前巻に続きチャーチル節で流れるように語られており非常に面白いです。
戦争も本格化し緊迫する状況が続きますが、訳者は少なくとも軍事に関しては全く知識が無いようで酷い誤訳が続きます。
名著ではあるのでいつか再翻訳版が出ることを期待します。
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第二次世界大戦 2 (河出文庫 チ 3-2) ペーパーバック – 2010/8/3
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史上類を見ない規模の世界大戦という歴史の表舞台に直接参加し、いかに歴史を変え、いかに戦い抜いたかを、リアルに記録した最も信頼すべき最高の資料。第二巻は、独軍の電撃進攻と孤立した英国の耐久戦。 ノーベル文学賞受賞
- 本の長さ374ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2010/8/3
- 寸法10.5 x 1.4 x 14.9 cm
- ISBN-104309462146
- ISBN-13978-4309462141
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社; 新装版 (2010/8/3)
- 発売日 : 2010/8/3
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 374ページ
- ISBN-10 : 4309462146
- ISBN-13 : 978-4309462141
- 寸法 : 10.5 x 1.4 x 14.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 166,005位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年7月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画「ウィンストン・チャーチル」を観て興味を持ち購入。映画中の暗黒の日々、議会演説も収録されていて読み応えあり。
2008年8月23日に日本でレビュー済み
ダンケルク撤収、バトル・オブ・ブリテンといった第二次世界大戦のハイライトが描かれており、読み応え十分。当時のイギリスは明らかに劣勢だったが、チャーチルによれば、チャーチルもイギリス国民も決して絶望しなかったと言う。本書ではドイツによる空爆下のロンドン市民の生活が描かれており、チャーチルの説明を読む限りでは空爆の効果は限定的であったようだ。本書には後知恵で書かれた面があるという点は否定できず、実際に当時のロンドン市民がどのように空爆を捉えていたのかを知るには他の資料にあたるしかない。ただ、結果としてイギリスが屈服しなかったのは事実であり、これが第二次世界大戦のターニング・ポイントとなったのである。
2013年3月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本と対局の視点が面白いと思いました。続きもぜひ読みたいです。
2004年6月19日に日本でレビュー済み
前大戦を当事者が語ったという意味では、英宰相チャーチルと米軍人ウェデマイヤーの回想録が双璧である。米英が戦略上で最も対立したのは欧州における第二戦線をどこにするのかということだった。英国はバルカン半島に上陸し、東欧に進撃する案を主張したが、米国はフランスに上陸し、一挙にドイツを叩くという方針で両者は激突した。そしてスターリンは一貫して米側の支持者だった。米側は英国のバルカン上陸案を「弱腰」だと非難したが、結局チャーチルの深慮を見損なうことになった。チャーチルは、バルカン-東欧ルートを通し、東部戦線での戦果のソ連の独占による東欧の共産化を阻止しようとしたのであるが、ルーズベルトはじめ米側は戦後になって、はじめてチャーチルの戦略的思考の正しさを知ることになった。ほくそえんだのはクレムリンである。立場の違う英政治家と米軍人双方の回想録を読み合わせることによって、前大戦の全貌に対する複眼的な見方ができると思われる。
2015年4月26日に日本でレビュー済み
めちゃめちゃ面白いので読んでいると止まらなくなります。第二次世界大戦のヨーロッパ戦線についてこれでか詳しい本を読んだことがなかったので大変勉強になりましたし、知らないことも多かった。ちょうど半藤一利の『昭和史探索5』も並行して読んでいた。昭和史探索5は1941年を扱っている。チャーチルのこの本は1940年ごろからのドイツとイギリスの壮絶な戦いを描いている。両方を同時に読んだことで、日本史だけ見ているとわからなかったアメリカの苦悩が見えてくる。こういうことがわかることが歴史を勉強する醍醐味のような気がする。
この第二巻はチャーチルが挙国一致内閣を組閣してからの話。同じ時期広田、林、近衛、平沼、阿部。米内と内閣が代わって行った日本とは大違い。危機の時に一致団結する英国民の民度の高さとリーダーの質をまざまざと感じる。そしてフランスがドイツに屈服する。同盟国として、フランスに協力を続けるか本土防衛のための重要な兵力としてフランスを見捨てて撤退するか。この選択を徹底的な現実主義からダンケルクの撤退へ進んでいく様。こういう葛藤があったことは知らなかった。さらにフランスの海軍がドイツの手に渡らないためにイギリスの支配下の港にいるフランス軍艦を拘束し、武装解除に応じない場合は砲撃を加えて沈没までさせている。このようなぎりぎりの場面で反対を抑えて断固自己防衛のために切り捨てるものは切り捨てることが出来るリーダーがいるというのは素晴らしいことだし、英国は侮れないと感を強くする。
ギリシャ、ユーゴスラビア、エジプト、シリアなどでのドイツ、イタリアとイギリスをはじめとした連合国側の戦いもほとんど知らなかった。
当然チャーチルの視点から書いているので彼にとって不利なことはあまり書かれていない。しかし行間から感じられるのはヒトラードイツがいかに強大だったか。イギリス本土防衛がいかないぎりぎりの線で守られたかという点だろう。歴史の歯車がどこかでちょっとずれていたら、欧州はヒトラー合衆国が出現していたことも可能性の低いことでもなかったのだと感を強くした。
歴史の中心にいた人がまさに文才を持っていたおかげで貴重な資料を後年のわれわれは読むことが出来る。この本を読んで、欧州と極東両方の視野をもって第二次世界大戦を書いてものが少ないということを感じた。
この第二巻はチャーチルが挙国一致内閣を組閣してからの話。同じ時期広田、林、近衛、平沼、阿部。米内と内閣が代わって行った日本とは大違い。危機の時に一致団結する英国民の民度の高さとリーダーの質をまざまざと感じる。そしてフランスがドイツに屈服する。同盟国として、フランスに協力を続けるか本土防衛のための重要な兵力としてフランスを見捨てて撤退するか。この選択を徹底的な現実主義からダンケルクの撤退へ進んでいく様。こういう葛藤があったことは知らなかった。さらにフランスの海軍がドイツの手に渡らないためにイギリスの支配下の港にいるフランス軍艦を拘束し、武装解除に応じない場合は砲撃を加えて沈没までさせている。このようなぎりぎりの場面で反対を抑えて断固自己防衛のために切り捨てるものは切り捨てることが出来るリーダーがいるというのは素晴らしいことだし、英国は侮れないと感を強くする。
ギリシャ、ユーゴスラビア、エジプト、シリアなどでのドイツ、イタリアとイギリスをはじめとした連合国側の戦いもほとんど知らなかった。
当然チャーチルの視点から書いているので彼にとって不利なことはあまり書かれていない。しかし行間から感じられるのはヒトラードイツがいかに強大だったか。イギリス本土防衛がいかないぎりぎりの線で守られたかという点だろう。歴史の歯車がどこかでちょっとずれていたら、欧州はヒトラー合衆国が出現していたことも可能性の低いことでもなかったのだと感を強くした。
歴史の中心にいた人がまさに文才を持っていたおかげで貴重な資料を後年のわれわれは読むことが出来る。この本を読んで、欧州と極東両方の視野をもって第二次世界大戦を書いてものが少ないということを感じた。
2018年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
チャーチル(1874-1965)
(Winston Churchill)は
第二次世界大戦中
英国の首相・国防相となり
戦後1953年
『第二次世界大戦』
(原著 1948-1953)によって
ノーベル文学賞を受賞しました。
その受賞作は
six volumes(6巻)から成る
Winston Churchill
"The Second World War",
1948-1953,Cassell,London
です。
本書はその翻訳ではありません。
6巻から成るオリジナル版を
4部に要約・短縮・簡略化し
エピローグ(1957年2月10日)をつけて
1冊にまとめた本の翻訳です。
つまり
"The Second World War",
abridged one-volume edtion
with a New Epilogue
on the Years 1945 to 1957,
です。
オリジナル6巻本の邦訳は
なぜか「回顧録」という名称をつけて
『第二次大戦回顧録』
(毎日新聞社 1949-1955)
というタイトルのもと
24分冊で出版されましたが
現在は絶版になっています。
本書にはタイトルに
「回顧録」とも「抄」とも
ついていませんから
てっきり
オリジナル6巻本の翻訳と思って
購入しましたところ
上述の通り要約・短縮・簡略版である
ことに気がついて
愕然といたしたところです。
気を取りなおして読みましたが
訳があまり良くありません。
例えば
第12章 イギリスの戦い
とありますが
これでは一般名詞のようで
一般的な英国の戦争かと
誤解してしまいます。
これは独空軍ルフトヴァッフェと
英空軍ロイヤルエアフォースの
空軍対空軍の激突である
「バトル・オブ・ブリテン」
のことです。
固有名詞と申してよいでしょう。
(ちなみにこの当時
日本に空軍はありませんし
米国にすら空軍はありません)
あとの翻訳は推して知るべしです。
さて
私は現在いわゆる
「ロンメル神話」「ロンメル・レジェンド」
について関心を持っていて
そのルーツと私が考える
英国議会(下院)における
チャーチルの演説を確認したくて
Amazonで本書を購入いたしました。
「このとき、一人の新しい人物が
世界の舞台に躍り出た。
ドイツの武人で彼らの歴史に
名を留むべき人物であった」(p.317)
とチャーチルは始めています。
彼の情熱と大胆さは
われわれに耐えがたい厄災を加えたが、
しかし彼は私が下院で述べた賛辞に
値する人物であったと続けています。
実際チャーチルは
1942年1月に下院で
「われわれには非常に大胆な、
そして巧妙な敵手があります。
戦争の大破壊を越えて、
偉大な将軍と申してよいかと思います」
(pp.318-319)と述べました。
ちなみにこの部分も翻訳が
わけのわからない日本語になっており
「戦争の大破壊を越えて」
では意味が通りません。
意訳するならば
「戦争というものは人間にとっての厄災
たいへんな厄災なのだが
そういう行為であるのは別として」
という意味です。
訳者の佐藤亮一(1907-1994)は
ノンフィクションを中心に
精力的に活動した方ですが
翻訳機械のように
英語を形式的にただ日本語に
画一的に置き換えるだけでよし
とする傾向が読み取れます。
そもそも本書は
上述の要約版・一冊本の
第二部なのですが
その部題は
"Alone"
とあるのみです。それを訳者は
「単独で」
と訳しています。訳すことは可能ですが
一般人にとって意味が通るか疑問です。
上述の通り
英語を機械的・画一的に適当な
日本語に対応させておわりとする翻訳です。
そういう意味でひどい翻訳です。
ここでいう
「単独で」
とはチャーチル個人のことではなく
「英国ないし英連邦単独で」
という意味です。
この第2巻が対象とする時期は
仏国が電撃戦に敗れて降伏し
ソ連はドイツと独ソ不可侵条約を
結んでいて中立ですし
米国もモンロー主義が根底にあり
まだ参戦していませんから
破竹の勢いのナチス・ドイツ
(ドイツ第三帝国)と
対峙しているのは英国だけ
(あるいは英連邦だけ)
という意味です。
そのいきさつがわかっていることを前提に
チャーチルは "Alone" という
最小限の表現をしました。
だから文学的にハイレベルです。
ところがそれを「単独で」と訳して
おわりとすると何ともしまりません。
例えば
「ひとり英連邦のみ(の対峙)」とか
意訳して「孤立する英連邦」とか
「味方なし英連邦」とするくらいの
知恵がほしいところです。
訳文にはそういうセンスが感じられません。
全体として
ノーベル文学賞に輝く作品というよりは
市役所の公文書のような文章に感じられます。
本書の末尾は「1941年6月22日」です。
歴史に詳しい方なら一秒で分かることと
思いますが
バルバロッサ作戦が始まった日です。
つまり
ヒトラーが
独ソ不可侵条約を一方的に破棄して
ソ連に攻めこんだ日です。
この日をもって
英連邦のみによる対峙が終わります。
逆にドイツにしてみれば
西部戦線ないし北アフリカの英連邦と
東部戦線のソ連という
2面作戦を余儀なくされることになります。
また訳者は従軍記者だったわりには
歴史的・軍事的知識も乏しく
ロンメル(1891-1944)が
第一次世界大戦でもらった勲章を
「殊勲賞の最高の勲章」
と訳していますが
草葉の陰でロンメルが泣いていると思います。
これは名誉ある
"Pour le Merite"勲章であり
そもそもプロイセン(ドイツの前身の一つ)
フリードリッヒ大王(1712-1786)が
制定したものです。
独特のブルーの十字にフランス語で
"Pour le Merite"
とデザインが入っています。
チャーチルによる
ロンメルの評価に戻りますと
「彼はまたわれわれの尊敬に値する
人物である。というのは、
彼は忠誠なドイツ軍人ではあったが、
ヒトラーと彼のやり方を憎むようになり、
この狂人であり暴君である人間を除く
ことによって
ドイツを救おうとした、
1944年の陰謀に参加したのである。
このために彼は生命を失ったのであった」
(pp.318-319)と
チャーチルは結んでいます。
現在の「ロンメル神話」
「ロンメル・レジェンド」については
デズモンド・ヤング(1892-1966)
リデル=ハート(1895-1970)
の2人の著書が原因(元凶?)
とされていますが
チャーチルの演説と文章に
ぼぼすべての要素が出そろっていると思います。
歴史学者たちは
ヤングとリデル=ハートを中心にあつかい
チャーチルを意図的に?無視しているか
少なくしかあつかっていないように感じます。
ヤングよりもリデルハートよりも
チャーチルが重要であると思います。
なぜなら
チャーチルは敵国の首相であり
国防相もかねていて
英国国王にかわって全権を与えられていた
その人が言ったり書いたりしたことです。
捕虜になった准将に過ぎないヤングや
あまり優秀ではない民間の歴史学者である
リデル=ハートに比べると
その重さは桁が違うと考えるものです。
全権を持っていたチャーチルは
ロンメルを打倒するため
中東の英連邦軍の司令官だった
ウェーヴェル(1883-1950)を更迭して
オーキンレック(1884-1981)に替え
さらにオーキンレックも更迭して
アレグザンダー(1891-1969)に替え
その下に
モントゴメリー(1887-1976)をつけて
結果として
北アフリカのドイツ・イタリア軍を
打ち破りました。
相手をリスペクトすると同時に
よく研究していたのでしょう。
(Winston Churchill)は
第二次世界大戦中
英国の首相・国防相となり
戦後1953年
『第二次世界大戦』
(原著 1948-1953)によって
ノーベル文学賞を受賞しました。
その受賞作は
six volumes(6巻)から成る
Winston Churchill
"The Second World War",
1948-1953,Cassell,London
です。
本書はその翻訳ではありません。
6巻から成るオリジナル版を
4部に要約・短縮・簡略化し
エピローグ(1957年2月10日)をつけて
1冊にまとめた本の翻訳です。
つまり
"The Second World War",
abridged one-volume edtion
with a New Epilogue
on the Years 1945 to 1957,
です。
オリジナル6巻本の邦訳は
なぜか「回顧録」という名称をつけて
『第二次大戦回顧録』
(毎日新聞社 1949-1955)
というタイトルのもと
24分冊で出版されましたが
現在は絶版になっています。
本書にはタイトルに
「回顧録」とも「抄」とも
ついていませんから
てっきり
オリジナル6巻本の翻訳と思って
購入しましたところ
上述の通り要約・短縮・簡略版である
ことに気がついて
愕然といたしたところです。
気を取りなおして読みましたが
訳があまり良くありません。
例えば
第12章 イギリスの戦い
とありますが
これでは一般名詞のようで
一般的な英国の戦争かと
誤解してしまいます。
これは独空軍ルフトヴァッフェと
英空軍ロイヤルエアフォースの
空軍対空軍の激突である
「バトル・オブ・ブリテン」
のことです。
固有名詞と申してよいでしょう。
(ちなみにこの当時
日本に空軍はありませんし
米国にすら空軍はありません)
あとの翻訳は推して知るべしです。
さて
私は現在いわゆる
「ロンメル神話」「ロンメル・レジェンド」
について関心を持っていて
そのルーツと私が考える
英国議会(下院)における
チャーチルの演説を確認したくて
Amazonで本書を購入いたしました。
「このとき、一人の新しい人物が
世界の舞台に躍り出た。
ドイツの武人で彼らの歴史に
名を留むべき人物であった」(p.317)
とチャーチルは始めています。
彼の情熱と大胆さは
われわれに耐えがたい厄災を加えたが、
しかし彼は私が下院で述べた賛辞に
値する人物であったと続けています。
実際チャーチルは
1942年1月に下院で
「われわれには非常に大胆な、
そして巧妙な敵手があります。
戦争の大破壊を越えて、
偉大な将軍と申してよいかと思います」
(pp.318-319)と述べました。
ちなみにこの部分も翻訳が
わけのわからない日本語になっており
「戦争の大破壊を越えて」
では意味が通りません。
意訳するならば
「戦争というものは人間にとっての厄災
たいへんな厄災なのだが
そういう行為であるのは別として」
という意味です。
訳者の佐藤亮一(1907-1994)は
ノンフィクションを中心に
精力的に活動した方ですが
翻訳機械のように
英語を形式的にただ日本語に
画一的に置き換えるだけでよし
とする傾向が読み取れます。
そもそも本書は
上述の要約版・一冊本の
第二部なのですが
その部題は
"Alone"
とあるのみです。それを訳者は
「単独で」
と訳しています。訳すことは可能ですが
一般人にとって意味が通るか疑問です。
上述の通り
英語を機械的・画一的に適当な
日本語に対応させておわりとする翻訳です。
そういう意味でひどい翻訳です。
ここでいう
「単独で」
とはチャーチル個人のことではなく
「英国ないし英連邦単独で」
という意味です。
この第2巻が対象とする時期は
仏国が電撃戦に敗れて降伏し
ソ連はドイツと独ソ不可侵条約を
結んでいて中立ですし
米国もモンロー主義が根底にあり
まだ参戦していませんから
破竹の勢いのナチス・ドイツ
(ドイツ第三帝国)と
対峙しているのは英国だけ
(あるいは英連邦だけ)
という意味です。
そのいきさつがわかっていることを前提に
チャーチルは "Alone" という
最小限の表現をしました。
だから文学的にハイレベルです。
ところがそれを「単独で」と訳して
おわりとすると何ともしまりません。
例えば
「ひとり英連邦のみ(の対峙)」とか
意訳して「孤立する英連邦」とか
「味方なし英連邦」とするくらいの
知恵がほしいところです。
訳文にはそういうセンスが感じられません。
全体として
ノーベル文学賞に輝く作品というよりは
市役所の公文書のような文章に感じられます。
本書の末尾は「1941年6月22日」です。
歴史に詳しい方なら一秒で分かることと
思いますが
バルバロッサ作戦が始まった日です。
つまり
ヒトラーが
独ソ不可侵条約を一方的に破棄して
ソ連に攻めこんだ日です。
この日をもって
英連邦のみによる対峙が終わります。
逆にドイツにしてみれば
西部戦線ないし北アフリカの英連邦と
東部戦線のソ連という
2面作戦を余儀なくされることになります。
また訳者は従軍記者だったわりには
歴史的・軍事的知識も乏しく
ロンメル(1891-1944)が
第一次世界大戦でもらった勲章を
「殊勲賞の最高の勲章」
と訳していますが
草葉の陰でロンメルが泣いていると思います。
これは名誉ある
"Pour le Merite"勲章であり
そもそもプロイセン(ドイツの前身の一つ)
フリードリッヒ大王(1712-1786)が
制定したものです。
独特のブルーの十字にフランス語で
"Pour le Merite"
とデザインが入っています。
チャーチルによる
ロンメルの評価に戻りますと
「彼はまたわれわれの尊敬に値する
人物である。というのは、
彼は忠誠なドイツ軍人ではあったが、
ヒトラーと彼のやり方を憎むようになり、
この狂人であり暴君である人間を除く
ことによって
ドイツを救おうとした、
1944年の陰謀に参加したのである。
このために彼は生命を失ったのであった」
(pp.318-319)と
チャーチルは結んでいます。
現在の「ロンメル神話」
「ロンメル・レジェンド」については
デズモンド・ヤング(1892-1966)
リデル=ハート(1895-1970)
の2人の著書が原因(元凶?)
とされていますが
チャーチルの演説と文章に
ぼぼすべての要素が出そろっていると思います。
歴史学者たちは
ヤングとリデル=ハートを中心にあつかい
チャーチルを意図的に?無視しているか
少なくしかあつかっていないように感じます。
ヤングよりもリデルハートよりも
チャーチルが重要であると思います。
なぜなら
チャーチルは敵国の首相であり
国防相もかねていて
英国国王にかわって全権を与えられていた
その人が言ったり書いたりしたことです。
捕虜になった准将に過ぎないヤングや
あまり優秀ではない民間の歴史学者である
リデル=ハートに比べると
その重さは桁が違うと考えるものです。
全権を持っていたチャーチルは
ロンメルを打倒するため
中東の英連邦軍の司令官だった
ウェーヴェル(1883-1950)を更迭して
オーキンレック(1884-1981)に替え
さらにオーキンレックも更迭して
アレグザンダー(1891-1969)に替え
その下に
モントゴメリー(1887-1976)をつけて
結果として
北アフリカのドイツ・イタリア軍を
打ち破りました。
相手をリスペクトすると同時に
よく研究していたのでしょう。
2002年6月3日に日本でレビュー済み
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イギリス帝国の台所は火の車だ。
アメリカに物資を注文しようにも、外貨準備が底をつく。ウィスキーを売ったり、南アで金を掘ってやりくりする。それでも駄目なので、レンド・リース(武器貸与)を受ける。まあ、借金を無制限にさせてもらうようなものか?
せっかくの物資も、大西洋の戦いの洗礼を受ける。Uボートが狼の群になって襲い掛かる。これもアメリカの助けで護衛の目処がつく。
独伊がギリシャに攻めかかる。重要拠点のクレタ島を必死に守るが、撤退。海軍は大損害を受ける。ただし、ドイツ軍も空挺部隊に大損害を受ける。さらにシリア、イラクが危なくなる・・・。
あまりにもたいへんで、手に汗握る。チャーチルは、よく頑張ったなと同情を禁じ得ない。
思わず夢中で読みふけってしまった。
アメリカに物資を注文しようにも、外貨準備が底をつく。ウィスキーを売ったり、南アで金を掘ってやりくりする。それでも駄目なので、レンド・リース(武器貸与)を受ける。まあ、借金を無制限にさせてもらうようなものか?
せっかくの物資も、大西洋の戦いの洗礼を受ける。Uボートが狼の群になって襲い掛かる。これもアメリカの助けで護衛の目処がつく。
独伊がギリシャに攻めかかる。重要拠点のクレタ島を必死に守るが、撤退。海軍は大損害を受ける。ただし、ドイツ軍も空挺部隊に大損害を受ける。さらにシリア、イラクが危なくなる・・・。
あまりにもたいへんで、手に汗握る。チャーチルは、よく頑張ったなと同情を禁じ得ない。
思わず夢中で読みふけってしまった。