いわゆるプロレス村の住人(プロレス専門誌のマスコミ、東スポ、週プロ、週ゴンといわれる方々)でない方が書かれていることに
非常に客観性を感じることができました。フェアに当時の週刊誌や、当事者の著書などをフェアに引用して、プロレスを語る上で欠かせない集団、UWFの誕生から崩壊をあいまいにすることなく、プロレスマニアもそうでないかたも内容に十分納得できる力作である。
歴史書の手法を使って、先にも述べたように当時の文献などをかなり引用し、著者がそれに対して、きちんと結論を導き出しているところは完全に歴史書と
いっても良いものであるし、そればかり強調するとお堅い本のような感じがするが、人間ドラマとしてみても、当事者の葛藤などがよく分かり、ドラマ化や映画化してもおかしくない印象をうけました。
【1976年のアントニオ猪木】などと比較しても遜色ないと思います。
最後に頑張れ、プロレスマスコミといいたくなる作品です。但し、元週刊ゴングの金沢氏の著書、【子殺し】は逆にプロレスマスコミでなければ逆に書けない
レスラーの人間くささがにじみ出ている良い著書もありますよ
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U.W.F.戦史 単行本 – 2008/8/5
塩澤 幸登
(著)
あの時、本当はなにがあったのか。前田日明、佐山聡(タイガーマスク)、藤原喜明、高田延彦……。25年前の昭和末、UWFの旗の下に集まった男たち、格闘技最強の称号を求めた戦士たちの悪戦苦闘の日々を描く長編ノンフィクション。
- 本の長さ638ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2008/8/5
- ISBN-104309907865
- ISBN-13978-4309907864
商品の説明
著者について
1947年生まれ。東京都世田谷区出身 早稲田大学文学部卒業。雑誌編集者として平凡パンチ特集キャップ、ターザン副編集長、ガリバー編集長など歴任。2002年より作家活動に入る。著書多数。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2008/8/5)
- 発売日 : 2008/8/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 638ページ
- ISBN-10 : 4309907865
- ISBN-13 : 978-4309907864
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,264,773位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 29,580位スポーツ (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
UWFはアントニオ猪木のプロレス的な衰えとアントンハイセルの金銭問題で始まり
アントニオ猪木の気まぐれを新間寿が現実化させたら、ちょうどいい具合に前田日明がそこにいた。
梯子を外されてUWFを任されちゃった前田日明の太腕繁盛記です。(繁盛してない…)
佐山もUに来たら来たで普通に「タイガーマスク」してくれりゃ良いのに
嫌だよって北向いちゃって、全員が困っちゃうのが面白い。
すごく分厚い本ですが、読み応えあります。
アントニオ猪木の気まぐれを新間寿が現実化させたら、ちょうどいい具合に前田日明がそこにいた。
梯子を外されてUWFを任されちゃった前田日明の太腕繁盛記です。(繁盛してない…)
佐山もUに来たら来たで普通に「タイガーマスク」してくれりゃ良いのに
嫌だよって北向いちゃって、全員が困っちゃうのが面白い。
すごく分厚い本ですが、読み応えあります。
2013年1月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
638ページ、厚さにして4センチ。そういう意味では大書です。
一言で評価するのは難しいので、ポイントを挙げます。
よかったところ
・1つの事象、事件について複数のマスコミの記事を引用している箇所は興味深い。
・当事者にインタビューを行わず過去の資料だけをもとに考察するのは面白い手法だと思う。
プロレス記者にも一度真似してもらいたい。
よくなかったところ
・引用部分と著者の記述部分が一目では見分けがつかない。字下げや線で囲むなどの工夫が欲しかった。
・「歴史書」ということで基本は時系列に書いてあるが一部話が前後していてわかりにくい。
・1つの事象について何ページにもわたって書いていることがあるためか文章にリズムがない。
・全部で13章あるが各章をさらに節で分けて各節のテーマをわかりやすくしたほうがよい。
・誤字脱字や言葉の重複が目立つ。本当に編集してもらったのか疑問。
・写真が1枚もない。猪木の喉元に前田がキックを叩き込むところなど象徴的な事象には写真が必要だと思う。
正直著者の記述だけではイメージしにくいところがあった。
なんともいえないところ
・事象に対する著者の解釈や思い入れが書いてあるが、なぜか心に響かなかった。
・当時の時代背景や説明を補足するための引用があるが、必要と思われる部分とそうでない部分があった。
・アマゾンの中古で500円で買った。新品で2940円の価値があるかどうかは人それぞれだと思う。
結局、膨大な資料を集めても過去に解明できていないものは、いまも解明できないということはわかった。
でもそこは「なるほど!」と思わせる、著者独自の解釈が欲しかったなあ。
本書を読み終えて一番謎だと思ったのは第1次UWFの誕生と消滅の理由だ。
新日本に居場所がなくなった猪木のために新間がUWFを作ったという。
当時はそんなこと信じていなかったが、いまは本当かもしれないと思い始めた。
立場が弱くなった猪木が新日本のレスラーを次々とUWFへ送り込んでいる。
この行動が理解不能だった。新日本やテレ朝にとっては背任行為だ。
事実、観客動員数や視聴率が低下していたので、猪木の立場はますます悪くなる。
テレ朝が「プロレス中継撤退」と言い出すのを猪木は待っていたのかもしれない。
それからUWF消滅の理由。レガースをつけない蹴りや頭突きを禁止したルールを佐山が作ったのが
その原因と言われているが甚だ疑問だ。真剣勝負をしていたわけではないので、どんなに厳しいルールを
作っても、そんなものはお飾りに過ぎない。もっといえば佐山が作ったルールをアングルに使って、
佐山と前田、佐山と藤原といった対立構造を鮮明にし、観客の興味を引くことは十分可能だ。
やはり、興行数を増やすことに佐山が反対したことが佐山の孤立を生む原因だったのかなと思う。
一言で評価するのは難しいので、ポイントを挙げます。
よかったところ
・1つの事象、事件について複数のマスコミの記事を引用している箇所は興味深い。
・当事者にインタビューを行わず過去の資料だけをもとに考察するのは面白い手法だと思う。
プロレス記者にも一度真似してもらいたい。
よくなかったところ
・引用部分と著者の記述部分が一目では見分けがつかない。字下げや線で囲むなどの工夫が欲しかった。
・「歴史書」ということで基本は時系列に書いてあるが一部話が前後していてわかりにくい。
・1つの事象について何ページにもわたって書いていることがあるためか文章にリズムがない。
・全部で13章あるが各章をさらに節で分けて各節のテーマをわかりやすくしたほうがよい。
・誤字脱字や言葉の重複が目立つ。本当に編集してもらったのか疑問。
・写真が1枚もない。猪木の喉元に前田がキックを叩き込むところなど象徴的な事象には写真が必要だと思う。
正直著者の記述だけではイメージしにくいところがあった。
なんともいえないところ
・事象に対する著者の解釈や思い入れが書いてあるが、なぜか心に響かなかった。
・当時の時代背景や説明を補足するための引用があるが、必要と思われる部分とそうでない部分があった。
・アマゾンの中古で500円で買った。新品で2940円の価値があるかどうかは人それぞれだと思う。
結局、膨大な資料を集めても過去に解明できていないものは、いまも解明できないということはわかった。
でもそこは「なるほど!」と思わせる、著者独自の解釈が欲しかったなあ。
本書を読み終えて一番謎だと思ったのは第1次UWFの誕生と消滅の理由だ。
新日本に居場所がなくなった猪木のために新間がUWFを作ったという。
当時はそんなこと信じていなかったが、いまは本当かもしれないと思い始めた。
立場が弱くなった猪木が新日本のレスラーを次々とUWFへ送り込んでいる。
この行動が理解不能だった。新日本やテレ朝にとっては背任行為だ。
事実、観客動員数や視聴率が低下していたので、猪木の立場はますます悪くなる。
テレ朝が「プロレス中継撤退」と言い出すのを猪木は待っていたのかもしれない。
それからUWF消滅の理由。レガースをつけない蹴りや頭突きを禁止したルールを佐山が作ったのが
その原因と言われているが甚だ疑問だ。真剣勝負をしていたわけではないので、どんなに厳しいルールを
作っても、そんなものはお飾りに過ぎない。もっといえば佐山が作ったルールをアングルに使って、
佐山と前田、佐山と藤原といった対立構造を鮮明にし、観客の興味を引くことは十分可能だ。
やはり、興行数を増やすことに佐山が反対したことが佐山の孤立を生む原因だったのかなと思う。
2011年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
結局「2」「3」と三冊とも読んだのだけれど、ここにまとめてレビューを。
マニアックな題材だが、それゆえなかなか断片的にしか語られない「あの時代の熱狂」のオモテとウラを振り返る書。
「歴史書」という立ち位置から、当時の(様々な媒体で書かれた)記事を寄せ集めている体裁については、分かりやすくて良いと思う。ただ、いちいち文章を引用した後に(中には理路整然とした記事にまで)「この文章は何が云いたいのかわからない…」等といちゃもんをつけまくるのは止めて欲しかった。平凡パンチやらターザンやらの大衆雑誌記者上がりゆえの様々なコンプレックスがあるのだろうが、この様なスタイルの本で、後だしジャンケン的な文章批判というのは見苦しいだけである。
内容については、「ヤオ」と「ガチ」の狭間で、佐山・前田・船木らが同じような苦悩を繰り返しながら行動を起こしていくのがなかなか面白かった。「徐々に前田寄りになっていく」という指摘もあるけれど、U 〜 リングスという流れをみても、自分達の流れ行く先を地に足を付けた形で考えていたのは彼くらいだったのではないかと思うのだ。
マニアックな題材だが、それゆえなかなか断片的にしか語られない「あの時代の熱狂」のオモテとウラを振り返る書。
「歴史書」という立ち位置から、当時の(様々な媒体で書かれた)記事を寄せ集めている体裁については、分かりやすくて良いと思う。ただ、いちいち文章を引用した後に(中には理路整然とした記事にまで)「この文章は何が云いたいのかわからない…」等といちゃもんをつけまくるのは止めて欲しかった。平凡パンチやらターザンやらの大衆雑誌記者上がりゆえの様々なコンプレックスがあるのだろうが、この様なスタイルの本で、後だしジャンケン的な文章批判というのは見苦しいだけである。
内容については、「ヤオ」と「ガチ」の狭間で、佐山・前田・船木らが同じような苦悩を繰り返しながら行動を起こしていくのがなかなか面白かった。「徐々に前田寄りになっていく」という指摘もあるけれど、U 〜 リングスという流れをみても、自分達の流れ行く先を地に足を付けた形で考えていたのは彼くらいだったのではないかと思うのだ。
2008年11月16日に日本でレビュー済み
現在は「第一次UWF」とも「ユニバーサル」とも呼ばれる
今から20年以上前のわずか1年半だけ活動したプロレス団体の盛衰を
当時の専門誌やその後の関係者の回想を集成して記録した大冊。
新間寿が中心となって新団体を旗揚げし、やがて新間が手を引くまでの流れが前半、
佐山聡と前田日明らが進めようとした新しいプロレス確立への熱意と挫折の記録が後半と、
その内容は大きく二分されている。
その言葉に規制されてしまうからと、あえて関係者への取材は行わず、
特に同時代の膨大な資料を読み解き、冷静に歴史的な流れを書き連ねていく。
また、「プロレス八百長論」・「総合格闘技への流れ」・
「プロレスというジャンルの衰退」といった
現代の視点による分析も加味されており、
資料的にも、また著者がこだわる「歴史書」としても
かなり価値の高い一冊となっている。
それ以上に、この団体が持っていた「熱さ」を正確に再現していて
時を忘れて読ませる面白さがある。
あれから時間も経過しており、また微細にわたる事項を取り上げているから、
私のように、同時代に熱心に追っかけていたファンか、
プロレス史にかなり知識・関心のある人でなければ、
正直言ってマニアックに過ぎる本だとは思うが、
未だに謎の多い第一次UWFについての論及した数々の本の
集大成的な存在であることは間違いない。
ただ、大変残念なのは、誤字・誤植が多いこと。
多くが変換ミス的なもので、記述内容をミスリードするほどのものではないが、
本書の中で、過去の参考文献に対して
著者自身が誤記・誤植を指摘し批判しているだけに、
脇が甘いとしか言いようがない。
その意味で☆はマイナス1。
著者が他著に対して述べているように、
しっかりとした校正を施した版の出版を強く望みたい。
今から20年以上前のわずか1年半だけ活動したプロレス団体の盛衰を
当時の専門誌やその後の関係者の回想を集成して記録した大冊。
新間寿が中心となって新団体を旗揚げし、やがて新間が手を引くまでの流れが前半、
佐山聡と前田日明らが進めようとした新しいプロレス確立への熱意と挫折の記録が後半と、
その内容は大きく二分されている。
その言葉に規制されてしまうからと、あえて関係者への取材は行わず、
特に同時代の膨大な資料を読み解き、冷静に歴史的な流れを書き連ねていく。
また、「プロレス八百長論」・「総合格闘技への流れ」・
「プロレスというジャンルの衰退」といった
現代の視点による分析も加味されており、
資料的にも、また著者がこだわる「歴史書」としても
かなり価値の高い一冊となっている。
それ以上に、この団体が持っていた「熱さ」を正確に再現していて
時を忘れて読ませる面白さがある。
あれから時間も経過しており、また微細にわたる事項を取り上げているから、
私のように、同時代に熱心に追っかけていたファンか、
プロレス史にかなり知識・関心のある人でなければ、
正直言ってマニアックに過ぎる本だとは思うが、
未だに謎の多い第一次UWFについての論及した数々の本の
集大成的な存在であることは間違いない。
ただ、大変残念なのは、誤字・誤植が多いこと。
多くが変換ミス的なもので、記述内容をミスリードするほどのものではないが、
本書の中で、過去の参考文献に対して
著者自身が誤記・誤植を指摘し批判しているだけに、
脇が甘いとしか言いようがない。
その意味で☆はマイナス1。
著者が他著に対して述べているように、
しっかりとした校正を施した版の出版を強く望みたい。
2012年11月18日に日本でレビュー済み
筆者は第一次・第二次UWFはおろか、21世紀になるまでプロレスをほとんど観たことがない、という六十代の方。
その、当時のプロレス界を全く知らない人が、当時の週刊プロレスや週刊ゴング、関係者の出版した書籍などの「文献」を元に歴史を解析する、というのはなかなか面白そうだと思った。完全にニュートラルの立場から歴史を俯瞰しているのだろうと思ったから。
とんでもないボリュームのある本で、労作だとは思う。
ただ実際に読んでみると…「プロレスをロクに観ていない、ものすごく偏屈なお爺ちゃんが言いたい放題」という印象。
読んでいて感じたのは、この人にとっては「プロレスは八百長で下賎なもの」で、「真剣勝負の格闘技こそ至高」なのだなあということ。第一次UWFを描いた本巻では、佐山に対して非常に肩入れしているなあという印象を受ける。
第一次UWFで、佐山は独自に考案したシューティング・プロレスのルールを強引に適用しようとして軋轢を生み、結局団体を離れることになった。佐山と藤原や前田たち、どちらに明白な非があるわけでもない事だと思うのだが、「プロレスは八百長で下賎なもの」「真剣勝負の格闘技こそ至高」のこの人にかかるとこうなる。
「すべての努力が水泡に帰し、何かであろうとしたものはプロレスに戻ってしまったのである。(520P)」
「それはつまり、シューティングを否定して、金的蹴り他の反則攻撃、つまり、昔ながらのプロレスを肯定することだった。(523P)」
「文献だけを読んで歴史を語る」という手法もアリだとは思うのだが、この本には「プロレスを知らない人が書いている」長所が感じられないのだ。
誰のインタビューもせず、2008年当時にDVDやビデオで観ることのできる過去の試合すら全く観ず、それなのに「旧来のプロレスはすべて結末が決まった八百長」というガチガチの視点でモノを言う。無知なる者の中立的な立場を自ら捨てた、単なる「知ったかぶり」「半可通」という印象しか受けない。
知ったかぶりといえば事実誤認もあり、例えばプロレスラー・タイガーマスクのデビューの要因となったアニメ「タイガーマスク二世」の事は全くご存じない。ああ文献を読んでいるだけなんだなあと思う。当時のプロレスマスコミの文章をやたら声高に攻撃する割に、この本にも妙な文章が多かったりもする。
言い方は悪いが、妙な思い込みを抑えて、虚心坦懐に当時の文献を当たり、歴史として再構築する方が良かったのではないか?と思う。
この筆者はなぜこの本を書いたんだろう?最後までわからなかった。
対象への愛情も知識もない人が「歴史」を語る不思議な本だ。
その、当時のプロレス界を全く知らない人が、当時の週刊プロレスや週刊ゴング、関係者の出版した書籍などの「文献」を元に歴史を解析する、というのはなかなか面白そうだと思った。完全にニュートラルの立場から歴史を俯瞰しているのだろうと思ったから。
とんでもないボリュームのある本で、労作だとは思う。
ただ実際に読んでみると…「プロレスをロクに観ていない、ものすごく偏屈なお爺ちゃんが言いたい放題」という印象。
読んでいて感じたのは、この人にとっては「プロレスは八百長で下賎なもの」で、「真剣勝負の格闘技こそ至高」なのだなあということ。第一次UWFを描いた本巻では、佐山に対して非常に肩入れしているなあという印象を受ける。
第一次UWFで、佐山は独自に考案したシューティング・プロレスのルールを強引に適用しようとして軋轢を生み、結局団体を離れることになった。佐山と藤原や前田たち、どちらに明白な非があるわけでもない事だと思うのだが、「プロレスは八百長で下賎なもの」「真剣勝負の格闘技こそ至高」のこの人にかかるとこうなる。
「すべての努力が水泡に帰し、何かであろうとしたものはプロレスに戻ってしまったのである。(520P)」
「それはつまり、シューティングを否定して、金的蹴り他の反則攻撃、つまり、昔ながらのプロレスを肯定することだった。(523P)」
「文献だけを読んで歴史を語る」という手法もアリだとは思うのだが、この本には「プロレスを知らない人が書いている」長所が感じられないのだ。
誰のインタビューもせず、2008年当時にDVDやビデオで観ることのできる過去の試合すら全く観ず、それなのに「旧来のプロレスはすべて結末が決まった八百長」というガチガチの視点でモノを言う。無知なる者の中立的な立場を自ら捨てた、単なる「知ったかぶり」「半可通」という印象しか受けない。
知ったかぶりといえば事実誤認もあり、例えばプロレスラー・タイガーマスクのデビューの要因となったアニメ「タイガーマスク二世」の事は全くご存じない。ああ文献を読んでいるだけなんだなあと思う。当時のプロレスマスコミの文章をやたら声高に攻撃する割に、この本にも妙な文章が多かったりもする。
言い方は悪いが、妙な思い込みを抑えて、虚心坦懐に当時の文献を当たり、歴史として再構築する方が良かったのではないか?と思う。
この筆者はなぜこの本を書いたんだろう?最後までわからなかった。
対象への愛情も知識もない人が「歴史」を語る不思議な本だ。
2020年5月7日に日本でレビュー済み
事実誤認のオンパレード。当時観戦していないので(!)雑誌等からの大量引用でひたすらストーリーをつなごうとしているが引用の多さは出版業界の仁義として許されないレベルだと思う。それだけならギリギリがまんして読む気を振り絞る事もできるが、本筋と完全に無関係な著者の自分語りがむやみやたらと多くそれらが壊滅的につまらない。
イライラしながら3冊とも読みましたが近年稀にみるダメ本トンデモ本。
この3部作の後に前田日明についての本まで書いてしまう著者の蛮勇が逆に羨ましくもなります。
イライラしながら3冊とも読みましたが近年稀にみるダメ本トンデモ本。
この3部作の後に前田日明についての本まで書いてしまう著者の蛮勇が逆に羨ましくもなります。