本書は、地図を豊富に用いたロシアの通史である。
全体は130pほどなので長くはなく、そのため細かいエピソードなどは省かれているが、コンパクトに歴史がまとまっている。
特に地図が多いのは非常にありがたく、時代とともに大きく変わっている「ロシア」の領域を視覚的にとらえられる。
難を挙げるなら、他のレビュワーの方も指摘しているように、ロシアの東方拡大、植民地獲得の部分で地図があまり出ていないことであろう。ここは残念な部分であったが、日本人の記した
類書
でも同様だったので仕方がない気もする。
(ちなみに類書は絵や写真がメインで地図は思ったより多くなかったので、理解しやすさは本書の方に軍配が上がると感じた)
より細かく歴史を知りたいなら、監訳者の本である
ロシアとソ連邦
や、ロマノフ王朝を中心に書いた通史である
興亡の世界史 ロシア・ロマノフ王朝の大地
などを進んで読むといいだろう。
本書は入り口に適した一冊だと思う。

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ロシア (地図で読む世界の歴史) 単行本 – 1999/11/1
- 本の長さ138ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日1999/11/1
- ISBN-104309611842
- ISBN-13978-4309611846
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
東スラヴ民族がロシアに移住してから始まるロシア全史を、地図で読み解くヴィジュアル図説。ピョートル大帝とエカチェリーナを絶頂とするロマノフ王朝からロシア革命、ソ連邦崩壊までの複雑な流れもわかる。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (1999/11/1)
- 発売日 : 1999/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 138ページ
- ISBN-10 : 4309611842
- ISBN-13 : 978-4309611846
- Amazon 売れ筋ランキング: - 865,551位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 139位ロシア史
- - 2,262位ヨーロッパ史一般の本
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年4月13日に日本でレビュー済み
2003年1月20日に日本でレビュー済み
ロシア語に馴染みがなければ、ロシアの長い名前は壁だと思います。
そこでつまずいて、歴史の理解を妨げられることも多いでしょう。
その点、地名としてではなく、感覚として現象を捉えて入れるよう、
この本は工夫されています。かつて歴史を勉強する時には、
教科書と資料集を並べて、行ったり来たりしながら進行しましたが、
この本の場合、資料集の中に一元化されたという利便性があります。
残念な点は、初学者には地名の変化が少し解り難いことです。
ロシアは名前の変遷が多いので、迷う方も多いと思います。
一国の歴史を他に煩わされずに、なぞるのに良いと思いました。
そこでつまずいて、歴史の理解を妨げられることも多いでしょう。
その点、地名としてではなく、感覚として現象を捉えて入れるよう、
この本は工夫されています。かつて歴史を勉強する時には、
教科書と資料集を並べて、行ったり来たりしながら進行しましたが、
この本の場合、資料集の中に一元化されたという利便性があります。
残念な点は、初学者には地名の変化が少し解り難いことです。
ロシアは名前の変遷が多いので、迷う方も多いと思います。
一国の歴史を他に煩わされずに、なぞるのに良いと思いました。
2018年5月20日に日本でレビュー済み
ドストエフスキーとロシア革命、エイゼンシュタイン、タルコフスキー、ソクーロフの映画に興味を持っています。ただし文学も歴史も映画もさらには地理も専門外です。そうした人間がロシアに興味を持ち、できるだけ時間の無駄がなく要領よくロシアを理解するためには、歴史の流れと伴にロシアの領土がどの様に変化してきたのかを知るのが一番だと思い読みました。正解でした!これにより、今まで狭い範囲で理解していたことや、今までドストエフスキー以降の時代でしかなかった興味の範囲がそれ以前にまで広がりました。
特にヨーロッパとの境界線が時代とともに、何が理由でどの様に変遷したのかが詳細に説明されています。
ご参考のため章題と、1章のみ節にあたる項目名をご紹介します。
「1 ロシアの起源」
「スラヴの起源」、「スラヴの拡大」、「キエフ・ルーシ」、「諸公国とノヴゴロド共和国」、「ロシアにおけるキリスト教」
「2 タタールの襲来から動乱時代へ」
「3 モスクワ大公国からロシア帝国へ」
「4 19世紀のロシア」
「5 改革から革命へ」
「6 ロシア革命からソヴィエト連邦へ」
「7 戦争、平和、そして崩壊」
各章の構成は初めに概観が4~6ページで、節として、時代背景の解説・補足が見開き2ページで掲載されていて、非常にシンプルです。
また最初に「ロシア国内」・「領土拡大と国際関係」・「芸術・建築」・「宗教・思想」の四つの項目からなる年表が載せられ、本論の内容を整理する際の参考としても分かりやすいです。
最後に「参考文献」、「一般項目」と「地名」に分けられた「索引」があります。一部、重要な事項が「一般項目」から抜けているのが気になります。
原著は1995年刊行。1999年に河出書房新社から発行された同名の本の新装版です。
特にヨーロッパとの境界線が時代とともに、何が理由でどの様に変遷したのかが詳細に説明されています。
ご参考のため章題と、1章のみ節にあたる項目名をご紹介します。
「1 ロシアの起源」
「スラヴの起源」、「スラヴの拡大」、「キエフ・ルーシ」、「諸公国とノヴゴロド共和国」、「ロシアにおけるキリスト教」
「2 タタールの襲来から動乱時代へ」
「3 モスクワ大公国からロシア帝国へ」
「4 19世紀のロシア」
「5 改革から革命へ」
「6 ロシア革命からソヴィエト連邦へ」
「7 戦争、平和、そして崩壊」
各章の構成は初めに概観が4~6ページで、節として、時代背景の解説・補足が見開き2ページで掲載されていて、非常にシンプルです。
また最初に「ロシア国内」・「領土拡大と国際関係」・「芸術・建築」・「宗教・思想」の四つの項目からなる年表が載せられ、本論の内容を整理する際の参考としても分かりやすいです。
最後に「参考文献」、「一般項目」と「地名」に分けられた「索引」があります。一部、重要な事項が「一般項目」から抜けているのが気になります。
原著は1995年刊行。1999年に河出書房新社から発行された同名の本の新装版です。
2022年5月31日に日本でレビュー済み
「読む」と言えるほど地図は多くなし.
1つの主題に対して地図は一つ,多くて二つ.
その一つの地図に,何十年か分の変遷(膨張や縮小)を,幾つも国境線や矢印を重ねて図示.
この手の本の地図にはありがちな形式ではあるが,分かり易くは全くなし.
希望を述べさせていただくなら,紙の質を落としてでもページを増やし,重要な歴史上のトピックごとに地図を用意するか,あるいはせっかくのネット時代なのだから,国境が時代とともに動く様子を動画を添付,あるいはyoutubeに上げてURLを示すくらいでなければ.
▼
記述内容は教科書的.
物語形式でなく,教科書のように淡々と史実を羅列.
もしかして,ロシアで使われている教科書副読本では?と疑ったほど.
▼
バランスも決して良いとは言えず.
近現代史は比較的分量が多い一方,時代を遡るにつれて薄く.
ロシア革命~ソ連時代についてはスターリンの経済政策というものまで章立てする一方,それ以前ではイヴァン雷帝,ピョートル大帝,エカツェリーナ2世について複数ページが充てられている程度.
たとえばアレクサンドル・ネフスキイについても拍子抜けするほど記述過少.
▼
以下,そんな中でもまあまあ興味深かった記述としては,
・クリコヴォの戦いにおけるモスクワの勝因は?(p.26)
・ストレリツィとは?(p.28)
・オブリーナニキとは?(p.28)
・帝位に就いた偽ドミトリー(p.29)
偽王子は洋の東西を問わず出現しているが,まさか帝位に就いたとは.
・動乱時代からの3つの教訓:(1)国家統一の必要性 (2)無政府状態の恐怖 (3)外国による干渉の脅威(p.29)
この教訓は今日もなおロシアのトラウマとなっている感が.
・使者の派遣費用を国家は負担せず,毛皮商人を同行させ,その交易で経費を賄わせた16世紀ロシア(p.38)
・髭税とは?(p.41)
ちなみに,納税した人には「髭コイン」が贈られた模様.
・プガチョフの兵士の構成員は?(p.43)
・啓蒙君主を指向しながら,専制権力行使をためらわなかったエカツェリーナ2世(p.45)
・農奴のごとく,工場の専有物だった労働者(p.53)
・シノップの海戦とは?(p.72)
▼
地図を読みたければ,本書を読むよりググれ.
【関心率7.246%:全ページ中,当方が個人的に,手元に残したいページがどれだけあるかの割合.当方の主観基準】
1つの主題に対して地図は一つ,多くて二つ.
その一つの地図に,何十年か分の変遷(膨張や縮小)を,幾つも国境線や矢印を重ねて図示.
この手の本の地図にはありがちな形式ではあるが,分かり易くは全くなし.
希望を述べさせていただくなら,紙の質を落としてでもページを増やし,重要な歴史上のトピックごとに地図を用意するか,あるいはせっかくのネット時代なのだから,国境が時代とともに動く様子を動画を添付,あるいはyoutubeに上げてURLを示すくらいでなければ.
▼
記述内容は教科書的.
物語形式でなく,教科書のように淡々と史実を羅列.
もしかして,ロシアで使われている教科書副読本では?と疑ったほど.
▼
バランスも決して良いとは言えず.
近現代史は比較的分量が多い一方,時代を遡るにつれて薄く.
ロシア革命~ソ連時代についてはスターリンの経済政策というものまで章立てする一方,それ以前ではイヴァン雷帝,ピョートル大帝,エカツェリーナ2世について複数ページが充てられている程度.
たとえばアレクサンドル・ネフスキイについても拍子抜けするほど記述過少.
▼
以下,そんな中でもまあまあ興味深かった記述としては,
・クリコヴォの戦いにおけるモスクワの勝因は?(p.26)
・ストレリツィとは?(p.28)
・オブリーナニキとは?(p.28)
・帝位に就いた偽ドミトリー(p.29)
偽王子は洋の東西を問わず出現しているが,まさか帝位に就いたとは.
・動乱時代からの3つの教訓:(1)国家統一の必要性 (2)無政府状態の恐怖 (3)外国による干渉の脅威(p.29)
この教訓は今日もなおロシアのトラウマとなっている感が.
・使者の派遣費用を国家は負担せず,毛皮商人を同行させ,その交易で経費を賄わせた16世紀ロシア(p.38)
・髭税とは?(p.41)
ちなみに,納税した人には「髭コイン」が贈られた模様.
・プガチョフの兵士の構成員は?(p.43)
・啓蒙君主を指向しながら,専制権力行使をためらわなかったエカツェリーナ2世(p.45)
・農奴のごとく,工場の専有物だった労働者(p.53)
・シノップの海戦とは?(p.72)
▼
地図を読みたければ,本書を読むよりググれ.
【関心率7.246%:全ページ中,当方が個人的に,手元に残したいページがどれだけあるかの割合.当方の主観基準】
2018年7月29日に日本でレビュー済み
p.38の本文7行目の「トビリシ」は誤りで、正しくは「トボリスク」だと思います。あわせて、p.136の索引の「トボリスク」に35が2つ並んでいますが、2つ目が正しくは38だと思われます。初版(1999年)は確認していませんが、新装版(2014年)で新たに誤記が生じるとは考えにくいので、初版から誤りが15年に渡り訂正できていないものと推察されます。出版社には慎重で丁寧な仕事をお願いしたいです。なお、原著"The Penguin Historical Atlas of Russia"は未確認です。
原著はイギリスで出版されたものなので、当然、ロシアのヨーロッパ側での変遷について詳しいです。逆に惜しいのは、ロシアのシベリアへの東方拡大の図(p.46)がやや小さく年代、キャプションに欠くこと、あるいは、p.51の「アジアにおけるロシア」の図(p.52)はシベリアが既にロシアの版図となっていた1796年以降の拡大を示す図になっていて、拡大の主たる活動時期、16世紀末~18世紀における変遷が読み取れる図説が欠けていることです。結局、原著者の関心の重点が相対的に低いことに他ならない、その顕れなのだろうと感じました。
(上記:2018年7月29日記述)
追加で誤りに気づいたので記しておきます。
p.107の地図ですが、ヴォルガ川の位置が誤っています。経度で5度程度西にシフトし、ドン川と関係がおかしくなっています。
ロストフ付近に河口をもつドン川が東経48度付近で湾曲していますが、その東側の地図の枠外にヴォルガ川の下流の湾曲があるはずです。本来直接つながらないヴォルガ川がなぜかドン川の支流の上流にあり、モスクワとヴォルガ川の位置関係がおかしくなっています。また、ヴォルガ川の西へのシフトにつられたのかカザンの位置もおかしくなって、サラトフよりのカザンが西に位置してしまっています。
この感じだと気づいていないだけで他にも誤りがあるのではないかと想像します。残念です。
原著はイギリスで出版されたものなので、当然、ロシアのヨーロッパ側での変遷について詳しいです。逆に惜しいのは、ロシアのシベリアへの東方拡大の図(p.46)がやや小さく年代、キャプションに欠くこと、あるいは、p.51の「アジアにおけるロシア」の図(p.52)はシベリアが既にロシアの版図となっていた1796年以降の拡大を示す図になっていて、拡大の主たる活動時期、16世紀末~18世紀における変遷が読み取れる図説が欠けていることです。結局、原著者の関心の重点が相対的に低いことに他ならない、その顕れなのだろうと感じました。
(上記:2018年7月29日記述)
追加で誤りに気づいたので記しておきます。
p.107の地図ですが、ヴォルガ川の位置が誤っています。経度で5度程度西にシフトし、ドン川と関係がおかしくなっています。
ロストフ付近に河口をもつドン川が東経48度付近で湾曲していますが、その東側の地図の枠外にヴォルガ川の下流の湾曲があるはずです。本来直接つながらないヴォルガ川がなぜかドン川の支流の上流にあり、モスクワとヴォルガ川の位置関係がおかしくなっています。また、ヴォルガ川の西へのシフトにつられたのかカザンの位置もおかしくなって、サラトフよりのカザンが西に位置してしまっています。
この感じだと気づいていないだけで他にも誤りがあるのではないかと想像します。残念です。
2003年7月14日に日本でレビュー済み
ともかくあまり馴染みのない隣国の通史の地図が1冊にまとまったことは画期的だ。モンゴルの侵入、ロシアの膨張、革命など激動のロシアの歴史がコンパクトに地図にまとめられた印象である。日本人にとっていちばんの関心事である極東についてもけっこう詳しく載っています。