高浜 寛さんという漫画家を初めて知り買い集めた中の一冊です。
独特な空気感がある絵とストーリーです。これからも楽しみです。
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凪渡り ― 及びその他の短篇 (九龍コミックス) 単行本 – 2006/3/16
高浜 寛
(著)
- 本の長さ160ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2006/3/16
- ISBN-104309728472
- ISBN-13978-4309728476
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2006/3/16)
- 発売日 : 2006/3/16
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 160ページ
- ISBN-10 : 4309728472
- ISBN-13 : 978-4309728476
- Amazon 売れ筋ランキング: - 739,557位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 322,810位コミック
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
閉塞感のある地方(茨城?)の
普通の人達の恋愛が描かれています。
絵が凄く上手いのに、そう見せない上手さで
文芸作品のような味わいです。
普通の人達の恋愛が描かれています。
絵が凄く上手いのに、そう見せない上手さで
文芸作品のような味わいです。
2017年6月14日に日本でレビュー済み
創作物に影響されて性犯罪を企てました、との加害者の告白から創作者が事情徴収されるのが認められるなら、中学生を買った男がこの作品のせいです、と言えば高浜寛先生も事情徴収されることになってしまう。
この短編集のために書き下ろされた”Introduction”は20代のマンガ家が中学生の女の子とうっかり関係を持ってしまい、数ヶ月を共有した後、別れる話だ。
互いのことが、さっぱりわからない。
しかし身体で結びついてしまった以上、男と女としてパートナーになってしまうかもしれない可能性はある。
互いにそれを予感する。
だが予感すること自体が、自分が拘束されてしまうことに対する嫌悪感や畏れの原因になってしまう。
言語化しにくい感じの、とてももどかしい感じで。
特に若い女の子の方はそうだ。
そういう自分の感情を受け止める力は、彼女にはまだ無い。
彼はともかく、10代の彼女は数ヶ月で女として成熟していく。
それを見ているのは楽しいが、決してパートナーにはなれないことも心の深い場所で知ってしまっている。
”Introduction”はわずか8ページの短編だ。
しかし非常に深く、心に刺さる。
水をテーマに男女の関係を描いた作品をこの短編集は、そんな作品に満ちている。
映画[愛∞コンタクト]にはこんなセリフがある。
「さあ、なんで一番そうしたい人とできないんだろう?」
なぜおれたちは、わたしたちは、最後の最後で分かり合えないのだろう?
なぜ自分の心の中の何かがその実現を妨げてしまうのだろう?
この作品集では、映画とまったく同じそうした問いが問われている。
以降の高浜作品もそうだ。
※改めて読み直してみると、高浜寛という人が作品の舞台の空気感を汲み上げる技術は凄い。茨城県の街道沿いはたしかにこんな感じだし、那須塩原の北温泉もマンガに描かれた通りの風景だ。有明海あたりの海も、正確に描写されている。夜のゴールデン街の雑踏も。本当に大したもので、だからこそ月刊連載の[蝶のみちゆき]で春から秋にかけての日差しや空気感の変化を描くことができたのだろう。
※わたしはこの作品集に収録された[水入らず]にレイプされた。他の作品を目当てに雑誌を買った今世紀のはじめ頃だ。以来、高浜作品について聞いた風な口を叩いているでしかない、モノのわかった人には噴飯物でしかない駄文を書くようになったのは、この作品のせいでもある。
この短編集のために書き下ろされた”Introduction”は20代のマンガ家が中学生の女の子とうっかり関係を持ってしまい、数ヶ月を共有した後、別れる話だ。
互いのことが、さっぱりわからない。
しかし身体で結びついてしまった以上、男と女としてパートナーになってしまうかもしれない可能性はある。
互いにそれを予感する。
だが予感すること自体が、自分が拘束されてしまうことに対する嫌悪感や畏れの原因になってしまう。
言語化しにくい感じの、とてももどかしい感じで。
特に若い女の子の方はそうだ。
そういう自分の感情を受け止める力は、彼女にはまだ無い。
彼はともかく、10代の彼女は数ヶ月で女として成熟していく。
それを見ているのは楽しいが、決してパートナーにはなれないことも心の深い場所で知ってしまっている。
”Introduction”はわずか8ページの短編だ。
しかし非常に深く、心に刺さる。
水をテーマに男女の関係を描いた作品をこの短編集は、そんな作品に満ちている。
映画[愛∞コンタクト]にはこんなセリフがある。
「さあ、なんで一番そうしたい人とできないんだろう?」
なぜおれたちは、わたしたちは、最後の最後で分かり合えないのだろう?
なぜ自分の心の中の何かがその実現を妨げてしまうのだろう?
この作品集では、映画とまったく同じそうした問いが問われている。
以降の高浜作品もそうだ。
※改めて読み直してみると、高浜寛という人が作品の舞台の空気感を汲み上げる技術は凄い。茨城県の街道沿いはたしかにこんな感じだし、那須塩原の北温泉もマンガに描かれた通りの風景だ。有明海あたりの海も、正確に描写されている。夜のゴールデン街の雑踏も。本当に大したもので、だからこそ月刊連載の[蝶のみちゆき]で春から秋にかけての日差しや空気感の変化を描くことができたのだろう。
※わたしはこの作品集に収録された[水入らず]にレイプされた。他の作品を目当てに雑誌を買った今世紀のはじめ頃だ。以来、高浜作品について聞いた風な口を叩いているでしかない、モノのわかった人には噴飯物でしかない駄文を書くようになったのは、この作品のせいでもある。
2007年7月16日に日本でレビュー済み
introduction(描き下ろし)の舞台は茨城県牛久沼周辺。東京から70kmほどか。05年10月15日、高浜という「男性」漫画家が気分転換に車を走らせていて中3らしい少女を拾い、ホテルに連れ込む。結果的に援交の形になり、その後も数回会う。最後は06年3月1日、卒業祝いを買ってやり、別れる。そして彼は、この少女を意識しつつ、寂れた漁村を舞台に「水にまつわる」作品を描こうと思い立つ。タイトルは少女が熱中するTVゲームに登場した言葉から、「凪渡り」。「本を読まぬ娘が/もしかしたらいつか手に取ることもあるかもしれない」(p10)と、彼は思う。
本書所収の8つの短編では、いずれも何らかの状況に縛られて閉塞状況にある人々(主に女たち)が描かれる。表題作では、障害を持ち広い世界に出ることを断念しつつ、外の匂いを微かに味わわせてくれる男との夏だけの関係を続ける女。「水沼ストアー」では田舎町で家業の小さなスーパーを手伝う男が、「ブリブリ」の彼女との結婚を躊躇う中で中学生の少女に心を迷わせる(p81のこの少女の表情が恐ろしい)。最後の「椋鳥」(9コマしかないが)は、小さな希望を宿しているようでもあり、あらかじめ蹉跌が暗示されているようでもある。
作者が、茨城で燻っている援交少女の閉塞状況を念頭において作品を組み立てているのは分かる。ただ、作者はなぜintroductionで、男の視点に立ってこの作品集全体を支えなくてはいけなかったのか。そこがもう一つ、納得しきれない。ただ、高浜の描く女たち男たちの「からだ」の、なんとエロティックなこと。
本書所収の8つの短編では、いずれも何らかの状況に縛られて閉塞状況にある人々(主に女たち)が描かれる。表題作では、障害を持ち広い世界に出ることを断念しつつ、外の匂いを微かに味わわせてくれる男との夏だけの関係を続ける女。「水沼ストアー」では田舎町で家業の小さなスーパーを手伝う男が、「ブリブリ」の彼女との結婚を躊躇う中で中学生の少女に心を迷わせる(p81のこの少女の表情が恐ろしい)。最後の「椋鳥」(9コマしかないが)は、小さな希望を宿しているようでもあり、あらかじめ蹉跌が暗示されているようでもある。
作者が、茨城で燻っている援交少女の閉塞状況を念頭において作品を組み立てているのは分かる。ただ、作者はなぜintroductionで、男の視点に立ってこの作品集全体を支えなくてはいけなかったのか。そこがもう一つ、納得しきれない。ただ、高浜の描く女たち男たちの「からだ」の、なんとエロティックなこと。