【確かにひどい】
レビューで、特に男性から「男性の扱いが異様に酷い」というレビューが見られます。
それは確かに。読めば読むほどまともな男が出てきやしない。こりゃ男性差別か?フェミニズムが過ぎるぞ。
なにもそこまではみなさん思ってはいないでしょうが、これは男性がクズという簡単なお話ではありません。
ようは『たまたま』酷い男性ばかりに囲まれた女性の話です。
酷い男性ばかりの環境にある女性の話は現代でも珍しくはありません。
残念ながら現実におこっている問題なのです。
その逆も然りです。
もちろん世の中には平等を考えてくれる男性も女性も一定数いらっしゃることでしょう。
しかし社会の植え付けや操作によって、男尊女卑の意識が無意識レベルで存在する男性は、昔を生きてきたタイプの人には多い気がします。それは悪いことではありませんが、そのままでよいと意識の現状維持を続けるなら、女性にも男性にもいい結果は得られないでしょう。
これは私の見解であってこの話とは関係ありませんが。
【冒険物語でございますよこれは】
なにも男性差別や女性優遇がひどい話ではありません。
いざ、幼い少女が『たまたま』酷い男性ばかりに囲まれて、母親は諸事情でいない!
同性ならではの悩みを解決できそうな人はおらず、
そして絶対的な力を持った男性に力で対抗することはできない!
どうする!?
というとこから始まる物語なのです。
これは同性の大人の相談相手がいない人間にはとても助けられる内容ではないかと。
我慢とか忍耐とか言われ続けた人は多いことでしょう。
自分にこそ自分の人生を選択する権利があると、発見できる本だと思います。
【困ることがあるのは男性も一緒】
なにもこれはフェミニズムの観点だけはありません。
逆に男の子が、抑圧ばかりして来る大人に囲まれて育つことになった!どうする!?
という現実にも十分に当てはめられます。
男の子だからいい学校に…とプレッシャーを与えられてひどい環境ですごす子供もいるのではないでしょうか。
そもそも昔から、男性らしい男性や女性らしい女性なんて限られた人数しかいないのが現実です。
あっ。
そもそも一番いい学校に行く選択肢すら与えられない女性がいるからこそのフェミニズムがある理由なのでしょうが。
【女性みんな優しいわけねーだろ】
男性と女性が平和に生きようとフェミニズムを唱える人がいる中、過激な表現をする女性、それをネガティブに受け取ってしまうような文章で男性が否定感を持ってしまう。これでは本末転倒です。
そうなんです、過激な女性もいるのです。優しくない女性も現実にいるから、男性も本を読んで違和感を感じる。
フィクションに何言ってんだっていっても、これはフェミニズムを唱えるために翻訳されたと言っても過言ではないでしょう。フィクションだけど意見が発生する作品です。
やっぱ童話っていうけど、物語だから甘いところがあるよな~と読んでいて思いました。
それは女性全員がやさしいことです。
これがまた助けてくれるおばさま勢がやさしいこと。
まあ一応、男性からの抑圧があって自由には動けない中生きてきたおばさまという描写はされているので、アリーテとお仲間ではあるのです。その仲間意識から助けてくれている可能性もあるかも。
でも甘いですな~女性も「男性に逆らうんじゃない」って理不尽言ってくる人がいるのです。
しかしアリーテ姫はちゃんと素直な子に育ってよかったよかった。
男女関係なく人生捻じ曲げてくる人もいるので、確かに男性だけと思うのは危険ですね~。
というのも、男性に意見して暴力を振るわれ、それで大人しくしたがって生きてきたのに、次の世代の女の子は自分が生きたかった人生を歩んでいる。妬ましい。あの子がいつ自由にしてて男性に抑圧されるだろう。恐ろしい。
という考えから注意してくる反フェミの人もいるのです。闇感じますね。
【映画はいいけどね】
この本を読んでから映画を見るのはお勧めしません。
映画を見てから、読むのをお勧めします。
なぜなら、原作の華やかなアリーテ姫の冒険が削られているからです。あるいは簡易化されていと言えます。
原作から入ると絵的にとても寂しい印象を受けるでしょう。
映画を作った監督は、「この世界の片隅に」でも有名な方です。
どの映画作品にも6年~10年はかかるため、よく考えられたつくりの込んだ作品に仕上がっています。
映画版アリーテ姫が男性方に対して、賢く、と表現すると馬鹿っぽく聞こえるくらい聡明な対話をしているところは、今でもにやりとしてしまうシーン。
原作版では子供にわかりやすくするためにそういった難しい掛け合いはされていません。
そういうもっと大人なリアルのやり取りが原作に比べて色付いています。
しかも退屈を紛らわす魔法を使う理由もちょっと面白みに欠けます。
限りある魔法をあんまりポジティブな理由から使っている印象は受けませんでした。
原作に比べてよりリアルを表現するためか、魔法で解決☆なんてのは表現していないのかもしれません。
魔法の描写より、自然を使った物語の浮き沈みが表現されているように思います。
しかし、この映画はある意味男性にも女性にも救いがある映画です。
原作と違い、男性陣は力や権力を持つ人ばかりだが、大きな知恵や力や欲望に勝てなかった人として描写され、
残念な結果になるけど寂しく悲しいが感情移入できる人物です。
女性も自立を促す物語の運びとなり、これが男性にも女性にも支持される映画となっている理由だと思います。
他のレビューにもあるように、原作では男性の扱いがひどく、女性は自立できた、という表現をされているのに対して、映画は「まぁ現実はそういうことあるよね男も女も」と納得できるような物語です。
それでいてお互いの自立を唱える内容だと感じることができました。
つまり道徳的に良い方面が強いのが映画、冒険的要素が大きいのが原作、といった形です。
映画もいい作品には間違いありません。ぜひ視聴をお勧めします。
【フラットに読むも深く読むも個人次第だけど。】
この作者や翻訳家が、読み手にこう感じてほしい、という感想を私が述べられたわけではないのかもしれません。
ですが私は少なくともそう感じました。
男性には「こんなひどい男だらけで試練を成功させるなんてな~」と他人事みたいに読むことができるような、
女性には「もし女性である自分がたまたまこんな状況になったらどうしよう?」と考えるきっかけになるような、
そんなフラットに読んでもらえる感想を伝えられたらと思います。
サクッと読める厚さの本ですので、素直におすすめします。
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アリーテ姫の冒険 単行本 – 2001/6/1
- 本の長さ71ページ
- 言語日本語
- 出版社学陽書房
- 発売日2001/6/1
- ISBN-104313840338
- ISBN-13978-4313840331
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登録情報
- 出版社 : 学陽書房 (2001/6/1)
- 発売日 : 2001/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 71ページ
- ISBN-10 : 4313840338
- ISBN-13 : 978-4313840331
- Amazon 売れ筋ランキング: - 534,129位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2022年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小学生の女の子へのプレゼントとして購入しました。
自分が小学生の頃とても好きで、何がそんなに好きだったか忘れかけていたのですが、読んでみたら何で好きなのかよくわかりました。「待ってるだけのお姫様」ではなく、「自分で行動するお姫様」、しかも魔法が使えるとなった時に「ほしいものを頂戴とお願いする」のではなく、「自分がほしいものを手に入れるためのツールをお願いし、自分で手に入れにいく」そのお姫様が気に入っていたのでした。
現代の子供たちにもぜひ読んでほしい作品です。
自分が小学生の頃とても好きで、何がそんなに好きだったか忘れかけていたのですが、読んでみたら何で好きなのかよくわかりました。「待ってるだけのお姫様」ではなく、「自分で行動するお姫様」、しかも魔法が使えるとなった時に「ほしいものを頂戴とお願いする」のではなく、「自分がほしいものを手に入れるためのツールをお願いし、自分で手に入れにいく」そのお姫様が気に入っていたのでした。
現代の子供たちにもぜひ読んでほしい作品です。
2013年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
子供の時に読んだのでフェミニズムとかは知らずに読んでいました。
でも変わらなかったのはこの本に出てくるご飯のおいしそうなこと!
チキンパイとかハニートーストとか食べてみたくなるのばかりです。
アンプルさんすごすぎ。
フェミとか気にならなければ面白い本だと思います。
でも変わらなかったのはこの本に出てくるご飯のおいしそうなこと!
チキンパイとかハニートーストとか食べてみたくなるのばかりです。
アンプルさんすごすぎ。
フェミとか気にならなければ面白い本だと思います。
2022年8月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
社会的な背景を持った一冊だけど、ジェンダーやフェミニズム運動など難しいことを抜きにしても面白い。年配の女性も若い女性もそれぞれの視点でいろいろな受け止め方ができる、エンパワーメントされると思う。ただそれ以外の性の人はどう読むのかな。いろいろな人と感想を語りたい。余談ですが、イケメン・博識・強い王子は、女の子の「え~かっこいい~」という合いの手がないと悲惨ね。
2013年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アニメが面白そうだったので先に原作を読もうと思ってこれを読み、その後アニメを観たという流れでの感想です。
正直、なんでこの作品がこれほど評価が高いのか、どうにも理解に苦しみます。作者が多くのおとぎ話にあるような待つだけの女性像を嫌っているのはわかりますが、それでここまで「女性は賢く男性はろくでもない」構図を描き出す必要はあるのでしょうか? それは単に、下に見られる対象を女性から男性に移し変えただけなのでは?
女性と男性が対等の立場に立ち、お互いがお互いにできないことを補い合っていけてこそ本当の意味でのフェミニズムを築きあげることができると思うのですが、この作者は単に男性を貶めることがフェミニズムだと考えているかのようです。
私が男性だからかもしれませんが、この作品にはほとんど共感できませんでしたし、男の子だろうが女の子だろうが、子供に読ませようと思える作品だとは感じませんでした。
なお、アニメ版はこの作品を原作にしているだけで、まったくの別物。原作というよりは原案ですね。伝えているメッセージも、こちらとはまったく異なります。そちらは普通に面白かったですし、子供たちにも観せてあげたいタイプの作品でした。
#考えてみればこれが書かれたのは二十年以上も前のことで、当時の情勢としては、男性を貶めることでしかフェミニズムが成立しなかったのかもしれませんね。作者が現代において同様のメッセージ性を持つ作品を書くとしたら、どんなものができるんでしょうか・・・。
正直、なんでこの作品がこれほど評価が高いのか、どうにも理解に苦しみます。作者が多くのおとぎ話にあるような待つだけの女性像を嫌っているのはわかりますが、それでここまで「女性は賢く男性はろくでもない」構図を描き出す必要はあるのでしょうか? それは単に、下に見られる対象を女性から男性に移し変えただけなのでは?
女性と男性が対等の立場に立ち、お互いがお互いにできないことを補い合っていけてこそ本当の意味でのフェミニズムを築きあげることができると思うのですが、この作者は単に男性を貶めることがフェミニズムだと考えているかのようです。
私が男性だからかもしれませんが、この作品にはほとんど共感できませんでしたし、男の子だろうが女の子だろうが、子供に読ませようと思える作品だとは感じませんでした。
なお、アニメ版はこの作品を原作にしているだけで、まったくの別物。原作というよりは原案ですね。伝えているメッセージも、こちらとはまったく異なります。そちらは普通に面白かったですし、子供たちにも観せてあげたいタイプの作品でした。
#考えてみればこれが書かれたのは二十年以上も前のことで、当時の情勢としては、男性を貶めることでしかフェミニズムが成立しなかったのかもしれませんね。作者が現代において同様のメッセージ性を持つ作品を書くとしたら、どんなものができるんでしょうか・・・。
2021年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一年生の娘へ、お勧めの本を母に聞いて購入しました。自分で道を切り拓くアリーテ姫、とても素敵で娘もワクワクしながら聞いてくれていました。母子で素敵な絵本に出会えて、幸せな気持ちになれた一冊でした。
2019年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
40に近い30台です
自分が小学生の頃読んだ本の再版で子供と姪に購入しました
結婚がハッピーエンドじゃない今時のプリンスストーリーの先駆けでしょうか
自分が小学生の頃読んだ本の再版で子供と姪に購入しました
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