好みの分かれる作家の、好みの分かれる短編集です。
個人的ベストはなんといっても表題作「海を失った男」。文章から立ち上がる凄みに何度読んでも打ちのめされます。
本書の収録方針として、単に「よく書けている」とか「誰にでもわかりやすい」ものは選ばずに、「これがスタージョンだ」という作品を提示するように心がけたとのこと(『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』あとがきより)。初めての方は『不思議のひと触れ』(大森望編/河出文庫)のほうが全体的に取っ付きやすいのでオススメです。
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海を失った男 (河出文庫 ス 2-1) ペーパーバック – 2008/4/4
めくるめく発想と異様な感動に満ちたスタージョン傑作選。圧倒的名作の表題作、少女の手に魅入られた青年の異形の愛を描いた「ビアンカの手」他、全八篇。スタージョン再評価の先鞭をつけた記念碑的名著。・総ページ数:472・ISBNコード:9784309463025
- 本の長さ467ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2008/4/4
- ISBN-104309463029
- ISBN-13978-4309463025
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商品の説明
著者について
1918-85年。ニューヨーク生まれ。『人間以上』で国際幻想文学賞受賞。没後、世界幻想文学大賞生涯功労賞が贈られる。著書に『一角獣・多角獣』『夢みる宝石』『ヴィーナス・プラスX』他。日本オリジナル傑作選に『不思議のひと触れ』『輝く断片』『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』等。
1952年京都市生まれ。京都大学大学院修士課程修了。京都大学名誉教授。訳書に、ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』『アーダ』、著書に『ロリータ、ロリータ、ロリータ』『乱視読者の英米短篇講義』など。
1952年京都市生まれ。京都大学大学院修士課程修了。京都大学名誉教授。訳書に、ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』『アーダ』、著書に『ロリータ、ロリータ、ロリータ』『乱視読者の英米短篇講義』など。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2008/4/4)
- 発売日 : 2008/4/4
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 467ページ
- ISBN-10 : 4309463029
- ISBN-13 : 978-4309463025
- Amazon 売れ筋ランキング: - 376,024位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,479位河出文庫
- - 3,225位英米文学研究
- - 17,262位楽譜・スコア・音楽書 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年1月2日に日本でレビュー済み
スタージョンの文章は一種独特である。
丹念に紡がれた言葉達が読者の脳に絡みついてくるのだ。
彼の短編集は特に切なく、温かい物語が収録されている。ストーリーと文体は実に調和していて心地よいぬるま湯に浸かっている気分になる。(褒めてます)
ただ、この短編集はよりマニアックな作品を集めたらしい。わからないけど凄いっていう感覚に陥るのが好きな人には特にオススメ。
丹念に紡がれた言葉達が読者の脳に絡みついてくるのだ。
彼の短編集は特に切なく、温かい物語が収録されている。ストーリーと文体は実に調和していて心地よいぬるま湯に浸かっている気分になる。(褒めてます)
ただ、この短編集はよりマニアックな作品を集めたらしい。わからないけど凄いっていう感覚に陥るのが好きな人には特にオススメ。
2020年9月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わからないから知りたいと思い、まるで関心を引きたいかのように知ったかぶりしてみる。奇妙な振るまいが魅力的で、平凡が特別になる。嗚呼まるで恋心のようではないか?鼓動は音楽、身を捧ぐ、成熟の証、投影された自我、人徳のすすめ、善悪は表裏一体、自制心あるいは還らぬ人へ払う敬意、走馬灯、8つの短編それぞれに記された洞察が心を擽り、翻訳に移し変えて尚そのスタイルに魅了される。
2014年4月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者の作品を読むのは「輝く断片」に次いで二度目。その「輝く断片」は玉石混淆のアンソロジーであり、読み手を選ぶ作者の気難しさを感じさせるものだったが、本アンソロジー中から「玉」を見出すのは難しい。
編者は<人間的SF>と称しているが、作者の関心が、普段見落としがちな日常生活における大切なもの、愛の形の自由性といったものに向けられている事は良く分かるが、如何せん、読んでいて面白くないのである。意表を突いたかに思える結末も、何でこの程度の事をこうした形式で描く必要があるかが理解不能な短編が多い。例えば、愛の形の自由性を謳った「三の法則」に宇宙人を登場させる必要があったのか ? 中編と言っても良い分量を掛けた「成熟」の結末の平凡さ加減は何なのか ?
着想の妙やストーリー展開の巧みさで読ませる短編は皆無で、作者にシンパシーを持てる読者だけに通用する、困った類のアンソロジーだと思った。
編者は<人間的SF>と称しているが、作者の関心が、普段見落としがちな日常生活における大切なもの、愛の形の自由性といったものに向けられている事は良く分かるが、如何せん、読んでいて面白くないのである。意表を突いたかに思える結末も、何でこの程度の事をこうした形式で描く必要があるかが理解不能な短編が多い。例えば、愛の形の自由性を謳った「三の法則」に宇宙人を登場させる必要があったのか ? 中編と言っても良い分量を掛けた「成熟」の結末の平凡さ加減は何なのか ?
着想の妙やストーリー展開の巧みさで読ませる短編は皆無で、作者にシンパシーを持てる読者だけに通用する、困った類のアンソロジーだと思った。
2014年7月11日に日本でレビュー済み
本書の収録作品は下記の通り。
・「音楽」 ("The Music”) 1953年
・「ビアンカの手」 ("Bianca's Hands") 1947年
・「成熟」 ("Maturity") 1948年
・「シジジイじゃない」 ("It Wasn't Syzygy") 1948年
・「三の法則」 ("Rule of Three") 1951年
・「そして私のおそれはつのる」 ("...And My Fear Is Great...") 1953年
・「墓読み」 ("The Graveyard Reader") 1958年
・「海を失った男」 ("The Man Who Lost the Sea") 1959年
全編に渡り、何とも言えない「惜しさ」が満ちて来る作品集に映る。
出だしや作中に「おぉ!」と呻くような気をひく箇所も有るのだが、
話全体では「冗長」で「不可思議」、「おい」と突っ込みたくなった。
この不完全燃焼感?がイイのかな。アレンジが効くと化ける気も。
収録作品では「ビアンカの手」がお薦めだ。魔力って有るのよね。
・「音楽」 ("The Music”) 1953年
・「ビアンカの手」 ("Bianca's Hands") 1947年
・「成熟」 ("Maturity") 1948年
・「シジジイじゃない」 ("It Wasn't Syzygy") 1948年
・「三の法則」 ("Rule of Three") 1951年
・「そして私のおそれはつのる」 ("...And My Fear Is Great...") 1953年
・「墓読み」 ("The Graveyard Reader") 1958年
・「海を失った男」 ("The Man Who Lost the Sea") 1959年
全編に渡り、何とも言えない「惜しさ」が満ちて来る作品集に映る。
出だしや作中に「おぉ!」と呻くような気をひく箇所も有るのだが、
話全体では「冗長」で「不可思議」、「おい」と突っ込みたくなった。
この不完全燃焼感?がイイのかな。アレンジが効くと化ける気も。
収録作品では「ビアンカの手」がお薦めだ。魔力って有るのよね。