既に述べられている方もいるように本書を読むと著者
の述べた「希望は戦争」という言葉は実は「希望は内乱」
であったことがわかる。その点でいえばカール・マルクス乃至
マルキズム思想を現時点に置き換えたものということができよ
う。すなわち戦後数多くあった言説そのままに、戦争や自殺
は貧困だけがその要因であるというものでありそこには自殺学や
社会学、軍事学の介入する余地はなかったジャーナリズムなりアカ
デミズムの姿である。
著者の根本命題として強者(元弱者は除く)を批判する、という
点があり戦争及内乱、震災がレソンデートルとなっている。そこ
に介在するのはミーイズムを肯定しエゴイズムを批判するという
思想でありそして強者による言説を検討する前に強者に対する
エゴイズムからの批判こそが前提となる。
無論、強者による貧困と関連性のある言説だけが対象であり戦争や
自殺、震災そのものについてはほとんど考慮にいれられていない。
その点では一貫はしているがこんな複雑な限定的自己責任論、
限定的他者責任論、限定的ミーイズムに賛同するのはかなり難しく
ないか。勿論著者自身の経験即ち自らは優遇されていたが自らの世
代は優遇はされていなかったという時代性も考慮にいれなければな
らない。遅れてきた世代論ともいうべき著者の論は実際弱者である
若者にも、既得権益があり弱者である若者に物を買い与える
親・祖父母にも厳しい。労働経済学者大竹文雄などの言説を考慮して
もわかるように、親・祖父母の世代との格差がなくなれば真に困窮す
るのは弱者である若者である(親の貯蓄、あるいは優遇がなくなる)。
経済学とエゴイズムを接着しようという意図ならざる試みは果たして
成功するのであろうか。
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「当たり前」をひっぱたく 単行本(ソフトカバー) – 2009/3/19
赤木 智弘
(著)
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「『丸山眞男』をひっぱたきたい――31歳フリーター。希望は、戦争。」を発表し、論壇をビビらせた著者が記す、飽和するロスジェネ論を脱する時事評論集。
- 本の長さ297ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2009/3/19
- ISBN-104309244726
- ISBN-13978-4309244723
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著者について
1975年、栃木県生まれ。フリーライター。月刊誌「論座」に掲載された論文『「丸山眞男をひっぱたきたい――三十一歳、フリーター。希望は、戦争。』でデビュー。著書に『若者を見殺しにする国』(双風舎)。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2009/3/19)
- 発売日 : 2009/3/19
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 297ページ
- ISBN-10 : 4309244726
- ISBN-13 : 978-4309244723
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,303,542位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,616位社会一般関連書籍
- - 25,688位社会学概論
- - 173,884位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2010年12月12日に日本でレビュー済み
本書著者のスタンスに反対する者のうち「希望は、戦争」に対し、ひっかかるものがあるとする意見はわからなくもない。確かに、戦争となれば中小企業には大打撃であろうし、またアメリカとともにある侵略戦争の片棒担ぎ、何より国家総動員体制への無反省などにも通じよう。
しかし、それならもう一歩踏み込んで「なぜ人は戦争をやめられないのか」という命題まで掘り下げて考えてみる必要がある。その答えは一つ、強者による弱者に対する「相手が復讐したくなるほどの加害行為」が後を絶たないからだ。そして、著者も含めた「我が世代」に対する社会的な処遇、世間での風当りとしての自己責任論などは、まさにこれが当てはまる。だからこの問題を放置していれば、いずれその我慢も限界に達し、利害不一致から日本の内乱へ発展するであろうことを、想像してほしい。
それを未然に防ぐためには、本書にて批判される既得権者などの「善良な一般市民」が己の加害性を認め、ベーシックインカム・ワークシェアリングなどによる「明け渡し」の強制執行を呑むという形で謝罪表明をするしかないだろう。もちろんその中には、就職氷河期世代の親たちも含まれる。
ゆえに「親は子を必ず愛し、決して裏切らない」とする社会通念そのものも疑ってみる必要がある。まして自尊心のためだけに親になっているとすれば、我が子のイノセンス解体など当然眼中にないであろうから、なおさらのことだ。
その意味では「最も身近な人間関係にこそ暴力の芽は存在」「子どもの親は自分を最も疑うべき」とする本書の指摘は極めて正しい。すなわち、それへの「免罪符」のため、我が世代の単身男性に対し「犯罪者予備軍」のレッテル貼りという、二次的な危害を加えているという訳だ。
この他にも、情報を額面どおりには受け取らず、著者自身なりの考察で解釈するスタンスが本書には通底し、世代単位で虐げられてきた環境から、哲学のようなものを導出しようとする試みが見て取れる。
そうした著書内容についてろくに吟味もしないで、著者自身の人となりを取り上げて「自己責任論」を投げ返すかのような酷評は、よくない。
それがもし、中年以上の既得権者によるものなら逆ギレどころじゃなく、一分の理さえない逆恨みというもので、まさに「盗っ人猛々しい」である。
しかし、それならもう一歩踏み込んで「なぜ人は戦争をやめられないのか」という命題まで掘り下げて考えてみる必要がある。その答えは一つ、強者による弱者に対する「相手が復讐したくなるほどの加害行為」が後を絶たないからだ。そして、著者も含めた「我が世代」に対する社会的な処遇、世間での風当りとしての自己責任論などは、まさにこれが当てはまる。だからこの問題を放置していれば、いずれその我慢も限界に達し、利害不一致から日本の内乱へ発展するであろうことを、想像してほしい。
それを未然に防ぐためには、本書にて批判される既得権者などの「善良な一般市民」が己の加害性を認め、ベーシックインカム・ワークシェアリングなどによる「明け渡し」の強制執行を呑むという形で謝罪表明をするしかないだろう。もちろんその中には、就職氷河期世代の親たちも含まれる。
ゆえに「親は子を必ず愛し、決して裏切らない」とする社会通念そのものも疑ってみる必要がある。まして自尊心のためだけに親になっているとすれば、我が子のイノセンス解体など当然眼中にないであろうから、なおさらのことだ。
その意味では「最も身近な人間関係にこそ暴力の芽は存在」「子どもの親は自分を最も疑うべき」とする本書の指摘は極めて正しい。すなわち、それへの「免罪符」のため、我が世代の単身男性に対し「犯罪者予備軍」のレッテル貼りという、二次的な危害を加えているという訳だ。
この他にも、情報を額面どおりには受け取らず、著者自身なりの考察で解釈するスタンスが本書には通底し、世代単位で虐げられてきた環境から、哲学のようなものを導出しようとする試みが見て取れる。
そうした著書内容についてろくに吟味もしないで、著者自身の人となりを取り上げて「自己責任論」を投げ返すかのような酷評は、よくない。
それがもし、中年以上の既得権者によるものなら逆ギレどころじゃなく、一分の理さえない逆恨みというもので、まさに「盗っ人猛々しい」である。
2013年1月4日に日本でレビュー済み
論文ではなくてエッセイなのだから、(しかも1ページ程の紙面しかさけないネットに載せられていたもの)
十分だと思うけど。確かにところどころ、ん?って点はあるが、それを言い出したら他のエッセーもそうでしょう。
年金廃止論のあたりは面白かったです。
本当は☆4つくらいだけど、評価低すぎるから5個にしてみた。
十分だと思うけど。確かにところどころ、ん?って点はあるが、それを言い出したら他のエッセーもそうでしょう。
年金廃止論のあたりは面白かったです。
本当は☆4つくらいだけど、評価低すぎるから5個にしてみた。
2012年4月10日に日本でレビュー済み
著者は敵意を込めて「安定労働層」と言うが、正社員を買い被りすぎているように思う。
この本に出てくるような既得権に温々した安定労働層なんてどれだけいるんだろう。
毎日サービス残業をやり、休日も出勤。
安く使われ、いつ首を切られるかビクビクし、当然バイトの人間より求められる責任もまったく違う。
「名ばかり店長」が勝訴したのは権限も与えられずに責任ばかり押しつけられていた現実が認められたからではないのか。
そのような「安定労働層」はバイトの尻ぬぐいを数え切れないほどやってるよ。
この本では「弱者」「若者」「非正規労働層」VS「安定労働層」「経営者」という構図が使われ、著者が前者を代弁する形となっているが、この主張を「弱者」全体の主張と考え違いしないようにしたい。
この本に出てくるような既得権に温々した安定労働層なんてどれだけいるんだろう。
毎日サービス残業をやり、休日も出勤。
安く使われ、いつ首を切られるかビクビクし、当然バイトの人間より求められる責任もまったく違う。
「名ばかり店長」が勝訴したのは権限も与えられずに責任ばかり押しつけられていた現実が認められたからではないのか。
そのような「安定労働層」はバイトの尻ぬぐいを数え切れないほどやってるよ。
この本では「弱者」「若者」「非正規労働層」VS「安定労働層」「経営者」という構図が使われ、著者が前者を代弁する形となっているが、この主張を「弱者」全体の主張と考え違いしないようにしたい。
2010年5月13日に日本でレビュー済み
内容が薄すぎる。評論家になりたいのかどうかわからないが、せめてもう少し勉強した方がいい。
ネガティブな個人的感想分を読まされているようだった。
ネガティブな個人的感想分を読まされているようだった。