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瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか 単行本 – 2006/3/25
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2006/3/25
- ISBN-104309268897
- ISBN-13978-4309268897
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2006/3/25)
- 発売日 : 2006/3/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4309268897
- ISBN-13 : 978-4309268897
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,417,554位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,081位将棋 (本)
- - 128,617位エンターテイメント (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1969年愛知県生。名古屋大学工学部電気学科中退。ライター、エディター。電子雑誌トルタル編集長。
1995年「月刊近代麻雀ゴールド」「月刊GON!」誌でライターとして活動開始。その後雑誌、ムック、webなどに幅広いジャンルの記事を取材・執筆し、2004年12月に初の著書「アホウドリの糞でできた国ナウル共和国物語」(寄藤文平との共著)を出してからは、単行本も手がけている。著書以外に、後藤元気編「将棋エッセイコレクション」(ちくま文庫)「続・次の本へ」(苦楽堂)にコラムを執筆。
編集協力・執筆協力・構成で関わったおもな単行本は「これだけは知っておきたい世界の宗教 知識と謎80」竹内睦泰、「報道できなかった自衛隊イラク従軍記」金子貴一、「上野の山はパンダ日和」佐川義明、「テレビで言えなかったニュースの裏側!」岩田公雄、「裏切りの流儀」高田純次・茂木健一郎、「病気にならない体をつくるドライヤーお灸」川嶋朗、「あなたらしい運命を引き寄せる「感じる力」」キース・ビーハン、「ふくらはぎケアマッサージでお悩み解決!」川嶋朗監修・室谷良子指導、「食べても太らない!糖質ゼロの健康法」釜池豊秋、「ネガティブな気持ちが消える方法」ダフニ・クロス、「ゴルフ週刊誌のFacebookが日本一になった理由」広瀬有二、「TOKYO図書館紀行」「TOKYO研究所紀行」「TOKYO本屋さん紀行」、「夢をつなぐ」松本薫、「エアコンを3℃上げれば寿命が延びる」川嶋朗、「東大物理学者が教える考える力の鍛え方」上田正仁、「ロコトレ健康法」石橋英明、「メイド・イン・ジャパン世界にほこる日本の町工場」3〜5、「まんがと図説 般若心経をよむ」、「マンガでわかるイギリスの歴史: 一気に読み解く! 世界史を変えた人物列伝」、「バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。」鈴木琢也、「人生が変わる! 無意識の整え方」前野隆司、「調味料検定公式テキスト」、「なるほど! ザ・民族図鑑」島崎晋、「マンガと図解これからの東洋医学」、「心と身体のパフォーマンスを最大化する 「氣」の力」藤平信一、「無意識と「対話」する方法」前野隆司・保井俊之、「自分を動かし続ける力」鈴木琢也、「あなたのチームがうまくいかないのは無意識の思いこみのせいです」守屋智敬、「図解これだけは知っておきたいAI(人工知能)ビジネス入門」三津村直貴、「自分で治す!下肢静脈瘤」岩井武尚、「フタバスズキリュウ もうひとつの物語」佐藤たまき、「正解のない難問を解決に導く バックキャスト思考」石田秀輝・古川柳蔵など。その他ペンネーム、クレジット無しの著書・編著もあるが、それはナイショ。
2010年5月より、インディ電子書籍レベール"カナカナ書房"をスタート。電子雑誌トルタルを創刊するなど、ボーン・デジタルな電子書籍も多数、手がけている。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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「苦労して三段リーグを抜けた人のことを考えると例外は認めたくない」
「プロより強くても三段リーグを通過していないから女流棋士は正会員ではない」
「プロより強い奨励会員でも三段リーグを勝ち抜かないとプロになれない」
2017年の今になっても、上記の問題は解決されていないことに驚きます。
といってもかつて特例として26歳以上でプロ入りしたのは一人だけ(それもかなり昔)。それは将棋連盟、そして将棋界全体を相手にする戦いだった。
保守的な将棋連盟なのでプロ入りの件を議題にさせるだけでもおおごとで関係者の苦労が綴られています。
地味な展開も続きますがあきずにスーっと読めました。
そしてプロ棋士への編入試験として六番勝負をとり行うことに決定。ここまでくるだけでも大変だったけどここからプロ棋士相手に3勝以上とらねばならない。
その戦いもきっちりかかれていて読みながら力が入る。
プロ入りがかかった一生に一度の大舞台で瀬川のプレッシャーもきついけど相手するプロ棋士にもそれぞれ期するものがあって負けられない・・・まさに格闘技のような戦い!
3勝あげたあとの会見で瀬川は「ここで泣いたら一生泣き虫と呼ばれる」と涙をこらえたけど自分はジョナサンでランチ食べながらホロホロと泣いてしまいました。
瀬川万歳。
逐一書いている。得に参段の奨励会を抜けられず
退会した時、棋譜を全部処分したというエピソードは
胸を突く。(まあたぶん全部覚えていると思うが・・・)
そしてこれを読んでいると、プロ棋士が苦労して
奨励会を抜けてプロ棋士になるという、今までそれしか
なかったプロへの道がアマに開かれたことになる。
私としては、Y、S、K、H氏などはプロになるべき存在
だと考えているが、ご本人がそこまでは考えていないのかも
しれない。
だが、瀬川氏の言うとおりこれはある意味「奇跡」である。
私も瀬川氏がプロになってほしかった一人だが、61年ぶりで
プロ棋士もさぞ嫌だったにちがいない。(棋士総会の票をみればわかる)
だが、アマのレベルは確実に上がり、プロとアマの境があいまいに
なってきていることも事実である。
将棋の神がいるとして今の日本将棋連盟をどう思うだろうか?
頑なな態度を少し緩めて瀬川氏をプロにしたことを喜んでいるだろうか?
将棋は序盤が全て。その証拠が藤井システムであり、穴熊などは
もはや過去の遺物となりかけている。(藤井システムは消滅しつつ
あるという専門家の意見もあるが(将棋世界4月号「藤井プロのコメント参照」)やはり素直に組めなくしたというだけでも意味のあること
である。実際急戦や亜急戦、準急戦だって増えている。
あなたもこれを読めばもしかしたら・・・
第2、第3の瀬川氏を増やし今のプロ棋界に一石投じてみては
どうだろうか?
ただのサラリーマンではなく、奨励会に入っていて、もともと強い人だったというのを初めて知りました。
瀬川さんのために、瀬川さんの「夢」のために、とても大勢の人が、協力していたのがよくわかります。連盟に署名を募って出すか出さないかも、プロとアマの対立を煽ることになるからやめる、という決断をされた箇所で、どうして彼がこんなに親身に周りからサポートされるのかわかった気がしました。
連盟内部の人、プロ棋士、アマチュア強豪、新聞記者、一般の人、そうして瀬川さんが、それぞれの立場で、それぞれの思いを抱えて、ひとつの「夢」を結実させるため、反対の立場にある人とねばり強く交渉していく、そのうねりがすごく大きく感じられました。
ただ、対戦相手に女流棋士を指名したくだりで、分量は少ないけれど、けっこうつっこんだ内容が書かれており、将棋連盟がどれだけ女流を差別し、無視してきたかよくわかり、アマと女流をぶつける、という弱者どうしのかあわせを、話題性を優先して選んだその冷酷さを今あらためて感じています。
北京五輪で気を吐いた女子サッカー、なでしこジャパンの気迫、勇気、情熱と同じものを、女流棋士たちもずっと胸の中で燃やしていて、その代表として挑み、仲間のために、と勝負した彼女が惜しくも敗北してしまったところで、涙が止まりませんでした。
連盟がいかにサポーターやスポンサーに背を向けていたかも、ここまで書いていいのかと思うくらいつっこんで書かれており、瀬川さんをひとつのシンボルに使って「改革」を進めた連盟サイドの思惑も、スリリングです。
プロになる夢をかなえた瀬川さんですが、だからといって常勝将軍になったわけではなく、戦績はむしろ地味なほどですが、でも、将棋を愛し、将棋のために必死になりながらも、自分の生活を楽しんで、イベントなどでも、親切で温和で、とてもきちんと、気持ち良く対応してくださる、人として素晴らしい方です。
瀬川プロ、と呼んで、自然に尊敬できる棋士がいてくれることが、本当に嬉しくなります。本書以外にもご本人、連盟、棋士、他のライターさんが書いた関連の本がいくつもあります。それぞれ読んで、視点の違いで、物事はいかに違って見えるかを学ぶことも、とても興味深く、生きた教材として楽しみ、学ぶことができます。
著者の、神経の研ぎ澄まされた見事な日本語が、的確で綺麗で、取材結果の取捨選択もバランスが良く、すばらしい内容でした。
瀬川プロ、これからもがんばってください。
ただ瀬川さんがプロに編入できた。当然それだけではないわけで。
その背景には将棋連盟の収入の減少、棋士間の思惑などさまざまなものが入り組んだ複雑な問題だったことがよくわかります。
瀬川さんのプロ入りも将棋連盟としては世間の注目を浴び、将棋に興味を持たせるイベントとしての役割があり、また本人もそれを自覚していたのだな、とよくわかりました。