表題作、『国民とは何か Qu'est-ce qu'une nation?』は1882年ソルボンヌにおける宗教学者
エルネスト・ルナンの講演記録。その中でこの『イエス伝』の著者は、人種や言語、宗教と
いった国民nationの定義の可能性をひとつずつ打ち消していく中で、かの有名な「日々の国民
投票plebiscite de tous les jours」との定義に辿り着くに至る。
議論の進め方はかなり乱暴なものではあるにせよ、精神的な結合に基づいて国民を定義する
その仕方は極めて巧みで、大いに議論に値するもの。
そして事実、ルナンの議論を引き受けつつ、その問題点を指摘し、さらに深く展開した
人物に、スペイン人哲学者オルテガ・イ・ガセットがいる。彼の代表的著書『
大衆の反逆
』の
第二部「世界を支配しているのは誰か」は、まさしくこの定義を敷衍しており、実に興味深い
ものなので、参照を薦める。
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国民とは何か 単行本 – 1997/10/8
- 本の長さ311ページ
- 言語日本語
- 出版社インスクリプト
- 発売日1997/10/8
- ISBN-104309901867
- ISBN-13978-4309901862
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
フィヒテ「ドイツ国民に告ぐ」、ルナン「国民とは何か」。二大国民論を清新な翻訳で収録。その他、国民・民族・国家という終わりなき課題とあらゆるリアルな「境界の経験」に再考を迫る、今日もっとも切迫するテクストを収録。
登録情報
- 出版社 : インスクリプト (1997/10/8)
- 発売日 : 1997/10/8
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 311ページ
- ISBN-10 : 4309901867
- ISBN-13 : 978-4309901862
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,060,093位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年3月16日に日本でレビュー済み
2007年10月21日に日本でレビュー済み
表題作の「国民とは何か」は、実は20pほどと非常に短い。
しかし、短いからといって内容が薄いわけではなく、きちんと詰まったものがある。
ルナンは、フィヒテのような言語・民族といった物理的繋がりによる国家を否定する。
代わりに彼が擁護するのは、国民間の精神的な繋がりである。
そうした精神性によって、国家は維持されるのである。
彼の有名な一文「国民の存在は日々の国民投票なのです」は、それを端的にあらわしている。
しかし、短いからといって内容が薄いわけではなく、きちんと詰まったものがある。
ルナンは、フィヒテのような言語・民族といった物理的繋がりによる国家を否定する。
代わりに彼が擁護するのは、国民間の精神的な繋がりである。
そうした精神性によって、国家は維持されるのである。
彼の有名な一文「国民の存在は日々の国民投票なのです」は、それを端的にあらわしている。