表象主義とは何であるかを理解するために この本にまさる本を知りません。
表象(志向的表象)とは 何であるか。それは 誤り得るものであるというミリカン(ドレツキ)の規定は、あいまいに使われがちな「表象(志向的表象)」を 明瞭に意味を持つものにしている。
さらに、そこでは記述的表象と同時に指令的表象を想定しなければならないことが説明されている。
指令的表象は 問題をはらむものである。N.グッドマン「事実・虚構・予言」と併せて読むことを強くお勧めする。
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意味と目的の世界 (ジャン・ニコ講義セレクション) 単行本 – 2007/1/19
ルース・ギャレット・ミリカン
(著),
信原 幸弘
(翻訳)
進化論の観点から、<心>と<言語>と<生物>を統一的に理解する。現代哲学に新しい理論の地平を開く、カ強く透徹した思索。
その生物の存続を可能にしてきた機能を指す「固有機能」という概念を軸として、生物における「目的」と「意味」の様相を開示し、心や言語を含めた生物の諸現象を包括的な観点から捉える。心の哲学・言語哲学・生物学の哲学にわたって顕著な業績をあげてきたミリカン哲学のエッセンスを、豊富な具体例によってわかりやすく展開する。
その生物の存続を可能にしてきた機能を指す「固有機能」という概念を軸として、生物における「目的」と「意味」の様相を開示し、心や言語を含めた生物の諸現象を包括的な観点から捉える。心の哲学・言語哲学・生物学の哲学にわたって顕著な業績をあげてきたミリカン哲学のエッセンスを、豊富な具体例によってわかりやすく展開する。
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社勁草書房
- 発売日2007/1/19
- 寸法12.8 x 3.7 x 18.2 cm
- ISBN-104326199571
- ISBN-13978-4326199570
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登録情報
- 出版社 : 勁草書房 (2007/1/19)
- 発売日 : 2007/1/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 400ページ
- ISBN-10 : 4326199571
- ISBN-13 : 978-4326199570
- 寸法 : 12.8 x 3.7 x 18.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 755,983位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年9月25日に日本でレビュー済み
2018年9月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著名な哲学者の主著"Varieties of Meaning"を訳したものです。著者の考えについては、デネットも折に触れて参照したりするため、現代の自然主義的な哲学について知る上ではとても重要な本だと思います。アプローチは大きく異なりますが、いわゆるピッツバーグ学派と近しいことを論じているのではないかとかいろいろなことを考える材料になる本だと思います。
こういった本を日本語で読むことができるのはありがたいことです。しかし、邦訳ははっきりいって不出来だと思います。レビュアーの方で勘違いされている人がいますが、原書と対照させると直訳どころかむしろことばが補われています。いわゆる意訳が様々な場面で施されています。しかし、その意訳が原文の意を汲んでいるのかどうか怪しいのです。いま、私は訳で読んだうえで、不明点を原書を見ながら確認していますが、原文を歪曲させているのではないかと思われる箇所が散見されます。確かに英語と日本語は一対一関係ではないし、そっくりそのまま訳せるものではありませんが、通して読めばわかるところもあります。それをできるだけ原文の構造を無視しないで自然な日本語にすることが重要と思われますが、余計なことばを足すことで意味が変わってしまうのは解せません。
こういった本を日本語で読むことができるのはありがたいことです。しかし、邦訳ははっきりいって不出来だと思います。レビュアーの方で勘違いされている人がいますが、原書と対照させると直訳どころかむしろことばが補われています。いわゆる意訳が様々な場面で施されています。しかし、その意訳が原文の意を汲んでいるのかどうか怪しいのです。いま、私は訳で読んだうえで、不明点を原書を見ながら確認していますが、原文を歪曲させているのではないかと思われる箇所が散見されます。確かに英語と日本語は一対一関係ではないし、そっくりそのまま訳せるものではありませんが、通して読めばわかるところもあります。それをできるだけ原文の構造を無視しないで自然な日本語にすることが重要と思われますが、余計なことばを足すことで意味が変わってしまうのは解せません。
2014年3月16日に日本でレビュー済み
本書の記述は難解で生物学に関する基礎知識が必要とされる内容です。しかし、哲学に感心ある人にとって本書は大いに参考になる書物です。最近ちくま新書『哲学入門』を読み、ミリカンという科学者の名前を知りました。哲学から見て、「意味」とは事象・事物の「本質」を意味しますが、この「本質」というものが生物学的世界においてどのように成立し、変容するのかについて科学哲学的な観点から分析していくのが本書です。『存在と時間』を書いたハイデッガーが人間(現存在)を世界内存在として位置づけていますが、この世界とは「環境世界(身の回りの世界)」のことですが、この概念が生物学者ユクスキュールの生物学的な「環境世界」から着想を得たものであることを哲学者の木田元氏は指摘しましたが、ミリカンのこの著作を生物学的な環境世界における個体の意味形成とその変容という観点から見たら面白いのではないかと思いました。何しろ自然科学の素養のない者にとって本書の記述は難解なので、哲学的観点からの読解を試みるのはどうかということを指摘してみました。何度もこの本に挑戦し、科学と哲学を結ぶ「意味」概念を哲学的に考察してみたいと思います。
2014年7月27日に日本でレビュー済み
これを訳した方は、読者の視点に立って、自分の書いた文章を読みしてみたのでしょうか?
翻訳という作業は、辞書的な単語の置き換えではない。
一度こういう形で翻訳が出てしまうと、商業的な理由で別の翻訳はでてこない。
こういう残念な翻訳がでてこないようにするにはどうしたらいいのだろうか?
翻訳という作業は、辞書的な単語の置き換えではない。
一度こういう形で翻訳が出てしまうと、商業的な理由で別の翻訳はでてこない。
こういう残念な翻訳がでてこないようにするにはどうしたらいいのだろうか?
2007年5月28日に日本でレビュー済み
面白い本が翻訳された。「表象」(=何か別のものを表現するもの)が、原始の地球に生まれ、育ち、進化し、人間の高度な言語や思考にまで進む数十億年の「表象の進化論」が描き出される。ある種のバクテリアは酸素の多い海水が苦手なので、細胞内の磁石が示すN極の方向へ動くことによって、酸素の少ない深い海へ移動できる。磁石のN極の方向と、酸素の少ない海水とは、何の因果関係もないので、この磁石は酸素の少ない海水のありかを「表象する(表現する、指示する)」原始的な自然記号である(p61)。因果関係ではなく、何かを「表現する」という機能は、自然そのものに起源をもつのだ。ミツバチのダンスは蜜の場所を「表現する」。このような「表現(表象)」は、事実がどうあるかという記述的側面と、それが記号を受け取る側に行動を促すという指令的側面がまだ分離せず、両者が一体となった自然記号である。著者はこれを「オシツオサレツ表象」と呼ぶ。人間の笑いや渋面も、このような原始的な自然記号である(216)。だが、こうした自然記号と、主語・述語の文のように真と偽がある志向的記号との間には、まだ大きなギャップがある。それを埋めようとする著者の苦闘と提案は実に独創的で示唆に富む。