「落語の世界」は名著です。
巻末の「落語辞典つばめ編」も参考になりました。
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落語の世界 (河出文庫 や 23-2) 文庫 – 2009/12/4
五代目 柳家つばめ
(著)
入門、稽古、昇進、しくじり、収入など、落語の世界で起こるさまざまな出来事をリアルに描き切った名著が復活。巻末に落語事典も収録され、これから落語を聞く人にも、落語通にも必携の一冊。
- 本の長さ357ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2009/12/4
- ISBN-104309409962
- ISBN-13978-4309409962
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商品の説明
著者について
1929年、宮城県生まれ。教員を経て、5代目柳家小さんに入門。当時の政治や社会を諷刺した新作落語で人気を博す。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2009/12/4)
- 発売日 : 2009/12/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 357ページ
- ISBN-10 : 4309409962
- ISBN-13 : 978-4309409962
- Amazon 売れ筋ランキング: - 730,809位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,560位河出文庫
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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5つのうち4.7つ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容が面白い、写真や絵があって、楽屋ってこんなものかと珍しい。
2020年5月14日に日本でレビュー済み
この本は、私が、落語を好きに成り立ての頃に出会い、折に触れて読み返している本です。落語に興味があるが良くご存じない方から、長年の落語ファンまで多くの方にお勧めできる名著だと思います。以下、私なりに本書の魅力を纏めてみましたので、皆さまのご参考になれば幸いです。
+++
1.玄人の世界、大衆の世界
仮に、落語を稽古事として習い始めたとしよう。その結果、どれほど上達して「玄人はだし」となったとしても、「落語家」には成り得ない。人生を懸けて弟子入りし、芸道に生きている玄人と、素人との間には絶対的な違いがある。寄席に通い始めて15年近くになるが、このことをずっと感じていた。
他方、落語は、純化された古典芸能ではない。つばめは、落語の噺は、寄席の客という大衆の反応をよって、落語家が工夫を重ねていくという点で、大衆の手で作り上げられるものであり、落語家は、大衆を信じて常に話に創意を加えなければならず、大衆が汚れたならば一緒に汚れなければならない、と宣言する。
本書は、玄人の世界である一方、大衆によって作られる、「落語の世界」を紹介するものである。
2.女学校の先生、落語家になる
つばめは、初の大卒落語家であり、しかも女学校の先生を経て落語家になったという変わった経歴を持つ。本書の魅力は、一つには、学校の先生らしく幅広いテーマをバランス良く取り上げている点にあるが、それ以上に、落語家の日々の営みをその肌触りや息遣いが感じられるように伝えてくれる点にある。
これは、つばめの落語家としての信念ないし芸風にも関係しているように思う。つばめは、古典落語に10年近く取り組んだ後(小さんには、「古典物をやると、どうも学校の先生が講義をしているようで」と評されている)、当時は市民権を得ていなかった新作落語に転向し、政治や社会を風刺した落語で好評を博した。
つばめにとって、落語とは、人間の本性をみつめ、そこにあるアラを掬い取り、分かりやすく笑えるように表現するものである。だから、完成された古典落語を演じるだけでなく、現在の世上ないし人間に挑む新作落語こそが、落語の本来の姿であると主張する(この点については、『創作落語論』という別著が書かれている)。
3.新作落語家、「古典」を作る
落語家として、人間の本性を見つめてきたことが、落語の世界に生きる人々の襞の裏側まで照らし出し、その肌触りや息遣いを伝えるような描写を可能にしたのではないか。出版から半世紀以上が経っているのに、本書に古びた印象がないのは、つばめが照らし出した落語の本質と人間の本性が確かなものだからであろう。
もちろん、現在とは全く違う点も多々ある。訛りのある地方出身者や女性は弟子にすべきでない、という主張には隔世の感がある。そのような現在との違いをみるのも本書の楽しみの一つであり、何より、つばめの師匠である五代目柳家小さんや、弟子入りがつばめと20日違いの立川談志など、往年の名人の姿が読めるのも嬉しい。
つばめの新作落語は、時代に向き合ったが故に、現在には残らなかったが、本書は、落語の世界の伝える「古典」として読み継がれるに相応しいものだと思う。
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1.玄人の世界、大衆の世界
仮に、落語を稽古事として習い始めたとしよう。その結果、どれほど上達して「玄人はだし」となったとしても、「落語家」には成り得ない。人生を懸けて弟子入りし、芸道に生きている玄人と、素人との間には絶対的な違いがある。寄席に通い始めて15年近くになるが、このことをずっと感じていた。
他方、落語は、純化された古典芸能ではない。つばめは、落語の噺は、寄席の客という大衆の反応をよって、落語家が工夫を重ねていくという点で、大衆の手で作り上げられるものであり、落語家は、大衆を信じて常に話に創意を加えなければならず、大衆が汚れたならば一緒に汚れなければならない、と宣言する。
本書は、玄人の世界である一方、大衆によって作られる、「落語の世界」を紹介するものである。
2.女学校の先生、落語家になる
つばめは、初の大卒落語家であり、しかも女学校の先生を経て落語家になったという変わった経歴を持つ。本書の魅力は、一つには、学校の先生らしく幅広いテーマをバランス良く取り上げている点にあるが、それ以上に、落語家の日々の営みをその肌触りや息遣いが感じられるように伝えてくれる点にある。
これは、つばめの落語家としての信念ないし芸風にも関係しているように思う。つばめは、古典落語に10年近く取り組んだ後(小さんには、「古典物をやると、どうも学校の先生が講義をしているようで」と評されている)、当時は市民権を得ていなかった新作落語に転向し、政治や社会を風刺した落語で好評を博した。
つばめにとって、落語とは、人間の本性をみつめ、そこにあるアラを掬い取り、分かりやすく笑えるように表現するものである。だから、完成された古典落語を演じるだけでなく、現在の世上ないし人間に挑む新作落語こそが、落語の本来の姿であると主張する(この点については、『創作落語論』という別著が書かれている)。
3.新作落語家、「古典」を作る
落語家として、人間の本性を見つめてきたことが、落語の世界に生きる人々の襞の裏側まで照らし出し、その肌触りや息遣いを伝えるような描写を可能にしたのではないか。出版から半世紀以上が経っているのに、本書に古びた印象がないのは、つばめが照らし出した落語の本質と人間の本性が確かなものだからであろう。
もちろん、現在とは全く違う点も多々ある。訛りのある地方出身者や女性は弟子にすべきでない、という主張には隔世の感がある。そのような現在との違いをみるのも本書の楽しみの一つであり、何より、つばめの師匠である五代目柳家小さんや、弟子入りがつばめと20日違いの立川談志など、往年の名人の姿が読めるのも嬉しい。
つばめの新作落語は、時代に向き合ったが故に、現在には残らなかったが、本書は、落語の世界の伝える「古典」として読み継がれるに相応しいものだと思う。
2010年1月13日に日本でレビュー済み
立川談志と同じ小さん門下で、
一緒に真打になった柳家つばめのが書いた
落語家と落語の世界の話。
とにかく、
落語への愛で全編満ち満ちている。
だから、読み手に対しても、
「わかってほしい」というのがよく伝わってくる。
本は、
噺家が、入門してから弟子をもつに至るまでを、
だいたい時系列にして進んでいくので、
もしかすると、噺家になりたい、という
人にとっても有用であるかもしれない。
なかに、安藤鶴夫の評がある。
「芝居と義太夫の話を聞いた。実に面白い。自分がうまいと思った人の芸を説明するのだが、自分が、まっさきに惚れ込んじゃうから、力が入る。説得力がある。どうも惚れっぽい人らしい。評論家としてはどうかと思うが、それを表現するには、一番の強みだ。」
この評が、そのまんまあてはまるくらい、
この人は落語に惚れてるのがよくわかる。
一緒に真打になった柳家つばめのが書いた
落語家と落語の世界の話。
とにかく、
落語への愛で全編満ち満ちている。
だから、読み手に対しても、
「わかってほしい」というのがよく伝わってくる。
本は、
噺家が、入門してから弟子をもつに至るまでを、
だいたい時系列にして進んでいくので、
もしかすると、噺家になりたい、という
人にとっても有用であるかもしれない。
なかに、安藤鶴夫の評がある。
「芝居と義太夫の話を聞いた。実に面白い。自分がうまいと思った人の芸を説明するのだが、自分が、まっさきに惚れ込んじゃうから、力が入る。説得力がある。どうも惚れっぽい人らしい。評論家としてはどうかと思うが、それを表現するには、一番の強みだ。」
この評が、そのまんまあてはまるくらい、
この人は落語に惚れてるのがよくわかる。
2010年1月4日に日本でレビュー済み
『創作落語論』に続いて河出文庫から再刊された本書の初版は昭和42年、
著者38歳の時である。
この本の魅力は次のように言えるだろう。
(1)落語家や寄席の世界(まさに「落語の世界」)を知る絶好の入門書
(2)柳家つばめが活躍した時期の落語界を知る歴史的に価値のある書
(3)柳家つばめという噺家自身のことを知ることができる書
言わば、落語という「空間」、ある一定の「時間」、そして五代目柳家つばめ
という「人物」に関して、よく出来た本である。
二十一ある各章を通じて、なかなか素人が知ることのできない「落語の世界」の
裏表を分かりやすく解き明かしてくれる。
例えば、よく比較される同門で同年入門、かつ同期で真打昇進をした談志家元や
当時二十代だった古今亭志ん朝を含む同時代の当時の“若手”落語家たちに関する
著者ならではの寸評があったり、落語家が二つ目時代に直面する心理的葛藤のこと
が赤裸々に語られていたり、なかなか知ることのできない下座さんの仕事の詳細な
紹介があったり、今日の若い落語ファンも楽しんで読めるであろう内容が満載だ。
著者38歳の時である。
この本の魅力は次のように言えるだろう。
(1)落語家や寄席の世界(まさに「落語の世界」)を知る絶好の入門書
(2)柳家つばめが活躍した時期の落語界を知る歴史的に価値のある書
(3)柳家つばめという噺家自身のことを知ることができる書
言わば、落語という「空間」、ある一定の「時間」、そして五代目柳家つばめ
という「人物」に関して、よく出来た本である。
二十一ある各章を通じて、なかなか素人が知ることのできない「落語の世界」の
裏表を分かりやすく解き明かしてくれる。
例えば、よく比較される同門で同年入門、かつ同期で真打昇進をした談志家元や
当時二十代だった古今亭志ん朝を含む同時代の当時の“若手”落語家たちに関する
著者ならではの寸評があったり、落語家が二つ目時代に直面する心理的葛藤のこと
が赤裸々に語られていたり、なかなか知ることのできない下座さんの仕事の詳細な
紹介があったり、今日の若い落語ファンも楽しんで読めるであろう内容が満載だ。
2011年5月21日に日本でレビュー済み
他のレビューアーの方も書いていらっしゃいますが、著者の落語への愛があふれた素晴らしい本です。付箋を貼って読みました。芸と芸道の違い。芸ではなく、芸道で苦しむ噺家さんたち。二つ目になってしばらくしてからの迷いと悩みの日々。それを察したらしい、先代・今輔師匠の言葉。圓生師匠の丁寧で厳しい稽古。志ん生師匠の、別人のような厳しい論評の稽古。先代・文楽師匠の開花するまでの苦しさ。夜の男泣き。
この本の「サゲ」、真打になったつばめ師匠と先代小さん師匠が二人きりになった時の出来事・・・。実に、いい風景ですね。
また、この本の「目次」が面白いです。全体を読んでから再び目次を読むと、いい復習になります。
この本の「サゲ」、真打になったつばめ師匠と先代小さん師匠が二人きりになった時の出来事・・・。実に、いい風景ですね。
また、この本の「目次」が面白いです。全体を読んでから再び目次を読むと、いい復習になります。