クォンタムファミリーズについては思想家としての彼に期待している読者もSFファンも満足させる素晴らしい作品だったと思います。
そこからなんだけど、この本は小説を書こうとしたんだとは思うんだけどラブストーリーを期待して東さんの本読んでいるわけではないので物語や情景描写のところを読み飛ばしていったらいつの間にか読み終わってしまった感じです。
あらすじを5ページ程度で要約した上で東さんの論考を読ませてもらう方が自分はうれしかったというのが正直な感想です。
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クリュセの魚 (NOVAコレクション) 単行本 – 2013/8/27
東 浩紀
(著)
少女は孤独に未来を夢見た……亡国の民・日本人の末裔のふたりは出会い、人類第2の故郷・火星の運命が変わる。
壮大な物語世界が立ち上がる、渾身の恋愛小説。三島由紀夫賞受賞第1作。
長いあいだ戦争を忘れ去っていた人類。
だが、異星文明の遺構であるワームホールゲートの発見で、状況は一変する。
地球-火星間をそのゲートで直結する計画が浮上し、火星はいま、激動の時代を迎えようとしていた。
2445年8月、11歳の少年、葦船彰人は、クリュセ低地の開星記念堂で、16歳の少女、大島麻理沙に出会い、恋に落ちた。
ふたりはやがて、時代の奔流に巻き込まれてゆく……
「彰人くんが選ぶなら、それが運命だったんだよ----わたしたちの」
壮大な物語世界が立ち上がる、渾身の恋愛小説。三島由紀夫賞受賞第1作。
長いあいだ戦争を忘れ去っていた人類。
だが、異星文明の遺構であるワームホールゲートの発見で、状況は一変する。
地球-火星間をそのゲートで直結する計画が浮上し、火星はいま、激動の時代を迎えようとしていた。
2445年8月、11歳の少年、葦船彰人は、クリュセ低地の開星記念堂で、16歳の少女、大島麻理沙に出会い、恋に落ちた。
ふたりはやがて、時代の奔流に巻き込まれてゆく……
「彰人くんが選ぶなら、それが運命だったんだよ----わたしたちの」
- 本の長さ252ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2013/8/27
- ISBN-104309622216
- ISBN-13978-4309622217
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商品の説明
著者について
1971年生まれ。作家、批評家。ゲンロン代表取締役。『存在論的、郵便的』でサントリー学芸賞、長編『クォンタム・ファミリーズ』で三島賞を受賞。著書に『動物化するポストモダン』『一般意志2.0』他多数。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2013/8/27)
- 発売日 : 2013/8/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 252ページ
- ISBN-10 : 4309622216
- ISBN-13 : 978-4309622217
- Amazon 売れ筋ランキング: - 874,835位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,107位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。専門は哲学、表象文化論、情報社会論。著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、第21回サントリー学芸賞 思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(講談社)、『ゲンロン0 観光客の哲学』(ゲンロン、第71回毎日出版文化賞 人文・社会部門)、『ゆるく考える』(河出書房新社)、『ゲンロン戦記』(中公新書ラクレ)ほか多数。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あまり話題になっていないようですが、本書は著者のこれまでの仕事のエッセンスが詰め込まれたある向きには重要な書ではないでしょうか。
私は前作のクォンタム・ファミリーズは、無理に文学っぽく寄せて書かれている感があり読みづらくて途中で投げ出してしまいました。氏は近代リアリズム的な登場人物を描いて読者を感情移入させることや、情緒に訴えるような場面、現実のある断面をうまくすくい上げて言語化して読者の感興を買うというような文章は向いていないし、そもそも志向していないのだと思います。その意味で文学向きではない。といっても三島賞とってるので文句は言えませんが。
では何に向いているのか。今回のような、ガチガチのSFを志向した作品が、まさにピッタリなのではないかと読んでいて思いました。
読みはじめてすぐ、膨大な固有名、世界状況が語られますが、設定厨乙なその文章も、イッツSFと思って読みはじめると、必要な条件を満たすだけの手続きに思えてすらすら読めるので不思議。まさに水を得た魚のように設定を述べていく文章は読みやすく、それなりの考証もされているんだろうなと思わせる時点で、荒唐無稽ではなく、かなり現実と地続きの世界を描いたSFでもあります。未来を予言的に描こうという野心的な試みとも言えると思います。それらの設定がこれまでの氏の仕事と地続きになっている。そこがミソと思いますが後述。
そうした設定の詰め込み具合に比べ、相変わらず主人公とヒロインの出会いやその後の関係の描写は、チープで二人はこういう関係ですからよろしく、というような、関係性を分かってもらえばそれでいいと言わんばかりの簡素さです。まぁそうなんですかと聞いたら作家はそんな訳はないとキレるでしょうが、実際ありきたりで簡素という他はないでしょう。
さて、氏の仕事と本書との関係です。と言ってもネタバレに繋がるので刊行直後の今詳細は避けますが、デリダ的な用語概念、火星住民=オタク、家族、そして一般意志の拡大的適用=運用と、読み進める内にこれまでの氏の仕事を実社会に当てはめて行った時にどうなるのか、それを総まとめで実践したような内容で、これまでその仕事をフォローしてきたものとしてはかなりご馳走様ですな内容だと思います。
社会と思想の接点を小説において実践する、氏は現実社会においても今や深く現実とコミットしようとしていますが、思想の実践という姿勢は一貫しているように思えます。
また、オタクの向きにも美味しい小説でしょう。トップをねらえ、エヴァ、ナデシコ、マブラブ、AIR、まどマギなど様々な作品のフレーバーが直接的・間接的にまぶされているし、そもそも何が元ネタか決定出来ないなと思わせるところがまさに氏がリードしてきた文化状況を反映してるようにも思います。
総じて詰め込めるだけ詰め込んだと思わせる全力投球感が胸を打つ作品です。
とは言っても、ここからはネタバレですが、麻理沙との最後の邂逅場面を読んで、孤独の内に心を閉ざした女性を男が超越的に凌駕し心を奪うというマッチョな構図は、男性オタク文化的な方面から描かれている感は否めなく、麻理沙は結局は主人公に都合の良いような行動を選ぶので、ここで感動したとか言っちゃいけないんじゃないかと思い、また、そういうところはそろそろ再生産するのではなく次のステップに行って欲しいと思いました。
私は前作のクォンタム・ファミリーズは、無理に文学っぽく寄せて書かれている感があり読みづらくて途中で投げ出してしまいました。氏は近代リアリズム的な登場人物を描いて読者を感情移入させることや、情緒に訴えるような場面、現実のある断面をうまくすくい上げて言語化して読者の感興を買うというような文章は向いていないし、そもそも志向していないのだと思います。その意味で文学向きではない。といっても三島賞とってるので文句は言えませんが。
では何に向いているのか。今回のような、ガチガチのSFを志向した作品が、まさにピッタリなのではないかと読んでいて思いました。
読みはじめてすぐ、膨大な固有名、世界状況が語られますが、設定厨乙なその文章も、イッツSFと思って読みはじめると、必要な条件を満たすだけの手続きに思えてすらすら読めるので不思議。まさに水を得た魚のように設定を述べていく文章は読みやすく、それなりの考証もされているんだろうなと思わせる時点で、荒唐無稽ではなく、かなり現実と地続きの世界を描いたSFでもあります。未来を予言的に描こうという野心的な試みとも言えると思います。それらの設定がこれまでの氏の仕事と地続きになっている。そこがミソと思いますが後述。
そうした設定の詰め込み具合に比べ、相変わらず主人公とヒロインの出会いやその後の関係の描写は、チープで二人はこういう関係ですからよろしく、というような、関係性を分かってもらえばそれでいいと言わんばかりの簡素さです。まぁそうなんですかと聞いたら作家はそんな訳はないとキレるでしょうが、実際ありきたりで簡素という他はないでしょう。
さて、氏の仕事と本書との関係です。と言ってもネタバレに繋がるので刊行直後の今詳細は避けますが、デリダ的な用語概念、火星住民=オタク、家族、そして一般意志の拡大的適用=運用と、読み進める内にこれまでの氏の仕事を実社会に当てはめて行った時にどうなるのか、それを総まとめで実践したような内容で、これまでその仕事をフォローしてきたものとしてはかなりご馳走様ですな内容だと思います。
社会と思想の接点を小説において実践する、氏は現実社会においても今や深く現実とコミットしようとしていますが、思想の実践という姿勢は一貫しているように思えます。
また、オタクの向きにも美味しい小説でしょう。トップをねらえ、エヴァ、ナデシコ、マブラブ、AIR、まどマギなど様々な作品のフレーバーが直接的・間接的にまぶされているし、そもそも何が元ネタか決定出来ないなと思わせるところがまさに氏がリードしてきた文化状況を反映してるようにも思います。
総じて詰め込めるだけ詰め込んだと思わせる全力投球感が胸を打つ作品です。
とは言っても、ここからはネタバレですが、麻理沙との最後の邂逅場面を読んで、孤独の内に心を閉ざした女性を男が超越的に凌駕し心を奪うというマッチョな構図は、男性オタク文化的な方面から描かれている感は否めなく、麻理沙は結局は主人公に都合の良いような行動を選ぶので、ここで感動したとか言っちゃいけないんじゃないかと思い、また、そういうところはそろそろ再生産するのではなく次のステップに行って欲しいと思いました。
2013年10月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この小説は僕が読んできた東さんの作品の中で最も現実の彼にリンクしているように思われた。彼のファンならこの言葉だけで読む価値ありと判断するに違いない。ただ、いろいろな人に読んでもらうためにレビューを書く身としてはこれだけでは言葉足らずだろう。
火星と地球との抗争は「月は無慈悲な夜の女王」、少年の頃の初恋は「ハローサマーグッドバイ」を想起させた(この時点でSFファンも読むはずw)。だがこの作品の本主はおそらく現実の投影にあるように思われる。ここで描かれる火星は個人主義かつ非政治的なソフト先進国であり、これは現在の日本の投影だろう。火星へのゲートが開かれるまで火星は完全なガラパゴス国家だったのだ。あのゲートはTPPとかかな?しかし、これは重層的にインテリ、ネトウヨ問題の比喩も内包しているように思われた。また作者自身年上の女性への初恋(狭義の)は実際の自分の経験を下敷きにしていると某動画サイトで語っていた。
また未知との遭遇(ファースト・コンタクト)ものとしての側面も有り、その宇宙人は現実的なキュウべえといったところかw。ボーカロイドやさまざまなサブカル系とか詳しいなら、作者のパロや比喩を探すのも面白いかもしれない。とにかく作者の作品の中では圧倒的にハード王道SFやってます。個人的にはLの位置づけを教えて欲しい。僕の頭じゃよく分からなかった。最後に本作の締めの文を・・「ぼくたちはつねに失敗する。まちがった選択肢を選び、主人公になる機会を逃す。けれども、きっと、それが魂をもつということなのだ」
私達の意志は拒絶と否定と失敗に宿るというのは皮肉で希望のある話です。
火星と地球との抗争は「月は無慈悲な夜の女王」、少年の頃の初恋は「ハローサマーグッドバイ」を想起させた(この時点でSFファンも読むはずw)。だがこの作品の本主はおそらく現実の投影にあるように思われる。ここで描かれる火星は個人主義かつ非政治的なソフト先進国であり、これは現在の日本の投影だろう。火星へのゲートが開かれるまで火星は完全なガラパゴス国家だったのだ。あのゲートはTPPとかかな?しかし、これは重層的にインテリ、ネトウヨ問題の比喩も内包しているように思われた。また作者自身年上の女性への初恋(狭義の)は実際の自分の経験を下敷きにしていると某動画サイトで語っていた。
また未知との遭遇(ファースト・コンタクト)ものとしての側面も有り、その宇宙人は現実的なキュウべえといったところかw。ボーカロイドやさまざまなサブカル系とか詳しいなら、作者のパロや比喩を探すのも面白いかもしれない。とにかく作者の作品の中では圧倒的にハード王道SFやってます。個人的にはLの位置づけを教えて欲しい。僕の頭じゃよく分からなかった。最後に本作の締めの文を・・「ぼくたちはつねに失敗する。まちがった選択肢を選び、主人公になる機会を逃す。けれども、きっと、それが魂をもつということなのだ」
私達の意志は拒絶と否定と失敗に宿るというのは皮肉で希望のある話です。
2013年10月18日に日本でレビュー済み
火星を舞台にした、そこそこよくできたSF小説であり、ボーイミーツガール物として、楽しく読める。
とはいえ、最初の展開、アニメのノベライズを読んでいるような雰囲気は何とかならなかったのかな、と思う。アニメが悪いということじゃない。ただ、それをわざわざ小説で読みたくはないだけだ。
後半、よくあるタイプのSF(いわゆる○○物)だということが明らかにはなるけれど、アイデアとして秀逸なのかどうかという点も指摘しておく。それに、主人公の行動にも、ちょっと合理性がなさすぎかな、とも。
楽しく読んだので、★3つだけど、不満はたくさんある。
とはいえ、最初の展開、アニメのノベライズを読んでいるような雰囲気は何とかならなかったのかな、と思う。アニメが悪いということじゃない。ただ、それをわざわざ小説で読みたくはないだけだ。
後半、よくあるタイプのSF(いわゆる○○物)だということが明らかにはなるけれど、アイデアとして秀逸なのかどうかという点も指摘しておく。それに、主人公の行動にも、ちょっと合理性がなさすぎかな、とも。
楽しく読んだので、★3つだけど、不満はたくさんある。
2018年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
素晴らしい青春ものSFでした。
SFとして扱ってる題材の強度もかなりあったし、
主人公たちの選択や行動に、思想家東浩紀がちょうどよいバランスで垣間見えるところにものすごくグッときた。
好きな作品です。
SFとして扱ってる題材の強度もかなりあったし、
主人公たちの選択や行動に、思想家東浩紀がちょうどよいバランスで垣間見えるところにものすごくグッときた。
好きな作品です。
2017年10月6日に日本でレビュー済み
けっこう辛い評価を散見しますが、面白く読みました。
たぶん、批判している人は相当に読書量が多い人で、かつ批評家「東浩紀」に対する期待のハードルが高い人なんでしょう。
話自体は真っ当でストレートなSFの恋物語です。
本書に何かメッセージがあるとすれば、それは「人間らしさとは、あやまちをやり直さないことだ」というものでしょうか。
過去をやり直せるとしても、あえて今、この現在を選びとることの大切さ。
それが、主人公の彰人が「過去にタイムワープして妻の麻理沙と再会すること」よりも「数十年後の未来で娘の栖花と再会すること」を選んだ結末の意味だと思います。
これはニーチェの云う「永劫回帰」の思想に近いものがあると思います。
なぜなら、ルサンチマンのない本当の生き方とは「一切不満のない完璧な人生を生きること」ではなく、「不満だらけの人生をそれでも愛すること」だからです。
まあ、青臭いっちゃ青臭いですかね。そこがダメな玄人読者が多いのかも…
たぶん、批判している人は相当に読書量が多い人で、かつ批評家「東浩紀」に対する期待のハードルが高い人なんでしょう。
話自体は真っ当でストレートなSFの恋物語です。
本書に何かメッセージがあるとすれば、それは「人間らしさとは、あやまちをやり直さないことだ」というものでしょうか。
過去をやり直せるとしても、あえて今、この現在を選びとることの大切さ。
それが、主人公の彰人が「過去にタイムワープして妻の麻理沙と再会すること」よりも「数十年後の未来で娘の栖花と再会すること」を選んだ結末の意味だと思います。
これはニーチェの云う「永劫回帰」の思想に近いものがあると思います。
なぜなら、ルサンチマンのない本当の生き方とは「一切不満のない完璧な人生を生きること」ではなく、「不満だらけの人生をそれでも愛すること」だからです。
まあ、青臭いっちゃ青臭いですかね。そこがダメな玄人読者が多いのかも…
2013年9月1日に日本でレビュー済み
4時間で読めた。
NOVAで掲載されていた時も途中まで読んでいたけれど、表紙が素敵で迷わず買いました。
表紙の少女は麻理沙なのだろうか。
麻理沙とLとの再会で泣けた。
世界線を越えない選択をした葦船はシュタインズゲートのβ世界線に辿り着いた岡部に見えた。
集約儀がタイムトラベルを可能にするとして、葦船が麻理沙の命を救うのは34歳の葦船なのだろうか。
世界線を変えた葦船は麻理沙と幸せになれたのかが疑問に残った。
何を考えていたかはわからない麻理沙について集約儀のお陰でわかることができたのは読者として楽しかった。
NOVAで掲載されていた時も途中まで読んでいたけれど、表紙が素敵で迷わず買いました。
表紙の少女は麻理沙なのだろうか。
麻理沙とLとの再会で泣けた。
世界線を越えない選択をした葦船はシュタインズゲートのβ世界線に辿り着いた岡部に見えた。
集約儀がタイムトラベルを可能にするとして、葦船が麻理沙の命を救うのは34歳の葦船なのだろうか。
世界線を変えた葦船は麻理沙と幸せになれたのかが疑問に残った。
何を考えていたかはわからない麻理沙について集約儀のお陰でわかることができたのは読者として楽しかった。
2013年11月8日に日本でレビュー済み
一読で全容は掴めなかった。
が、ほかのひとも指摘していたように、「このわたし」が登場するところから物語が白熱。
細部すべては拾えなかったけれど、誰が読んでもあそこは盛り上がると思います。
長さは中篇になるんだろうけど、短篇の密度・文法で書かれている感じで、「きみは常にプランBを用意している」という台詞でああ彼はそういう人物だったのか、と気づいたり(読み方が粗いのかもしれませんが)。
マドレーヌ、アマルティア・セン、ブラッドベリ等々、固有名詞について深く知っていると更に楽しめる仕様ぽいので、結構インテリ向けなのかも。
自分はプルーストを(たとえ抄訳でも)読みたくなりました。
”魚”が『ライ麦畑』における公園の家鴨問題を想起させたり、読み手とタイミングによって、引っかかるところがたくさんある小説と見受けました。
が、とにかくそういう仕掛けを抜きにしても、いい小説と思います。
再読しやすい短さなのもありがたい。
あまり褒めても公平性に欠ける気がするので、やはり熟練の作家陣と比べると、掴みというかグイグイ先のページをめくらせる力は(まだ)強くないと感じたことは記しておきます。
あ、あと戦争がでてくるのは重要かと。
が、ほかのひとも指摘していたように、「このわたし」が登場するところから物語が白熱。
細部すべては拾えなかったけれど、誰が読んでもあそこは盛り上がると思います。
長さは中篇になるんだろうけど、短篇の密度・文法で書かれている感じで、「きみは常にプランBを用意している」という台詞でああ彼はそういう人物だったのか、と気づいたり(読み方が粗いのかもしれませんが)。
マドレーヌ、アマルティア・セン、ブラッドベリ等々、固有名詞について深く知っていると更に楽しめる仕様ぽいので、結構インテリ向けなのかも。
自分はプルーストを(たとえ抄訳でも)読みたくなりました。
”魚”が『ライ麦畑』における公園の家鴨問題を想起させたり、読み手とタイミングによって、引っかかるところがたくさんある小説と見受けました。
が、とにかくそういう仕掛けを抜きにしても、いい小説と思います。
再読しやすい短さなのもありがたい。
あまり褒めても公平性に欠ける気がするので、やはり熟練の作家陣と比べると、掴みというかグイグイ先のページをめくらせる力は(まだ)強くないと感じたことは記しておきます。
あ、あと戦争がでてくるのは重要かと。