく楽しめないところがあるが、この作品は長さも適当でおまけにほとんどの歴史的な背景は小説内で説明されているので、青変わらず凝った文体ではあるが、とても読みやすい(この作家にしては!!)イタリー語は読めないのでこの小説を紹介してくれた翻訳家に感謝!!
2020年4月29日に日本でレビュー済み
ストレートに書きたいことを書いた作品のように思えました。エーコ は「2016年2月19日、癌のために84歳で死去した(Wikipedia)」そうです。この本は、2015年に出版されているので(日本語訳は2016年)、想像ですが、これまでの作品のように長編を書くだけの時間が残されていないために、著者にしてはめずらしく伝えたいことに絞って書かれたのではないでしょうか。
主人公たちは、読者を惑わす記事の書き方や紙面構成方法を共有して、情報操作の仕組みを教えてくれ、その後の同僚の調査という形でイタリアの陰謀史を紹介することで、この情報操作の中から本当の情報を知り得る目を培えるようにしてくれているように感じました。今、様々な矛盾した情報が毎日報道される中にあって、この本で教えてくれることは非常に役に立つように思えます。
イタリアの陰謀史は、一瞬ひるみますが、個々に検索するとWikipediaでかなり詳しい情報を知ることができます。イタリア史のもともとの素養がなくても、ネットの情報によってある程度楽しく読めました。今こそ読むのにふさわしい本だと思います。
主人公たちは、読者を惑わす記事の書き方や紙面構成方法を共有して、情報操作の仕組みを教えてくれ、その後の同僚の調査という形でイタリアの陰謀史を紹介することで、この情報操作の中から本当の情報を知り得る目を培えるようにしてくれているように感じました。今、様々な矛盾した情報が毎日報道される中にあって、この本で教えてくれることは非常に役に立つように思えます。
イタリアの陰謀史は、一瞬ひるみますが、個々に検索するとWikipediaでかなり詳しい情報を知ることができます。イタリア史のもともとの素養がなくても、ネットの情報によってある程度楽しく読めました。今こそ読むのにふさわしい本だと思います。
2020年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
残念ながら失敗作だと思う。つまらない。
薔薇の名前を読んだ時の興奮を未だに憶えているので残念だ。
薔薇の名前を読んだ時の興奮を未だに憶えているので残念だ。