色々といいたいことはありますが、一言で言うとこれは
響きが良い本、でした。
まず内容はともかくとして、文章のリズムが良いです。訳者のセンスが良いのでしょう。本の訳者の一人は宇野邦一さんで、wikiによればかつて彼はドゥルーズの指導をじかに受けたようです。宇野邦一さん訳の本を初めて読んだのは、アントナン・アルトー「神の裁きと訣別するため」でしたが、これも大変にリズム感が良い文章で書かれていました。脳内で文章を読むイメージを心地よく出来る文章です。
この本はドゥルーズ、ガタリの表情がじかに伝わる様な、陽気な文章から始まります。
「・・・それにみんなと同じようにお喋りして、日が昇る、などということは楽しいからだ、みんながそんなのは話の糸口にすぎないと承知しているときに。・・・」
アンチ・オイディプスの時のようにやたら批判的な雰囲気はありません。この本は読みやすいです。私は千のプラトーを読む気にはなりますが、アンチ・オイディプスを同じような軽い気持ちで読む気にはなりません。この本では学術的な場での発言や研究の成果が示されている、というよりは比較的穏やかな、むしろブログ的な文章、日記的な文章、或いは個展のようなものに思います。(千のプラトーから成る、というこの本の構成自体が本の一般的な強い一方向性を弱めているので、とくに読みやすい)
私は工学部の人間つまり世間一般に理系なのですが、よく居るタイプの理系こそこういった本を読んでいただきたいと思います。
(一部の)理系人間にはまず数学と科学と論理に関する信心深いドグマがありますから、この本を読んで思考自体が揺さぶられることで、それらに対する信仰を
アンチ・オイディプスがオイディプス信仰を打ち砕くようにして、打ち砕かれて欲しいのです。
一方で数学においてその概念と感受性が直接に結びつくような体験をしている人間(ベルンハルト・リーマンのような多様体に対する洞察がある人間)には
この本は不要かも知れません。この本は要するに自己の洞察に色々な示唆を与えてくれること思います。
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千のプラトー 上 ---資本主義と分裂症 (河出文庫) 文庫 – 2010/9/3
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ドゥルーズ/ガタリの最大の挑戦にして、いまだ読み解かれることのない二十世紀最大の思想書、ついに文庫化。リゾーム、抽象機械、アレンジメントなど新たな概念によって宇宙と大地をつらぬきつつ生を解き放つ。
- ISBN-104309463428
- ISBN-13978-4309463421
- 出版社河出書房新社
- 発売日2010/9/3
- 言語日本語
- 寸法10.7 x 1.4 x 15 cm
- 本の長さ365ページ
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著者について
1925年パリ生まれの哲学者。1995年、自ら死を選ぶ。スピノザやニーチェの研究を通じ西欧哲学の伝統を継承しつつその批判者となる。主著ーF・ガタリと共著『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』『哲学とは何か』他。
1992年没。精神科医にしてラジカルな活動家。ドゥルーズと出会って『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』『哲学とは何か』などの歴史的な名著を遺す。本人の著作の邦訳も『分子革命』『三つのエコロジー』など多数。
1948年生まれ。哲学・フランス文学。著書に『土方巽――衰弱体の思想』、『〈兆候〉の哲学』、『ドゥルーズ――群れと結晶』など。訳書にアルトー『タラウマラ』、ジュネ『薔薇の奇跡』など。
1992年没。精神科医にしてラジカルな活動家。ドゥルーズと出会って『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』『哲学とは何か』などの歴史的な名著を遺す。本人の著作の邦訳も『分子革命』『三つのエコロジー』など多数。
1948年生まれ。哲学・フランス文学。著書に『土方巽――衰弱体の思想』、『〈兆候〉の哲学』、『ドゥルーズ――群れと結晶』など。訳書にアルトー『タラウマラ』、ジュネ『薔薇の奇跡』など。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2010/9/3)
- 発売日 : 2010/9/3
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 365ページ
- ISBN-10 : 4309463428
- ISBN-13 : 978-4309463421
- 寸法 : 10.7 x 1.4 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 91,851位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2017年7月30日に日本でレビュー済み
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2018年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私のように学生時代を80年代で過ごした人は、どっかで浅田彰さんとかの紹介する本をファッションのように持っていたように思います。理解も適当に。
手にとると今でも同じ感覚が甦ってきます。ドゥルーズという響きをちりばめながら、この本の話をしてみたい、といった感覚でしょうか。後の世代からは共感されないとは思います。が、ぜひ一読を。
手にとると今でも同じ感覚が甦ってきます。ドゥルーズという響きをちりばめながら、この本の話をしてみたい、といった感覚でしょうか。後の世代からは共感されないとは思います。が、ぜひ一読を。
2010年10月13日に日本でレビュー済み
1980年代初頭、浅田彰、中沢新一、四方田犬彦といった当時30代前後の人文科学系の研究者たちが、マスコミを巻き込んで創り出した「ニューアカデミズム」と呼ばれたブームがありました。この潮流は、「特定の学問や研究領域を超えた思考や研究」を特徴とした一大ムーブメントでしたが、その彼らの多くが、自著の中にしきりに引用した思想家がこの著者「ジル・ドゥルーズ」でした。
20年前に自死したこのフランスの思想家は、哲学史の個人研究というオーソドックスなスタイルからスタートしながら、後に精神医学者のフェリックス・ガタリとの共同研究を始め、「一つにして多数」の結実を見たのが,「資本主義と分裂症」という副題をもつ1980年刊行の『千のプラトー(高原)』でした。その日本語訳が出版されたのが1994年,それを一部改訳して文庫3巻本として刊行されたうちの上巻がこの本です。序章の「リゾーム」から第6章の「いかに器官なき身体をつくるか」までを扱っています。
この本から受けた印象は,資本主義という社会体制によって,巧妙に組み立てられてゆく管理システムにあらがって,多様な生き方の価値を創造することを提唱する本になっているということでした。哲学の仕事の中心に,新しい「概念」を創造することを置いていたドゥルーズらしく,この本からは,続々と耳慣れない「概念」が登場します。「リゾーム」「強度」「多様体」「機関なき身体」などなど。そうした新規な「概念」が繰りだされるのも,使い古されたもっともらしい旧来の「概念」によって,人間の生が追い詰められ,貧困になってゆくからでしょうか。ともあれこの本は,旧来の学問領域には分類しにくいユニークな著作で、一時の流行が終わったとはいえ、今でもその影響下で、様々な学際研究は続けられています。
今あらためて読み直すと,その慧眼と該博な知識に,いまさらのように驚かされます。翻訳の妙なのでしょうが,誰かに呼びかけるようでありながら,丁寧に解きほぐすような説明の文体に,自らの経験や知見から得られたことが,新しい価値をもって整理し直されて行く実感があります。今この本は,新しい読み手をさがす時代になったと思います。それぞれの分野での創造のために。
20年前に自死したこのフランスの思想家は、哲学史の個人研究というオーソドックスなスタイルからスタートしながら、後に精神医学者のフェリックス・ガタリとの共同研究を始め、「一つにして多数」の結実を見たのが,「資本主義と分裂症」という副題をもつ1980年刊行の『千のプラトー(高原)』でした。その日本語訳が出版されたのが1994年,それを一部改訳して文庫3巻本として刊行されたうちの上巻がこの本です。序章の「リゾーム」から第6章の「いかに器官なき身体をつくるか」までを扱っています。
この本から受けた印象は,資本主義という社会体制によって,巧妙に組み立てられてゆく管理システムにあらがって,多様な生き方の価値を創造することを提唱する本になっているということでした。哲学の仕事の中心に,新しい「概念」を創造することを置いていたドゥルーズらしく,この本からは,続々と耳慣れない「概念」が登場します。「リゾーム」「強度」「多様体」「機関なき身体」などなど。そうした新規な「概念」が繰りだされるのも,使い古されたもっともらしい旧来の「概念」によって,人間の生が追い詰められ,貧困になってゆくからでしょうか。ともあれこの本は,旧来の学問領域には分類しにくいユニークな著作で、一時の流行が終わったとはいえ、今でもその影響下で、様々な学際研究は続けられています。
今あらためて読み直すと,その慧眼と該博な知識に,いまさらのように驚かされます。翻訳の妙なのでしょうが,誰かに呼びかけるようでありながら,丁寧に解きほぐすような説明の文体に,自らの経験や知見から得られたことが,新しい価値をもって整理し直されて行く実感があります。今この本は,新しい読み手をさがす時代になったと思います。それぞれの分野での創造のために。
2010年11月4日に日本でレビュー済み
自分が学生のとき(約10年前)では邦訳があの分厚い二段組のもの(
千のプラトー―資本主義と分裂症
)しかなく、
読むのが非常に遅いため、一度借りてもほとんど進まずに返却する羽目になっていて、
学生時代はこの本をほとんど読めませんでした。
また、貧乏学生でしたので、
本を購入するようなお金も持ち合わせておらず、
興味はあるんだけど…で終わっていました。
たった10年で時代は進み、文庫本で手に入れられるご時勢になりました。
書店で発見したのですが、すぐに手にとってしまいました。
これはなんだろうと興味心いっぱいにして読んでいます。
読むのが非常に遅いため、一度借りてもほとんど進まずに返却する羽目になっていて、
学生時代はこの本をほとんど読めませんでした。
また、貧乏学生でしたので、
本を購入するようなお金も持ち合わせておらず、
興味はあるんだけど…で終わっていました。
たった10年で時代は進み、文庫本で手に入れられるご時勢になりました。
書店で発見したのですが、すぐに手にとってしまいました。
これはなんだろうと興味心いっぱいにして読んでいます。