遺伝か、環境(育ち方)か...
私は機能不全家族で育ったたため環境因を重視してしまう傾向にあります。、
この本によって遺伝要因の重要さも感じ、改めて経験による可塑性も感じました。
長くて分厚くて読むのに大変な本ですが、
時間があればぜひとも読んでほしい本です。
犯罪は遺伝性が高いなのショッキングな事も書かれています。
生まれと育ちは二分できない!との結論は最もだな...と思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――
以下は、本書のなかでも心に残った所
・ヒトの心の中では、本能的なモジュールは、
ほぼすべて経験によって変えられるように出来ている。
生まれてから死ぬまで適応しているものもあれば、
経験によって急激に変化し、その後、セメントのように固まるものもある。
・早いうちに離ればなれになった双子は、
大きくなってから離れた双子より共通点が多い
→同じ家族で育つと差異が強調されるから
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やわらかな遺伝子 単行本 – 2004/4/28
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- 本の長さ410ページ
- 言語日本語
- 出版社紀伊国屋書店
- 発売日2004/4/28
- ISBN-104314009616
- ISBN-13978-4314009614
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商品の説明
出版社からのコメント
従来の遺伝子理解、「なにかを決めている遺伝子」(○○遺伝子)は一面の事実でしかなかった。ゲノム解読で見えてきた遺伝子像はもっと自由で柔軟性に富むものであった。
遺伝子はスイッチで、スイッチがオンすることで、別の遺伝子群が働きだす。脳のなかにある遺伝子は、私たちの行為によって、環境の因子によって、スイッチがオンするという。そのようにして脳は自己改造されていく。これまでと180度転回した遺伝子観である。
こうした遺伝子観と、そこから導きだされる人間観を、豊富な科学的事実に、20世紀を代表する「人間の本性をめぐる」社会学者・科学者12人の思想をからませながら、見事な読物へと仕上げる、いつものことながら、いまや世界を代表するサイエンス・ライターの筆の冴えに感心。
遺伝子はスイッチで、スイッチがオンすることで、別の遺伝子群が働きだす。脳のなかにある遺伝子は、私たちの行為によって、環境の因子によって、スイッチがオンするという。そのようにして脳は自己改造されていく。これまでと180度転回した遺伝子観である。
こうした遺伝子観と、そこから導きだされる人間観を、豊富な科学的事実に、20世紀を代表する「人間の本性をめぐる」社会学者・科学者12人の思想をからませながら、見事な読物へと仕上げる、いつものことながら、いまや世界を代表するサイエンス・ライターの筆の冴えに感心。
内容(「MARC」データベースより)
遺伝子は神でも運命でも設計図でもなく、時々刻々と環境から情報を引き出し、しなやかに自己改造していく装置だった-。ゲノム解読から見えてきた新しい遺伝子観・人間観を解き明かす。
著者について
1958年生まれ。オックスフォード大学卒。「エコノミスト」「デイリー・テレグラフ」の科学関係の記者を経て、サイエンス・ライターとして活躍。英国の国際生命センター所長、コールド・スプリング・ハーバー研究所の客員教授。著書に『赤の女王』『徳の起源』『ゲノムが語る23の物語』がある。
登録情報
- 出版社 : 紀伊国屋書店 (2004/4/28)
- 発売日 : 2004/4/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 410ページ
- ISBN-10 : 4314009616
- ISBN-13 : 978-4314009614
- Amazon 売れ筋ランキング: - 243,568位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 114位遺伝子・分子生物学
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
遺伝学、生物学の基礎的な知識がなくても何とか読み通せるが、消化不良は避けがたい。
ただ、その消化不良が嫌悪感になるか、更なる探究心へとつながるかは、読む者の読書志向によるのだろう。
私は、後者の方へベクトルを感じた。浅い理解度であったとしても、十分面白いと感じたからだ。
本書は、人の本性は生まれによるか、それとも育ちによるかという論争を縦軸に、
生まれは育ちを通じてという結論を横軸に、論旨が展開される。
生まれ育ち論争100年の推移では、12人の論客が登場し、
生まれ派がダーウィン、ゴールトン、W・ジェームス、フリース、ローレンツ、
育ち派がパブロフ、ワトソン、クレペリン、フロイト、ボアズ、デュルケムの陣容となる。
ピアジェは、どちらの陣営にも属しないで、発達という観点から、生まれと育ちの通路を造った。
この論争史ともいえる推移が、生物学、心理学、社会学の観点から様々論じられ、
生まれは育ちを通じてという結論が更に広範な学術成果から検討されていく。
「生まれは育ちを通して」という結論は、ある意味折衷説であり、素朴生物学(素人理論)っぽい感じがしなくもないが、
結論に至るプロセスは実験に裏付けられた論拠が少なくない。
まだ仮説の域を出たとは言い難いが、人間の本性に肉薄する足掛かりになるのでないだろうか。
生命現象の謎が明らかになるのではなく、深まる謎の道先案内人と言った方がいいかもしれない。
生物学的に人間とは何かを探求する格好の入門書だと思う。
ただ、その消化不良が嫌悪感になるか、更なる探究心へとつながるかは、読む者の読書志向によるのだろう。
私は、後者の方へベクトルを感じた。浅い理解度であったとしても、十分面白いと感じたからだ。
本書は、人の本性は生まれによるか、それとも育ちによるかという論争を縦軸に、
生まれは育ちを通じてという結論を横軸に、論旨が展開される。
生まれ育ち論争100年の推移では、12人の論客が登場し、
生まれ派がダーウィン、ゴールトン、W・ジェームス、フリース、ローレンツ、
育ち派がパブロフ、ワトソン、クレペリン、フロイト、ボアズ、デュルケムの陣容となる。
ピアジェは、どちらの陣営にも属しないで、発達という観点から、生まれと育ちの通路を造った。
この論争史ともいえる推移が、生物学、心理学、社会学の観点から様々論じられ、
生まれは育ちを通じてという結論が更に広範な学術成果から検討されていく。
「生まれは育ちを通して」という結論は、ある意味折衷説であり、素朴生物学(素人理論)っぽい感じがしなくもないが、
結論に至るプロセスは実験に裏付けられた論拠が少なくない。
まだ仮説の域を出たとは言い難いが、人間の本性に肉薄する足掛かりになるのでないだろうか。
生命現象の謎が明らかになるのではなく、深まる謎の道先案内人と言った方がいいかもしれない。
生物学的に人間とは何かを探求する格好の入門書だと思う。
2019年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
エピジェネティクスについて知りたくて読んだのですが、そんな話は出て来ませんでした。
その変わりに、生まれか育ちかの話がいろんなケースで何度も出てくるだけでした。
原題の"Nature via Nurture"の通りなので仕方ないのですが、日本語タイトルに騙されました。
いかにも遺伝子の発現調節の内容のようなタイトルでいて、実際は一瞬触れる程度。
その変わりに、生まれか育ちかの話がいろんなケースで何度も出てくるだけでした。
原題の"Nature via Nurture"の通りなので仕方ないのですが、日本語タイトルに騙されました。
いかにも遺伝子の発現調節の内容のようなタイトルでいて、実際は一瞬触れる程度。
2014年12月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「利己的な遺伝子」を読んでから読みました。
購入したのが2014年のため、既に古くなっていることもありましたが、楽しく読めました。
購入したのが2014年のため、既に古くなっていることもありましたが、楽しく読めました。
2022年9月4日に日本でレビュー済み
本書は、サイエンスライターのマット・リドレーが、
「氏」か「育ち」か問題について、
過去の著名な学者を引き合いにだしつつ、
最新(出版時点での)の遺伝学、進化論に基づいて、
決着を試みようという意欲的なものです。
人が受精卵になったときから決まっている遺伝子が、
環境の影響を受けて個々の遺伝子のスイッチがオン・オフとなり、
アミノ酸・たんぱく質を形成し生命に影響を与え、
結果として行動に影響を与える、というものです。
実際に、
環境の影響を受けてオン・オフになる遺伝子が見つかっている事、
進化心理学では、人の差異の約50%が遺伝、約10%が親の子育て、約40%が周りの環境だと言われています。
これらの最新の知見を踏まえて見事にストーリーを展開しています。
このような知見があり、かつわかりやすく伝えてくれるサイエンスライターは、
残念な事に日本にはほとんどいません。
マット・リドレーの未訳のものがあれば全て邦訳出版して頂きたいと思います。
2008/3/9読了
「氏」か「育ち」か問題について、
過去の著名な学者を引き合いにだしつつ、
最新(出版時点での)の遺伝学、進化論に基づいて、
決着を試みようという意欲的なものです。
人が受精卵になったときから決まっている遺伝子が、
環境の影響を受けて個々の遺伝子のスイッチがオン・オフとなり、
アミノ酸・たんぱく質を形成し生命に影響を与え、
結果として行動に影響を与える、というものです。
実際に、
環境の影響を受けてオン・オフになる遺伝子が見つかっている事、
進化心理学では、人の差異の約50%が遺伝、約10%が親の子育て、約40%が周りの環境だと言われています。
これらの最新の知見を踏まえて見事にストーリーを展開しています。
このような知見があり、かつわかりやすく伝えてくれるサイエンスライターは、
残念な事に日本にはほとんどいません。
マット・リドレーの未訳のものがあれば全て邦訳出版して頂きたいと思います。
2008/3/9読了
2016年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
翻訳のもどかしさはありますが、参考文献のしっかりしたいい本です。
2023年1月15日に日本でレビュー済み
「生まれは育ちから」→遺伝的影響は環境によって引き出される。が主張
・胎児のときの環境も個人差に影響を与えている。胎内環境にはいくつかバリ
エーションがある。統合失調症の胎内ウイルス説。
・臨界期がある。遺伝に沿って、学習できる時期が決まっている。アヒル、しゃ
べることの無かった子供の研究。
・人種間の平均的な遺伝の違いは、各個人の遺伝的違いより小さい
・近親相姦禁忌は遺伝と環境の組み合わせ。子供のときに一緒に住んでいた人は
恋愛に落ちにくいし離婚しやすい。(中国のシンプーアの研究)
・統合失調症について、育ちの影響は小さい。一般に精神分析がいう、冷たい母
親は間違い。遺伝子の示唆は、フロイト的な言説を否定する?
・脳のサイズの話題(灰白質が20%増量したことが文化の発生に寄与)
・猿にも文化はある。イモ洗い。ありの食べ方。
・アシュール型握斧が100万年近く進化しなかった話題:プロポーズ用だったの
では?
・布の母親と鉄の母親実験。→母性は食事のみによるわけではない。母親への愛
は報酬意外の先天的なものがある。
・育て自体が性格に影響する度合いは小さいが、それでも育ては重要。なぜなら
遺伝レベルで、個人によって、環境への反応が異なる
→孤児になっても平気な子と、そうでない子がいる。遺伝子レベルでその差が
ある。
・個性は、素質(遺伝)を欲求によって強化することによって生まれる。
→素質に会った欲求を引き出せる環境を与える必要性
・公平な社会では生まれが強調され、不公平な社会では育ちが強調される。(直
感との矛盾を示している)
・遺伝子と本能は、どちらも理解を深めるほどに不可避(強制されないように対
処する)ことが可能にめる
→たとえば、人種差別の問題は、心に深く根ざしているが、より広い対立軸を
導入すれば安易に解決できるかもしれない。
・社会政策はひとりひとりが異なっていることを基本にしなければならない。
・自由意志は遺伝子の決定論と両立する
→遺伝子の発現は行為(経験、環境)に応じて行われる。CREB遺伝子
・胎児のときの環境も個人差に影響を与えている。胎内環境にはいくつかバリ
エーションがある。統合失調症の胎内ウイルス説。
・臨界期がある。遺伝に沿って、学習できる時期が決まっている。アヒル、しゃ
べることの無かった子供の研究。
・人種間の平均的な遺伝の違いは、各個人の遺伝的違いより小さい
・近親相姦禁忌は遺伝と環境の組み合わせ。子供のときに一緒に住んでいた人は
恋愛に落ちにくいし離婚しやすい。(中国のシンプーアの研究)
・統合失調症について、育ちの影響は小さい。一般に精神分析がいう、冷たい母
親は間違い。遺伝子の示唆は、フロイト的な言説を否定する?
・脳のサイズの話題(灰白質が20%増量したことが文化の発生に寄与)
・猿にも文化はある。イモ洗い。ありの食べ方。
・アシュール型握斧が100万年近く進化しなかった話題:プロポーズ用だったの
では?
・布の母親と鉄の母親実験。→母性は食事のみによるわけではない。母親への愛
は報酬意外の先天的なものがある。
・育て自体が性格に影響する度合いは小さいが、それでも育ては重要。なぜなら
遺伝レベルで、個人によって、環境への反応が異なる
→孤児になっても平気な子と、そうでない子がいる。遺伝子レベルでその差が
ある。
・個性は、素質(遺伝)を欲求によって強化することによって生まれる。
→素質に会った欲求を引き出せる環境を与える必要性
・公平な社会では生まれが強調され、不公平な社会では育ちが強調される。(直
感との矛盾を示している)
・遺伝子と本能は、どちらも理解を深めるほどに不可避(強制されないように対
処する)ことが可能にめる
→たとえば、人種差別の問題は、心に深く根ざしているが、より広い対立軸を
導入すれば安易に解決できるかもしれない。
・社会政策はひとりひとりが異なっていることを基本にしなければならない。
・自由意志は遺伝子の決定論と両立する
→遺伝子の発現は行為(経験、環境)に応じて行われる。CREB遺伝子
2014年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
<氏か育ちか>(<遺伝子決定論か環境決定論か>)という昔から議論されて来て、誰しもが興味を持つ問題に対する回答を与えたとして著名な書。著者は一応、動物学・遺伝子工学の専門家らしいが、基本的にはサイエンス・ライターで、その筆致はドーキンスのスノビズムとレトレックに溢れたな書き振りを彷彿とさせる。私が信奉する中村桂子氏が訳者でなければ、本書を手に取ったか否か怪しい所。
何故ならば、<氏と育ち>の両方が揃って(協調して)こそ、初めて人間が出来上がる事は社会通念的に常識であり、遺伝子工学の視点がこれを覆す事は"はな"から無理だろうと思っていたからである。特に、最近は<エピジェネティクス>の概念が多方面で拡がっており、<遺伝子が決まった後>の遺伝子の働き(遺伝子間の相互作用)に注目が集まっている事由もある。その観点から見ると、本書はかなり冗長で退屈である。ドーキンスやグールドの数多くの科学啓蒙エッセイの如く、主に動物行動学的視点(本書では<類似性と差異>が主眼点)から多くの実例や研究史が紹介されるが、単にそれだけで、遺伝子(工学)の観点から本問題に迫っているとは到底思えない。特に、この中で"IQ"と"頭の良さ"とを混同(あるいは意図的曲解)したり、統合失調症を考察の対象としたり(偏見を招く危険度が高い)と、科学的論考とは程遠い感を覚えた。全体として、科学と言うよりは、社会・心理・人口統計学の書という印象を受けるのである。それでも、(本能への反語としての)<学習>に関する論考が興味を惹いたが、もっと遺伝子からの影響やニューラルネットワークについての議論を織り込むべきだったろう。
私が主に知りたかったのは、環境に適応して(あるいは予めコードされた通りに)、遺伝子が如何に相互協調してある目的の機能を実現するかについてのメカニズム(広義の<エピジェネティクス>?)である。著者はそれは知らないと明言する。ガッカリである。分かり切った結論に対して、単に状況証拠を並べただけの書で、期待に比して非常に物足りない内容に映った。本問題に関する総花的話題を知りたい方にとってのみ有用な書だと思った。
何故ならば、<氏と育ち>の両方が揃って(協調して)こそ、初めて人間が出来上がる事は社会通念的に常識であり、遺伝子工学の視点がこれを覆す事は"はな"から無理だろうと思っていたからである。特に、最近は<エピジェネティクス>の概念が多方面で拡がっており、<遺伝子が決まった後>の遺伝子の働き(遺伝子間の相互作用)に注目が集まっている事由もある。その観点から見ると、本書はかなり冗長で退屈である。ドーキンスやグールドの数多くの科学啓蒙エッセイの如く、主に動物行動学的視点(本書では<類似性と差異>が主眼点)から多くの実例や研究史が紹介されるが、単にそれだけで、遺伝子(工学)の観点から本問題に迫っているとは到底思えない。特に、この中で"IQ"と"頭の良さ"とを混同(あるいは意図的曲解)したり、統合失調症を考察の対象としたり(偏見を招く危険度が高い)と、科学的論考とは程遠い感を覚えた。全体として、科学と言うよりは、社会・心理・人口統計学の書という印象を受けるのである。それでも、(本能への反語としての)<学習>に関する論考が興味を惹いたが、もっと遺伝子からの影響やニューラルネットワークについての議論を織り込むべきだったろう。
私が主に知りたかったのは、環境に適応して(あるいは予めコードされた通りに)、遺伝子が如何に相互協調してある目的の機能を実現するかについてのメカニズム(広義の<エピジェネティクス>?)である。著者はそれは知らないと明言する。ガッカリである。分かり切った結論に対して、単に状況証拠を並べただけの書で、期待に比して非常に物足りない内容に映った。本問題に関する総花的話題を知りたい方にとってのみ有用な書だと思った。