本書の特色は、ギリシア正教会とローマ・カトリック教会が共に唱える「神は無限である」という主張の内実と相違点を、ゲオルグ・カントールによる集合論、就中無限集合の問題地平を以て明らかにし、キリスト教、殊に正教会の教義を数学的に表現する方法(〈数理神学〉)を提示した点です。
また、正教会とカトリックの「神‐人間論」が、グレゴリオス・パラマスとトマス・アクィナスの説に代表させる形で簡潔に纏められており、さらには、キリスト教の歴史を語る上で避けて通れないアリストテレス哲学の中の無限についての説と、先の両者の無限についての説との関係にも触れられているので、無限について、或いはキリスト教の「神」について考えたい方にはお勧めです。
なお、星一つ減らしたのは、無限集合による神論の解釈は被造物について考察する際に難点を生じないか、という個人的な直感によるものです。
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地中海の無限者―東西キリスト教の神‐人間論 単行本 – 1995/6/30
落合 仁司
(著)
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東方キリスト教(ギリシャ正教)の神学、特に神の本質と活動の区別を集合論(無限論)を使って説明し、西欧カトリックとは違った特徴を斬新な手法で明らかにする。
- 本の長さ195ページ
- 言語日本語
- 出版社勁草書房
- 発売日1995/6/30
- ISBN-104326153083
- ISBN-13978-4326153084
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登録情報
- 出版社 : 勁草書房 (1995/6/30)
- 発売日 : 1995/6/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 195ページ
- ISBN-10 : 4326153083
- ISBN-13 : 978-4326153084
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,223,911位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,161位神学 (本)
- - 2,684位キリスト教入門
- - 3,279位キリスト教一般関連書籍
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2005年9月15日に日本でレビュー済み
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2009年12月18日に日本でレビュー済み
プロの学者が書き、学問的体裁をとってはいるが、内実はト本。本質とエネルゲイアの区別にしろ、三位一体や二性一位格の教義にしろ、最終的には神秘に属することがらで、無限集合論によって証明されるわけもないし、説明できるはずもない。仏教の「空」を量子力学を使って解説するのと同じで、乱暴なアナロジーに過ぎない。基本的な神学的素養もないまま、単なる思いつきのアイデアを展開しただけのこのような奇書が、質の高い学術出版社である勁草書房から上梓されるとは、世も末である。
西方神学と東方神学の教義的差異については、著者も挙げているLosskyの『東方キリスト教の神秘思想』が、詳しく正確である。
西方神学と東方神学の教義的差異については、著者も挙げているLosskyの『東方キリスト教の神秘思想』が、詳しく正確である。
2006年6月13日に日本でレビュー済み
本書以降,落合仁司氏は,東方正教会が伝え護ってきたキリスト教の宣伝者の風をていするようになる。本書でも(『〈神〉の証明』など以降の諸著でも),東方正教とカトリックとが対比されるのであるが,どうも粗さが目につく。落合氏の誤解(あるいは誤解を招く書きぶり)は,大きく二つある。
一つは,カトリックには瞑想智がないかのような書きぶり。
二つは,カトリックには神化の観念がないかのような書きぶり。
『不可知の雲』の著者(無名),ドミニコ会の修道司祭であったエックハルトをはじめとするドイツ神秘主義者たち,シエナの聖カタリナ,大テレジア,聖十字架のヨハネなどの諸著を,少しでも思い起こすなら,瞑想と神秘的合一の伝統がカトリックにもあることは一目瞭然であり,そんなに簡単に,東西を分けることはできないことに気づくだろう。むしろ,東西の神秘主義相互の緻密な比較検討こそが要請されるのではないか。しかも,『不可知の雲』の著者も,エックハルトも,聖十字架のヨハネも,トミストである。トマスの神学・哲学は,神秘主義と整合性をもつのだ。それはなぜか,ということこそが興味深いと思われるのだが。
最後にトマスの言葉を引用して終わりたい。
「『神のひとり子は、わたしたちを神性にあずからせることを望んで、わたしたちの性質を身につけられましたが、それは彼が人となり、人を神とならせるためです』」(「小論文(Opuscule)」57・114)。
一つは,カトリックには瞑想智がないかのような書きぶり。
二つは,カトリックには神化の観念がないかのような書きぶり。
『不可知の雲』の著者(無名),ドミニコ会の修道司祭であったエックハルトをはじめとするドイツ神秘主義者たち,シエナの聖カタリナ,大テレジア,聖十字架のヨハネなどの諸著を,少しでも思い起こすなら,瞑想と神秘的合一の伝統がカトリックにもあることは一目瞭然であり,そんなに簡単に,東西を分けることはできないことに気づくだろう。むしろ,東西の神秘主義相互の緻密な比較検討こそが要請されるのではないか。しかも,『不可知の雲』の著者も,エックハルトも,聖十字架のヨハネも,トミストである。トマスの神学・哲学は,神秘主義と整合性をもつのだ。それはなぜか,ということこそが興味深いと思われるのだが。
最後にトマスの言葉を引用して終わりたい。
「『神のひとり子は、わたしたちを神性にあずからせることを望んで、わたしたちの性質を身につけられましたが、それは彼が人となり、人を神とならせるためです』」(「小論文(Opuscule)」57・114)。