本書は、「近代化への情熱(官庁街のバロック、復興のモニュメント、夢の琵琶湖大運河)」、「郊外の発見―アメリカナイゼーション事始(大師河原のスタジアム―職業野球余話、甲子園異聞、埋め立て地の航空港、『健康』の呪縛)」、「祝祭の帝都(幻の万国博覧会、幻のオリンピック、海に臨む市庁舎)」、「大東亜のデザイン(新様式のビジョン、聖地の詩 、南方都市、慰霊のかたち)」、「歴史に書かれない戦後(復興の理想、民主国家と建築、伝統と創造、未来都市のコア)」と言う章立てと項目で構成されています。
戦前の紀元二千六百年を祝う日本万国大博覧会の開催が決定し、月島と横浜で開催される水上の新都市の配置図を眺めていると、その壮大な計画に圧倒されますね。
シンボルとなる「建国記念館」のコンペに応募された作品のモティーフを見ますと、その復古調の日本趣味が時代を感じさせます。
同時に皇紀二千六百年の東京オリンピックの計画案も興味深かったですね。日中戦争が勃発し、戦火が激化したことにより中止されましたが、その幻のオリンピックの概要も見ることができて良かったと思いました。
知的好奇心がくすぐられ興味は尽きませんでした。
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あったかもしれない日本: 幻の都市建築史 単行本 – 2005/11/1
橋爪 紳也
(著)
- 本の長さ254ページ
- 言語日本語
- 出版社紀伊國屋書店
- 発売日2005/11/1
- ISBN-104314009985
- ISBN-13978-4314009980
登録情報
- 出版社 : 紀伊國屋書店 (2005/11/1)
- 発売日 : 2005/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 254ページ
- ISBN-10 : 4314009985
- ISBN-13 : 978-4314009980
- Amazon 売れ筋ランキング: - 997,769位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,710位都市開発・都市問題 (本)
- - 81,262位科学・テクノロジー (本)
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トップレビュー
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2006年2月5日に日本でレビュー済み
2014年5月6日に日本でレビュー済み
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あなたの知らない日本がここに、です。とても勉強になりました。
2008年1月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
通常の都市論が「今ある」雑踏や、「かつてあった」飲み屋街について語るのに対して、この本が主題としているのは、ありえたかもしれないけれど、そうはならなかった日本である。SF的なこの発想がとっても魅力的。
SF的であると同時に、この切り口は要するにボツ案の品評会である。建築に限らず、ボツ案は常にとっても楽しいし、しばしば実現された案より素晴らしかったりもするのだ。
「今ここにある日本」と「あったかもしれない日本」はいわばネガとポジの関係で、著者ご本人も「双方は表裏の関係にあって、一体であるはず」と言っている。
具体的には明治以降の数々のお蔵入りプロジェクトを扱っていて、それは明治維新直後の壮麗なバロック風官庁街計画だったり(予算がとても足りずに断念)、琵琶湖大運河計画(運河によって琵琶湖と日本海をつなぎ、太平洋まで一気ツウカンさせてしまおうという構想)だったり、昭和初期に検討された鉄道駅上の飛行場だったり、とどれもこれも大胆で太っ腹。昭和初期の文化住宅構想からは当時の新しい価値観をうかがい知ることが出来るし、第2次大戦の勃発で幻となってしまった東京オリンピック計画は、戦後の東京オリンピックでよみがえる。私もよく知っている大阪万博では、なんと多くの無邪気で夢いっぱいなアイデアが、日の目を見ずに消えていったことか。
実現されることのなかった構想は、どれもよりよき未来への夢をふんだんに描いている。過去に描かれた未来像は、ちょっぴりノスタルジックでもある。
SF的であると同時に、この切り口は要するにボツ案の品評会である。建築に限らず、ボツ案は常にとっても楽しいし、しばしば実現された案より素晴らしかったりもするのだ。
「今ここにある日本」と「あったかもしれない日本」はいわばネガとポジの関係で、著者ご本人も「双方は表裏の関係にあって、一体であるはず」と言っている。
具体的には明治以降の数々のお蔵入りプロジェクトを扱っていて、それは明治維新直後の壮麗なバロック風官庁街計画だったり(予算がとても足りずに断念)、琵琶湖大運河計画(運河によって琵琶湖と日本海をつなぎ、太平洋まで一気ツウカンさせてしまおうという構想)だったり、昭和初期に検討された鉄道駅上の飛行場だったり、とどれもこれも大胆で太っ腹。昭和初期の文化住宅構想からは当時の新しい価値観をうかがい知ることが出来るし、第2次大戦の勃発で幻となってしまった東京オリンピック計画は、戦後の東京オリンピックでよみがえる。私もよく知っている大阪万博では、なんと多くの無邪気で夢いっぱいなアイデアが、日の目を見ずに消えていったことか。
実現されることのなかった構想は、どれもよりよき未来への夢をふんだんに描いている。過去に描かれた未来像は、ちょっぴりノスタルジックでもある。