「推理小説」というと複雑にからみあう人間関係、おどろおどろしい殺人現場、デジタル系のツールを駆使した犯罪などが非常に凝った構成で描かれているという先入観がありましたが。そして、読み終わった時には当然、犯人は判明しているわけです。
ところがこの「疑惑」に出てくる短編小説は、できごと自体はすべて単純なんです。おまけに冷静な目で見つめて、淡々と書いている。ところが、とてもとても言葉が深いんです。単純なできごとなのに重みがある。これは、相当の筆力の持ち主でなければムリ。おそらくできごとそのものより、それにまつわる人間の心理の掘り下げ方がとてつもなく深いからだと思います。
複雑怪奇な筋立ての推理小説に慣れてしまった私には、かなりショーゲキ的でした。
ちなみに、誰?犯人は誰?とわくわくしながら最後まで読んだのに、犯人がわからないまま終わる短編もありました。えー?これじゃあ永久に犯人、わからないじゃん!とショックを受けましたが、その締めくくり方がまた味わい深く、いろいろ想像をかきたてられました。
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疑惑---推理小説傑作選 (河出文庫 お 21-1) 文庫 – 2009/12/4
大岡 昇平
(著)
生誕100年を迎えた戦後文学の代表作家の、異色の本格推理小説集。徹底した観察眼による散文精神は、犯人の追求にも遺憾なく発揮される。海外で実際に起きた事件や題材もうまく採り入れる。
- 本の長さ205ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2009/12/4
- ISBN-104309409954
- ISBN-13978-4309409955
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商品の説明
著者について
1909年、東京生まれ。戦後文学の代表する作家。1988年没。横光利一賞、朝日賞、毎日出版文化賞、毎日芸術賞、読売文学賞、野間文芸賞、新潮社文学賞、日本推理作家協会賞ほか受賞。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2009/12/4)
- 発売日 : 2009/12/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 205ページ
- ISBN-10 : 4309409954
- ISBN-13 : 978-4309409955
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,233,214位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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