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縁は異なもの 単行本 – 2001/12/1
- 本の長さ237ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2001/12/1
- ISBN-104309264921
- ISBN-13978-4309264929
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商品の説明
商品説明
異分野の両者を結びつけたのは、明恵(みょうえ)上人という。明恵上人は、特異な夢の記録『夢記』を残した鎌倉時代の名僧である。夢の分析家河合隼雄が明恵を研究する過程で出会ったのが、白洲正子著『明恵上人』だった。明恵の夢を「信仰を深めるための原動力」ととらえ、「夢と日常の生活が不思議な形でまじり合」っていると述べる白洲のこの書に、河合は数ある明恵研究書の中で最も感銘を受け深い共感を覚えたという。出会いとその後の親交が、河合の前書きや思い出の記には愛情込めて書かれていて、明恵を媒介に始まった2人の信頼関係が本書に血を通わせ、河合隼雄編集による白洲正子追悼集の趣にもしている。
明恵のほか、世紀末、能、かくれ里、青山二郎、両性具有、西行など、白洲の著書から選ばれたテーマが、聞き上手の河合に導かれながら、わかりやすく展開されていく。中でも、「能の物語・弱法師 翁からの変奏曲」と題された対談では、4歳から能を舞ってきた白洲の、実際の舞台の全体にわたる演者ならではの発見に対し、たとえばシテとワキの関係についてなど、精神病者と治療者の関係に照応させながら、河合が臨床心理学的に分析し、身近な問題として肉付けする。1冊能の本を読んだくらいの内容の濃さも、話し言葉ゆえの風通しのよさで、とても読みやすい。(中村えつこ)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2001/12/1)
- 発売日 : 2001/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 237ページ
- ISBN-10 : 4309264921
- ISBN-13 : 978-4309264929
- Amazon 売れ筋ランキング: - 877,757位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 901位論文集・講演集・対談集
- - 13,300位近現代日本のエッセー・随筆
- - 80,834位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
(1910-1998)東京・永田町生れ。薩摩隼人の海軍軍人、樺山資紀伯爵の孫娘。幼時より梅若宗家で能を習う。14歳で米国留学、1928(昭和3)年帰国。翌年、白洲次郎と結婚。1943年『お能』を処女出版。戦後、小林秀雄、青山二郎らを知り、大いに鍛えられて審美眼と文章をさらに修業。1964年『能面』で、また1972年には『かくれ里』で、ともに読売文学賞を受賞している。
(1928-2007)兵庫県生れ。京大理学部卒。京大教授。
日本のユング派心理学の第一人者であり、臨床心理学者。文化功労者。文化庁長官を務める。独自の視点から日本の文化や社会、日本人の精神構造を考察し続け、物語世界にも造詣が深かった。著書は『昔話と日本人の心』(大佛次郎賞)『明恵 夢を生きる』(新潮学芸賞)『こころの処方箋』『猫だましい』『大人の友情』『心の扉を開く』『縦糸横糸』『泣き虫ハァちゃん』など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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話題は「世紀末日本」、2人ともに研究されている「明恵上人」の他、芸道など白洲さん寄りです。対談では軽口が多い河合先生ですが、やはり精神分析家。白洲さんの積年の悩みを解きほぐす回も。 1996〜99年発表のものまでで、98年に白洲さんは亡くなっているので、二人の交遊録、アルバム、を見ているようです。
白洲さんの夢に河合先生が出てくるのは、心からの信頼の表れ。白洲、河合、どちらのファンにもおすすめです。
歌舞伎「西行櫻」や、上園松園の「序の舞」は、その絵画、歌舞伎の内容を知らなくても、思わず引き入れられる。歌舞伎や舞で「序の舞」に入ると凛とした明晰な空気に包まれる。同時にシテが高らかに足踏みをする。その足運びもまた、美しい。
まさにその美をとことん、追求した人が白洲正子さん。白洲さんについては、対談者の河合隼雄氏が、その著作の中のひとつ「明恵を生きる」の中でたびたび白洲正子さんの「明恵上人」に言及している。彼が私淑していたと言って差支えがないと感じるほどである。
その白洲正子さんとの対談集である。明晰な空気のただよう、対談である。こういう日本人がいたという驚きは、上園松園にも通ずる凛としたものである。