人はいつから毎日風呂に入り、下着を着替えるようになったのか。街はいつからゴミが目立たなくなったのか。忘れがちではあるが、昔はすさまじく汚なかったのだ。昔の「普通の人々」は、一体どんな臭いがしていたのか。それを「げげっ」と思うようになった現代文化は何によって生まれてきたのか。
この本は南北戦争以後のアメリカがどのように「清潔文化」を生み出してきたのかを解説したものである。清潔を保持する役割を主に担ってきた女性が、家庭を越えて町全体の衛生のために活動を始めた、というのはフェミニスト的アプローチを補完するものである。もう一点、アメリカにおいては戦争も清潔文化の普及に大きな役割を果たしたという指摘が興味深い。兵士の戦闘能力と士気を維持することが重要である前線において、健康であることの意義は大きい。
一つ注文をつけるとするならば、なぜ清潔であることがよいのか、何をもって適切な清潔とするのか、そのあたりのつっこみがあればもっとよかったと思う。特に、アメリカ人女性がなぜあそこまで真剣に脱毛(ワキの下だけでなく、手足のウブ毛まで)しなければ気がすまないのか。一方で机の上に土足の靴をのせるのに抵抗がないようにみえるのは何故なのか。そのあたりまで考察があれば、文化論としてもおもしろかったのではないか。
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清潔文化の誕生 単行本 – 1999/5/1
- 本の長さ395ページ
- 言語日本語
- 出版社紀伊國屋書店
- 発売日1999/5/1
- ISBN-104314008415
- ISBN-13978-4314008419
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
掃除、洗濯、シャワーにデオドラント…人々はいつからかくも清潔好きになったのか。清潔文化発祥の地アメリカにおける「清潔」の社会史を、女性や移民、都市と田舎、行政など様々な立場の声をすくいとりつつ鮮やかに綴る。
登録情報
- 出版社 : 紀伊國屋書店 (1999/5/1)
- 発売日 : 1999/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 395ページ
- ISBN-10 : 4314008415
- ISBN-13 : 978-4314008419
- Amazon 売れ筋ランキング: - 401,570位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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