めちゃくちゃ面白く、一気に読み上げた。数式が使われていないので、文系人間でもさほど問題なく読むことが出来る。
現代の自然科学における宇宙観、人間観に対して、まったく異なる、まさに革命的ともいえる視点が本書では提示されているが、筆者の説明が上手いので、この革命的な理論にグイグイ引き込まれてしまう。古代哲学や宗教をかじったことがある人ならば、本書で提示される内容にさほど違和感をかんじないであろう。
ただ、数式を使わず、文章で単純化しているため、精緻さに欠け、突っ込みどころもあるようである。物理を専門とする知人に、この本でかじった知識を話したところ、コテンパンにやっつけられ、挙句の果てに、高校の物理から謙虚に勉強しろ、と言われる始末であった。それもそうだと納得し、我が本棚にチャート式物理をはじめ、もろもろの物理書(といっても基本的なはものばかり)が並ぶことになった。
とはいえ、複雑な事象をこれだけわかりやすく、そしてエキサイティングにまとめあげた筆者の力量には素直に敬意を表したい。文句なく面白い一冊。
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フィールド 響き合う生命・意識・宇宙 単行本 – 2004/11/1
まさに衝撃的なフロンティア・サイエンスの金字塔!
医療のトップジャーナリストが、世界有数の研究機関で活躍する50人以上の最先端科学者を取材。キーワードは、「ゼロ・ポイント・フィールドZPF」--宇宙の力の源となる量子真空だ。
このZPFを軸として、私たちの身体、細胞、DNA、脳、コミュニケーション、健康や意識、記憶や場所にかかわる驚くべき最新科学の成果が明かされる。
そこで明らかにされた<真実>は、量子力学が問いかけてきた可能性を、生命や意識の世界にまで広げ、まったく新たな地平を切り開く。
もはや、生命-物質、こころ-からだ、個人-集団、過去-未来、生-死といった壁が突き崩され、従来、神秘や魔法といわれてきた領域にも科学の光が当てられる。
ホメオパシーなどの代替医療、リモート・ビューイング(遠隔透視)、未来予知やタイムトラベルの謎にも迫る。
<あらゆる存在は、時空を超えて、ZPFでつながっている>----
・ DNAが放つ生物光子(バイオフォトン)が、健康の鍵を握る。
・ 生き物同士は、光子の吸収・放出によるコミュニケーションを行っている。
・ 水は分子の周波数を伝え、増幅する「記憶メディア」である。
・ 意識とは量子コヒーレントな光であり、細胞内の微小管を介して共鳴する。
・ 未来や過去は「根源瞬間(シードモーメント)」の確率としてある。
・ 記憶は脳の「外」にもあり、巨大な時空の記憶庫に保存されている。
・ 私たちの願いや思いは、世界を変えることができる。
・ 集団や場所のエネルギーがあり、個人の意識・健康にも影響する。
etc
すぐれたサイエンスの理論・実験によって裏付けられた驚愕の真実。
ダイナミックな生命力にあふれた響き合う宇宙、そして私たち自身が立ち現れる。
アーサー・C・クラーク、ラリー・ドッシー絶賛
「3000年紀を予見する」と評された欧米ベストセラー!
医療のトップジャーナリストが、世界有数の研究機関で活躍する50人以上の最先端科学者を取材。キーワードは、「ゼロ・ポイント・フィールドZPF」--宇宙の力の源となる量子真空だ。
このZPFを軸として、私たちの身体、細胞、DNA、脳、コミュニケーション、健康や意識、記憶や場所にかかわる驚くべき最新科学の成果が明かされる。
そこで明らかにされた<真実>は、量子力学が問いかけてきた可能性を、生命や意識の世界にまで広げ、まったく新たな地平を切り開く。
もはや、生命-物質、こころ-からだ、個人-集団、過去-未来、生-死といった壁が突き崩され、従来、神秘や魔法といわれてきた領域にも科学の光が当てられる。
ホメオパシーなどの代替医療、リモート・ビューイング(遠隔透視)、未来予知やタイムトラベルの謎にも迫る。
<あらゆる存在は、時空を超えて、ZPFでつながっている>----
・ DNAが放つ生物光子(バイオフォトン)が、健康の鍵を握る。
・ 生き物同士は、光子の吸収・放出によるコミュニケーションを行っている。
・ 水は分子の周波数を伝え、増幅する「記憶メディア」である。
・ 意識とは量子コヒーレントな光であり、細胞内の微小管を介して共鳴する。
・ 未来や過去は「根源瞬間(シードモーメント)」の確率としてある。
・ 記憶は脳の「外」にもあり、巨大な時空の記憶庫に保存されている。
・ 私たちの願いや思いは、世界を変えることができる。
・ 集団や場所のエネルギーがあり、個人の意識・健康にも影響する。
etc
すぐれたサイエンスの理論・実験によって裏付けられた驚愕の真実。
ダイナミックな生命力にあふれた響き合う宇宙、そして私たち自身が立ち現れる。
アーサー・C・クラーク、ラリー・ドッシー絶賛
「3000年紀を予見する」と評された欧米ベストセラー!
- 本の長さ381ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2004/11/1
- ISBN-104309906079
- ISBN-13978-4309906072
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登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2004/11/1)
- 発売日 : 2004/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 381ページ
- ISBN-10 : 4309906079
- ISBN-13 : 978-4309906072
- Amazon 売れ筋ランキング: - 328,382位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2015年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2006年4月1日に日本でレビュー済み
ZPFがまだ我々にとって未知の領域であることはわかるけれど、いきなりニューエイジ関係にまで話が及ぶのは論理の飛躍というものではなかろうか。下手をすると、頭に「擬似」とつけなければならない科学だってあるわけだし。まあ、仮設は仮説として考えてもいいが、安易に「パラダイムシフト!」と捉えるのはちょっと問題なような…?
賛否両論ある分野なので、今後どうなるかが注目される。
賛否両論ある分野なので、今後どうなるかが注目される。
2009年5月28日に日本でレビュー済み
プロローグでしっかりと、この本の趣旨を理解しておかないと
迷路に迷い込む。
内容的にもかなり難解なので、一気に読んでしまわないと、内容がわからなく
なってしまう。
第三部12節、ゼロポイントフィールドの時代を読んでから、もどる方が理解
しやすかった。
おもわず、途中で読むのを一旦やめてしまった本。
でも、書いてあることは極めて興味深くておもしろい内容。
迷路に迷い込む。
内容的にもかなり難解なので、一気に読んでしまわないと、内容がわからなく
なってしまう。
第三部12節、ゼロポイントフィールドの時代を読んでから、もどる方が理解
しやすかった。
おもわず、途中で読むのを一旦やめてしまった本。
でも、書いてあることは極めて興味深くておもしろい内容。
2014年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
郡司ペギオの「生きていることの科学」→小野暸「文明〈後〉の世界」→ルパート・シェルドレイク「世界を変える七つの実験」→同「生命のニューサイエンス」→蔵本由紀「同期する世界」→メラニー・ミッチェル「複雑系の世界」→リン・マックタガード「フィールド・響き合う生命・意識・宇宙」と、芋づる式に読んだが、理数系の素養無しの哀しさ、つい易きについて解説書的なものを求めてしまった。そのくせ、だだ物を教えたいだけの、著者自身にある種の飢餓感、「何かをこじ開けたい」的な欲望の欠落した解説書に出会うと、「読んで損した」と思う。こっちははなから利口になる積もりはないんだ。ただワクワク、ゾクゾクしたいだけなんだ。
「同期する世界」と「複雑系の世界」は読んで損した。
「フィールド・響き合う生命・意識・宇宙」は複雑系のラジカルな領域に踏み込んだお陰で既成学界から追われた学者達の怨念がつたわり、なかでも「ゼロ・ポイント・フィールド」というスリリングな存在を教えられて読んで得した。
ただ、「干渉性波動」による全人的な意識の交信・共振から地球規模の「癒やし」まで仮説を進めている当の科学者達(学界を追われた)が超現実的にCIAや諸々の国家権力機関の雇われている事実を、「だから彼等の学説はリアルなのだ」という証明のために記述されているのはどういうことだ! これじゃ「産学協同」どころか次世代オッペンハイマー事件そのものじゃないか!
その意味では小野暸の「文明〈後〉の世界」の「そんな国家・企業・文明は断じて容認しないぞ!」という初々しい理想主義はしみじみ素敵だ。小野暸、もうこの世にいなけど。
「同期する世界」と「複雑系の世界」は読んで損した。
「フィールド・響き合う生命・意識・宇宙」は複雑系のラジカルな領域に踏み込んだお陰で既成学界から追われた学者達の怨念がつたわり、なかでも「ゼロ・ポイント・フィールド」というスリリングな存在を教えられて読んで得した。
ただ、「干渉性波動」による全人的な意識の交信・共振から地球規模の「癒やし」まで仮説を進めている当の科学者達(学界を追われた)が超現実的にCIAや諸々の国家権力機関の雇われている事実を、「だから彼等の学説はリアルなのだ」という証明のために記述されているのはどういうことだ! これじゃ「産学協同」どころか次世代オッペンハイマー事件そのものじゃないか!
その意味では小野暸の「文明〈後〉の世界」の「そんな国家・企業・文明は断じて容認しないぞ!」という初々しい理想主義はしみじみ素敵だ。小野暸、もうこの世にいなけど。
2011年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ニューエイジ啓蒙の本です。科学的信憑性はないだろう。
超能力肯定に都合のいい結果ばかりを集めていますね。
ここに登場する研究者の多くは「最先端の科学」を研究しているわけではなく、信憑性の低い「周辺科学」(フリンジ・サイエンス)の研究者の方々です。
例えば、宇宙飛行士エドガー・ミッチェルは有名な超能力ビリーバーで、彼が行なったアポロ14号のテレパシー実験は、この本では3000分の1の確率で成功したことになっています。しかし、その「成功」の本当の意味は、『「受信者」が偶然から予想されるよりも多くの記号を当てたからではなく、当たりの割合が驚くほど低かった』というものだったのです。
ホメオパシーを科学的に証明したというジャック・ベンベニスト博士は「逆ノーベル賞」と呼ばれる、笑える研究をした人に送られる「イグノーベル賞」を史上初めて2回受賞した人物です。一回目の受賞理由は「水には知性があり、水は出来事を長く記憶していることを実証したこと」であり、二回目は「水には記憶力があるだけでなく、記憶された情報が電話線やインターネットを通じて伝達できることを実証したこと」でした。
超能力を研究するプリンストン変則工学研究所(PEAR)も2007年に閉鎖が決定しています。この研究所のおもな成果は、「人間の思考が機械におよぼす影響を調べたが、それは非常に小さく、1万回に2、3回程度である」というものです。ところが、この成果さえ信憑性がないと批判されています。
こういった「都合のわるい」事実は、この本には書かれていません。
超能力肯定に都合のいい結果ばかりを集めていますね。
ここに登場する研究者の多くは「最先端の科学」を研究しているわけではなく、信憑性の低い「周辺科学」(フリンジ・サイエンス)の研究者の方々です。
例えば、宇宙飛行士エドガー・ミッチェルは有名な超能力ビリーバーで、彼が行なったアポロ14号のテレパシー実験は、この本では3000分の1の確率で成功したことになっています。しかし、その「成功」の本当の意味は、『「受信者」が偶然から予想されるよりも多くの記号を当てたからではなく、当たりの割合が驚くほど低かった』というものだったのです。
ホメオパシーを科学的に証明したというジャック・ベンベニスト博士は「逆ノーベル賞」と呼ばれる、笑える研究をした人に送られる「イグノーベル賞」を史上初めて2回受賞した人物です。一回目の受賞理由は「水には知性があり、水は出来事を長く記憶していることを実証したこと」であり、二回目は「水には記憶力があるだけでなく、記憶された情報が電話線やインターネットを通じて伝達できることを実証したこと」でした。
超能力を研究するプリンストン変則工学研究所(PEAR)も2007年に閉鎖が決定しています。この研究所のおもな成果は、「人間の思考が機械におよぼす影響を調べたが、それは非常に小さく、1万回に2、3回程度である」というものです。ところが、この成果さえ信憑性がないと批判されています。
こういった「都合のわるい」事実は、この本には書かれていません。
2010年8月7日に日本でレビュー済み
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ゼロポイントフィールドの存在が、
・慣性質量
・重力
・場の量子論に現れる「くりこみ」
・原子の安定性
・量子の2重性
を同時に説明できる新しい理論を形成する可能性があるということを明示する良書です。
物理的には、ゼロポイントエネルギーのある特別な一形態が、生命エネルギーの本当の起源なのかもしれません。
引用文献が非常に適切で、ゼロポイントエネルギーの物理を学びたい方にも類書がないため、先駆的な貴重な良書だと思います。
・慣性質量
・重力
・場の量子論に現れる「くりこみ」
・原子の安定性
・量子の2重性
を同時に説明できる新しい理論を形成する可能性があるということを明示する良書です。
物理的には、ゼロポイントエネルギーのある特別な一形態が、生命エネルギーの本当の起源なのかもしれません。
引用文献が非常に適切で、ゼロポイントエネルギーの物理を学びたい方にも類書がないため、先駆的な貴重な良書だと思います。
2013年4月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは、ちょっと自分には難しすぎて、よくわかりませんでした。内容的にはおもしろいですが
2015年11月10日に日本でレビュー済み
みなさんはどんな動機でこの本を読んだのだろうか(あるいは読もうしているのだろうか)。例えば知的好奇心を満たすためだったり、最先端科学への興味だったり(と言っても15年も前の本だけれど)、超能力や超常現象の原理を知りたかったり、と様々だろう。
私はこれまでスピリチュアル系の本や自己啓発系の本を読んできたけれど、自分の人生で指針にすべき信念を見つけられずにいた。正確には、その世界観を信じたかったのだけれど、もともと理系の考え方をするところがあり、精神世界の本に共感しつつもどこか懐疑的になっていた。そんなとき、量子力学の非局在性(ノンローカリティ)という現象に興味を持ち、物理学の本を読むようになった。つまり、私がこの本を読んだ動機はこうだ。
『スピリチュアリティと科学の折り合いをつけて、そこから自分の人生における指針、あるいは信念のようなものを見出したい』
この本は、量子真空に存在するというゼロポイントフィールドの概念を用いて、解体と分離を繰り返してきたこの物質世界を、かつて我々の祖先が見出していたような全一的な世界に再び統一しようという試みである。その試みは、様々な科学的根拠や、数々の実験による統計学的証拠によって、一応の成功を収めているように見える。しかし(ここのレビューのいくつかで指摘されているように)、著者の主観的願望によって理論の飛躍がある感も否めない。
私自身はどう感じたのかと言うと、正直読んでよかったと思った。
量子は非局在性という性質を持っており、それは時空を超えて瞬時にすべてとつながっている。ゼロポイントフィールドは、過去・現在・未来のすべての情報をその微小空間に固有の波動として記憶しており、人間の脳はゼロポイントフィールドと量子レベルでつながっている。私たちはゼロポイントフィールドから情報を受け取り、また情報を与える。
つまり、我々は世界の一部であり、同時に世界を創造していく存在でもある。これはスピリチュアル系の本で描かれる世界観と一致しているではないか。
では、その事実を踏まえて、私たちはどう生きるべきか。それは本書ではあまり語られていない。その世界観を支えることがこの本の目的であり、個々人の生き方にまで言及してしまうと、それこそトンデモ科学本のレッテルを貼られかねない。しかし、控えめにではあるが、最後の章に箇条書きで示された人類がもつ可能性のヴィジョンは、こんなふうにまとめられると思う。
『人間は本質的に切り離された存在ではなく、環境とは不可分で、周波数を通じてコミュニケーションし、自分以外の世界に秩序を与え、ある意味では私たちがこうあってほしいと思う姿に自分や世界を変える、という信じられない力がある。』
では著者の言うように、私たちに「人生の運命を改善する能力」が備わっていたとして、それはどんな未来へ向けて使われるべきなのだろう。私たち人類の、地球の、ひいては宇宙の目的とは何なのだろう。それすらもゼロポイントフィールドが導いてくれているのだろうか。
これからを生きる全人類的思考を持つ人々にとって、マクロレベルの全一的なヴィジョンを提示することが、真の意味で生きることにつながっていくのだと思う。
私はこれまでスピリチュアル系の本や自己啓発系の本を読んできたけれど、自分の人生で指針にすべき信念を見つけられずにいた。正確には、その世界観を信じたかったのだけれど、もともと理系の考え方をするところがあり、精神世界の本に共感しつつもどこか懐疑的になっていた。そんなとき、量子力学の非局在性(ノンローカリティ)という現象に興味を持ち、物理学の本を読むようになった。つまり、私がこの本を読んだ動機はこうだ。
『スピリチュアリティと科学の折り合いをつけて、そこから自分の人生における指針、あるいは信念のようなものを見出したい』
この本は、量子真空に存在するというゼロポイントフィールドの概念を用いて、解体と分離を繰り返してきたこの物質世界を、かつて我々の祖先が見出していたような全一的な世界に再び統一しようという試みである。その試みは、様々な科学的根拠や、数々の実験による統計学的証拠によって、一応の成功を収めているように見える。しかし(ここのレビューのいくつかで指摘されているように)、著者の主観的願望によって理論の飛躍がある感も否めない。
私自身はどう感じたのかと言うと、正直読んでよかったと思った。
量子は非局在性という性質を持っており、それは時空を超えて瞬時にすべてとつながっている。ゼロポイントフィールドは、過去・現在・未来のすべての情報をその微小空間に固有の波動として記憶しており、人間の脳はゼロポイントフィールドと量子レベルでつながっている。私たちはゼロポイントフィールドから情報を受け取り、また情報を与える。
つまり、我々は世界の一部であり、同時に世界を創造していく存在でもある。これはスピリチュアル系の本で描かれる世界観と一致しているではないか。
では、その事実を踏まえて、私たちはどう生きるべきか。それは本書ではあまり語られていない。その世界観を支えることがこの本の目的であり、個々人の生き方にまで言及してしまうと、それこそトンデモ科学本のレッテルを貼られかねない。しかし、控えめにではあるが、最後の章に箇条書きで示された人類がもつ可能性のヴィジョンは、こんなふうにまとめられると思う。
『人間は本質的に切り離された存在ではなく、環境とは不可分で、周波数を通じてコミュニケーションし、自分以外の世界に秩序を与え、ある意味では私たちがこうあってほしいと思う姿に自分や世界を変える、という信じられない力がある。』
では著者の言うように、私たちに「人生の運命を改善する能力」が備わっていたとして、それはどんな未来へ向けて使われるべきなのだろう。私たち人類の、地球の、ひいては宇宙の目的とは何なのだろう。それすらもゼロポイントフィールドが導いてくれているのだろうか。
これからを生きる全人類的思考を持つ人々にとって、マクロレベルの全一的なヴィジョンを提示することが、真の意味で生きることにつながっていくのだと思う。