普通にこの本を読み出してみると、やたら読みにくて念のために原文を確認してみると翻訳の間違いがかなり多い。
なかでも驚いたのは、「ナチスは乗り越えられなければならない現実の障害だったので、事実上、ユダヤ人にとっては脅威ではなかったでしょう。」(p.110)という箇所。 そもそも文章として論理的に筋が通らないし、ナチスがユダヤ人にとって脅威でなかったなんて! 英語が分からなくてもこの文章がおかしいことは分かるでしょう。実際原文を見てみると逆の意味。これはあくまでも一つの例で他にもいっぱいあります。おそらく分からなかった箇所を無理矢理分からないなりに訳してしまったのでしょう。
原書をお勧めします。
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ジジェク自身によるジジェク 単行本 – 2005/2/19
スラヴォイ・ジジェク
(著),
清水 知子
(翻訳)
- 本の長さ243ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2005/2/19
- ISBN-104309243312
- ISBN-13978-4309243313
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2005/2/19)
- 発売日 : 2005/2/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 243ページ
- ISBN-10 : 4309243312
- ISBN-13 : 978-4309243313
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,070,388位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 298位その他の西洋思想関連書籍
- - 2,033位西洋哲学入門
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年9月9日に日本でレビュー済み
この本は、インタビューに答える形でジジェクが自伝を語り、また自己の著作(『脆弱なる絶対』等)の位置づけも行うものだ。15歳頃からマルクス主義の古典を読み始め、カント・ハイデッガー・デリダを研究した後、フランスに行ってジャック・アラン・ミレーヌの下、ラカンの精神分析を学んだジジェクの自分史が語られており興味深い。
この本のポイントは、現実界である。「自然を象徴化しますが、そのためにまさしくこの象徴化において、あなたは過剰、あるいは欠如を対称的に生み出すのです。そしてそれこそが<現実界>なのです。」という記述からも、現実界は後から事後的に生成されたある種の虚構であり、最初から核として存在しているようなものではない(実体化して考えてはいけない)。他方、「<現実界>は不可能ですが、遭遇し損ねたという点からすれば単なる不可能ではないということです。さらにその遭遇は確実に起きているのですが、私たちには直面できないトラウマ的な遭遇であるという意味で不可能」なのだが、「あなたは<現実界>に遭遇できるということ、またそれは非常に受け入れ難いものだということです。」という発言からも、通常は、出会い損ねる現実界に「遭遇することもある」という点が決定的だろう。象徴的なものを通じて、現実界へ介入することもできるのだ(そうでなければ、現実界としての精神の病の治療などできないことなってしまう)。
他にも、Kant avec Sade、ニーチェの末人、死の欲動が遺伝子的な機能不全であるとも言えること、ドルーズが映画という芸術を賞賛する理由、快原則/現実原則を超えた次元にある享楽、資本は象徴的な<現実界>(=量子物理学的な科学的な現実界)と考えられる、といったテーマで論じられており、知的好奇心のある人にはたまらない内容となっている。ラカンの精神分析は、今後の現代思想にとって決定的に重要なのだが、ラカンの勉強の仕方としては、ジジェクを読むよりも、まず、ブルースフィンクの邦訳『ラカン派精神分析入門』(誠信書房)を読むべきだろう。ジジェクは、ラカン理論を哲学的に語るのであり、哲学の教養がない人にとってはその読解が難しい。
この本のポイントは、現実界である。「自然を象徴化しますが、そのためにまさしくこの象徴化において、あなたは過剰、あるいは欠如を対称的に生み出すのです。そしてそれこそが<現実界>なのです。」という記述からも、現実界は後から事後的に生成されたある種の虚構であり、最初から核として存在しているようなものではない(実体化して考えてはいけない)。他方、「<現実界>は不可能ですが、遭遇し損ねたという点からすれば単なる不可能ではないということです。さらにその遭遇は確実に起きているのですが、私たちには直面できないトラウマ的な遭遇であるという意味で不可能」なのだが、「あなたは<現実界>に遭遇できるということ、またそれは非常に受け入れ難いものだということです。」という発言からも、通常は、出会い損ねる現実界に「遭遇することもある」という点が決定的だろう。象徴的なものを通じて、現実界へ介入することもできるのだ(そうでなければ、現実界としての精神の病の治療などできないことなってしまう)。
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