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アブダクション: 仮説と発見の論理 単行本 – 2007/9/20
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知の巨人、パースの思想の根幹はここにある! 科学的発見や創造的思考を生み出す推論とは一体どんなものなのかわかりやすく解説する。
記号の本質的な暖昧さを重視し、厳密でない推論に科学的発見の可能性を見たパース。演緯・帰納と並ぶ第三の推論として彼が提唱したのが、創造的発見を生み出す「アブダクション」である。人工知能やコンピュータサイエンスの研究者からも注目を集めるこの概念を丁寧に捉え直し、100年を経てなお新鮮なパース思想の真髄を明らかにする。
【目次】
まえがき
第一章 アブダクションと探究の論理学
1 三つの推論と論理学
2 パースの「探究の論理学」
3 論理学とは何か
4 規範科学としての論理学
第二章 分析的推論と拡張的推論
1 分析的推論とは
2 拡張的推論とは
3 仮説の発見
4 ケプラーの発見と遡及推論
5 科学的想像力を支える推論
第三章 アブダクションの推論の形式と特質
1 「説明仮説」の形成
2 アブダクションの推論の形式と特質
3 閃きと熟慮から成るアブダクション
4 パースの進化論的思想
第四章 帰納とアブダクションはどのように違うのか
1 二つの拡張的推論
2 帰納とアブダクションの違い
3 「帰納的飛躍」と「仮説的飛躍」
4 パースによる四つの理由
5 仮説の種類
第五章 科学的探究における帰納とアブダクション
1 科学的探究の三つの段階
2 「アブダクティブな観察」と「帰納的観察」
3 仮説演繹法との違い
4 パースの帰納の概念
5 帰納の自己修正的な性質
第六章 帰納主義の考え方について
1 仮説と帰納
2 ベーコンの帰納法の考え方
3 ミルの帰納法の考え方
4 仮説が事実をつくる
第七章 W・ニールの「仮説的方法」
1 「一次的帰納」と「二次的帰納」
2 普遍的立言と単称的立言
3 ニールの「仮説的方法」の難点
4 アブダクションとニールの仮説的方法の違い
5 一次的帰納と二次的帰納の確率
第八章 G・ポリアの「発見的推論」
1 数学における発見
2 発見的三段論法の考え方
3 発見的三段論法とアブダクション
付章
反デカルト主義的論考――言語の問題をめぐって
常識知について
索引
- ISBN-104326153938
- ISBN-13978-4326153930
- 出版社勁草書房
- 発売日2007/9/20
- 言語日本語
- 寸法2 x 13.6 x 19.4 cm
- 本の長さ276ページ
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商品の説明
著者について
米盛裕二(よねもり ゆうじ)
1932年、沖縄県に生まれる。1955年、琉球大学卒業。1960年、オハイオ州立大学大学院博士課程修了、Ph.D.。1964-65年、ミシガン州立大学招聘教授。1972-73年、ハーバード大学哲学科客員研究員。琉球大学名誉教授。2008年没。著書『パースの記号学』(勁草書房、1981年)、『世紀末から新世紀末へ』(共著、筑摩書房、1990年)、『言語論的転回』(共著、岩波講座『現代思想』第4巻、岩波書店、1993年)ほか。訳書『現象学』(パース著作集1、勁草書房、1990年)ほか。
登録情報
- 出版社 : 勁草書房 (2007/9/20)
- 発売日 : 2007/9/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 276ページ
- ISBN-10 : 4326153938
- ISBN-13 : 978-4326153930
- 寸法 : 2 x 13.6 x 19.4 cm
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著者について

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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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前半5章くらいまでは万人向けです。後半の6-8章は他の研究者の意見との比較を整理した内容で、著書の研究を継ぐ後輩たちへの著者からのプレゼントかと思います。(なので自分も含めて専門外の人には、ただの繰り返しに感じます。)
情報過多な時代の中でのコロナ渦で、科学的に検証された普遍に近い事実、実験や観察による部分的・条件付きの事実、これから検証されるべき仮説、これらの区別がつかない人が多いようですが、本書にあるような論理学の考え方を教育に取り込んでいくのが唯一の解決法かと思いました。もし教育に携わる方がいたら、是非広めていただけたらと思います。
古典的な三段論法としての演繹的推論,経験科学でよく利用される帰納法と並んで,第3の推論として注目されているのが「発見の推論」としてのアブダクションです。
本書は,アブダクション(abduction)を,アメリカの論理学者・科学哲学者であるチャールズ・S・パース(Charles Sanders Peirce:1839-1914)の著作( "Collected Papers of Charles Sanders Peirce", Vol. 1-8, 1933 )に基づいて詳しく解説するものです。
***
本書で取り上げられている興味深い具体例のうち,ケプラーが発見した第1法則(「すべての惑星は,太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く」)を挙げて,アブダクションの特色を述べると以下の通りです(42-45頁)。
ニュートンの万有引力の法則が導かれる大きな要因となったケプラーの第1法則は,火星の軌道に関するティコ・ブラーエの観測データに基づいてなされましたが,「惑星の軌道は円軌道である」という従来の考え方(コペルニクスも,ガリレイも惑星の軌道は円軌道だと信じていました)をひっくり返す偉大な発見でした。本書では,ケプラーによる楕円軌道の発見は,「ニュートンにも決して劣らぬ強力な思索と想像力による大胆な仮説の形成です」(42頁)と評価されています)。
これを,科学的な推論とされてきた演繹推論の形で表すと以下のようになります。
=====≪演繹推論(deduction)≫=====
(1)大前提:惑星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く。
(2)小前提:火星は惑星である。
(3)結論:火星は,太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く。
======================
しかし,この推論は,ケプラーの第1法則が発見された後の正当化の推論であって,新しい価値を生み出すような推論ではありません。
***
ケプラーの第1法則の発見は,実際には,次のような順序でなされています。
ケプラーの師であるティコ・ブラーエは,太陽が円軌道で地球を回るという天動説を採っていましたが,地球以外の惑星は,太陽の周りを円軌道で回っていると考えていました(ティコ・ブラーエの科学史上の功績については, 内井惣七『科学哲学入門−科学の方法・科学の目的』科学思想社(1995)146−147頁 に詳しい説明があります)。
ところが,火星は,現在の言葉でいうと「離心率」が大きく,観測データが「円軌道」に従わないため,ティコ・ブラーエは,火星の軌道の研究をケプラーにゆだねたのでした。
ケプラーは,ティコ・ブラーエの火星の軌道の観測データ(地球から見た火星の動きの観測データ)に基づき,10年以上の歳月を掛けて試行錯誤を行った後に,火星が太陽の周りを回る軌道は「円軌道」ではなく,太陽を1つの焦点とする「楕円軌道」を描いていることを発見しました。
そして,ケプラーは,この発見を火星だけでなく,すべての惑星へと一般化して,「惑星は,太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く」という定式化を実現したのです。
この推論(発見の推論)のプロセスは,以下のように表現できます。
=====≪アブダクション(abduction)≫=====
(1)小前提:「火星は惑星である」
←(火星は,太陽の周りを回っている惑星であるが,観測データによると円軌道から外れている。それはなぜなのか?)
(2)結論:「火星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く」
←(観測データから導かれたケプラーの仮説。そして,この仮説によって演繹推論を行うと,ティコ・ブラーエの火星の観測結果を矛盾なく説明できることが判明した)
(3)大前提:「すべての惑星は,太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く」
←(帰納推論による一般化。これがケプラーの第1法則であり,この法則によって,すべての惑星の軌道が矛盾なく説明できる(結果的に,いわゆる「仮説演繹法」 内井『科学哲学入門』(1995)29-39頁参照 とも一致する))。
======================
このような推論は,「小前提(データ)」→「結論(個別的仮説)」→「大前提(一般法則)」という順序となっているため,古典的な三段論法からすると,「後件肯定の誤謬」となって誤りとされるものです(63頁)。
しかし,このように,個別のデータ(小前提)に基づいて,仮説(結論)を生成し,それを一般化して科学的な法則(大前提)を導くという推論は,アブダクション(発見の推論)として重視されるべきであるというのが,本書の最も重要なポイントとなっています。
***
上記の「発見の推論」(アブダクション)は,演繹推論とも,帰納推論とも異なっています。なぜなら,帰納推論の場合には,以下のような順序を踏むからです。
=====≪帰納推論(induction)≫=====
(1)結論:火星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く。
(2)小前提:火星は惑星である。
(3)大前提:惑星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く。
→(誤りの恐れがある一般化)
======================
このような帰納法は,一部の学説では,発見の推論の1つとして紹介されることがありますが,本書の立場では,法則を伴わない「データ」を出発点として,法則を発見するプロセスを踏むアブダクションとは,根本的に異なるものであるということになります。
なぜなら,帰納推論は,「法則(大前提)を導く」という点では,アブダクションと同じですが,上記のように,データではなく,発見すべき法則の具体例(三段論法の結論部分)を前提にしている点で,法則の「発見」の推論とは質が異なっているからです(103-128頁)。
***
なお,「発見の推論」としてのアブダクションが,(1)「データ(小前提)」→(2)「仮説(結論)」→(3)「法則(大前提)」という順序をとって科学的な発見を導く推論である点に,演繹推論や帰納推論とは異なる特色を有していると考えるならば,これは,アリストテレスがアパゴーゲー(apagoge)と呼んでいたものであり,しかも,近年,議論の論理として定着しているトゥールミン・モデル( Stephen E. Toulmin, "The Uses of Argument", 2003 p.92)が,(1)「データ」→(2)「主張」←(3)「理由づけ」という順序によって議論を展開していることとの類似性にも思いを致すことができます。
***
本書は,以上のように,古典的な形式論理では,誤り(後件肯定の誤謬)とされた推論を,アブダクション(発見の推論)として復権させたパースの理論を紹介しつつ,その重要性を明らかにするものであり,高い価値が与えられるものであると思います。
ただし,本書の具体的な記述については,以下のような欠点があるように思われます。
***
第1に,ある問題について,まず,著者の解説があり,次に,それに関する原典からの引用があり,さらに,その引用について著者が解説するというように,1回の記述で済むところを3回にわたって記述が繰り返されるという箇所が多数見うけられます。そのような繰り返しは「くどい」と感じられるだけであり,省略すべきであったと思われます。
第2に,演繹推論,帰納推論,アブダクション(発見の推論)とを,明確に区別することが本書の目的であるにもかかわらず,本書で紹介される具体例においては,それらの混同や誤りであると思われる箇所が目に付きます(81-84頁,190-199頁など)。
例えば,「三段論法の形式で表してみると,帰納は三段論法の小前提と結論から大前提を推論するという形式になっており,仮説(アブダクション)は,大前提と結論から小前提を推論するという形式になっています」(101頁)という記述は,もしも,これが正しいとすると,アブダクションは,発見の推論ではないということになってしまい,それまでの記述を無意味にしてしまうほどに重大な誤りだと思われます。
***
本書に対する私の評価が低くなっているのは,以上の2つの理由によります。
それにもかかわらず,本書は,発見の推論について,教えられるところの多い貴重な著作であり,欠点を補って余りある内容を有しています。したがって,読者は,具体例については,内容を鵜呑みにせず,よく吟味しながら読まれると,誤りに陥ることなく,「発見の推論」について大きな成果を得ることができると思います。
幾つかの前提から物事を論理で確実に導いて行く演繹法。
全ての知を総合させ斬新なアイデアや解決方法を産み出す仮説法。
この三つの代表的思考態度を徹底的に整理したい方にお勧めの一冊です。
ありそうで、なかなかない本です。
以上
表題の通りパースのアブダクションについて詳細に解説されており,パース自身による記述についての理解を非常に助けてくれています.
科学的探究の論理学,その事について知る為にはとてもよい書物だと思います.
非常に丁寧に解説,論じられている為,言い回しにくどさを感じてしまいます.
しかし,勉強不足の自分には,拡張的推論であるアブダクションと帰納について考える上でとても助かっています.
ぜひ,たくさんの方に読んで頂きたい書籍の1つです.
演繹、帰納、仮説の論理構造的な違いが分かりやすく整理されていて頭に入ってくる。
ただ、同じ解説の繰り返しが多い部分や、後ろ半分は目的の不明な各論理の比較が始まるなど、消化不良になるところがある。
本書はアブダクションが科学的発見の手法であることを説明し、様々な批判への反論を行なっている。論理学で正しさが保証されるのは演繹である。だが発見に演繹は有効であろうか。方程式が与えられたとする。解は演繹で求められる。しかし考えてみれば、方程式が与えられたことは解が与えられたのと同値である。方程式の中に既に解が存在する。本書が述べるように、あらかじめ存在する解を抽出するのが演繹である。既知の知識からの飛躍は得られない。リンゴの木から突然実が茎を引きちぎって落ちたとする。この事実から重力は演繹できない。帰納もできない。観測した現象を説明しうる様々な仮説を立てる。これがアブダクションである。次に仮説のそれぞれを論理的に検証する。演繹である。さらには実験を行なって確認する。帰納である。
帰納はどうか。このリンゴの木は実が落ちた。あの木も実が落ちた。別な木もそうだった。ここから言えるのはリンゴの木は実が落ちるという一般化だけである。重力の発見にはつながらない。帰納が観測の一般化であるなら、アブダクションは観測からの飛躍である。帰納とアブダクションの違いがそこにある。帰納と同じという批判への回答はこの一言で足りると思う。
何々思考、何々シンキングという本が巷に多い。読んでみると大抵は常識を大仰に述べたに過ぎず、頭脳の栄養にならない。本書は論理学の本であるが読者を紛らわす専門用語も少なく文章も読みやすい。手軽な新書ではないが難解な専門書でもない。万人に薦められると思う。
本書の内容に全く反論がない訳ではないが、反論を考えさせられるのも知的刺激である。用語について記せば、「摂度」は「摂動」の誤記であろう。記号「⊃」は論理学の伝統的な記号で「→」と同じ意味である。
最後にアブダクションが大前提と結論から小前提を推論することを示し本書の弁護をする。
演繹
大前提:P→Q 「この鳥がカラス」ならば「この鳥は黒い」
小前提:x∈P 「この鳥はカラス」だ
結論:x∈Q 「この鳥は黒い」
帰納
観測1:x1∈Q 「鳥1は黒い」 三段論法の結論
観測2:x2∈Q 「鳥2は黒い」 三段論法の結論
・・・(多数の観測)・・・
前提:x1∈P 「鳥1はカラス」だ
前提:x2∈P 「鳥2はカラス」だ
・・・(多数の小前提)・・・
規則:P→Q 「その鳥がカラス」ならば「その鳥は黒い」 三段論法の大前提
アブダクション
観測:x∈Q 「この鳥は黒い」 三段論法の結論
前提:P→Q 「この鳥がカラス」ならば「この鳥は黒い」 三段論法の大前提
仮説:x∈P 「この鳥はカラス」だ 三段論法の小前提
蛇足で火星の例を示す。
観測:x∈Q 「火星の軌道は楕円」だ 三段論法の結論
前提:P→Q 「すべての惑星の軌道が楕円」ならば「火星の軌道は楕円」だ 三段論法の大前提
仮説:x∈P 「すべての惑星の軌道は楕円」だ 三段論法の小前提
逆(P→Qに対するQ→P)は必ずしも真ならずというが、アブダクションはその逆を敢て行なう論法である。後言Qを導く前言Pは無数に存在する。そこから適切なものを選ぶことにアブダクションの難しさがある。火星の軌道が楕円だと気付いたとしても、惑星一般がそうだと言えるだろうか。精密とは言えない肉眼での観測データから軌道が楕円だと容易に決定できただろうか。ケプラーの時代に「すべての惑星の軌道が楕円」は大前提でなかったことに注意されたい。アブダクションで得られた仮説が演繹と帰納で検証され、次の時代に科学的事実=大前提となる。
パースが示したオリジナルの説明を以下に記す。
Deduction
Rule All the beans from this bag are white.
Case These beans are from this bag.
∴ Result These beans are white.
Induction
Case These beans are from this bag.
Result These beans are white.
∴ Rule All the beans from this bag are white.
Retroduction
Rule All the beans from this bag are white.
Result These beans are white.
∴ Case These beans are from this bag.