実は橋本治氏という方を知らず、桃尻娘というタイトルはその昔聞いたことはありましたが未読です。
この度この本を手にしたのは、つまりロバート・ヴォーン氏が亡くなったのですが、
こんなダジャレのタイトルをつけている本って、どんな本？どんな著者？と思ったから、なのでした。
読んでみるとうちの夫くらいの世代の方で（1940年代生まれ）、話題が私とも少しかぶるので面白かったですが、
大変に文科系の知的な感性を感じ、うちの夫は同じころの世代でも理科系でいつもガハハと笑っている感じなので、
こんな全然違う内面の男性もいるんだなー、と頭がもみほぐされる感じでした。
50個の話題について縦横に話されているのですが、
その主張や知的レベルが緻密だったり、ありきたりな意見と比べてユニークだったりすることと、
多分著者の性格による、語り口の微妙な立ち位置？があって、私にはわからないこともいっぱいあったけど
いろいろ知ったり味わったりすれば、浪速の昆布の佃煮、みたいに、噛めば噛むほど新たな発見がある！というような
文章である感じはします。
いろいろな気づき＆発見がありましたが、特にうれしかったのは、映画のアマデウスを見て、よくこの映画はサリエリの映画と言われるけど
モーツァルトこそ素晴らしく描かれていた、と言っていたことと、
日本の文壇について、ちらほら書かれていたことが、
私は外国語得意でないのに、日本の小説や文章にほとんど感動や面白さを感じず、
海外の小説や著作の翻訳ものばかりに心躍らせられる、その理由がなんとなく謎じゃなかったんだ、
と思えたところが、うれしかったです。
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