本は面白い。特に前半。日本のホワイトカラーは生産性が低いのかという問題を色々な
データから考察してて興味深く読んだ。後半はやや失速というか、話がボケた感じがある。
それでもお薦めだな。社内フリーエージェント制とかは面白いアイデアだなと思った。
5年前まで私は生産部門の技術屋だった。現上司が言うには、希望退職を募ったところ、
思惑と違って事務系の稼ぎどころが大量にやめてしまったということで、事務系に来ないか
と誘われてホワイトカラーになりました。5年事務屋やって思ったことは、この本に書かれて
ある通りで一部の優秀な労働者が引っ張り上げてるからです。
3年前から6期連続で私は事業所一の評価をいただいていますが、業績そのものは他事業所
の並よりは上ってなもんだろう。実際、自分じゃ稼いでる自負はあっても、いい仕事したと
思ったことは無いし。じゃ、なぜ連続で高評価なのか。それは一緒に組んでた人が他部門に
いた頃より聞こえてた有名な仕事しない人だから。彼と組んででもその業績を上げたという
ことでの評価なのだろうと思っています。そして、そんな仕事の組み方してるから、残って
欲しい人材に逃げられたんだろうなぁと思う。
私の直属の上司は今二人いる。お二人ともとても優秀だ。よくこれだけの仕事をこなして
いるよなとも思う。だが、管理職としては優秀だとは思えない。私の会社の管理職ってヒラ
で優秀な方が管理職になってるけど、ヒラで優秀でもマネージメント能力は別だと思うの
です。誰にどんな仕事を振るのか。その仕事は何をもって達成とするのか。達成したとき、
どんな評価を与えるのか。将来的にどういう人材に育って欲しいのかをヒラに伝える。
中期計画や業務実施計画の項目にどんな意味があるのかをちゃんと翻訳してあげられる。
そういうことが出来ていないと思うのですよ。
もっと中間管理職のマネージメント能力を上げないと、ホワイトカラーエグゼンプション
も残業代ゼロ法案にしかならないだろうな。
¥792¥792 税込
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ホワイトカラーは給料ドロボーか? (光文社新書 305) 新書 – 2007/6/1
門倉 貴史
(著)
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- 本の長さ233ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2007/6/1
- ISBN-104334034055
- ISBN-13978-4334034054
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2007/6/1)
- 発売日 : 2007/6/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 233ページ
- ISBN-10 : 4334034055
- ISBN-13 : 978-4334034054
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,529,941位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1971年神奈川県生まれ。エコノミスト。慶應義塾大学経済学部卒業後、銀行系シンクタンクの研究員となり、日本経済研究センター、東南アジア経済研究所 (シンガポール)へ出向。2002年に生保系シンクタンクに移籍し、経済調査部主任エコノミストとしてアジアやBRICs諸国についての論文を数多く発 表。’06年にBRICs経済研究所代表に就任。同志社大学大学院非常勤講師(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『ゼロ円ビジネスの罠』(ISBN-10:4334035833)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2008年3月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の門倉氏は、地下ビジネスの分析などユニークなアプローチで以前から話題になっている人だったので、軽い気持ちでこの本を買ってみたのだが、読んでみて分析のレベルの高さに驚嘆した。代表的な統計に現れない部分まで丹念に調べ、真実を追究するという氏の真摯な姿勢は素晴らしい。また、本格的な議論を読者を退屈にすることなく平易に書き下している点も好感が持てる。
特に前半2章の労働生産性に関する記述は、洞察力に富んでいる上、独自の試算で裏づけをしており、新書のクオリティーをはるかに超えている。第3章のホワイトカラーの賃金の決まり方に関しても、日本独自の雇用制度に由来する労使のパワーバランス、労働者のジレンマ、業績評価の難しさを考慮して、丁寧な分析をしている。
敢えて不満を挙げるならば、「日本のホワイトカラーはどこへいくのか」と題した最終章が、政策提言という観点からはやや力強さと説得力に欠ける点だ。例えば、最低賃金の引き上げについて好意的に論じているが、失業率に与えるマイナスの影響について触れていないのは議論として不完全であるし、正社員・非正社員を固定的な2種類の雇用形態として論じている点も、現状分析としては十分でも今後の日本の将来像を踏まえると必ずしも十分でない。しかし、こうした点は紙面の制約の問題でもあり、本書の良さを損なうものではないだろう。
特に前半2章の労働生産性に関する記述は、洞察力に富んでいる上、独自の試算で裏づけをしており、新書のクオリティーをはるかに超えている。第3章のホワイトカラーの賃金の決まり方に関しても、日本独自の雇用制度に由来する労使のパワーバランス、労働者のジレンマ、業績評価の難しさを考慮して、丁寧な分析をしている。
敢えて不満を挙げるならば、「日本のホワイトカラーはどこへいくのか」と題した最終章が、政策提言という観点からはやや力強さと説得力に欠ける点だ。例えば、最低賃金の引き上げについて好意的に論じているが、失業率に与えるマイナスの影響について触れていないのは議論として不完全であるし、正社員・非正社員を固定的な2種類の雇用形態として論じている点も、現状分析としては十分でも今後の日本の将来像を踏まえると必ずしも十分でない。しかし、こうした点は紙面の制約の問題でもあり、本書の良さを損なうものではないだろう。
2007年9月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
基本的に弱者に優しい門倉氏とは思えない挑発的なタイトルに惹かれ本書を買ったが、やはり門倉氏らしい落ち着いた常識的な内容。ホワイトカラーエグゼプションが騒がれているが、それを含め広範な分野でホワイトカラー層を分析している。経済の教科書もわかりやすく紹介され、経済入門書として門外漢にも取っ付きやすくなっている。
私としては例のホワイトカラーエグゼプションが大変参考になった。法案化についてマスコミはいっさい解説しないので単なる暴論かと思ったが、門倉氏は条件付きで賛成とのこと。労働形態自体が変化しており旧体制が保てなくなっているだろう。
派手な内容ではないが、日常生活の参考になる一冊となっている。
私としては例のホワイトカラーエグゼプションが大変参考になった。法案化についてマスコミはいっさい解説しないので単なる暴論かと思ったが、門倉氏は条件付きで賛成とのこと。労働形態自体が変化しており旧体制が保てなくなっているだろう。
派手な内容ではないが、日常生活の参考になる一冊となっている。
2014年3月16日に日本でレビュー済み
著者は、慶応義塾大学卒、第一生命経済研究所の経済調査部主任の門倉貴史。
内容は、主にホワイトカラー・エグゼプションについて、今度を論じるもの。
題名にある「ホワイトカラーは給料ドロボーか?」という答えは「不明」。
そもそもホワイトカラーの生産性を測る指標がない(あるが侃侃諤諤)
ものを作るのであれば、何時間に何個、いくらの利益を生み出すということが明確に分かるけれども、経理部がいくら電卓をたたいてもそれがいくらの利益になるか?ということは測定不可能で、世界で比較した場合も労働時間の概念が曖昧であったり、無給労働などの暗数があったりするので、一概に比較もできない。
残業に関して、日本には「残業で生きる」人がおり、「美徳」と考える人もいる。
徐々に方々の企業はコンバージェンスしているようだが、それも抵抗があったり、畢竟、無給労働を助長することになる半面があったりする。
日本の「残業」に対する考え方が根本的に覆らない限り減らないだろうと思う。
そこで、導入が検討され「つつ」あるホワイトカラー・エグゼプションであるが、これも測定基準が曖昧な上に、給与が下がるということに抵抗も大きいだろう。
個人的にも、同制度の導入はいくらトップダウンでも今は「無理」だと思う。
───日本の労働市場が十分に流動化するとともに、企業がホワイトカラーの能力を客観的に評価できる人事評価システムを確立した後であれば、ホワイトカラー・エグゼプションの導入は、日本の経済・社会に望ましい結果をもたらすのではないか。(P.225)
内容は、主にホワイトカラー・エグゼプションについて、今度を論じるもの。
題名にある「ホワイトカラーは給料ドロボーか?」という答えは「不明」。
そもそもホワイトカラーの生産性を測る指標がない(あるが侃侃諤諤)
ものを作るのであれば、何時間に何個、いくらの利益を生み出すということが明確に分かるけれども、経理部がいくら電卓をたたいてもそれがいくらの利益になるか?ということは測定不可能で、世界で比較した場合も労働時間の概念が曖昧であったり、無給労働などの暗数があったりするので、一概に比較もできない。
残業に関して、日本には「残業で生きる」人がおり、「美徳」と考える人もいる。
徐々に方々の企業はコンバージェンスしているようだが、それも抵抗があったり、畢竟、無給労働を助長することになる半面があったりする。
日本の「残業」に対する考え方が根本的に覆らない限り減らないだろうと思う。
そこで、導入が検討され「つつ」あるホワイトカラー・エグゼプションであるが、これも測定基準が曖昧な上に、給与が下がるということに抵抗も大きいだろう。
個人的にも、同制度の導入はいくらトップダウンでも今は「無理」だと思う。
───日本の労働市場が十分に流動化するとともに、企業がホワイトカラーの能力を客観的に評価できる人事評価システムを確立した後であれば、ホワイトカラー・エグゼプションの導入は、日本の経済・社会に望ましい結果をもたらすのではないか。(P.225)
2013年9月21日に日本でレビュー済み
正直、自分の中でホワイトカラーの定義やホワイトカラーエグゼンプションの意義が
曖昧でした。
平易に意味や効果を分析、解説してくれる本書はとてもわかり易く、
頭の整理にかなり役立ちました。
ホワイトカラーエグゼンプションについて、これまで良し悪しがわかりませんでしたが、
本書を読んでみてあまり日本には馴染まないシステムなのかなという印象を受けました。
曖昧でした。
平易に意味や効果を分析、解説してくれる本書はとてもわかり易く、
頭の整理にかなり役立ちました。
ホワイトカラーエグゼンプションについて、これまで良し悪しがわかりませんでしたが、
本書を読んでみてあまり日本には馴染まないシステムなのかなという印象を受けました。
2009年5月10日に日本でレビュー済み
最初にあっさりと結論は出てしまう。政府や経団連が出してくる、先進国中の日本の労働生産性が低いというデータは誤りだ。
なぜなら、まず計算の分母となる人材において、非正規雇用の人材が入っている、ブルーカラーとホワイトカラーを一緒に扱っている、不法移民のカウントが違う。
さらに分子となるGDPにおいて、アンダーグラウンド分野の扱いが異なり、さらに質の違うサービス業も一緒に扱っている。
また、ミクロで考えても、ホワイトカラーの成果はブルーカラーに比較して相当に開きがある。私の見える範囲で考えても、個々人のスキルとアウトプットは上位層と下位層で桁が違う。
本書の内容は、これからのホワイトカラーの働き方をどうするかというところに重点が置かれている。ホワイトカラーエグゼンプション、ワーキングプア、サービス残業などである。これらは現在の日本においては若者の収入を少なくする圧力となり、ひいては少子化及び企業の業績悪化に繋がると警告している。私見であるが、ここに1000万人の移民を実現させたらどうなるかシミュレーションしたのか、推進派の政治家諸君!
なぜなら、まず計算の分母となる人材において、非正規雇用の人材が入っている、ブルーカラーとホワイトカラーを一緒に扱っている、不法移民のカウントが違う。
さらに分子となるGDPにおいて、アンダーグラウンド分野の扱いが異なり、さらに質の違うサービス業も一緒に扱っている。
また、ミクロで考えても、ホワイトカラーの成果はブルーカラーに比較して相当に開きがある。私の見える範囲で考えても、個々人のスキルとアウトプットは上位層と下位層で桁が違う。
本書の内容は、これからのホワイトカラーの働き方をどうするかというところに重点が置かれている。ホワイトカラーエグゼンプション、ワーキングプア、サービス残業などである。これらは現在の日本においては若者の収入を少なくする圧力となり、ひいては少子化及び企業の業績悪化に繋がると警告している。私見であるが、ここに1000万人の移民を実現させたらどうなるかシミュレーションしたのか、推進派の政治家諸君!
2008年4月26日に日本でレビュー済み
題名に比べ、かなり「まじめ(?)」な本です。
大きく、4つの部分に分かれています。
「生産性の問題」「残業の問題」「給料の決まり方」
「今後のホワイトカラー」です。
「生産性の問題」は、いろいろなデータや統計の前提を読みながら、
日本のホワイトカラーの生産性が決して低くないことを示します。
「残業の問題」は、ホワイトカラーエグゼンプションの話、
残業を減らすには、などです。
「給料の決まり方」は、経済学からの考察などです。
「今後のホワイトカラー」は、ホワイトカラーは、今後どうなるのか、
どう生き残れば良いのか、、等が説明されています。
かなり、ボリュームと読み応えがあった本です。
結論は、どこかで聞いた話も多いですが、根拠などと共に示されており、
まとめて、読むと、参考になること多々です。
大きく、4つの部分に分かれています。
「生産性の問題」「残業の問題」「給料の決まり方」
「今後のホワイトカラー」です。
「生産性の問題」は、いろいろなデータや統計の前提を読みながら、
日本のホワイトカラーの生産性が決して低くないことを示します。
「残業の問題」は、ホワイトカラーエグゼンプションの話、
残業を減らすには、などです。
「給料の決まり方」は、経済学からの考察などです。
「今後のホワイトカラー」は、ホワイトカラーは、今後どうなるのか、
どう生き残れば良いのか、、等が説明されています。
かなり、ボリュームと読み応えがあった本です。
結論は、どこかで聞いた話も多いですが、根拠などと共に示されており、
まとめて、読むと、参考になること多々です。
2007年11月2日に日本でレビュー済み
「日本のホワイトカラーの生産性は低くない」
グローバル化が進み、賃金が上がらなくなった現代におけるホワイトカラーの現状と今後の生き残り策を論じる。
門倉氏の著作は、統計データに裏付けられた説得力のあるものが多いが、本書も同様。日本の労働者の生産性の数値上の低さについて、派遣労働者の増加や、ヤミ労働者の少なさなどを挙げながら反証していくところなどは非常に面白い。
ホワイトカラーは、ブルーカラーよりもパフォーマンスの差がはっきりと現れる職種だ。しかも、そのパフォーマンスは、測定が難しく、また、環境や運によっても大きく振れるものである。そうした、ホワイトカラーの仕事の特性を踏まえた、「なぜ残業はなくならないのか」という議論も面白い。
グローバル化による国際競争が進み、比較的単純な労働に従事する者には常に賃金の下方圧力がかかる現代における、ホワイトカラーの生き残り策は何か。本書の結論も「エンプロイアビリティ(多くの企業で普遍的に通用する職業能力)を高める」ということである。当たり前といえば当たり前であるが、低賃金かつ深夜のサービス残業を強いられている、時間的にも金銭的にも余裕のないホワイトカラー層にとっては、能力開発をするのもなかなかしんどいのが現状だろう。
ホワイトカラーの現状と今後についてよくまとまっている本。身近に「この人はどう見ても給料ドロボー」という人がいる方も、そうでない方にもおすすめ。
グローバル化が進み、賃金が上がらなくなった現代におけるホワイトカラーの現状と今後の生き残り策を論じる。
門倉氏の著作は、統計データに裏付けられた説得力のあるものが多いが、本書も同様。日本の労働者の生産性の数値上の低さについて、派遣労働者の増加や、ヤミ労働者の少なさなどを挙げながら反証していくところなどは非常に面白い。
ホワイトカラーは、ブルーカラーよりもパフォーマンスの差がはっきりと現れる職種だ。しかも、そのパフォーマンスは、測定が難しく、また、環境や運によっても大きく振れるものである。そうした、ホワイトカラーの仕事の特性を踏まえた、「なぜ残業はなくならないのか」という議論も面白い。
グローバル化による国際競争が進み、比較的単純な労働に従事する者には常に賃金の下方圧力がかかる現代における、ホワイトカラーの生き残り策は何か。本書の結論も「エンプロイアビリティ(多くの企業で普遍的に通用する職業能力)を高める」ということである。当たり前といえば当たり前であるが、低賃金かつ深夜のサービス残業を強いられている、時間的にも金銭的にも余裕のないホワイトカラー層にとっては、能力開発をするのもなかなかしんどいのが現状だろう。
ホワイトカラーの現状と今後についてよくまとまっている本。身近に「この人はどう見ても給料ドロボー」という人がいる方も、そうでない方にもおすすめ。