里親家族の分析から、「家族」や「親子」の持つ多様な側面の一つを明らかにしようと試みている。
第一部では、家族問題、里親制度や養子縁組に関する記述。
この問題についてはじめて読む人でも、わかりやすい導入となっている。
第2部は、里親へのインタビューから、
「親子の関係性構築過程」「問題行動と措置変更」「名字」「法的親子と親子意識の関係」「告知や措置変更による親子関係解消」
などを論じている。「里親になろうとした動機調査」などの結果も収録。
終章では、「家族をすること」について「時間」と「家族の枠」に焦点をあてて論じている。
今までの里親研究は「施設」対「里親」という対立図式が多く、里親の個別的な差異に着目したものは少なかった。
その点において、事例が多く収録されており、里親家族の生活を垣間見ることができる。
本書でかかれた、里親家族が生活の中で「家族」関係を構築し、実践していく様子は、家族を再考するのに役立つだろう。
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