冒頭の2~3ページからして既に明確に誤訳が散見される。読み進んでいくと、明らかに意味が取れない。フォークナーの本文が超絶難解なので、こちらが理解できないのか…と思ってしまうが、岩波訳と対比して行くと、その誤訳っぷりは、驚くべきものである。枝葉末節の誤訳だけではなく、解釈上重要なポイントも読めていないのが明確にわかる。中上健次などは、この訳で読んだのどろうか?今となってみればはっきりわかる…篠田一士の英語力が、フォークナーには力負けなのである。お前は、何様だ?と言われるかもしれないが、多少英語を読むものには、明確にわかる。岩波に比べれば、やっつけ仕事でしかない。やっつけで理解できるほど、フォークナーは易しくはない。文体だけ見ても、明らかにプルーストより難しい。少し真面目に読めば、そんなこと誰にでもわかるし、フォークナー専門家は、笑って歯牙にもかけないだろう。そんなものを
、あれだけ新訳のならんだ全集に滑り込ませるのは、もはや犯罪的行為である。池澤夏樹は、その良心を問われるだろうし、河出書房新社の編集者はその責任を厳しく問われるべきである。
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アブサロム、アブサロム! (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-9) 単行本 – 2008/7/11
ウィリアム フォークナー
(著),
篠田 一士
(翻訳)
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南部の差別と人間の苦悩を描く
ノーベル賞作家の代表作
アメリカ南部の田舎町に姿を現した男サトペンが、巨大な屋敷と荘園を建設し、自らの家系を築きあげる。南北戦争をはさんで展開される繁栄と没落の物語。重層的な語りの中に、呪われた血の歴史が浮かびあがる壮大なサーガ。
〈ぼくがこの作品を選んだ理由 池澤夏樹〉
フォークナーは密度が高い。人と人の距離が近く、愛も憎悪も野心も欲望も強烈。登場人物の人柄はどれも忘れがたい。ぼくにとって『アブサロム、アブサロム!』を精読した記憶は、どこかの町で一年暮らしたのと同じくらいの重さがある。
ノーベル賞作家の代表作
アメリカ南部の田舎町に姿を現した男サトペンが、巨大な屋敷と荘園を建設し、自らの家系を築きあげる。南北戦争をはさんで展開される繁栄と没落の物語。重層的な語りの中に、呪われた血の歴史が浮かびあがる壮大なサーガ。
〈ぼくがこの作品を選んだ理由 池澤夏樹〉
フォークナーは密度が高い。人と人の距離が近く、愛も憎悪も野心も欲望も強烈。登場人物の人柄はどれも忘れがたい。ぼくにとって『アブサロム、アブサロム!』を精読した記憶は、どこかの町で一年暮らしたのと同じくらいの重さがある。
- ISBN-104309709494
- ISBN-13978-4309709499
- 出版社河出書房新社
- 発売日2008/7/11
- 言語日本語
- 寸法13.7 x 3.3 x 19.7 cm
- 本の長さ476ページ
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著者について
1897年、アメリカ生まれ。南部の架空の町を舞台にした作品を多く生み出す。著書に『サンクチュアリ』『八月の光』『響きと怒り』など多数。1950年、ノーベル文学賞受賞。1962年、没。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2008/7/11)
- 発売日 : 2008/7/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 476ページ
- ISBN-10 : 4309709494
- ISBN-13 : 978-4309709499
- 寸法 : 13.7 x 3.3 x 19.7 cm
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- - 79,204位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年7月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
重たい一冊だ。
始まりから438ページまで、まったく重たい。無駄なく重たい。脂肪もついていないかわりに、重たい。力強い。ローリング・ストーンズ「レット・イット・ブリード」も、ここまで重たくはないのではないだろうか。
ヤンキー(北部アメリカ人)に敗れた、南部人たちのありのままが描かれている。暴力、嫉妬、黒人差別、インディアン差別、KKK、殺人・・・アメリカ南部の恥部が、これでもかとばかりに展開される。
誤解しないでいただきたい。ウィリアム・フォークナーは、情念どろどろの心でこれら438ページを書いたのではない。彼はいつだってクールであった。「響きと怒り」「八月の光」「エミリーにバラを」でもそうであったように、クールである。故に重たい。素晴らしい。
だからここで警告しておこう。今までフォークナーを読んだことのない人は、いきなり本書を読むべきではない。新潮文庫「フォークナー短編集」(龍口直太郎翻訳)から入るといいだろう。また誤解しないでいただきたいが、「短編集」がくだらないと言いたいわけじゃないこと。あれだって素晴らしいのだから(南部アメリカ、もしくはラテンアメリカ文芸作品に慣れていない方にはあれだって重たいと感じるだろうが)。
フォークナーがクールである証拠に、または余裕を持って本書を書いていた証拠に、本作にはいわゆる「意識の流れ」が素晴らしく表現されていることを挙げておこう。ジェームズ・ジョイスやヴァージニア・ウルフなど、フォークナーと(ほぼ)同世代の作家たちがやっていたことである。クールであるから、まったくうざったくなく、表現されている。
「私たちと日本人には共通点がある。どちらもヤンキーに負けたことだ」−フォークナーの言葉より。もう一つ、重要な言葉を挙げておこう。
「黒人へのリンチは南部でよくみられるアメリカの恥部みたいなもので、黒人作家リチャード・ライトがこれを大きくとりあげているのは当然としても、白人作家のアースキン・コールドウェルやフォークナーもこれを見逃してはいない。作家の良心ともいうべきものだろう」−龍口直太郎。
なお、「アブサロム」とは、旧約聖書に登場する人物で、父にそむいて殺された男の名前であるそうだ。
始まりから438ページまで、まったく重たい。無駄なく重たい。脂肪もついていないかわりに、重たい。力強い。ローリング・ストーンズ「レット・イット・ブリード」も、ここまで重たくはないのではないだろうか。
ヤンキー(北部アメリカ人)に敗れた、南部人たちのありのままが描かれている。暴力、嫉妬、黒人差別、インディアン差別、KKK、殺人・・・アメリカ南部の恥部が、これでもかとばかりに展開される。
誤解しないでいただきたい。ウィリアム・フォークナーは、情念どろどろの心でこれら438ページを書いたのではない。彼はいつだってクールであった。「響きと怒り」「八月の光」「エミリーにバラを」でもそうであったように、クールである。故に重たい。素晴らしい。
だからここで警告しておこう。今までフォークナーを読んだことのない人は、いきなり本書を読むべきではない。新潮文庫「フォークナー短編集」(龍口直太郎翻訳)から入るといいだろう。また誤解しないでいただきたいが、「短編集」がくだらないと言いたいわけじゃないこと。あれだって素晴らしいのだから(南部アメリカ、もしくはラテンアメリカ文芸作品に慣れていない方にはあれだって重たいと感じるだろうが)。
フォークナーがクールである証拠に、または余裕を持って本書を書いていた証拠に、本作にはいわゆる「意識の流れ」が素晴らしく表現されていることを挙げておこう。ジェームズ・ジョイスやヴァージニア・ウルフなど、フォークナーと(ほぼ)同世代の作家たちがやっていたことである。クールであるから、まったくうざったくなく、表現されている。
「私たちと日本人には共通点がある。どちらもヤンキーに負けたことだ」−フォークナーの言葉より。もう一つ、重要な言葉を挙げておこう。
「黒人へのリンチは南部でよくみられるアメリカの恥部みたいなもので、黒人作家リチャード・ライトがこれを大きくとりあげているのは当然としても、白人作家のアースキン・コールドウェルやフォークナーもこれを見逃してはいない。作家の良心ともいうべきものだろう」−龍口直太郎。
なお、「アブサロム」とは、旧約聖書に登場する人物で、父にそむいて殺された男の名前であるそうだ。
2022年12月6日に日本でレビュー済み
ピンチョン経由で読み始めました。
ストーリーの説明とか、誤訳等は他の人のレビューを参照してください。
私の個人的感想を述べます。
かなり早い段階で、サトペン農場の崩壊が語られている。そして、近親相姦、未だ人間が乗り越えることが出来ない人種差別、憎悪、絶望、狂気などありとあらゆる負のエネルギーが爆発している。私は「人間とはそのような生き物だろう」と考えてしまう。
あるアメリカ文学の本には「20世紀のすべての作家は、フォークナー以前、以後に分けられる」とあった。私もそれに同感です。
かなりヘヴィ、そして通勤時間に読むことは、決して不可能なのがフォークナーの作品であるので、まとまった時間がある時にぜひ読んでください。
ある大型店の書店員さんは『八月の光』を次に読むといいと言っていました。それに挑戦するつもりです。
ストーリーの説明とか、誤訳等は他の人のレビューを参照してください。
私の個人的感想を述べます。
かなり早い段階で、サトペン農場の崩壊が語られている。そして、近親相姦、未だ人間が乗り越えることが出来ない人種差別、憎悪、絶望、狂気などありとあらゆる負のエネルギーが爆発している。私は「人間とはそのような生き物だろう」と考えてしまう。
あるアメリカ文学の本には「20世紀のすべての作家は、フォークナー以前、以後に分けられる」とあった。私もそれに同感です。
かなりヘヴィ、そして通勤時間に読むことは、決して不可能なのがフォークナーの作品であるので、まとまった時間がある時にぜひ読んでください。
ある大型店の書店員さんは『八月の光』を次に読むといいと言っていました。それに挑戦するつもりです。
2009年7月30日に日本でレビュー済み
一段落が非常に長く、読みづらかった。
世界文学全集の1冊。
フォークナーは短編を1本読んだことしかなかった。映画『三つ数えろ』の脚本家であることは、チャンドラーファンだったのでよく知っていたのだけど、小説家としてのフォークナーにはほとんど関心がなかった。
この本を読んで最初に感じたのは、とにかく一段落が長く、読みづらいということ。原文がどうなっているのかは確かめなかったんだけど、あの長い日本語ではリズムがつかめず、読了するのに長時間かかってしまった。
特に前半のほうは、全く不調。本を読むのにあまり苦労しないほうだけど、こんなに苦労したのは久しぶりだ。
ただ、読み進めていくとそのリズムもつかめてきて、物語に没頭することができるようになると、フォークナーの描くアメリカ南部の世界に引きずり込まれる。宗教や人種、貧困。そして歴史に翻弄される人間。違うな、翻弄されているのではない。うまく言えないけど、大きな歴史の中で、この小説の登場人物たちの人生はちっぽけなものでしかないけど、確かに人間の歴史を形作っていく。彼らが架空の人物であろうと。そんなことを感じた。
世界文学全集の1冊。
フォークナーは短編を1本読んだことしかなかった。映画『三つ数えろ』の脚本家であることは、チャンドラーファンだったのでよく知っていたのだけど、小説家としてのフォークナーにはほとんど関心がなかった。
この本を読んで最初に感じたのは、とにかく一段落が長く、読みづらいということ。原文がどうなっているのかは確かめなかったんだけど、あの長い日本語ではリズムがつかめず、読了するのに長時間かかってしまった。
特に前半のほうは、全く不調。本を読むのにあまり苦労しないほうだけど、こんなに苦労したのは久しぶりだ。
ただ、読み進めていくとそのリズムもつかめてきて、物語に没頭することができるようになると、フォークナーの描くアメリカ南部の世界に引きずり込まれる。宗教や人種、貧困。そして歴史に翻弄される人間。違うな、翻弄されているのではない。うまく言えないけど、大きな歴史の中で、この小説の登場人物たちの人生はちっぽけなものでしかないけど、確かに人間の歴史を形作っていく。彼らが架空の人物であろうと。そんなことを感じた。
2009年1月31日に日本でレビュー済み
私はこの本がフォークナー初体験でした。
イントロから息の長〜い文で始まり、それが次々と積み上げられていく印象。そんな調子がだれることなく最後まで続きます。ひとつの文章に込められた情報量の多いこと。
しかし、それでも前に前に読み続けられます。それは物語の骨格の堅固さに由ると思われます。情報がてんでばらばらに漂っているのではなく、きちんと掬い上げられて、納まるべきところに納まっている。だから読むのに骨は折れる、けど、止められない。
読みきったとき、肩が凝って「あぁ、しばらくいいや」と思ったのだけれども、しばらくしてくるとすごくどっしりとした世界として心の中に鎮座していました。どこ、というのはつかめないけれど、何か、を強く心に残す作品でした。
この物語の狂言回しであるクエンティン・コンプソンの存在を上手く掴めなかったのですが、後日「響きと怒り」を読んで少し分かったような…気になりました。2作品のネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、南部のアイデンティティの没落と同胞葛藤と言うテーマにおいてクエンティンにはサトペン一家のことが他人事ではなかったのだなぁと言う印象を今では持っています。
イントロから息の長〜い文で始まり、それが次々と積み上げられていく印象。そんな調子がだれることなく最後まで続きます。ひとつの文章に込められた情報量の多いこと。
しかし、それでも前に前に読み続けられます。それは物語の骨格の堅固さに由ると思われます。情報がてんでばらばらに漂っているのではなく、きちんと掬い上げられて、納まるべきところに納まっている。だから読むのに骨は折れる、けど、止められない。
読みきったとき、肩が凝って「あぁ、しばらくいいや」と思ったのだけれども、しばらくしてくるとすごくどっしりとした世界として心の中に鎮座していました。どこ、というのはつかめないけれど、何か、を強く心に残す作品でした。
この物語の狂言回しであるクエンティン・コンプソンの存在を上手く掴めなかったのですが、後日「響きと怒り」を読んで少し分かったような…気になりました。2作品のネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、南部のアイデンティティの没落と同胞葛藤と言うテーマにおいてクエンティンにはサトペン一家のことが他人事ではなかったのだなぁと言う印象を今では持っています。