え、「きょうのできごと」?、うん読んだ読んだ、ブクレコでラムネゆう人が褒めてはったやつでしょ、良かったわー、久しぶりに前のめりで読んだわ。ええー、本読むのんが久しぶりやろって、ほっといてんか、余計なお世話や、ま、ええけど。
どこがよかった?そら全部。ほんわかしてて何も怖いこととかびっくりするようなこととか起こらへんやん、出てくる子みんな性格や考え方はちゃうけど普通の子ばっかしで、ほほえましかったわ。それにな、真紀とかけいととかちよとか、しゃべってる言葉がうちらとホンマ一緒やん、そやから性格は三人三様なんやけど、すっごう気持ちわかるねん、ほら、なんてゆうの、そっ、それそれ「感情移入」。
でも逆にゆうたら、関西以外の人でこの子らの台詞のびみょーなニュアンス理解できるんかなあ。え、そら普通の関西弁はもう全国区やとおもうよ、けどテレビとかで関西芸人のしゃべる大阪弁て誇張されててどぎついやん、あんな風にいつもしゃべってると思われてたら嫌やわ、うち。それにな、活字で発音ってわからんやん。例えばって?そやなー、けいとがな、突っ込まれて「ちーがーうって。」ってイラついて返すとことか、真紀ちゃんに「だってラブラブやもん」ってのろけられて「知ってます」って返すとことか、絶対に関西に住んでないと発音わからへんわ、あんたもそう思わへん?思うやろ、思うって言いなさーい。
まあええわ、ほかに聞きたいことある?男で誰が良かったかって、ベタな質問するなああんたも。そやなあ、ええ人過ぎて頼まれごとや約束に縛られすぎて肝心の恋人に愛想つかされてしまうかわち君、ああゆう人おるなあて思たなあ。そら、むかつくちよちゃんの気持ちもわかるよ、けどなんも天王寺動物園に置いてけぼりにせんでもなあ。かわち君は知らんこどもに「なにしてんの?」って聞かれてちょっと考えて「なにしてんねんやろうなあ」って答えるんよ。ちょっと可哀想やったわ。
そうそう、それで思い出してんけど、カラオケ屋台。あったよねー。そうそう動物園の横の美術館へ行く通路の途中の露店みたいなカラオケ屋。ほんまぎょうさん並んでたなあ。昼間っからおっさんやおばはんが酒呑んで歌とてたやん、ちょっと怖かったわ。だいたい道の名前が「フェルメールの小径」やで、おっさんらには気の毒やけど、カラオケ屋台はないわなあ。イッセイ撤去されたて聞いてたけどホンマやで、こないだ美術館へ行ったらもう影も形も無かったわ。
え、まだ聞くの、もうつ・か・れ・ま・し・た。まあええわ、えっ作者の感性で共感できたとこ?そんな難しいこと今頃聞く?まあええわ、特別に答えてあげましょ。けいとって私に似てるなと思たわ。小学校のときに今日と明日の境目はどこにあるんやろって悩んでて、夜更かしの友達に「そんなもん知らんのか、十二時から明日やぞ」ってゆわれてびっくりするとことか、酔っ払ってかわち君にかまってほしくて「あんなあ、酔うてるときって卵の中におるみたいな気がせえへん?、せえへん?」って一生懸命話しかけるとことか。せえへん?を二回繰り返すとこがすっごうかわいいわぁ。
けなすとこ?結局なに言いたいのかさっぱりわからんとこかなあ?でもな、それでええと思わへん?こうゆーのって、けっきょくうちらも大学時代にようあった普通的日常やん。それを小説に出来て、映画にまでしてもらえる人ってめちゃラッキーやん。羨ましいわ。え、書けそうで書けんもんやて?そらそやけどな。
あっ、そうそう、一つだけおかしいとこあったわ。どっかの環状線の駅でな、けいとと中沢君ともひとりがどこいこかって延々悩んでるんやけどな、「梅田」いこってゆうねん。環状線はJRやから「梅田」やのうて「大阪」やんな、ちゃう?え、どうでもええやん、って。あんたこんなに聞かせてもろて最後にそれ言う?信じられへん、あんたにもかわち君みたいに「なにしてんねんやろうなあ」言わせたろか?嫌やったら女の子にはもっと気を使いなさい。え、もう女の子ゆう年とちゃうって?知ってます!
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きょうのできごと (河出文庫) 文庫 – 2004/3/5
柴崎友香
(著)
きょうもこの惑星のどこかで、だれかとだれかが出会いすれ違う。京都の夜に集まった男女が、ある一日に経験した、いくつかの小さな物語。やさしくてせつなくてきらきらした恋愛宇宙があなたを誘う!
- 本の長さ189ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2004/3/5
- ISBN-104309407110
- ISBN-13978-4309407111
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2004/3/5)
- 発売日 : 2004/3/5
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 189ページ
- ISBN-10 : 4309407110
- ISBN-13 : 978-4309407111
- Amazon 売れ筋ランキング: - 594,972位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1973年、大阪府生まれ。大阪府立大学卒業。
99年「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」(文藝別冊)でデビュー。
2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞・織田作之助賞大賞、10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、14年『春の庭』で芥川龍之介賞を受賞。
著書に『きょうのできごと』(行定勲監督により映画化)、『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』、『主題歌』、『星のしるし』、『週末カミング』、『ビリジアン』、『わたしがいなかった街で』、『千の扉』『公園へ行かないか? 火曜日に』『よう知らんけど日記』など。『寝ても覚めても』が映画化され、2018年9月1日公開、カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式招待作品。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年5月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画化ということで読んでみたけど、予想よりはるかに面白かった。台詞が全部関西弁ということだけど、関西弁をよく知らない人にも気軽に読める本だと思う。「きょうのできごとのつづきのできごと」も意外に面白い。読んでいて何度も笑ってしまった。普通の小説は「飾りの言葉」を普通に使っているが、この本はそういったものがどこにも見受けられない。そのせいかいつの間にか自然に登場人物に感情移入している。その感情移入で登場人物の行動が自然に自分のものに感じてしまう。 特別なことを何一つしていない。その一点だけでも読んでいて、疲れすら感じない、と言うよりも感じさせない柴崎さんの書き方はとても素晴らしいと思う。 しかし登場人物5人の視点、だけならまだしも、それぞれ時間軸もずれているので何回か読まないとその辺の整理はできないかもしれない。だけど読み始めるととそんなことはすぐに頭から離れてしまう。そういったことを気にさせない本はそうそう無いと思う。ぜひとも一読をお勧めしたい。
2019年5月15日に日本でレビュー済み
関西人で恋愛小説などが苦手な人には向かない 緻密で日常で豊かで物悲しい、文章力というより構成力というか水のような流れの話 嫌味な部分もなくストレートに明るく元気な関西娘の日常が味わえる 関西弁の女の子が可愛いと思う男女は読むべき 出てくる男女はみんな可愛い関西の子
2018年6月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2000年に書かれたもの。単行本の表紙がいま見ると古臭い。懐かしくも思える。登場人物は5人の若者。5人のひとりひとりを主人公としたエピソードが繋がっていく、オムニバス形式の小説。全体にオフビート。非日常なことは何も起こらない。この小説とだいたい同じ内容の1日を過ごした5人は日本中を探せば1組みぐらいいるだろう、という感じ。でも、なんか良い。
はっきりとしたことは言えないけれど、小説の登場人物と同じ大学生とか高校生とかが読むのと、青春時代を懐かしく思い出す人とか、ちょっと社会に疲れてきた人が読むのとでは感じ方が大きく変わってくると思う。どちらがよく読めるかは分からないけど、なんとなく大学卒業して、大学時代の友人とも疎遠になって、仕事は楽しいけど、でも大学時代も懐かしいなと感じているひとが読むと、ぐっとくる気がする。
たとえば、一緒に遊ぼうって言っているのに、段取りも悪くってなかなか進まなくって、一緒に家飲みしてても、ひとり変に酔っ払っている奴もいて、だらだらだらだら続いていく感じが青春で、何があったというわけじゃないんだけど、なんか楽しかったというのが青春で、そんな感じがよく書けていると思った。
はっきりとしたことは言えないけれど、小説の登場人物と同じ大学生とか高校生とかが読むのと、青春時代を懐かしく思い出す人とか、ちょっと社会に疲れてきた人が読むのとでは感じ方が大きく変わってくると思う。どちらがよく読めるかは分からないけど、なんとなく大学卒業して、大学時代の友人とも疎遠になって、仕事は楽しいけど、でも大学時代も懐かしいなと感じているひとが読むと、ぐっとくる気がする。
たとえば、一緒に遊ぼうって言っているのに、段取りも悪くってなかなか進まなくって、一緒に家飲みしてても、ひとり変に酔っ払っている奴もいて、だらだらだらだら続いていく感じが青春で、何があったというわけじゃないんだけど、なんか楽しかったというのが青春で、そんな感じがよく書けていると思った。
2015年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
柴崎友香さんの『春の庭』は大好きなのですが、『きょうのできごと』はわたしにはいまいち心に響きませんでした。
2009年6月23日に日本でレビュー済み
10代にしか聞こえない音がある、と聞いたことがありますが、
10代とか20代前半により響く小説、というのもあるのでしょうか?
この本を読んでそう思いました。
自分が関西弁を使うわけでも、関西方面に詳しいわけでもなかった、という
のもあげられるかも知れませんが、
特にクライマックスのない、たらたら〜、とろとろ〜、という感じで
最後まで読むのが苦痛でした。
そして。
巻末の保坂和志さんという方の解説・・・。
なんだか解説がとても独りよがりで、う〜ん、という感じでした。
好き嫌い、人それぞれ好みがあると思いますが、
私はもっと流れがあったり、アップダウンがあり、
何かヒントとか、心にぴかっと光るものを得られる小説が好きです。
これは私にとってはそういう類のものではありませんでした。
10代とか20代前半により響く小説、というのもあるのでしょうか?
この本を読んでそう思いました。
自分が関西弁を使うわけでも、関西方面に詳しいわけでもなかった、という
のもあげられるかも知れませんが、
特にクライマックスのない、たらたら〜、とろとろ〜、という感じで
最後まで読むのが苦痛でした。
そして。
巻末の保坂和志さんという方の解説・・・。
なんだか解説がとても独りよがりで、う〜ん、という感じでした。
好き嫌い、人それぞれ好みがあると思いますが、
私はもっと流れがあったり、アップダウンがあり、
何かヒントとか、心にぴかっと光るものを得られる小説が好きです。
これは私にとってはそういう類のものではありませんでした。
2008年6月2日に日本でレビュー済み
のっけから何ですが、私は反吐が出るほど角田光代の小説が
嫌いです。
柴崎友香はふと手にとって読んでみたんですが
(映画化のことも知らなかった)、角田光代がこれほど嫌いで
柴崎友香の小説にこれほど心洗われる思いがした、という点に
自分でも意識したことのない自分のこだわりや軸みたいなもの
があるような気がしました。
この人の作品には、人や世界のありようを本当に信頼する力
がある。人や世界のありように、もちろん真っ向から戦おう
とする姿勢も正しいと思う。私が反吐が出ると思う小説は、
そういう信頼や戦意を、〆切のために量産する小説のプロットの
小道具に使って平気でいるような作家が書いたものです。
作品の中の空気が、つくりものでなく、作家本人が生きて
感じた経験から生まれた本物だということが、わかる人には
わかるはず。
嫌いです。
柴崎友香はふと手にとって読んでみたんですが
(映画化のことも知らなかった)、角田光代がこれほど嫌いで
柴崎友香の小説にこれほど心洗われる思いがした、という点に
自分でも意識したことのない自分のこだわりや軸みたいなもの
があるような気がしました。
この人の作品には、人や世界のありようを本当に信頼する力
がある。人や世界のありように、もちろん真っ向から戦おう
とする姿勢も正しいと思う。私が反吐が出ると思う小説は、
そういう信頼や戦意を、〆切のために量産する小説のプロットの
小道具に使って平気でいるような作家が書いたものです。
作品の中の空気が、つくりものでなく、作家本人が生きて
感じた経験から生まれた本物だということが、わかる人には
わかるはず。
2012年3月26日に日本でレビュー済み
柴崎友香のデビュー作品。
デビュー後、10年を経て初めて出会ったわけですが、
もっと早く出会っておけばよかったと思いました。
昨日読んで、今日レビューを書いていますが、昨日ならば
☆3つでしょう。1日経つと4つになる、そういう小説
です。
作品の中では、何も事件は起こりません。ただ、若い男女
の他愛ない1日が、各登場人物の視点で語られてゆくのみです。
付箋を挟んで、抜き書きしたくなるような印象的な台詞や
描写もなく、淡々とそれぞれの心の動きや「観たもの」が
描かれてゆきます。これが、結構後に引きます。
何も書かれていないようで、きっちりと人間性や人生に出会う
ことができるのです。
どこかのブログにある日記とどこが違うのか、これが文学
なのか、どこに面白さがあるのか、退屈でしかたがない、
という感想を持たれる方が多数おられるのは想像に難くあり
ません。
これは、好き嫌いの問題、というよりも「合う合わない」と
いう相性の問題に近いのかもしれないですね。
保坂和志氏の解説にこうあります。
「ちょっとだけ目新しい書き手は簡単に発見できるけれど、
柴崎友香はもっとずっと異質な書き手だからその新しさに
気づくのが難しく、読み手自身の力量が問われることになる。」
(187ページ)
私は、保坂ファンなので、言わんとすることはわかりますが、
これを鵜呑みにする必要はありません。
小説に、もっと物語性を、スリルを、娯楽性を、あるいは
人生訓を求められる読者には、物足りないのは確かですから。
文章そのものを楽しみたい、物語ではなく真の意味での
小説を味わいたい方には、お薦めできる作品といえましょう。
デビュー後、10年を経て初めて出会ったわけですが、
もっと早く出会っておけばよかったと思いました。
昨日読んで、今日レビューを書いていますが、昨日ならば
☆3つでしょう。1日経つと4つになる、そういう小説
です。
作品の中では、何も事件は起こりません。ただ、若い男女
の他愛ない1日が、各登場人物の視点で語られてゆくのみです。
付箋を挟んで、抜き書きしたくなるような印象的な台詞や
描写もなく、淡々とそれぞれの心の動きや「観たもの」が
描かれてゆきます。これが、結構後に引きます。
何も書かれていないようで、きっちりと人間性や人生に出会う
ことができるのです。
どこかのブログにある日記とどこが違うのか、これが文学
なのか、どこに面白さがあるのか、退屈でしかたがない、
という感想を持たれる方が多数おられるのは想像に難くあり
ません。
これは、好き嫌いの問題、というよりも「合う合わない」と
いう相性の問題に近いのかもしれないですね。
保坂和志氏の解説にこうあります。
「ちょっとだけ目新しい書き手は簡単に発見できるけれど、
柴崎友香はもっとずっと異質な書き手だからその新しさに
気づくのが難しく、読み手自身の力量が問われることになる。」
(187ページ)
私は、保坂ファンなので、言わんとすることはわかりますが、
これを鵜呑みにする必要はありません。
小説に、もっと物語性を、スリルを、娯楽性を、あるいは
人生訓を求められる読者には、物足りないのは確かですから。
文章そのものを楽しみたい、物語ではなく真の意味での
小説を味わいたい方には、お薦めできる作品といえましょう。