アラン・ドロン主演の映画「太陽がいっぱい」の原作ということだが、映画の設定とはかなり相違がある。一番異なるのは映画がヨットでのシーンの印象が強いのに、本作ではヨーロッパの街を舞台にした一種の逃避行であることだろう。アメリカ人が憧れを抱いているヨーロッパを舞台に、画家かぶれの金持ちのお坊ちゃんと貧乏だが自分の才能にうぬぼれている友人という二人のアメリカ人を軸にした物語となっている。
ヨーロッパの都市やリゾートの何となく怠惰な雰囲気の中で、一人であれこれと策略をめぐらして保身を計る主人公の姿は決して格好良くはなく、英雄気取りの本人が哀れになってくる。映画ではそんな主人公の性急な野望を映画の枠内にうまく表現しているなと思った。
ところで、驚くのは本作がシリーズものであるということだ。従って結末は映画とは異なる。主人公であるトーマス・リプリーの続編での活躍(悪事ではあるが)をさらに読みたい気持ちにさせる。
(その前に、未見のマット・デイモン主演のリメイク版「リプリー」を見るべきですね。こちらの方が原作に忠実らしいし、主人公の鬱屈した感じがお似合いかもしれない)
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リプリー 新装新版 (河出文庫 ハ 2-8) 文庫 – 2000/5/1
改題・太陽がいっぱい
- 本の長さ412ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2000/5/1
- ISBN-10430946193X
- ISBN-13978-4309461939
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2000/5/1)
- 発売日 : 2000/5/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 412ページ
- ISBN-10 : 430946193X
- ISBN-13 : 978-4309461939
- Amazon 売れ筋ランキング: - 412,698位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2004年9月5日に日本でレビュー済み
『他人の人生を一度味わってみたい』自分に少しでも劣等感を抱いている人ならなおさらそう思うだろう。トム・リプリーもその一人。この作品を読んでいて痛いほどトム・リプリーの気持ちが解りました。それは私自身も少なからず劣等感を抱いて生活しているから、自分と重ねてしまい物語に強く引き込まれてしまう。
トム・リプリーのように、満たされない人生・心、自分への劣等感・不満を抱えながら歩む者にとっては、外国・異国の地で、もしかしたら今の自分と決別し、新たな自分へ変身できるのではないかと、胸高まり・期待してしまうことがあるかも知れない。それは誰しもが抱いている気持ちであり、友情が殺意に変ることもありえること。殺害した人物に成りすますと言うことは、トム・リプリーには最高の思いつきだったのかもしれない。
読み終えた後、彼はどうしたのだろうと考えてしまいました。
Patricia・Highsmith=The Talented Mr.Ripley 本当に見事な、素晴らしい作品であり、自分の今の状況を深く考えさせられる作品でした。
トム・リプリーのように、満たされない人生・心、自分への劣等感・不満を抱えながら歩む者にとっては、外国・異国の地で、もしかしたら今の自分と決別し、新たな自分へ変身できるのではないかと、胸高まり・期待してしまうことがあるかも知れない。それは誰しもが抱いている気持ちであり、友情が殺意に変ることもありえること。殺害した人物に成りすますと言うことは、トム・リプリーには最高の思いつきだったのかもしれない。
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