1941年12月からほぼ1年間の戦いが描かれている。日本の真珠湾攻撃からミッドウェー海鮮での敗戦についても短いながら記述されているが、最初から日本が米国に勝つとは全く考えておらず、チャーチルが唯一心配していたのは、米国が日本を攻撃するのを最優先してヨーロッパ戦線が後回しにされないかということだけだったということがわかる。
それにしても、高齢にも拘わらず危険を冒して、アフリカ、米国、ソ連へと飛び回り重要な会議をこなして、ついにアフリカ戦線を起点に反抗を開始する方針を決定していく、チャーチルの行動力はすごい。
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第二次世界大戦 3 (河出文庫 チ 3-3) ペーパーバック – 2010/8/3
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勝利を疑わず不屈の意志で戦い抜く信念を国民に与え続けた指導者チャーチル。本巻では、枢軸国の猛攻の前に苦戦を強いられた連合国側に対して、カサブランカ会議やカイロ会議などで反抗の準備を主導する。 ノーベル文学賞受賞
- 本の長さ337ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2010/8/3
- 寸法10.6 x 1.3 x 15 cm
- ISBN-104309462154
- ISBN-13978-4309462158
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社; 新装版 (2010/8/3)
- 発売日 : 2010/8/3
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 337ページ
- ISBN-10 : 4309462154
- ISBN-13 : 978-4309462158
- 寸法 : 10.6 x 1.3 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 200,306位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年8月23日に日本でレビュー済み
本巻ではいよいよ真珠湾攻撃によって日本が参戦し、イギリスと日本が戦火を交えることになる。勿論、真珠湾以前も両国は権益をめぐって対立していたわけだが、これまでの巻では日本に関する記述はごくわずかであり(とは言え、日本を深刻な脅威だと認識していた)、本巻でさえもヨーロッパ戦線を中心に記述している。第二次世界大戦といっても、チャーチルはメインはあくまでもヨーロッパだと認識していたことが分かる。
もっとも、イギリスはアジア戦線では日本に完敗しており、あまり書きたくなかったという心理も働いていたのではないか、と私は勘ぐっている。当時のイギリスの最強の戦艦であるプリンス・オブ・ウェールズが日本軍によって撃沈された報を受け、チャーチルは「すべての戦争を通じて、私はこれ以上直接的な衝撃を受けたことはなかった。」とまで述べている。
なお、真珠湾攻撃の報を受けた際、最終的な戦勝を確信して狂喜したとチャーチルは書いている。真珠湾攻撃によってアメリカが参戦したからである。これがどこまで真意で、どこまで後知恵で書かれたものなのか、興味深い。
もっとも、イギリスはアジア戦線では日本に完敗しており、あまり書きたくなかったという心理も働いていたのではないか、と私は勘ぐっている。当時のイギリスの最強の戦艦であるプリンス・オブ・ウェールズが日本軍によって撃沈された報を受け、チャーチルは「すべての戦争を通じて、私はこれ以上直接的な衝撃を受けたことはなかった。」とまで述べている。
なお、真珠湾攻撃の報を受けた際、最終的な戦勝を確信して狂喜したとチャーチルは書いている。真珠湾攻撃によってアメリカが参戦したからである。これがどこまで真意で、どこまで後知恵で書かれたものなのか、興味深い。
2018年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
チャーチル
(1874-1965)
(Winston Churchill)は
第二次世界大戦中の
1940年5月
チェンバレン(1869-1940)の
あとを継ぎ
英国首相(挙国一致内閣)となり
国防大臣も兼任しました。
欧州での戦争が終わったあと
1945年7月
首相・国防相を辞任します。
1953年
ノーベル文学賞を受賞しました。
受賞作となったのは
[1]Winston Churchill,
"The Second World War,"
1948-1953,Londonです。
six volumes(6巻)から成り
各巻の原題は次の通りです。
1.The Gathering Storm (1948)
2.Their Finest Hour (1949)
3.The Grand Alliance (1950)
4.The Hinge of Hate (1950)
5.Clothing the Ring (1951)
6.Triumph and Tragedy (1953)
このオリジナル6巻本に限っても
複数の出版社から
多種多様な版が出ていますが
ロンドンの出版社カッセル
(Cassell,London)
によるものが決定版とされます。
カッセルからは
twelve volumes(12巻)から成る
ペーパーバック版も出ています。
すなはち
[2]Winston Churchill,
"The Second World War",
(full paperback twelve volumes edition)
Cassell,London
です。各巻の原題は次の通りです。
1.The Gathering Storm
2.The Twilight War
3.The Fall of France
4.The Commonwealth Alone
5.German Drives East
6.War Comes to America
7.The Onslaught of Japan
8.Victory in Africa
9.The Invasion of Italy
10.Assault from the Air
11.The Tide of Victory
12.Triumph and Tragedy
さて邦訳の本書は
『第二次世界大戦』
という邦訳書名なので
てっきり上述の
オリジナル6巻本
よしんば12巻本からの翻訳と
思って購入したのですが
そうではありません。
本書は
『第二次世界大戦』
という書名ですが
チャーチルがノーベル賞を受賞した
"The Second World War"
からの翻訳ではありません。
ノーベル賞受賞後の1959年に
出版された
要約・短縮・簡略版です。
それは
four volumes (four books)
(ここで言うbookは1冊1冊の本を
指すのではなく「巻」であり
さらに「巻」というより
「部」とイメージするとよいです)
から成り、それに
エピローグ(1957年2月10日付)を
つけた上で
全体を1冊の本にまとめたものです。
Condensed edition in Four Books
と申したらよいでしょう。
原著は次の通りです。
[3]Winston Churchill,
"The Second World War",
Abridged One-volume Editon
with a New Epilogue
on the Years 1945 to 1957,
Cassell & Company,Ltd,1959
です。
1957年2月10日付けの
エピローグが載っていて
1959年に出版された本書(の底本)が
1953年のノーベル賞を受賞することは
絶対にありません。
ノーベル賞を受賞した名著は
あくまで1953年に完結した
6巻本の"The Second World War"です。
短縮版の1冊本[3]は
オリジナル6巻本[1]の
エッセンスを抽出したものだから
「どっちでもいいではないか」
という安易な思い込みに基づいて
訳者と出版社には
本書をオリジナル6巻本の翻訳と
意識的・無意識的に錯誤させるような
記述が見てとれます。
本のタイトルからしてそうです。
『第二次世界大戦』
とのみあれば
多くの人はてっきり
オリジナル6巻本の翻訳と誤解
してしまうでしょう。
実は
オリジナル6巻本の翻訳は
1949年から1955年に
毎日新聞社から
24冊本として出版されていて
そのタイトルは
『第二次大戦回顧録』
です。原著にはない「回顧録」が
つけられているのが特徴です。
ここでねじれ現象のようなものが
起きていることに気づきます。
”The Scond World War"
のオリジナル6巻本の翻訳が
『第二次大戦回顧録』であり
要約・短縮・簡略版の一冊本の翻訳が
『第二次世界大戦』なのです。
さらに
『第二次大戦回顧録 抄』
という文庫本も出ていますが
これはチャーチルの意向とは無関係に
オリジナル6巻本から
日本に関係ある記述を主体に抜き書きして
1冊の本にしただけです。
単に読者に対して
reader friendly でないばかりか
情報を明瞭には開示しないことによって
意識的・無意識的に
読者の錯誤を誘導し
本が売れればまあいいや
という価値観だけが透けて見えます
(まるで昨今の国会答弁のようです)。
時系列で最初に
オリジナル6巻本を翻訳したのは
毎日新聞社翻訳委員会ですが
その中心人物が本書の訳者
佐藤亮一(1907-1994)
です。結局、上述しました
3種類の翻訳本は
佐藤亮一(プラスアルファ)
による仕事です。
佐藤亮一は毎日新聞社の記者として
戦争中は従軍記者をして
戦後しばらく中国・北京の
捕虜収容所に収容されるなど
ご苦労なさった方で
主としてノンフィクションの翻訳で
精力的に活動されました。
リンドバーグ『翼よ、あれがパリの灯だ』や
タイタニック号沈没に関する翻訳は
私も読みました。
しかし
上述のように
チャーチルの "The Second World War"
に関する翻訳は
①タイトルのつけかたや説明不足が
読者の錯誤を誘導する。
②翻訳の訳文自体があまりこなれていない。
③歴史・軍事用語に関して無知を
露呈するような翻訳(?)が目立つ。
‥という点から
あまりお勧めできません。
出版社は翻訳者をかえて
誠実で正確な翻訳を出版なさると
良いのではないかと拝察いたします。
版権・著作権の問題などあり
一筋縄では行かないかと存じますが
ご検討いただけると誠に幸いです。
さて
私はいま「ロンメル神話」
「ロンメル・レジェンド」について
関心を持っておりますので
第2巻に続いて第3巻を
読みました。
第2巻でチャーチルは
敵将ロンメルを
「偉大な将軍」「尊敬に値する人物」
と呼びリスペクトしていましたが
1942年6月22日
トブルクが陥落して
ロンメルが入城します。
同日付でロンメルは
ドイツ陸軍史上最年少で
元帥に昇進します(50歳)。
それより前
「プリンス・オブ・ウェールズ」
「レパルス」は撃沈され
シンガポールも陥落していました。
トブルクが陥ちたというので
チャーチルはとうとう
不信任案を突きつけられます。
戦争中の挙国一致内閣で
首相と国防相を兼任しているのに
不信任を突きつけられること
自体がきわめて異例です。
それくらいトブルク陥落は
ショックが大きかったということでしょう。
不信任は大差で否決されます。
チャーチルは
トブルク陥落の前年7月
中東方面の最高司令官
ウェーヴェル(1883-1953)を更迭し
オーキンレック(1884-1969)を
任命していましたが
トブルク陥落後
オーキンレックも更迭し
アレグザンダー(1891-1969)をあて
その麾下の第8軍の指揮を
モントゴメリー(1887-1976)
に任せました。
結果として
1942年11月4日
ロンメルはエル・アラメインから撤退します。
英国軍から見れば
「エル・アラメインの前に勝利はなかった。
エル・アラメインの後に敗北はなかった。」
という標語にまとめることができます。
ロンメルは
1943年3月をもって北アフリカを去り
欧州で指揮をとることになります。
(1874-1965)
(Winston Churchill)は
第二次世界大戦中の
1940年5月
チェンバレン(1869-1940)の
あとを継ぎ
英国首相(挙国一致内閣)となり
国防大臣も兼任しました。
欧州での戦争が終わったあと
1945年7月
首相・国防相を辞任します。
1953年
ノーベル文学賞を受賞しました。
受賞作となったのは
[1]Winston Churchill,
"The Second World War,"
1948-1953,Londonです。
six volumes(6巻)から成り
各巻の原題は次の通りです。
1.The Gathering Storm (1948)
2.Their Finest Hour (1949)
3.The Grand Alliance (1950)
4.The Hinge of Hate (1950)
5.Clothing the Ring (1951)
6.Triumph and Tragedy (1953)
このオリジナル6巻本に限っても
複数の出版社から
多種多様な版が出ていますが
ロンドンの出版社カッセル
(Cassell,London)
によるものが決定版とされます。
カッセルからは
twelve volumes(12巻)から成る
ペーパーバック版も出ています。
すなはち
[2]Winston Churchill,
"The Second World War",
(full paperback twelve volumes edition)
Cassell,London
です。各巻の原題は次の通りです。
1.The Gathering Storm
2.The Twilight War
3.The Fall of France
4.The Commonwealth Alone
5.German Drives East
6.War Comes to America
7.The Onslaught of Japan
8.Victory in Africa
9.The Invasion of Italy
10.Assault from the Air
11.The Tide of Victory
12.Triumph and Tragedy
さて邦訳の本書は
『第二次世界大戦』
という邦訳書名なので
てっきり上述の
オリジナル6巻本
よしんば12巻本からの翻訳と
思って購入したのですが
そうではありません。
本書は
『第二次世界大戦』
という書名ですが
チャーチルがノーベル賞を受賞した
"The Second World War"
からの翻訳ではありません。
ノーベル賞受賞後の1959年に
出版された
要約・短縮・簡略版です。
それは
four volumes (four books)
(ここで言うbookは1冊1冊の本を
指すのではなく「巻」であり
さらに「巻」というより
「部」とイメージするとよいです)
から成り、それに
エピローグ(1957年2月10日付)を
つけた上で
全体を1冊の本にまとめたものです。
Condensed edition in Four Books
と申したらよいでしょう。
原著は次の通りです。
[3]Winston Churchill,
"The Second World War",
Abridged One-volume Editon
with a New Epilogue
on the Years 1945 to 1957,
Cassell & Company,Ltd,1959
です。
1957年2月10日付けの
エピローグが載っていて
1959年に出版された本書(の底本)が
1953年のノーベル賞を受賞することは
絶対にありません。
ノーベル賞を受賞した名著は
あくまで1953年に完結した
6巻本の"The Second World War"です。
短縮版の1冊本[3]は
オリジナル6巻本[1]の
エッセンスを抽出したものだから
「どっちでもいいではないか」
という安易な思い込みに基づいて
訳者と出版社には
本書をオリジナル6巻本の翻訳と
意識的・無意識的に錯誤させるような
記述が見てとれます。
本のタイトルからしてそうです。
『第二次世界大戦』
とのみあれば
多くの人はてっきり
オリジナル6巻本の翻訳と誤解
してしまうでしょう。
実は
オリジナル6巻本の翻訳は
1949年から1955年に
毎日新聞社から
24冊本として出版されていて
そのタイトルは
『第二次大戦回顧録』
です。原著にはない「回顧録」が
つけられているのが特徴です。
ここでねじれ現象のようなものが
起きていることに気づきます。
”The Scond World War"
のオリジナル6巻本の翻訳が
『第二次大戦回顧録』であり
要約・短縮・簡略版の一冊本の翻訳が
『第二次世界大戦』なのです。
さらに
『第二次大戦回顧録 抄』
という文庫本も出ていますが
これはチャーチルの意向とは無関係に
オリジナル6巻本から
日本に関係ある記述を主体に抜き書きして
1冊の本にしただけです。
単に読者に対して
reader friendly でないばかりか
情報を明瞭には開示しないことによって
意識的・無意識的に
読者の錯誤を誘導し
本が売れればまあいいや
という価値観だけが透けて見えます
(まるで昨今の国会答弁のようです)。
時系列で最初に
オリジナル6巻本を翻訳したのは
毎日新聞社翻訳委員会ですが
その中心人物が本書の訳者
佐藤亮一(1907-1994)
です。結局、上述しました
3種類の翻訳本は
佐藤亮一(プラスアルファ)
による仕事です。
佐藤亮一は毎日新聞社の記者として
戦争中は従軍記者をして
戦後しばらく中国・北京の
捕虜収容所に収容されるなど
ご苦労なさった方で
主としてノンフィクションの翻訳で
精力的に活動されました。
リンドバーグ『翼よ、あれがパリの灯だ』や
タイタニック号沈没に関する翻訳は
私も読みました。
しかし
上述のように
チャーチルの "The Second World War"
に関する翻訳は
①タイトルのつけかたや説明不足が
読者の錯誤を誘導する。
②翻訳の訳文自体があまりこなれていない。
③歴史・軍事用語に関して無知を
露呈するような翻訳(?)が目立つ。
‥という点から
あまりお勧めできません。
出版社は翻訳者をかえて
誠実で正確な翻訳を出版なさると
良いのではないかと拝察いたします。
版権・著作権の問題などあり
一筋縄では行かないかと存じますが
ご検討いただけると誠に幸いです。
さて
私はいま「ロンメル神話」
「ロンメル・レジェンド」について
関心を持っておりますので
第2巻に続いて第3巻を
読みました。
第2巻でチャーチルは
敵将ロンメルを
「偉大な将軍」「尊敬に値する人物」
と呼びリスペクトしていましたが
1942年6月22日
トブルクが陥落して
ロンメルが入城します。
同日付でロンメルは
ドイツ陸軍史上最年少で
元帥に昇進します(50歳)。
それより前
「プリンス・オブ・ウェールズ」
「レパルス」は撃沈され
シンガポールも陥落していました。
トブルクが陥ちたというので
チャーチルはとうとう
不信任案を突きつけられます。
戦争中の挙国一致内閣で
首相と国防相を兼任しているのに
不信任を突きつけられること
自体がきわめて異例です。
それくらいトブルク陥落は
ショックが大きかったということでしょう。
不信任は大差で否決されます。
チャーチルは
トブルク陥落の前年7月
中東方面の最高司令官
ウェーヴェル(1883-1953)を更迭し
オーキンレック(1884-1969)を
任命していましたが
トブルク陥落後
オーキンレックも更迭し
アレグザンダー(1891-1969)をあて
その麾下の第8軍の指揮を
モントゴメリー(1887-1976)
に任せました。
結果として
1942年11月4日
ロンメルはエル・アラメインから撤退します。
英国軍から見れば
「エル・アラメインの前に勝利はなかった。
エル・アラメインの後に敗北はなかった。」
という標語にまとめることができます。
ロンメルは
1943年3月をもって北アフリカを去り
欧州で指揮をとることになります。
2017年4月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
翻訳の日本語がよみにくく、時々適切な訳語ではないのではないかと思いながら読んだが、内容が大変興味深く、筋の通った(正しいかどうか別として)物の見方で先の大戦を振り返り、ことの成り行きを説明している。後付けで解説されたものより、よほど役に立つ。
2004年6月19日に日本でレビュー済み
前大戦を当事者が語ったという意味では、英宰相チャーチルと米軍人ウェデマイヤーの回想録が双璧である。米英が戦略上で最も対立したのは欧州における第二戦線をどこにするのかということだった。英国はバルカン半島に上陸し、東欧に進撃する案を主張したが、米国はフランスに上陸し、一挙にドイツを叩くという方針で両者は激突した。そしてスターリンは一貫して米側の支持者だった。米側は英国のバルカン上陸案を「弱腰」だと非難したが、結局チャーチルの深慮を見損なうことになった。チャーチルは、バルカン-東欧ルートを通し、東部戦線での戦果のソ連の独占による東欧の共産化を阻止しようとしたのであるが、ルーズベルトはじめ米側は戦後になって、はじめてチャーチルの戦略的思考の正しさを知ることになった。ほくそえんだのはクレムリンである。立場の違う英政治家と米軍人双方の回想録を読み合わせることによって、前大戦の全貌に対する複眼的な見方ができると思われる。