ドコモとau、それぞれが直面した問題とその克服の過程が
当事者のインタビューを踏まえた会話文形式の構成による臨場感溢れる文体で描かれている。
本書は、この分野の本でありがちな単なる技術的な比較や解説といった表面的な内容(←それはそれでいいのですが)にとどまることなく、
モノづくりの現場で実際に繰り広げられたストーリーを追う一種のノンフィクションドキュメンタリーであるといえよう。
書名から受けた第一印象では、対比というより対決や決着をつけるようなものかと思っていたが、終始全くそういうことはなかった。
読後の爽快感も、きっとそんな著者の中立的な立場と文体によるものだろう。
日本におけるMNP開始まであと少し。
本書は出版時期もさることながら、前述の通りキャリアの良し悪しをメインテーマに扱っているわけではないので、
直接的にはキャリア選択の一助になるとは思わない。
だが、各キャリアの秘める熱い思いを感じ取れることは間違いない。
そして、それはきっとキャリア選択の一助になることだろう。
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ドコモとau (光文社新書) 新書 – 2004/11/13
塚本 潔
(著)
インフラvs.ブロードバンド 2強の戦略から見える“携帯業界”の知られざる全貌
携帯電話業界で圧倒的なシェアを誇るドコモをトヨタに譬えると、ドコモを追うauはさしずめホンダである。実際に、携帯電話業界における「ドコモとau」という構図は、自動車業界における「トヨタとホンダ」にあまりにも似ていることが多い。
本書は、世界初の第三世代携帯電話(3G)のスタートに総力戦で挑むドコモと、独自の戦略でドコモを猛追するauにスポットを当て、当事者たちのインタビューを通して、いかに彼らが目の前に立ちはだかる壁を乗り越えてきたかを描いたものである。
両者の辿った道を克明に追うと、ドコモとauの戦略の違いと、その背後にあるものが見えてくる。そして、日本のモノづくりの底力も。本書ではそれらを明らかにしていきたい。
◎「両社の真実」に密着取材!
2001年、ドコモが満を持して世に送るはずの3G「FOMA」が、直前になって開発現場でさまざまな問題が起こり、本格サービスの予定が延期されることになった。実際に、当時のFOMAの関係者を取材すると、開発現場は私の想像を遙かに超えるトラブルに見舞われていたことが分かった。
その頃auは、ブラウザフォンでJ-フォンにも抜かれ、「無料でもいらないau」と自虐的に語るほどの、まさに「どん底」を這っていたのである。
携帯電話業界で圧倒的なシェアを誇るドコモをトヨタに譬えると、ドコモを追うauはさしずめホンダである。実際に、携帯電話業界における「ドコモとau」という構図は、自動車業界における「トヨタとホンダ」にあまりにも似ていることが多い。
本書は、世界初の第三世代携帯電話(3G)のスタートに総力戦で挑むドコモと、独自の戦略でドコモを猛追するauにスポットを当て、当事者たちのインタビューを通して、いかに彼らが目の前に立ちはだかる壁を乗り越えてきたかを描いたものである。
両者の辿った道を克明に追うと、ドコモとauの戦略の違いと、その背後にあるものが見えてくる。そして、日本のモノづくりの底力も。本書ではそれらを明らかにしていきたい。
◎「両社の真実」に密着取材!
2001年、ドコモが満を持して世に送るはずの3G「FOMA」が、直前になって開発現場でさまざまな問題が起こり、本格サービスの予定が延期されることになった。実際に、当時のFOMAの関係者を取材すると、開発現場は私の想像を遙かに超えるトラブルに見舞われていたことが分かった。
その頃auは、ブラウザフォンでJ-フォンにも抜かれ、「無料でもいらないau」と自虐的に語るほどの、まさに「どん底」を這っていたのである。
- 本の長さ226ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2004/11/13
- ISBN-104334032788
- ISBN-13978-4334032784
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2004/11/13)
- 発売日 : 2004/11/13
- 言語 : 日本語
- 新書 : 226ページ
- ISBN-10 : 4334032788
- ISBN-13 : 978-4334032784
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,437,361位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 722位情報・コンピュータ産業
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- - 2,403位光文社新書
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トップレビュー
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2009年1月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2002年から2004年にかけての両社の戦略や方向性などを描いた本。ちょうどその時期に大手CPと仕事をしていた私にとっては、「あの時のあれはそういうことだったのか」と、業界裏事情がよくわかった。単一の視野しか持っていなかったために不可解だったことにたいして、納得がいく説明が得られた。
携帯ビジネスがどのように特殊かが分かり、どのようなリソースの動きかが分かる良著。特に無線の方式がどのようにコンテンツに影響を与えるかなど、携帯電話にまつわる複数の方向からの視野を持つためには必読とも言える。
携帯ビジネスがどのように特殊かが分かり、どのようなリソースの動きかが分かる良著。特に無線の方式がどのようにコンテンツに影響を与えるかなど、携帯電話にまつわる複数の方向からの視野を持つためには必読とも言える。
2005年5月10日に日本でレビュー済み
携帯電話は先端技術の粋を集めたもので、難解で
あるにもかかわらず、一気に読ませてしまう著者
の説明力に驚く。その技術がどういうもの
でどんな意味を持つのかを理解しているからこそ
平易な説明ができる。
「よく知らないけど、なんとなくイメージできる」
こういう感じを提供できてこそ一流なのだなと、
痛感した。
あるにもかかわらず、一気に読ませてしまう著者
の説明力に驚く。その技術がどういうもの
でどんな意味を持つのかを理解しているからこそ
平易な説明ができる。
「よく知らないけど、なんとなくイメージできる」
こういう感じを提供できてこそ一流なのだなと、
痛感した。
2005年8月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
携帯電話の最大大手であるドコモと、ドコモを追撃するauの違いを、歴史、戦略、通信方式、端末メーカーなどの違いから読み解いていく。
この本を読むことにより、これまで、デザインや通信範囲のなど漠然とした違いしか見えていなかった両社に、実は大きな違いがあることが理解できる。
2006年には携帯電話の会社を変えても、それまで使っていた携帯電話の番号を変える必要のないナンバー・ポータビリティがスタートする。それに伴い、多くの人が、携帯電話の会社を変えることになるであろう。そういう状況に備え、デザインやカタログ上の機能だけでなく、この本で説明されている様々な違いを理解しておくとよいのではないだろうか?
この本を読むことにより、これまで、デザインや通信範囲のなど漠然とした違いしか見えていなかった両社に、実は大きな違いがあることが理解できる。
2006年には携帯電話の会社を変えても、それまで使っていた携帯電話の番号を変える必要のないナンバー・ポータビリティがスタートする。それに伴い、多くの人が、携帯電話の会社を変えることになるであろう。そういう状況に備え、デザインやカタログ上の機能だけでなく、この本で説明されている様々な違いを理解しておくとよいのではないだろうか?
2007年3月5日に日本でレビュー済み
モバイルナンバーポータビリティ開始以降、
auの好調さとドコモの一人負けが目立っています。
本書ではそうした現在に携帯電話業界が形作られるまでの
背景が分かりやすくまとめられています。
2年以上前の出版ですが、内容は色褪せていません。
KDD、DDI、IDOが合併してKDDIが誕生した経緯に触れ、
iモードで飛躍したドコモのFOMA立ち上げにおけるつまづき、
着うたやデザイン戦略を生かしたauの躍進と、
内容は時系列に沿って進められていきます。
ソフトバンクもとい旧ボーダフォンはほとんど触れられておらず、
物足りないと思う方もいるかもしれません。
それでもドコモとauの2社の比較に絞られていることで、
両社の違いが鮮明に浮かび上がり、読み易くなっていると思います。
auの好調さとドコモの一人負けが目立っています。
本書ではそうした現在に携帯電話業界が形作られるまでの
背景が分かりやすくまとめられています。
2年以上前の出版ですが、内容は色褪せていません。
KDD、DDI、IDOが合併してKDDIが誕生した経緯に触れ、
iモードで飛躍したドコモのFOMA立ち上げにおけるつまづき、
着うたやデザイン戦略を生かしたauの躍進と、
内容は時系列に沿って進められていきます。
ソフトバンクもとい旧ボーダフォンはほとんど触れられておらず、
物足りないと思う方もいるかもしれません。
それでもドコモとauの2社の比較に絞られていることで、
両社の違いが鮮明に浮かび上がり、読み易くなっていると思います。
2004年12月27日に日本でレビュー済み
つい先日、auがドコモを純増数で上回ったのは記憶に新しい。
携帯電話は、第二世代から第三世代へと進化し、その移行とauの隆盛は時期を同じくすると言っても過言ではないと思う。
本書はその開発の舞台裏を丁寧な筆致で描き出す。
両社のストラテジーの違いは?
あの端末が発売されるまでに、どういった紆余曲折があったのか?
インタビューを交えながらも、どちらのキャリアにも肩入れしない、客観的な描写には好感を覚える。
因みに、タイトルが示すように、ボーダフォンに関してはほんの少ししか、ツーカーに至っては全く記述がないが、二社に絞って書いている分、より分かりやすくなっている。
携帯電話は、第二世代から第三世代へと進化し、その移行とauの隆盛は時期を同じくすると言っても過言ではないと思う。
本書はその開発の舞台裏を丁寧な筆致で描き出す。
両社のストラテジーの違いは?
あの端末が発売されるまでに、どういった紆余曲折があったのか?
インタビューを交えながらも、どちらのキャリアにも肩入れしない、客観的な描写には好感を覚える。
因みに、タイトルが示すように、ボーダフォンに関してはほんの少ししか、ツーカーに至っては全く記述がないが、二社に絞って書いている分、より分かりやすくなっている。
2005年6月11日に日本でレビュー済み
主に第三世代携帯電話(3G)の開発以降の両社の取り組みについて,詳細に述べられています.「へーそうなの」と言うような話題がたくさんあり,飲み屋でのネタ本としても活用できそうです.
ドコモとauの技術戦略の違い,携帯電話ビジネスに対する考え方やアプローチの違いが詳しく書かれています.やはりドコモは巨人なんだということを改めて感じますし,それに立ち向かうauも技術力の差は認識しつつ,「ドコモの後追いはしない」という基本方針の下でいろいろと手を打っているのには感動します.
携帯電話業界の動向にご興味のある方にはお勧めです.
ドコモとauの技術戦略の違い,携帯電話ビジネスに対する考え方やアプローチの違いが詳しく書かれています.やはりドコモは巨人なんだということを改めて感じますし,それに立ち向かうauも技術力の差は認識しつつ,「ドコモの後追いはしない」という基本方針の下でいろいろと手を打っているのには感動します.
携帯電話業界の動向にご興味のある方にはお勧めです.
2006年7月27日に日本でレビュー済み
この本は、比較的分かりやすく書いてあると思います。今や携帯電話業界の上位をゆく2社のさまざまな形態や技術方針、そして最終的にはどちらの携帯を自分で選ぶかなど、これから初めて携帯を手にする人、機種変する人などは必見だと思います。