明治ものには分類されていないことを承知で、僕にとって明治もの裏ベストでした。(ちなみに忍法帖裏ベストは「忍びの卍」)
天狗党の末路に衝撃を受けながら、物語としての切ない終結。すげえ!
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魔群の通過 (広済堂文庫―山田風太郎傑作大全) (廣済堂文庫 や 7-18 山田風太郎傑作大全 18) 文庫 – 1997/12/1
山田 風太郎
(著)
- 本の長さ338ページ
- 言語日本語
- 出版社廣済堂出版
- 発売日1997/12/1
- ISBN-104331606279
- ISBN-13978-4331606278
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登録情報
- 出版社 : 廣済堂出版 (1997/12/1)
- 発売日 : 1997/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 338ページ
- ISBN-10 : 4331606279
- ISBN-13 : 978-4331606278
- Amazon 売れ筋ランキング: - 443,368位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1922年、兵庫県生まれ。東京医科大学卒業。47年、「宝石」新人募集に応募した「達磨峠の事件」がデビュー作。48年「眼中の悪魔」で第2回探偵作家 クラブ賞短編賞を受賞。その後「甲賀忍法帖」を始めとした忍法帖シリーズなどを精力的に発表した。2000年、日本ミステリー文学大賞受賞。01年7月死 去(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 八犬傳 下(新装版) (ISBN-13: 978-4331614044)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
幕末の水戸天狗党。
九州の人間には縁遠い歴史上の惨劇とは知っていましたが、
今まで無関心でした。
が、そのような私にとって、大変新鮮な驚きに満ちた作品です。
この一人称、天狗党の生き残り武田猛判事の証言、
史談会における回顧講演の筆記録、というユニークな叙述形式をとっています。
明治維新も落ち着いたこの時期、こういう講演会は多かったと聞くだけに、
迫真性を感じさせられます。
数多い史伝小説的、淡々とした語り口とは異なり、
最初は控えめでありながら次第に鮮烈、生々しい凄惨さが魔力として発揮され始め、
読者は見えない不思議な力で150年前に引きずり込まれてしまいます。
天狗党の参加者、その周辺の家族、徳川慶喜までを含む敵対者、全てを飲み込んでしまった巨大な悲劇性、
いろいろな語り口、様々な思想背景、その行動の適否の評価があると思います。
それらを別にして、作家の力量の強大さがひたすら印象に残る一作でした。
ただ最終、官軍となった天狗党生き残り、武田金次郎による凄惨な復讐とその後の巨大な空漠感、
この辺の叙述に作家の息切れ感を、その叙述の淡白さから若干ながら感じました。
ここまで来たのならば更に綿密詳細、読者を更に暗淵へと誘うまでの脂ぎった執念深さを、
と欲深い読者は思うのでした。
九州の人間には縁遠い歴史上の惨劇とは知っていましたが、
今まで無関心でした。
が、そのような私にとって、大変新鮮な驚きに満ちた作品です。
この一人称、天狗党の生き残り武田猛判事の証言、
史談会における回顧講演の筆記録、というユニークな叙述形式をとっています。
明治維新も落ち着いたこの時期、こういう講演会は多かったと聞くだけに、
迫真性を感じさせられます。
数多い史伝小説的、淡々とした語り口とは異なり、
最初は控えめでありながら次第に鮮烈、生々しい凄惨さが魔力として発揮され始め、
読者は見えない不思議な力で150年前に引きずり込まれてしまいます。
天狗党の参加者、その周辺の家族、徳川慶喜までを含む敵対者、全てを飲み込んでしまった巨大な悲劇性、
いろいろな語り口、様々な思想背景、その行動の適否の評価があると思います。
それらを別にして、作家の力量の強大さがひたすら印象に残る一作でした。
ただ最終、官軍となった天狗党生き残り、武田金次郎による凄惨な復讐とその後の巨大な空漠感、
この辺の叙述に作家の息切れ感を、その叙述の淡白さから若干ながら感じました。
ここまで来たのならば更に綿密詳細、読者を更に暗淵へと誘うまでの脂ぎった執念深さを、
と欲深い読者は思うのでした。
2021年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
OK
2015年1月16日に日本でレビュー済み
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徳川御三家でありながら尊王思想も高い、矛盾ともいえる思想が混在する水戸藩で起きた内戦の顛末を描いています。教科書には載っていない日本史をもとにした風太朗ならではの小説です。忍法帳や明治物とはちょっと異なりエンターテイメント色は少ないものの傑作のひとつと思います。
2018年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
維新のひとつの原動力であった尊王攘夷思想を先導した水戸藩。
本作で描かれた天狗党の乱をめぐる血で血を洗う報復合戦の末、維新後に活躍すべき人材も絶え、あとに何も残さなかった。
尊王攘夷思想に取りつかれた天狗党をめぐる悲惨な滅びの様は、ドストエフスキーの『悪霊』の冒頭に引用されている悪霊に取りつかれた豚の一群が崖になだれ落ちて死に絶える挿話を思い起こさせる。
創作が入っているであろう女性二人を絡めての物語の展開は、虚実の見極めがつきにくくなるうらみがあるものの、悲惨さと合わせて小説の面白みに繋がっていて飽きさせない。
本書の最後に天狗党の踏破した過酷な道程の地図が掲載されているが、本書にも記載があるとおり風太郎は実際にその現場を取材して執筆にあたっていて、なるほど描写にそれだけの迫力がある。
本作で描かれた天狗党の乱をめぐる血で血を洗う報復合戦の末、維新後に活躍すべき人材も絶え、あとに何も残さなかった。
尊王攘夷思想に取りつかれた天狗党をめぐる悲惨な滅びの様は、ドストエフスキーの『悪霊』の冒頭に引用されている悪霊に取りつかれた豚の一群が崖になだれ落ちて死に絶える挿話を思い起こさせる。
創作が入っているであろう女性二人を絡めての物語の展開は、虚実の見極めがつきにくくなるうらみがあるものの、悲惨さと合わせて小説の面白みに繋がっていて飽きさせない。
本書の最後に天狗党の踏破した過酷な道程の地図が掲載されているが、本書にも記載があるとおり風太郎は実際にその現場を取材して執筆にあたっていて、なるほど描写にそれだけの迫力がある。
2019年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
幕末の水戸にこのような凄まじい悲劇があったとは…
あまりの凄惨さに映像化されることも少なく埋もれてしまうのはあまりにも惜しい。
あまりの凄惨さに映像化されることも少なく埋もれてしまうのはあまりにも惜しい。
2013年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本自体を“読み物”として購入したので、ページの欠落や汚れもなく、問題なしです。装丁も綺麗で、良い買い物でした。
2007年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ほんの100年ちょっと前、人の命はこんなに軽かったのか。
幕末に実際にあった天狗党の乱を”山田風太郎にしては”かなり脚色を抑えて、しかも30年後の生存者の回顧話という形できわめて淡々と語っている。
まったく”つじつまの合わない”事由によって虫けらのように死んでいく人々、男達の勝手な”大義”に翻弄される女子供。作者の代表作である忍法帖シリーズにも共通するテーマであるが、奇想天外なエンターテイメント性がないぶんよりストレートに伝わってくる。
そして、ラストに語られる挿話がこの実際にあった悲劇に対する作者の鎮魂として、ほんの一筋の救いの光となっている。
作者が歴史小説家としても超一流であったことを証明する一冊。
幕末に実際にあった天狗党の乱を”山田風太郎にしては”かなり脚色を抑えて、しかも30年後の生存者の回顧話という形できわめて淡々と語っている。
まったく”つじつまの合わない”事由によって虫けらのように死んでいく人々、男達の勝手な”大義”に翻弄される女子供。作者の代表作である忍法帖シリーズにも共通するテーマであるが、奇想天外なエンターテイメント性がないぶんよりストレートに伝わってくる。
そして、ラストに語られる挿話がこの実際にあった悲劇に対する作者の鎮魂として、ほんの一筋の救いの光となっている。
作者が歴史小説家としても超一流であったことを証明する一冊。