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ハンス・ベルメール 〔骰子の7の目 シュルレアリスムと画家叢書〕 (骰子の7の目シュルレアリスムと画家叢書 2) 大型本 – 2006/6/2

4.9 5つ星のうち4.9 6個の評価

付属資料:月報(1冊)

商品の説明

著者からのコメント

「骰子の7の目」日本語版刊行に寄せて

画家の明証——瀧口修造 

人は絶えず何ものかに賭ける。しかも、6の目の骰子を振りながら、その実は7の目をもとめているのではなかろうか。画家もまた例外ではない。
 絵画は人間のもっとも古い発見のひとつとして、その平らな面の表現の世界は、人に寄り添う影のように消えることを知らない。それは無重力の宇宙を遊泳しながらも、必死に地上へ帰着、ふたたび二次元の床の上に身をよこたえるようなものか。だが、夢はふたたびあらぬ彼方の次元を飛ぶだろう。
 絵画とは、いまや表現の伝統というよりも、慾望回帰のしるしだとさえ言ってよいかも知れない。そのように、絵画は執拗にも、眼あるかぎりの影像の生活とともにある。
 人が絵画を眺めるとき、絵画もまた人を視ている。そして、この地上の眼差しのなかに、もうひとつの次元からの眼差しに出会うのだ。
 これら、伴侶としての画家たちは、おそらくつねに現実の曇り、矛盾、禁忌を越えて、ひとびとの許へ戻ってくるだろう。こうして絵画は鏡の向うのn次元の明証となるだろう。

増補新版刊行に寄せて

32年後に——巖谷國士

「骰子の7の目」というこの詩的な言葉を、不可能のたとえととることもできる。その不可能を可能にするべく、30年前にはじめてシュルレアリスム画家たちの本格的な個別紹介をめざしたこの叢書は、予想をこえて広く支持されるところとなった。
 なによりも瀧口修造による監修の意味と成果が大きい。日本の唯一のシュルレアリストとして生き、当時ジャーナリズムから手を引いていたこの詩人は、だが本叢書のためにいわゆる監修以上のことをした。挿入小冊子の執筆とデザイン、原書にない巻の企画編集、画家の近況紹介、訳者の選定から訳文校閲まで、その仕事の総体はまさに、晩年(1979年没)のもっとも重要なシュルレアリスム活動のひとつに数えられる。
 選ばれた画家たち—そして訳者のうち幾人かもまた没したが、「骰子の7の目」はいまもなお、実現された不可能、未知、驚異のシンボルにとどまっていることだろう。

出版社からのコメント

《—幻の名著<シュルレアリスムと画家叢書「骰子の7の目」>再創刊! 》
 刊行によせて——編集者より

 1973年、このシリーズは、まだアンダーグランド文化が若者たちの間で熱く語られ、 支配するなか、かつてない異様な美術書としてむかえられた。そんな記憶がする。
 監修者の瀧口修造さんは、<流通言語>に疑いを抱きジャーナリズムへの関与から身を引き、詩作と隠遁の日々を送っていた。私はそんな風聞を信じておそるおそる近づいた。大阪万博も終幕をむかえた1970年の秋だった。
 ところが彼はファントマのごとく、唐十郎や土方巽や武満徹や磯崎新や草間彌生や赤瀬川原平やオノヨーコたちのイベントに風のようにあらわれては、風のように去ってゆくのを、私は見、知った。
 やがてそれらの顛末は、数か月後に国際シュルレアリスム誌に掲載された。彼は夜寝ることを知らぬ情報部員であった。アンドレ・ブルトンのようにインターナショナルな。詩と自由とエロスの統合を夢見て。
 こんどの重版は、巖谷國士氏のいうように奇跡に近い復刊といってもよい。 共同出版のパートナーであるフランスの出版社が無断で版権・原版を放棄してしまい、ここ数年来出版不可能の状態であったから。
 瀧口修造さんをはじめ、当時我々とも交流のあった巨匠たちもなくなったが、シュルレアリスム運動を伴走したテキストを書いた批評家たちの所在を懸命にたどったところ、80歳代ではあるがみんな元気で、小社120周年の記念出版にしたい旨オファーしたとこ ろ、大感激。画家たちの遺族との交渉や紹介の便をはかってくれ、更にフランス・ベ ルギーの美術著作権協会も協力的に連動してくれたこともあって、ようやく<幻の名著、渇望の復活>となった。32年間、お互い長く生きていて、よかったのかもしれない。
 今回の復刊は、前回12巻・別巻1のうちベスト6巻を選んだ。それに単なる重版ではない。作品はカラーを充実したり、差し替えたりしたうえ、さらに増ページはもとより、年譜、書誌は2006年まで補足、マグリットには下記の特典がつく。当時自己検閲したベルメールの作品やマン・レイの写真、エルンストのコラージュもたくさん紹介している。ド迫力に満ちたリヴァイズド編集だ!
 巖谷國士氏いわく、<選ばれた画家たち……そして訳者のうち幾人かもまた没したが、「骰子の7の目」はいまもなお、実現された不可能、未知、驚異のシンボルにとどまっていることだろう> 故人となった訳者は、澁澤龍彦、種村季弘、宮川淳の各氏。
 瀧口修造さんは、<絵画とは、——慾望回帰のしるしだとさえ言いってもよいかも知れない——>といったのが、本叢書に寄せた衝撃的なメッセージだった。破壊の時代の予 兆と快感。原点を探るシュルレアリストのことばに説得力があったが。いまは?

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2006/6/2)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2006/6/2
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 大型本 ‏ : ‎ 92ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4309715621
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4309715629
  • カスタマーレビュー:
    4.9 5つ星のうち4.9 6個の評価

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サラーヌ・アレクサンドリアン
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上位レビュー、対象国: 日本

2011年10月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書90頁にはハンス・ベルメールの略歴があり、72歳で亡くなるまでの創作活動と恋と苦悩の足跡が記されています。瀧口修造はベルメールの別れについて「最愛の妻と二度死別し、一度は女の双生児とともに生別する。その間、精神的に深く結ばれた女の詩人ノラ・ミトラニも夭折する。」という事実をあげ、ノラ・ミトラニによる未完のベルメール論の冒頭を紹介しています。「真珠がもはや真珠でなくなり、いつも変らぬ愛の初液のように、赤い湖になるとき…(略)愛の、死のような重さ。エロティックな再現が、眩暈と涙を喚起しないとしたら、それは軽蔑すべきものだ。」

ベルメールが表現したグロテスクな作品は深い悲しみから生まれた叫びの代償に他なりません。人形が有名なベルメールですが、私は男性器と女性器を一体化したモチーフの作品群や女性器のみをクローズアップしデフォルメした作品群にベルメールの寂しさを感じます。そこには別れへの恐怖や愛する者への執着が感じられます。

「私は女衒の目でダイナモを眺め、エディソンの目でピアズリーの絵を眺める。またダンテの言葉で自転車を語り、うるさがたの門番の口振りで雲を語る」これはベルメールの言葉です。他人のスタイルで自由奔放に世界を解釈するベルメールのように感じられますが、愛する者を失い、心の拠り所を喪失したベルメールが苦しさの中で発した言葉でもあると思います。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2007年8月18日に日本でレビュー済み
ベルメールの素描は実に見事である。
絵の上手い画家は勿論たくさんいるが、この偏執狂的ですらある緻密な描き込みは、思わず息を呑むものがある。
その技術で仲間達のリアルな肖像も描くが、エログロの入り乱れる幻想世界をも描き出す。
さらに色彩をほどこせばそれも鮮やかで、またデカルコマニーのような偶然の効果をも取り入れてくる。
その目くるめく世界の虜になってしまった。

エログロに興味のない方にお薦めはしないが、ベルメールに興味のある方は、
日本では貴重な画集でもあるので、是非一度。
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