いみじくも著者が語っているように、これは「七十年代の青春群像」としてとても面白かった。似たような話がこの日本中、そして世界中に散らばっているに違いない。ただ、その主人公としての役割を果たしている人の人生はとてつもなく厳しいものだろう。芽が出ずに終わった、脇役に過ぎなかった人達はある意味幸運かも知れない。その後、平凡な人生を送ったとしても思い出、そして、懐かしい話でケリをつけられるはずだ。しかし、一瞬でもそのきらめきを放った者にとっては、残りの人生は本当に長い長い旅路になるだろう。山平和彦はこの物語の主人公として、何を考え引退後の人生を歩んでいたんだろう。そして、どういう思いで復活したのだろう。25年の空白の間も本当は歌いたかったに違いない。歌いたくて歌いたくてどうしようもなかったに違いない。歌手というよりは天性のアーチストだった山平が、その思いを押し殺してきた時間の長さに思いを馳せるとやりきれない気持ちでいっぱいになる。本当に繊細で優しい人だったんだろうな。
不謹慎だと思うが、本当に事故死だったのだろうか?
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放送禁止歌手 山平和彦の生涯 (放送禁止歌手 山平和彦の生涯) 単行本 – 2012/4/24
和久井 光司
(著)
アルバム『放送禁止歌』の2曲が猥褻とされ発売禁止。長い沈黙を破り復活を遂げた矢先、ひき逃げ死……時代の揺らめきを不器用に歌い上げた伝説のフォークシンガーを追う。重松清氏推薦!
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2012/4/24
- ISBN-104309273157
- ISBN-13978-4309273150
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2012/4/24)
- 発売日 : 2012/4/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 285ページ
- ISBN-10 : 4309273157
- ISBN-13 : 978-4309273150
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,166,757位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 54,216位音楽 (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2012年8月26日に日本でレビュー済み
最近、偶然カラオケに行って歌ったら歌を歌いたくなった。それでレンタルショップでcdを借りてきたのだが、なかなか適当な歌がないことに気づいた。それで、山平さんの歌を口ずさんでいたら、これは歌えるのだ。思ってみれば日本の大衆音楽の担い手達はほとんど全て、外国から借りてきたイメージで音楽を作ってきた。その点に関しては加藤和彦もはっぴーえんどもユーミンも全てそうである。それは悪いことではないし、自然なことでもある。ただ、ともすればそれらの音楽はリアリティーが希薄になりがちである。その一方で伝統的な邦楽(雅楽、民謡)は現代の生活においてなかなか接点を持ち得ない。このジレンマはいつしか存在しないように隠蔽されてしまったが、しっかりと存在している。そうしたジレンマとは無縁の音楽を作り得たほとんど唯一の存在として山平和彦は歴史にその名を刻まれるべきだ。
”太古の魚がひれを振って笑い、しぶきは跳ね返って神様の足を濡らす”と歌い、最後は”うどんとそば粉は違うもの”と、まるで日本古来の酒宴を盛り上げるかのような彼のライブパフォーマンスはまことにあっぱれであり、感動的だった。この本には信じられないことにいっさい取り上げられていないが、アルバム「風景」に収められている「抱擁」をぜひ聴いてもらいたい。その神々しさたるや!
”太古の魚がひれを振って笑い、しぶきは跳ね返って神様の足を濡らす”と歌い、最後は”うどんとそば粉は違うもの”と、まるで日本古来の酒宴を盛り上げるかのような彼のライブパフォーマンスはまことにあっぱれであり、感動的だった。この本には信じられないことにいっさい取り上げられていないが、アルバム「風景」に収められている「抱擁」をぜひ聴いてもらいたい。その神々しさたるや!