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エニグマ アラン・チューリング伝 下 単行本 – 2015/8/27
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チューリングのエニグマ攻略が大戦を終わらせ、世界が冷戦へと向かう頃、コンピュータ開発競争が熱を帯びた。彼の頭脳もその一角を占める。はたして勝利は誰の手に? さらに彼は動植物の形態研究にも踏み出していく。だが新しい活躍の一方、人生は時代に翻弄される。これは悲劇なのか? 非業の最期まで、著者ホッジスはチューリングの時間に寄り添い続ける。
- 本の長さ544ページ
- 言語日本語
- 出版社勁草書房
- 発売日2015/8/27
- ISBN-104326750545
- ISBN-13978-4326750542
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商品の説明
著者について
アンドルー・ホッジス(Andrew Hodges) 1949年、ロンドンで生まれる。 ケンブリッジ大学卒業後、本書を執筆。ロジャー・ペンローズの共同研究者としてツイスター理論の発展に寄与した数理物理学者であるとともに、1970年代からのゲイ解放運動の活動家。現在は、オックスフォード大学ウォドム(Wadham)カレッジのフェローであり、数学研究所 (Mathematical Institute)教授。 個人サイトは www.synth.co.ukであり、チューリングの伝記に関するwww.turing.org.ukを運営している。
土屋 俊(つちや しゅん) 1952年、東京で生まれる。東京大学卒業。大学評価・学位授与機構教授。
土屋 希和子(つちや きわこ) 1952年、山形で生まれる。津田塾大学卒業。 翻訳家。
村上祐子(東北大学准教授)
土屋 俊(つちや しゅん) 1952年、東京で生まれる。東京大学卒業。大学評価・学位授与機構教授。
土屋 希和子(つちや きわこ) 1952年、山形で生まれる。津田塾大学卒業。 翻訳家。
村上祐子(東北大学准教授)
登録情報
- 出版社 : 勁草書房 (2015/8/27)
- 発売日 : 2015/8/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 544ページ
- ISBN-10 : 4326750545
- ISBN-13 : 978-4326750542
- Amazon 売れ筋ランキング: - 429,762位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 42,622位科学・テクノロジー (本)
- - 77,766位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
長い間探していた本で、やっと見つけました。私は、計算機科学が専門なので、積年の思いが叶いました。
2016年4月29日に日本でレビュー済み
本訳書は、昨年刊行されて話題になった本だが、Dysonの「チューリングの大聖堂」を読んで、やはりこれは読まなくてはと思った。読み終わって読書ノートを付けて、1983年に原書発行時、当時「新世代コンピュータ開発機構」が正式名称のICOTの本棚で読んでいたことに気付いた。所長の渕さんは本が好きだったから当然のごとく注文して置いてあったのだろう。人工知能がまた話題になっているから、Turingのことも話題に上るのは当然だし、自分のこれまでを振り返れば、Turingが築いた成果の上に乗っかっているのは確かだから疎かにできない。それにしても、この70年ほどでなんとコンピュータ周りが変わってしまったことか。そして、人間というものがなんと変わらないものか。
アマゾンに出ているレビューには、映画を見てからの感想が多い。映画、あるいはDVDというものと本との関係も随分変わった。それら全てがTuringに負っていると言えなくもない。
書名を忘れたが、科学史、技術史の本で、ネジの発明をアルキメデスによると記載して要るものがあった。理由は、中国など東方世界では存在しなかったからだ。歴史には、そういう偉大な「もしも」がある。
Obama同様、Turingを讃えることは容易だが、本書の素晴らしいところは、人間としてのTuringにひたすら寄り添う姿勢だろう。DysonはPrincetonという土地について薀蓄を傾けていたが、人を語るなら、その先祖来歴も語らねばならない。そのような細かな事柄が丹念に描かれつつ、Turingが勝ち得たかもしれないポジションを自ら捨てて自分に忠実に生きた有様が描かれる。同時に描かれているのは1940年代の困難な時代を乗り越えた「英国」という社会であり、その社会が戦争に勝つために、また、勝つ過程で社会基盤を失っていく様子だ。Turingは必要とされるときに、まさにその場にいて、なすべきことをし終えて、そして去っていったという感じがする。
日本もドイツも米国ですら、Turingという存在をそのように活かすことはできなかったのではないか、それがまた筆者の言いたかったことではないかと感じる。偉大な大英帝国の精華だったと。
Turing Machineが人間の脳をモデル化したものだという指摘は新鮮だった。自分も含めて今の時代なら、「コンピュータのモデル化」の方がしっくり来るが、コンピュータの生まれる遥か前のことだから、あえて言えば、数学をする人間のモデル化だったということだろう。
Turingよりも1.5倍生きてきて思うことは、生きることの難しさと素晴らしさだ。知ることと味わうこと、そして誤ちを重ねる。Turingの生きた姿を、空気を味わえることだけで満足してしまった。訳文については、これだけの思い入れのある文章は、多少硬くても、この程度の訳で良いのではないかと思う。不満なら原書を読めばいいだけの話だ。
アマゾンに出ているレビューには、映画を見てからの感想が多い。映画、あるいはDVDというものと本との関係も随分変わった。それら全てがTuringに負っていると言えなくもない。
書名を忘れたが、科学史、技術史の本で、ネジの発明をアルキメデスによると記載して要るものがあった。理由は、中国など東方世界では存在しなかったからだ。歴史には、そういう偉大な「もしも」がある。
Obama同様、Turingを讃えることは容易だが、本書の素晴らしいところは、人間としてのTuringにひたすら寄り添う姿勢だろう。DysonはPrincetonという土地について薀蓄を傾けていたが、人を語るなら、その先祖来歴も語らねばならない。そのような細かな事柄が丹念に描かれつつ、Turingが勝ち得たかもしれないポジションを自ら捨てて自分に忠実に生きた有様が描かれる。同時に描かれているのは1940年代の困難な時代を乗り越えた「英国」という社会であり、その社会が戦争に勝つために、また、勝つ過程で社会基盤を失っていく様子だ。Turingは必要とされるときに、まさにその場にいて、なすべきことをし終えて、そして去っていったという感じがする。
日本もドイツも米国ですら、Turingという存在をそのように活かすことはできなかったのではないか、それがまた筆者の言いたかったことではないかと感じる。偉大な大英帝国の精華だったと。
Turing Machineが人間の脳をモデル化したものだという指摘は新鮮だった。自分も含めて今の時代なら、「コンピュータのモデル化」の方がしっくり来るが、コンピュータの生まれる遥か前のことだから、あえて言えば、数学をする人間のモデル化だったということだろう。
Turingよりも1.5倍生きてきて思うことは、生きることの難しさと素晴らしさだ。知ることと味わうこと、そして誤ちを重ねる。Turingの生きた姿を、空気を味わえることだけで満足してしまった。訳文については、これだけの思い入れのある文章は、多少硬くても、この程度の訳で良いのではないかと思う。不満なら原書を読めばいいだけの話だ。
2023年3月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上巻が面白くなく、下巻に期待したが、全くつまらなかった。
結局、チューリングは、変わり者のゲイの数学者であり、そんなに魅力のある人物じゃないみたい。
全く、退屈で盛り上がらない伝記で、専門書を読んでいるみたいで、つまらないことこの上ない。
キンドルで買うと、中身を見ないで買うから、こういう事故も起きる。
損した。
結局、チューリングは、変わり者のゲイの数学者であり、そんなに魅力のある人物じゃないみたい。
全く、退屈で盛り上がらない伝記で、専門書を読んでいるみたいで、つまらないことこの上ない。
キンドルで買うと、中身を見ないで買うから、こういう事故も起きる。
損した。
2018年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初にお断りしておくが、本書はすでに多くの評者が絶賛しており、評者も基本的にそれに対して異論はない。しかし、初版の出版から35年も経つと、さすがに「後知恵」で「これはどうだろうか」という疑問点もいくつか出てくる。そういうところに的を絞った評になるので「批判的」な調子になる箇所はご容赦願いたい。そういった批判は、本書がすでにチューリング伝の優れた「古典」であることを当然認めて評価した上での「ないものねだり」のたぐいであるかもしれない。また、本書の邦訳が2015年に出て、多くの一般読者にも通読が容易になったのも喜ばしいことであり、評者も邦訳のおかげで、原書併用で一週間ほどで再読できたことはありがたい。
本書の特筆すべき功績は、チューリングの人と業績を共感的に描いて蘇らせたことに加え、電子計算機の誕生を巡る誤った歴史的見解を書き換えることに多大な貢献をしたことであろう。万能計算機としてのコンピュータ、その直接の構想の「生みの親」は、チューリングであって、つい20年ほど前までの「通説」だったフォン・ノイマンではない。フォン・ノイマンはチューリングの1936年論文をしばらく無視していたが、計算機制作に関わるようになって以後、チューリングの構想を評価したらしい(上226、下94)。例えば、フォン・ノイマンがチューリングのためにプリンストンの高等研究所滞在を延長する推薦状を書いた1937年6月には、36年論文に言及さえしてない(上226)。「構想」と断ったのは、電子計算機という名前にふさわしい「現物」を作ったのは別の人達の手柄として認めなければならないという別問題があるからである。「The Universal Computer」というタイトルで2000年に本を出版したマーチン・デイヴィス(評者のレビューを参照されたい)の見解に評者は感銘を受けたが、今にして思えば、この本でのチューリングに関する記述は、ほとんどホッジス本からの引用、あるいは要約みたいなものだった(もちろん、ほかに評価すべき見解も含まれているが)。
本書では、チューリングが戦時の「エニグマ」(ドイツ軍の暗号)解読の仕事から始まって電子計算機の設計や制作に関わっていく過程も克明に追跡されているので、米国で開発されたENIAC やEDVACを題材とした「計算機の歴史」を補って訂正する題材がふんだんに含まれている。とくに、前半部分、ドイツ軍のエニグマ暗号を解読する仕事については、かなり詳しい解説と分析、そして図解もあって優れている。ただ一つ不満なのは、暗号解読の有力なヒントとなった”crib”(邦訳ではそのまま「クリブ」とされている)についての丁寧な説明が見当たらないこと。
後半部分では、チューリングが開発に関わったACE(Automatic Computing Engine)も含め、イギリスでの計算機開発の過程がかなり詳しく辿られているが、前半部での丁寧な解説に比べて読みにくいし図解も皆無で、これでは一般の読者には理解が困難である。例えば、第6章のタイトルにも出てくる「水銀遅延線」、これは米国のエニアックチームのエッカートの創案になるもので、当時のコンピュータの「記憶」部分に不可欠だったものだが、ろくに解説せずにチューリングのアイデアと対比させるものだから、読者はお手上げとなる。せめて一枚でも図を入れていたなら、と惜しまれる。また、本書がもともと1983年の出版だということもあって、コンピュータの歴史に関わる記述としては、欠落する部分(その後の歴史的研究成果)もある。読者はそれを心に留めて読んだほうがいい。
後半部分のハイライトは、チューリングの同性愛事件の顛末と有罪判決後の追跡である。ここは、読む人によって評価が大きく変わるかもしれない。「チューリングに寄り添う姿勢」という肯定的評価をよく見かけるが、読者は「事実経過」をまず押さえて読むべきであろう。間に、あるいは後に、延々と入る著者の「推察」とも「分析」とも判じかねるネチネチとした記述、評者自身は辟易してフォローしかねた。これは「著者自身の思い入れ」を展開した記述ではないのか?評者の意見では、ここはもっと「事実」や手紙などの「文書」や「証言」に基け、それらに「語らしめ」て、「思い入れ」をできるだけ排除する記述にしてほしかった。しかし、83年の初版当時、若かった著者が社会的な偏見に挑んで力を入れて書いた気持ちはわからないでもない。
本書の特筆すべき功績は、チューリングの人と業績を共感的に描いて蘇らせたことに加え、電子計算機の誕生を巡る誤った歴史的見解を書き換えることに多大な貢献をしたことであろう。万能計算機としてのコンピュータ、その直接の構想の「生みの親」は、チューリングであって、つい20年ほど前までの「通説」だったフォン・ノイマンではない。フォン・ノイマンはチューリングの1936年論文をしばらく無視していたが、計算機制作に関わるようになって以後、チューリングの構想を評価したらしい(上226、下94)。例えば、フォン・ノイマンがチューリングのためにプリンストンの高等研究所滞在を延長する推薦状を書いた1937年6月には、36年論文に言及さえしてない(上226)。「構想」と断ったのは、電子計算機という名前にふさわしい「現物」を作ったのは別の人達の手柄として認めなければならないという別問題があるからである。「The Universal Computer」というタイトルで2000年に本を出版したマーチン・デイヴィス(評者のレビューを参照されたい)の見解に評者は感銘を受けたが、今にして思えば、この本でのチューリングに関する記述は、ほとんどホッジス本からの引用、あるいは要約みたいなものだった(もちろん、ほかに評価すべき見解も含まれているが)。
本書では、チューリングが戦時の「エニグマ」(ドイツ軍の暗号)解読の仕事から始まって電子計算機の設計や制作に関わっていく過程も克明に追跡されているので、米国で開発されたENIAC やEDVACを題材とした「計算機の歴史」を補って訂正する題材がふんだんに含まれている。とくに、前半部分、ドイツ軍のエニグマ暗号を解読する仕事については、かなり詳しい解説と分析、そして図解もあって優れている。ただ一つ不満なのは、暗号解読の有力なヒントとなった”crib”(邦訳ではそのまま「クリブ」とされている)についての丁寧な説明が見当たらないこと。
後半部分では、チューリングが開発に関わったACE(Automatic Computing Engine)も含め、イギリスでの計算機開発の過程がかなり詳しく辿られているが、前半部での丁寧な解説に比べて読みにくいし図解も皆無で、これでは一般の読者には理解が困難である。例えば、第6章のタイトルにも出てくる「水銀遅延線」、これは米国のエニアックチームのエッカートの創案になるもので、当時のコンピュータの「記憶」部分に不可欠だったものだが、ろくに解説せずにチューリングのアイデアと対比させるものだから、読者はお手上げとなる。せめて一枚でも図を入れていたなら、と惜しまれる。また、本書がもともと1983年の出版だということもあって、コンピュータの歴史に関わる記述としては、欠落する部分(その後の歴史的研究成果)もある。読者はそれを心に留めて読んだほうがいい。
後半部分のハイライトは、チューリングの同性愛事件の顛末と有罪判決後の追跡である。ここは、読む人によって評価が大きく変わるかもしれない。「チューリングに寄り添う姿勢」という肯定的評価をよく見かけるが、読者は「事実経過」をまず押さえて読むべきであろう。間に、あるいは後に、延々と入る著者の「推察」とも「分析」とも判じかねるネチネチとした記述、評者自身は辟易してフォローしかねた。これは「著者自身の思い入れ」を展開した記述ではないのか?評者の意見では、ここはもっと「事実」や手紙などの「文書」や「証言」に基け、それらに「語らしめ」て、「思い入れ」をできるだけ排除する記述にしてほしかった。しかし、83年の初版当時、若かった著者が社会的な偏見に挑んで力を入れて書いた気持ちはわからないでもない。
2019年11月26日に日本でレビュー済み
暗号技術やコンピューターのようなアラン・チューリングが直接関わった分野と、同時代に他の学者が関わった分野が併せて書かれていて、現代技術史としても充実した内容だったと思いました。
全体を通して、アラン・チューリングが子供の頃に読んだブルースターの「自然の不思議」の記述が出てきますが、かなり高度な内容に思えて内容に興味があります。
コンピューターの生みの親はフォン・ノイマンだ、と単純に考えていましたが、実際にどのようにコンピューターの考え方が生まれ、作られていったのかがかなり詳しく書かれていて、今では当たり前なこともゼロから生み出すにはどれほど苦労するのかがよく伝わってきました。
当時の法律で、同性愛者の性行為は同意があっても性犯罪と扱われるというのは、今のLGBTの議論からすると隔世の感があるなと思いました。
アラン・チューリングの友人であり続ける条件として「同性愛者であることを許容できること」が挙げられますが、特にこの時代ではかなりハードルが高いながらもこの条件を満たす人がかなり多く、みんな器が大きいなと感じました。
アラン・チューリングの母親が、常識人でありながら、同性愛者ということ以外でもかなり変わっているアラン・チューリングを許容し、息子として愛していた様子が全体を通して描かれていて、この本に登場する人物のなかで一番器が大きな人物だなと思いました。
ただ、アラン・チューリングは同性愛者だった可能性がある、ということは何かでちらっと聞いたことがありましたが、そのアラン・チューリングの伝記で主題となるくらいの本物だったとは初めて知りました。おかげで、これほど感情移入できない伝記もなかなかないと思えるほどで、読み辛さに繋がりました。
アラン・チューリングが同性愛者だった、というだけで非難されたことに著者が異議を唱えているのはわからなくもないですが、アラン・チューリングは割と節操なく手を出しまくっている印象で、仮に異性愛者として同じ行動をしていたら性豪・ロリコンとして非難されてもおかしくないレベルではないかと思いました。
下巻では、独自に無線通信の仕組みを考案した話、汎用コンピューター「ACE」の考案と必須部品としてのCPUや記憶媒体の開発の話、「ACE」の挫折とコンパクトな「ベイビーマシン」へのプロジェクト移行の話、同性愛者として有罪になった話、アラン・チューリングの自殺を巡る話などが語られていました。
全体を通して、アラン・チューリングが子供の頃に読んだブルースターの「自然の不思議」の記述が出てきますが、かなり高度な内容に思えて内容に興味があります。
コンピューターの生みの親はフォン・ノイマンだ、と単純に考えていましたが、実際にどのようにコンピューターの考え方が生まれ、作られていったのかがかなり詳しく書かれていて、今では当たり前なこともゼロから生み出すにはどれほど苦労するのかがよく伝わってきました。
当時の法律で、同性愛者の性行為は同意があっても性犯罪と扱われるというのは、今のLGBTの議論からすると隔世の感があるなと思いました。
アラン・チューリングの友人であり続ける条件として「同性愛者であることを許容できること」が挙げられますが、特にこの時代ではかなりハードルが高いながらもこの条件を満たす人がかなり多く、みんな器が大きいなと感じました。
アラン・チューリングの母親が、常識人でありながら、同性愛者ということ以外でもかなり変わっているアラン・チューリングを許容し、息子として愛していた様子が全体を通して描かれていて、この本に登場する人物のなかで一番器が大きな人物だなと思いました。
ただ、アラン・チューリングは同性愛者だった可能性がある、ということは何かでちらっと聞いたことがありましたが、そのアラン・チューリングの伝記で主題となるくらいの本物だったとは初めて知りました。おかげで、これほど感情移入できない伝記もなかなかないと思えるほどで、読み辛さに繋がりました。
アラン・チューリングが同性愛者だった、というだけで非難されたことに著者が異議を唱えているのはわからなくもないですが、アラン・チューリングは割と節操なく手を出しまくっている印象で、仮に異性愛者として同じ行動をしていたら性豪・ロリコンとして非難されてもおかしくないレベルではないかと思いました。
下巻では、独自に無線通信の仕組みを考案した話、汎用コンピューター「ACE」の考案と必須部品としてのCPUや記憶媒体の開発の話、「ACE」の挫折とコンパクトな「ベイビーマシン」へのプロジェクト移行の話、同性愛者として有罪になった話、アラン・チューリングの自殺を巡る話などが語られていました。