ワグネリアンであったアドルフ・ヒトラーはゲーテを読んでいたのだろうか?
「カフカ解読もの」は数々あれど,本書ほど独創的な論攷は見あたらない.単に「カフカが好き」なだけの読者はいきなり迷路に放り込まれる.1ページ1ページに本格推理小説のような伏線が敷設されているのでまず速読はかなわない.さらに,近代西洋文学および西洋史(特にフランス革命以降)に通じていない読者は数ページ読んだだけで放擲したくなるはずなので覚悟されたい.それを分かっていても,つい読み進んでしまう読者も多いはずだ.
カフカの翻訳といえば池内紀氏のものがまず頭に浮かぶが,樋口大介氏はもちろん,いかに名訳といえども既存の翻訳などは一切あてにしない.というか,樋口氏の論攷はカフカの原文(ドイツ語)を絵解きすることによってのみ成立するので,これは当然のことである.「やっぱりカフカはドイツ語で読まないといけないのかなぁ」という気にさせる.
ともあれ,学術論文のように難渋なこの書籍の価値を認め出版した河出書房新社には敬意を表しておきたい.
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『変身』ホロコースト予見小説 単行本 – 2006/2/11
樋口 大介
(著)
- 本の長さ300ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2006/2/11
- ISBN-104309906702
- ISBN-13978-4309906706
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2006/2/11)
- 発売日 : 2006/2/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 300ページ
- ISBN-10 : 4309906702
- ISBN-13 : 978-4309906706
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