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ユダヤ人大虐殺の証人ヤン・カルスキ 単行本 – 2011/3/11

4.6 5つ星のうち4.6 5個の評価

ユダヤ人大虐殺の証人として映画『ショアー』にも登場したカルスキの苦悩を第一部・二部をノンフィクション、第三部をフィクションという独創的な手法で描く。アンテラリエ賞、フナック賞。

商品の説明

著者について

1967年フランスのレンヌ市生まれ。国立プリタネ軍学校出身。教師を経て1996年作家デビュー小説Cercle(2007)で十二月賞、ロジェ・ニミエ賞、本書でアンテラリエ賞受賞。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2011/3/11)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2011/3/11
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 228ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 430922539X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4309225395
  • カスタマーレビュー:
    4.6 5つ星のうち4.6 5個の評価

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ヤニック・エネル
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カスタマーレビュー

星5つ中4.6つ
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5グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2011年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ヒトラーのユダヤ人絶滅政策のことを、連合国側はすでに知っていた。ルーズベルトも」といわれて言葉がなかった。先日、天神のバーでひとり飲んでいたら、ひとりの外国人がカウンターにすわり、静かに赤ワインをのみだした。酔いも手伝って、話しかけると、フランスの作家だという。ユダヤ人虐殺の証人、ポーランド人ヤン・カルスキのことを書いた本が、今年、日本語訳されたという。不躾に、あなたの本のオリジナリティは何か?と訊ねたことにたいする答えが冒頭の言葉だ。今まで自分から手にすることはなかった類の本だが、物静かに誠実に語るハンサムな作家に出会った手前、読む羽目になった。ユダヤ人大虐殺は、ホロコーストではなく、ショアーと呼ぶべきであること、戦時中すでに連合国側がナチスのユダヤ人絶滅政策を知っていて、何も実効ある行動にでなかったこと、ドイツとソ連という二つの軍事大国の狭間で翻弄されつづけるポーランドの悲劇、その困難な状況の中でも崇高な精神をもつヤン・カルスキのような誇り高いポーランド人は常にレジスタンスを継続していたこと、をこの本から学んだ。パリに客死したショパンの美しいピアノ曲を、その作曲家の本当の気持ちを知ることなく聴いていたような気がする。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年7月27日に日本でレビュー済み
ちょうど、この本を読み始めたとき、ノルウエーで政府の移民政策に反対するとい
う理由で政府施設の爆破とサマーキャンプに参加していた若者が射殺されるという
衝撃的なニュースが伝えられた。
国内では、東日本大震災が起こったとき、外国人を誹謗中傷するネットへの書き込
みもあったし。異文化を受け入れ、共存して暮らしていくには、どこの国(国
民)にとっても、困難が伴う。しかし、国際化が進展している現代では、世界共通
の関心事である。
ヤン・カルスキが命を賭して、欧米に伝えたかったドイツとソビエトに占領されて
しまったポーランドの厳しい状況、ワルシャワのゲットーで会ったユダヤ人の言葉
などは、当時の欧米のリーダーには、響かなかったようだ。あまりに想像を絶する
状況を前にすると人は現実を認めたくないという気持ちに支配されてしまう。
福島の原発の放射能汚染のときも、3月の事故が進行中は「直ちに影響はない」と
いう言葉を信じ、行動していたように。
過去にあった厳しい事実を現代の価値観で評価するのは、慎むべきであるが、私た
ち人の気持ちや心情は、非日常的な厳しい状況には、いつもと違う行動がまかり
通ってしまうということを肝に銘じておくべきと思う。
正しい判断ができるように、情報収集力と的確な判断力を培う努力が必要だ。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年7月25日に日本でレビュー済み
ブックフェアで割引だったので、ホロコーストのネタだという事だけを理由に買って読みました。
これはぜひとも
Story of a Secret State: My Report to the World: My Report to the World (Penguin Paperback Classics) を追加で読まないとだめですね…
ショアー は読んでます)

連合軍がアウシュビッツの存在を知った上で、何故か爆撃対象にしない不思議については、以前
他の資料を読んだ時に知ってはいました。
連合軍首脳にアウシュビッツの内情を伝えに行ったのが、まさにヤン・カルスキだったのです。

どうして
 ・ソ連軍はワルシャワ蜂起でポーランド国内軍を見殺しにしたのか?
 ・米英軍は収容所及び収容所に至る線路を爆撃しなかったのか?
 ・米英はカティンの森をナチスのせいだというソ連の主張を鵜呑みにしたのか?
 ・ニュールンベルグ裁判は何故開かれたのか?何を裁いたのか?
などの意味が分かってきます。
勝者は、必ずしも無罪では無いのです。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年7月17日に日本でレビュー済み
収容所を生き延びたユダヤ人の多くは記憶の風化と闘いながら、同時に記憶の美化とも闘った。戦後ユダヤ人は生存のための権利獲得に奔走しながらも、同胞の命を奪った収容所について痛々しい記憶を語ることを選んだ。そしてアイヒマン裁判以降、多くの証言が出るにつれハリウッド的に演出されるユダヤ人の物語にも抗った。例えば引き裂かれる家族、収容所内の絶望、ナチス将校の横暴といった誰もが安易に了解できてしまう既存の枠組みの中では、あらゆるユダヤ人を襲った固有の悲劇がむしろ隠蔽されてしまうと悟ったユダヤ人は、民族の運命がメロドラマに回収されることを望まなかった。
ヨーロッパ史を貫く長い迫害に、ナチスドイツ時代は迫害ではなく民族が消滅するという危機に、開放された戦後は記憶の消失という危機に、そしてその後は語られることの暴力に、ユダヤ人は向きあった。
他者の苦しみを言葉によって語ること自体がもつ暴力に、多くの語り手は自覚的ではない。言葉にすることはその空前絶後の記憶を他者と共有するための交換可能な用語の範疇に押し込めることであり、伝えようとする欲望と、平和な時代にはいかなるものにも表象不可能な固有の記憶との葛藤を、ユダヤ人は戦後生きなければならなかった。ランズマンの『ショアー』が問いかけるのは、語ることの不可能性と、それでも記憶に向き合わなければならない過酷な使命に他ならない。それでも、記憶の絶対化を避け、他者の記憶を言葉で語ることでしか、歴史を彼らと私たちのものにすることはできない。本書がノンフィクションとフィクションを組み合わせて語ることへの可能性を問い続ける姿勢は、フランス文学の厚みを思い知らされる。

「語るとは、死んでしまったすべてのものを生かすこと、灰に再び火をともすことだ。」
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年3月21日に日本でレビュー済み
あまりにも凄惨な<出来事>に遭遇し、それを語るための「言葉」を消失してしまった者が、それでもその<出来事>について語る/語らせることは可能なのか?それを語る歴史の「証人」とはいかなる存在であり、どのような役割を歴史や社会から課せられてしまうのか?
そして、その<出来事>によって負った傷はいかなる方法によっても治癒されてはならないこと。なぜなら治癒すること/されることは、その<出来事>の忘却を引き起こしてしまうから。治癒されぬことこそが、語り得ぬ<出来事>の忘却への唯一の歯止めであることを知るとき、私たちができることとは・・・。

「処刑柱から三メートルのところにいようと、数千キロ離れていようと、距離は同じだ。なぜなら、生きている人間が殺される人間に対して距離を感じた瞬間から、その人は卑劣を体験するのだから。・・・生きるということはつまるところ、この距離に立ち向かうやりかたでしかないのだ。あなたに言うべきことは、もうほとんどなくなった。その中で、最も大切なことが逃げていこうとする。僕はそのことについて語るのを、あとまわしにしてきた。あなたには、そんなことは不可能に思えるのだろうから。語りたいのは、まさしくその問題―僕は、不可能な体験をしたのだ。」(p.187)
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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