きょうから寝るまえの読書は、『20世紀SF⑥1990年代 遺伝子戦争』の再読だ。これまた四回目の再読だ。
1作目は、スティーヴン・バクスターの「軍用機」第三次世界大戦後の話。宇宙基地や宇宙船のことがでてくるが、ちっともおもしろくなかった。
2作目は、ロバート・J・ソウヤーの「爬虫類のごとく……」殺人鬼の医者が時間転移でティラノザウルスの意識のなかに入る。医者は死刑の判決を受けるが、安楽死の刑に処される。医者は時間転移でティラノザウルスの意識に転移されることを求めた。転移先の生物の死が犯人の死になるのだった。
3作目は、アレン・スティールの「マジンラ世紀末最終大決戦」日本の巨大ロボット製作所が、アメリカの興業者に巨大ロボットを売りつけた。ロボット興業は大うけをする。しかし、すぐに飽きられる。2台目の巨大ロボットと戦わせる興業を打って出た。大当りをとったが、はじめのロボットは潰れた。主人公はそれを運転していたアメリカ人の男で、物語は彼の手記で終わっている。
4作目は、ナンシー・クレスの「進化」ウィルスが変異して薬が効かなくなった街での爆破事件などを扱った作品。主人公は主婦で、息子が爆破事件に関わっていたことを知る。
5作目は、ジェフリー・A・ランディスの「日の下を歩いて」月に軟着陸してひとりだけ助かった女性飛行士がいた。地球の救助隊がくるまで一月くらいを月面上を歩いていたのだった。
6作目は、グレッグ・イーガンの「しあわせの理由」12歳で脳腫瘍のせいで、しあわせな気持ちになっていた少年が手術で脳腫瘍が治ったら、しあわせな気持ちがしなくなった。化学物質のせいらしい。それでまた治療を受けて、しあわせを感じるようになったのだが、そのしあわせの感じは、手術で手に入れた4000人分の記憶からのものだった。自分というものがわからなくなった主人公は30歳になっていた。しあわせの感じは自由に選択できるのだが、ほんとうの自分がそう感じているのかどうかはわからない。
7作目は、ウィリアム・ブラウニング・スペンサーの「真夜中をダウンロード」ネットの世界でセックスホロが流行っていた。それでも2週間くらいの間だが。そのなかで、半年ももつものがあらわれた。ネットの世界で死ぬと、現実世界でも死ぬ。ネットのなかで、21歳の青年が女性を愛したのだが、女性はいなくなり、青年は死んだ。調べると、女性のモデルは現実世界で9歳の女の子だった。
8作目は、テリー・ビッスンの「平ら山を越えて」トラック運転手がヒッチハイカーを車に乗せるっていうだけの話。陸ロブスターなる化け物じみたロブスターが出てくるところだけがSFかな。
9作目は、ダン・シモンズの「ケンタウルスの死」小学校4年生の受け持ちの先生がファンタジー物語をつくって生徒に読み聞かせる。生徒との交流とファンタジー物語が交互に話される。
10作目は、イアン・マクドナルドの「キリマンジャロへ」物語は宇宙生物との共生を現わしていた。
さいごの11作目は、ポール・J・マコーリイの「遺伝子戦争」さいしょは植物の種子だった。つぎに家畜。さいごは人間自身に遺伝子変異を施すという物語だった。
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20世紀SF 6 1990年代 (河出文庫 ン 2-6) 文庫 – 2001/9/1
軍用機,爬虫類のごとく,マジンラ世紀末最終大決戦,進化 他
- 本の長さ498ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2001/9/1
- ISBN-104309462073
- ISBN-13978-4309462073
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2001/9/1)
- 発売日 : 2001/9/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 498ページ
- ISBN-10 : 4309462073
- ISBN-13 : 978-4309462073
- Amazon 売れ筋ランキング: - 772,246位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2018年6月11日に日本でレビュー済み
1990年代と言えば、日本ではバブルの絶頂期を迎え、そしてその後の失われた20年が始まる頃である。このアンソロジーを読むと、日本の事情は関係なく(当たり前だけどね)、新しいSFを構築していった時期なのかもしれない。しっかりと当時の科学をベースにし、フィクションを構築する。もちろん、現在から近いので、馴染みがある作家や作風が多いので、しっかりと自分の中に入ってくる。どの作品も個性的で面白い。
2005年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ヴァラエティに富んだ全11編中、本書を購入したきっかけとなったのがダン・シモンズの『ケンタウルスの死』。
予想外の物語に感嘆。なんという「お話」。
ダン・シモンズ、そういう時代に生まれていたら、きっと The Legendary Bard として名を残したことでしょう。
それとも先祖にいるのかな?
『ケンタウルスの死』と双璧の読み応えは、グレッグ・イーガン『しあわせの理由』。
SF要素は欠かせない設定ではあるけれど、それが無くともなんとも辛い物語。なのに、けして暗いだけでも悲惨なだけでもない。
こういう「それでも生きていく人生」の話には、もともと弱いのですが。
cheerful を「しあわせ」とした訳者のセンスも素敵です。
上記2作品だけでも1冊分のモトはとった気分ですが、他に、
異様な未来風景と典型的ロードムービー物語のミスマッチが楽しくて、やがて寂しいテリー・ビッスン『平ら山を越えて』
あまりの滅茶苦茶ぶりに大笑いしたアレン・スティール『マジンラ世紀末最終大決戦』
(しかし、Mudzilla がマジンラってことは、Godzilla はゴジンラ?)
年季の入ったSF読者の方はまた別の感想もあるかもしれませんが、私のようなSF素人にも親切な面白さで★5つ。
予想外の物語に感嘆。なんという「お話」。
ダン・シモンズ、そういう時代に生まれていたら、きっと The Legendary Bard として名を残したことでしょう。
それとも先祖にいるのかな?
『ケンタウルスの死』と双璧の読み応えは、グレッグ・イーガン『しあわせの理由』。
SF要素は欠かせない設定ではあるけれど、それが無くともなんとも辛い物語。なのに、けして暗いだけでも悲惨なだけでもない。
こういう「それでも生きていく人生」の話には、もともと弱いのですが。
cheerful を「しあわせ」とした訳者のセンスも素敵です。
上記2作品だけでも1冊分のモトはとった気分ですが、他に、
異様な未来風景と典型的ロードムービー物語のミスマッチが楽しくて、やがて寂しいテリー・ビッスン『平ら山を越えて』
あまりの滅茶苦茶ぶりに大笑いしたアレン・スティール『マジンラ世紀末最終大決戦』
(しかし、Mudzilla がマジンラってことは、Godzilla はゴジンラ?)
年季の入ったSF読者の方はまた別の感想もあるかもしれませんが、私のようなSF素人にも親切な面白さで★5つ。
2010年12月23日に日本でレビュー済み
国内で編纂された、20世紀SFアンソロジー 第6巻。
比較的バリエーションにとんだ作品集。解説のリミックス時代のSFというのがうなずける。全6巻が2001年『SFが読みたい!』(早川書房)海外編2位にランクインしていのだが、なるほど、力の入ったアンソロジーであった。 どの作品も良いんだけど、面白かったのは、ロバート・J・ソウヤー「爬虫類のごとく・・・・・」、イアン・マクドナルド「キリマンジャロへ」(次点は、ジェフリー・A・ランディス「日の下を歩いて」、初読じゃなかったんでグレッグ・イーガン「しあわせの理由」)
■爬虫類のごとく・・・・・
2022年に制定された社会福祉保護法では、時間転移による安楽死が認められていた。死刑囚の連続殺人犯ルドルフ・コーエンは、有史前のティラノサウルスへの転移を望む。ティラノサウルスが命をおとせば、コーエンも死亡するのだが ・・・
■キリマンジャロへ
宇宙から飛来する生物パッケージが、爛相林(プラスティック・フォレスト)を形成しはじめた。地球を侵食しはじめた異星の植物群と共生を始める生物、人々。これは異星人の移民計画なのか。 ・・・
巻末の編者による20世紀SF年表も参考になる。
その他の作家陣は以下のとおり。
スティーヴン・バクスター/アレン・スティール/ナンシー・クレス/ウィリアム・ブラウニング・スペンサー/テリー・ビッスン/ダン・シモンズ/ポール・J・マコーリイ
比較的バリエーションにとんだ作品集。解説のリミックス時代のSFというのがうなずける。全6巻が2001年『SFが読みたい!』(早川書房)海外編2位にランクインしていのだが、なるほど、力の入ったアンソロジーであった。 どの作品も良いんだけど、面白かったのは、ロバート・J・ソウヤー「爬虫類のごとく・・・・・」、イアン・マクドナルド「キリマンジャロへ」(次点は、ジェフリー・A・ランディス「日の下を歩いて」、初読じゃなかったんでグレッグ・イーガン「しあわせの理由」)
■爬虫類のごとく・・・・・
2022年に制定された社会福祉保護法では、時間転移による安楽死が認められていた。死刑囚の連続殺人犯ルドルフ・コーエンは、有史前のティラノサウルスへの転移を望む。ティラノサウルスが命をおとせば、コーエンも死亡するのだが ・・・
■キリマンジャロへ
宇宙から飛来する生物パッケージが、爛相林(プラスティック・フォレスト)を形成しはじめた。地球を侵食しはじめた異星の植物群と共生を始める生物、人々。これは異星人の移民計画なのか。 ・・・
巻末の編者による20世紀SF年表も参考になる。
その他の作家陣は以下のとおり。
スティーヴン・バクスター/アレン・スティール/ナンシー・クレス/ウィリアム・ブラウニング・スペンサー/テリー・ビッスン/ダン・シモンズ/ポール・J・マコーリイ