ちょうど、リアルタイムで、デトロイトテクノを掘り下げて聴いてた所に、この本に出会い、貪るように読んでます。
ホアン・アトキンスの初期の音源には、(Model500)ですが、完全にクラフトワークとY.M.Oの影響が感じられました。
しかし、デリック・メイや、ケヴィン・サンダーソンのトラックには、全くそんな要素は見受けられなかった。
自分はデトロイトテクノのオリジネーターのこの三人の、関係性や、音楽的な差異がどのようにして発生したのかが、詳細に
ワカラナイ所があったので、この本はそれを全く詳しく解説してくれたように、思えます。
同時に、デトロイトテクノ、という、固定のジャンルとして自分が抱いていた先入観が一気にぶち壊れました。
デトロイトテクノというのは音楽の形態、形式、では無かったんですね。
ある特別なコミュニティーだったんだ。
僕は大衆音楽に関しては、黒人に勝てる人種はいないと思ってる一人です。
その証拠に、日本で浸透してる大衆音楽の基礎には、ロックやら、ジャズやら、ファンクやら、R&Bやら、ソウルやら、ハウスやら、テクノ、
エレクトロなど・・・
Y.M.Oやクラフトワーク何かも、テクノオリジネーターなのかも知れませんけど、彼らはニューウェーブなロックとしての感覚の、
バンド感覚の意識で活動してたような気がします。
DJという形態で、ディスコで、音楽を流し、ミックスを発明したのはディスコDJだったり、します。
その延長線上での意味では、シカゴやデトロイトで起きた事こそが、クラブミュージックとしての、テクノやハウスだったのかなと・・・
この本でますますそういう認識が確信に変わりつつあります。
デトロイトの都市の歴史を知る上でも勉強になりました。
デトロイトの衰退に関しては、日本も無関係じゃないんですよね。
自動車産業が衰退する事によって、デトロイトも衰退したって事は、
完全に日本車がアメ車を駆逐したという事なんですからw
テクノがテクノを駆逐し、テクノによって衰退を余儀なくさせられた都市が、再び、
別種のテクノによって再生する。
こういう物語的な所に僕はデトロイトテクノに魅力を感じるのです。
音楽のコンセプトと同時に、社会活動や運動を行うマイク・バンクスにはただひたすら敬意しかありません。
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ブラックマシンミュージック ディスコ、ハウス、デトロイトテクノ ペーパーバック – 2014/10/9
野田 努
(著)
- 本の長さ500ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2014/10/9
- ISBN-104309264948
- ISBN-13978-4309264943
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
ディスコ以降のブラックミュージックの歴史。黒人とアメリカ社会の変容をふまえつつ、ファンクやアシッド、ロックを経て、デトロイト・テクノの現在までを辿る。来るべき都市生活の倫理へと向かう、かつてない音楽-文化論。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2014/10/9)
- 発売日 : 2014/10/9
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 500ページ
- ISBN-10 : 4309264948
- ISBN-13 : 978-4309264943
- Amazon 売れ筋ランキング: - 380,291位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 525位海外のロック・ポップス
- - 609位ワールドミュージック
- - 679位ワールド楽譜・スコア・音楽書
- カスタマーレビュー:
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2013年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
soul,funk,disco,house,techno....様々なかたちで、世代の垣根を越えてsoulは受け継がれ、生き続ける。なぜブラックミュージックは変容し続けるのか。
クラブカルチャーはマイノリティーにとってどのような意味があったのか。
すべてのブラックミュージックファン、DJはこれを読まずに死んではいけない。これを読まずに、house musicを語るなかれ。
クラブカルチャーはマイノリティーにとってどのような意味があったのか。
すべてのブラックミュージックファン、DJはこれを読まずに死んではいけない。これを読まずに、house musicを語るなかれ。
2008年9月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
90年代から始まった黒人によるテクノがなぜ荒廃した産業都市のデトロイトから発展したかが、野田さんの目線から丁寧に語られる。デリック・メイが、無愛想でミニマルなビートにどうしてストリングスを応用して全く新しいポップを生んだのか、マッド・マイクが、安上がりなAKAIのMPCでどうして重厚なグルーヴで照明もないダンスフロアを革新していったのか、貴重な写真やアイテムとエピソードを知る事ができた。取るに足らない事、地下に潜った怨念まで、この21世紀のループ音楽は今の黒人のソウルを優しく語ってくれる。
2021年12月15日に日本でレビュー済み
音楽ライターの野田努さんによる、デトロイトを中心にしてシカゴ、ニューヨークまたヨーロッパで一つの音楽ジャンルとして広まったハウスミュージックとテクノミュージックについて、その発生から主に80年代そして90年代にいたるまでの歴史を詳細に解説した本です。
450ページ以上のボリュームですが面白くて一気に読んでしまいました。ハウスミュージックの中でもデトロイトのハウスが一番いいと感じていたのですが、何故デトロイトなんだろう?と常に疑問に思っていました。デトロイトというとホワイトトラッシュのさびれて荒れたイメージしかなかったのですが、本書を読んで、本当によーく解りました。野田さんには実に感謝の気持ちでいっぱいです。
でも、自分の浅はかさを感じたのは、Galaxy 2 Galaxyや、MoodyMANを聴いていて、オシャレだな、と感じていたことです。その音楽の底に秘められた黒人のタフな反抗心、切なさ、宇宙観、そして薬や殺人にない世界への願いについては、全く何も感じませんでした。これは自分に対して本当に反省したいところです。
本書がカバーした80、90年代のその先の2000年以降のダンスミュージックの変遷についてもきっちりと知っておきたいと思いました。
450ページ以上のボリュームですが面白くて一気に読んでしまいました。ハウスミュージックの中でもデトロイトのハウスが一番いいと感じていたのですが、何故デトロイトなんだろう?と常に疑問に思っていました。デトロイトというとホワイトトラッシュのさびれて荒れたイメージしかなかったのですが、本書を読んで、本当によーく解りました。野田さんには実に感謝の気持ちでいっぱいです。
でも、自分の浅はかさを感じたのは、Galaxy 2 Galaxyや、MoodyMANを聴いていて、オシャレだな、と感じていたことです。その音楽の底に秘められた黒人のタフな反抗心、切なさ、宇宙観、そして薬や殺人にない世界への願いについては、全く何も感じませんでした。これは自分に対して本当に反省したいところです。
本書がカバーした80、90年代のその先の2000年以降のダンスミュージックの変遷についてもきっちりと知っておきたいと思いました。
2010年8月16日に日本でレビュー済み
いい本だ。 世の中には、いい本と悪い本の二種類しかない。 これは、いい本だ。 短い文章でこの本について書くことはかなわない。 作者の音楽への愛が満ち溢れ、そして音楽に興味がない人にすらその魅力を囁きかける。 そういえば僕が一番最初に買ったCDはアース・ウィンド・アンド・ファイヤーだった。 曲を聴いて、かっこいいと思った。 それから、ソウルミュージック、ダンスミュージック、トランス、レゲエと聴くようになった。 自主的に音楽を聴くようになった始まりであり、それはすべて黒人音楽だった。 黒人の差別の歴史は想像を超える。 人類の歴史がはじまって以来、ほとんど差別され、排除されてきたのだ。 白人社会のなかでつけを背負わされ続けた黒人たち。 この本書で語られるのは、そんな黒人と音楽との歴史。 そして、黒人を自分たちの枠で飼いならし、つけを背負わせようとする白人社会の歴史だ。 本書について語る言葉はない。 ただ、いい本だとしかいうしかないのだ。
2009年5月12日に日本でレビュー済み
誰も書かなかった、ホントにわかる「4ツ打ち本」。
しかも、コレが翻訳ではなく、日本人の方によって書かれているというのが
驚嘆です。逆に、英訳で世界発売してください。いや、世界中のDJもクラウドも
こういうの待ってたと思う。
編纂も、時系列で順番に・・・という歴史・教科書的ではなく、今日にそのつど
繋げて書かれているのもスゴいです。
すべてのDJ、すべてのクラバー、そしてかつてのクラバーの方々必読です。
いや、すべての音楽好き、すべての夜遊び好きの方々にも・・・
さらには、ひとりでPerfume聴いて深夜狭いワンルームで踊っている方々や、新宿
ニチョ関連の方々、すべてのジャンルのオタクの方々、私、あなたにも・・・
DJの方々は、コレを読む前と読んだ後では、イベントの晩に持ってゆく音源が変わるかもしれません。
4ツ打ち、強しッ!!
しかも、コレが翻訳ではなく、日本人の方によって書かれているというのが
驚嘆です。逆に、英訳で世界発売してください。いや、世界中のDJもクラウドも
こういうの待ってたと思う。
編纂も、時系列で順番に・・・という歴史・教科書的ではなく、今日にそのつど
繋げて書かれているのもスゴいです。
すべてのDJ、すべてのクラバー、そしてかつてのクラバーの方々必読です。
いや、すべての音楽好き、すべての夜遊び好きの方々にも・・・
さらには、ひとりでPerfume聴いて深夜狭いワンルームで踊っている方々や、新宿
ニチョ関連の方々、すべてのジャンルのオタクの方々、私、あなたにも・・・
DJの方々は、コレを読む前と読んだ後では、イベントの晩に持ってゆく音源が変わるかもしれません。
4ツ打ち、強しッ!!
2006年3月25日に日本でレビュー済み
この本はいい本です。これまで自分が読んだ音楽評論ものの本の中で一番いい。自分は正直デトロイトテクノの熱心なリスナーという訳ではなく、80年代ニューウェーヴとハウス系が好きなのだが、それでもこの本は何度読み返しても飽きが来ない。それは、テクノという音楽の背景にある生き方や哲学に著者の目線が向けられているからだと思う。
この本を貫くテーゼは「シリアスなダンスミュージックとは、社会的抑圧に対する(黒人やゲイなどの)マイノリティによるリアクションである」ということだ。もちろん、ダンスミュージックにもお金儲けの道具・子供騙しのおもちゃ・体に悪い砂糖菓子的なものも存在するが、それらと良質なダンスミュージックとの間に線を引くとしたら、おそらくそういった部分(作り手の動機や、音楽を媒介として伝えたかったメッセージ)が基準になるのだろうと思う。そしてそれは社会的抑圧によって傷つけられた心を癒したり、「自分は一人ぼっちじゃない」と気付かせてくれたり、生きる喜びを再発見するきっかけになったり、というポジティヴな機能を持ちうる。
ここまで書いてきてふと思ったのは、ゲイカルチャーや黒人文化においてダンスミュージックが担ってきたのと同様の機能を持つ装置を、在日や部落などの他のマイノリティの文化の中に見いだすことは果たして可能なのかということ。そういった「ガス抜き」の装置の有る無しで、組織的運動の中身は確実に変わってくるはずだから。
自分は社会運動が更なる抑圧を産み出す装置に転化しないためには、できるだけ「快」の刺激を取り込む必要があると考えていて、そうしないと結局全てマルクス主義者的な暴力肯定に至るような気がするのだけれど、そういった点でもこの本の内容は多くの示唆を含んでいると思う。
この本を貫くテーゼは「シリアスなダンスミュージックとは、社会的抑圧に対する(黒人やゲイなどの)マイノリティによるリアクションである」ということだ。もちろん、ダンスミュージックにもお金儲けの道具・子供騙しのおもちゃ・体に悪い砂糖菓子的なものも存在するが、それらと良質なダンスミュージックとの間に線を引くとしたら、おそらくそういった部分(作り手の動機や、音楽を媒介として伝えたかったメッセージ)が基準になるのだろうと思う。そしてそれは社会的抑圧によって傷つけられた心を癒したり、「自分は一人ぼっちじゃない」と気付かせてくれたり、生きる喜びを再発見するきっかけになったり、というポジティヴな機能を持ちうる。
ここまで書いてきてふと思ったのは、ゲイカルチャーや黒人文化においてダンスミュージックが担ってきたのと同様の機能を持つ装置を、在日や部落などの他のマイノリティの文化の中に見いだすことは果たして可能なのかということ。そういった「ガス抜き」の装置の有る無しで、組織的運動の中身は確実に変わってくるはずだから。
自分は社会運動が更なる抑圧を産み出す装置に転化しないためには、できるだけ「快」の刺激を取り込む必要があると考えていて、そうしないと結局全てマルクス主義者的な暴力肯定に至るような気がするのだけれど、そういった点でもこの本の内容は多くの示唆を含んでいると思う。
2003年9月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これはデトロイト・テクノの本である。本書の半分近くがハウス、そしてその起源のファンクやソウルの丁寧な解説に占められているのは、それがデトロイトの歴史をつまびらかにするとき避けては通れない道だからである。
デトロイトのサウンドが、距離的にも近いシカゴのハウスシーンにいかに触発され、その後一個の「デトロイトブランド」として独立するに至ったか、その過程が国内屈指のデトロイトマニア、野田努の丹念な取材により詳細に描かれている。
ただしディスクガイドは無し。実用的というよりも長い物語を読む心地である。本書を最も楽しく読めるのは、ハウスの歴史、そしてなによりもデトロイトの歴史を知りたいデトロイトマニアであろう。ちょっと高過ぎるのが玉に傷。
デトロイトのサウンドが、距離的にも近いシカゴのハウスシーンにいかに触発され、その後一個の「デトロイトブランド」として独立するに至ったか、その過程が国内屈指のデトロイトマニア、野田努の丹念な取材により詳細に描かれている。
ただしディスクガイドは無し。実用的というよりも長い物語を読む心地である。本書を最も楽しく読めるのは、ハウスの歴史、そしてなによりもデトロイトの歴史を知りたいデトロイトマニアであろう。ちょっと高過ぎるのが玉に傷。