すでに会社を飛び出て10年になり、会社型SEでなくなったと自負している自分としては、ユーザ側の気持ちを代弁していても、開発者としてはほとんど読み応えがなく、寧ろXP系やアジャイル系の本を読んで自己啓発する方が十分為になると思う。
システムユーザが読むと「ああなるほどな」と思うかも知れないが、SEとしてこの本のレベルで感心しているようでは、正直その技術者やコンサルに構築されたシステムを使うユーザに同情してしまう。自分がそのシステムを使って、「便利だ」とか「助かる」と思わない「ただ作った」システムを使わされるユーザのことを考えない時点で「技術者」ではなくシステム開発「技能者」だといっても良い。
タイトルに期待して購入してみたが、著者の経歴を見て「なるほど」と思った。結局「SE」という日本型の単語に重点を置きすぎて、我々の業種の本当の苦労や楽しさ充実感の説明がほとんどなく、すこし方向がずれているというか古いタイプのSEを代弁しているに過ぎないという感想を持った。
ユーザ側書籍としてはそれなりに読めると思うが、開発者としては「読んでも意味の無いWeb2.0系書籍」とあまり変わらない気がするので三つとしておく。
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ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書) 新書 – 2008/3/1
岡嶋 裕史
(著)
IT化したのに、
なぜか書類の量が激増!
SEに痛い目に遭わされたユーザ、
ユーザの無理難題にぶち切れたSE、ともに必読!
なぜか書類の量が激増!
SEに痛い目に遭わされたユーザ、
ユーザの無理難題にぶち切れたSE、ともに必読!
- 本の長さ205ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2008/3/1
- ISBN-104334034446
- ISBN-13978-4334034443
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商品の説明
出版社からのコメント
IT化が進んだのに、かえって不便になった気がするのはなぜ?IT業界の構造的欠陥およびユーザ側の幻想にメスを入れ、使えるシステムを構築するためのノウハウを解説。
抜粋
顧客が望んでいるのは、素晴らしい技術を使ったシステムではなく、仕事に役立つシステムである。システムを構成する技術が最先端か、枯れているかは、関係ない。先端技術で顧客がおしなべて幸せになれると主張するならば、最先端技術をふんだんに投入したプレイステーション3よりも、枯れた技術で構成されたWiiの方が、少なくとも初期段階では販売成績が芳しいことを説明できない。(本文より)
著者について
岡嶋裕史(おかじまゆうし)
一九七二年東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。博士(総合政策)。富士総合研究所勤務を経て、現在、関東学院大学経済学部経営学科情報部門・関東学院大学大学院経済学研究科准教授。『郵便と糸電話でわかるインターネットのしくみ』(集英社新書)、『セキュリティはなぜ破られるのか』『構造化するウェブ』(以上、講談社ブルーバックス)、『暗証番号はなぜ4桁なのか?』『数式を使わないデータマイニング入門』『iPhone』(以上、光文社新書)など著書多数。
一九七二年東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。博士(総合政策)。富士総合研究所勤務を経て、現在、関東学院大学経済学部経営学科情報部門・関東学院大学大学院経済学研究科准教授。『郵便と糸電話でわかるインターネットのしくみ』(集英社新書)、『セキュリティはなぜ破られるのか』『構造化するウェブ』(以上、講談社ブルーバックス)、『暗証番号はなぜ4桁なのか?』『数式を使わないデータマイニング入門』『iPhone』(以上、光文社新書)など著書多数。
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2008/3/1)
- 発売日 : 2008/3/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 205ページ
- ISBN-10 : 4334034446
- ISBN-13 : 978-4334034443
- Amazon 売れ筋ランキング: - 849,117位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2008年4月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2008年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
どこかしこでもITという言葉が持て囃されることもなく、
自然と社会に溶け込んできた昨今。
変わらないのはシステム開発におけるトラブル。
SEが悪いのか。顧客が悪いのか。
行き違いが失敗の原因(?)。
システム開発という難物を上手に乗り切るための
ひとつの指南書ともいえる一冊。
SE・顧客のどちらともに読んでもらいたい一冊だ。
自然と社会に溶け込んできた昨今。
変わらないのはシステム開発におけるトラブル。
SEが悪いのか。顧客が悪いのか。
行き違いが失敗の原因(?)。
システム開発という難物を上手に乗り切るための
ひとつの指南書ともいえる一冊。
SE・顧客のどちらともに読んでもらいたい一冊だ。
2010年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コンパクトで読みやすい。
いろいろ評価は分かれてるみたいだけど。
大学で受けたソフトウェアエンジニアリングの講義の内容や、就活中に調べたことなどを思い出した。
就活の時に「コミュニケーション能力」と何度も聞かされた理由がわかった気がする。
用語についての解説はついているし、予備知識無しでもよめるので文系の人もおすすめ。
この本を読んだからってどうってことはないが、話のネタにはなるし、雰囲気は伝わってくる。
いろいろ評価は分かれてるみたいだけど。
大学で受けたソフトウェアエンジニアリングの講義の内容や、就活中に調べたことなどを思い出した。
就活の時に「コミュニケーション能力」と何度も聞かされた理由がわかった気がする。
用語についての解説はついているし、予備知識無しでもよめるので文系の人もおすすめ。
この本を読んだからってどうってことはないが、話のネタにはなるし、雰囲気は伝わってくる。
2008年4月6日に日本でレビュー済み
この本はWEBやソフト開発に関するシステムがなぜ使い物にならないのか。
発注する側と受注する側の間に存在する意識の違いを説明することによって、
どのようにしてシステムができあがり、使いづらいものになっていくかについて
書かれています。
顧客が望んでいるのは、
素晴らしい技術を使ったシステムではなく、仕事に役立つシステムである。
システムを構築する技術者は、おしなべて先端技術を使いたがり、
その営業は、先端技術を導入することでコストを高くすることができるうえ、
顧客が幸せになれると信じている。
顧客の問題は、
業務やサービスをシステム化するときにあれもこれも実装して高機能にすることを追求する。
単に効率化と高速化と高機能化することを望むだけで、目標の数値など具体的な指標や考えは何もない。
開発側の問題は、
営業が自社の技術者と話ができず、また顧客のニーズも理解できない。
技術者は不明点があっても顧客に聞くことなく勝手な解釈を行う。
さらにできあがるまで顧客には何も見せない。
こんな進め方が不幸な結果になっていく。
顧客や営業や技術者が何を考えているのかについては、本書にて述べられている。
内容的には、技術者を思いっきり侮辱した本です。
※著者は半分本気で、技術者はこの本を読まない、と思っているのではないでしょうか。
発注する側と受注する側の間に存在する意識の違いを説明することによって、
どのようにしてシステムができあがり、使いづらいものになっていくかについて
書かれています。
顧客が望んでいるのは、
素晴らしい技術を使ったシステムではなく、仕事に役立つシステムである。
システムを構築する技術者は、おしなべて先端技術を使いたがり、
その営業は、先端技術を導入することでコストを高くすることができるうえ、
顧客が幸せになれると信じている。
顧客の問題は、
業務やサービスをシステム化するときにあれもこれも実装して高機能にすることを追求する。
単に効率化と高速化と高機能化することを望むだけで、目標の数値など具体的な指標や考えは何もない。
開発側の問題は、
営業が自社の技術者と話ができず、また顧客のニーズも理解できない。
技術者は不明点があっても顧客に聞くことなく勝手な解釈を行う。
さらにできあがるまで顧客には何も見せない。
こんな進め方が不幸な結果になっていく。
顧客や営業や技術者が何を考えているのかについては、本書にて述べられている。
内容的には、技術者を思いっきり侮辱した本です。
※著者は半分本気で、技術者はこの本を読まない、と思っているのではないでしょうか。
2020年5月18日に日本でレビュー済み
企業の情報システム部門とベンダーのSEとの間の健全なコミュニケーションの必要性を力説する一冊。
システム化は目的ではなく手段。システムを使って実現することを顧客が明確にすることが第一。技術には流行廃れや揺り戻しがあるので詳しい手法や技術をあまり問題にする必要はない。仕事の高度化のメリットと新しい仕事の進め方によるデメリットのバランスを追求した結果、IT化の必要がないケースもある。
失敗学の書というよりは、SEの業界の内輪話を面白おかしく書き綴ったエッセイ。分かる人には分かる書き方は人によっては好みが分かれるところかもしれません。
システム化は目的ではなく手段。システムを使って実現することを顧客が明確にすることが第一。技術には流行廃れや揺り戻しがあるので詳しい手法や技術をあまり問題にする必要はない。仕事の高度化のメリットと新しい仕事の進め方によるデメリットのバランスを追求した結果、IT化の必要がないケースもある。
失敗学の書というよりは、SEの業界の内輪話を面白おかしく書き綴ったエッセイ。分かる人には分かる書き方は人によっては好みが分かれるところかもしれません。
2008年5月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分の今の仕事のは「SEとユーザー」でいえば明らかにSE側の人になっている。そして、ユーザーとの意見のずれ、価値観のずれを感じることは日常の仕事のなかで多々ある。それらのギャップを埋めるための資料になればと購入して通読。
読んでみると、IT企業側に存在する様々な立場の人々の紹介、開発工程の紹介など、システム開発の工程を外から見たときに必要な知識の紹介をしてくれている。また、各工程で実際に行うことも詳細に記載してくれていて、非常に面白く読むことができた。特に、職種のところで、システムアナリスト、営業などの立場も紹介して、それぞれと、システムエンジニアがどのようにつながっていくかも説明してくれているのは面白い。「運用系」「開発系」の切り分けで、システムエンジニアを二分しているのも今まであまり見ることのなかった切り口だが、それぞれの役割、苦悩を的確に指摘していると思う。また、最後のおまけ的な、あるシステム開発企業とユーザーの物語は抱腹ものだった。
システム開発の現場にかかわる人で、それぞれの立場の人がどのような考えを持っているかを知ることができる良書だと思う
読んでみると、IT企業側に存在する様々な立場の人々の紹介、開発工程の紹介など、システム開発の工程を外から見たときに必要な知識の紹介をしてくれている。また、各工程で実際に行うことも詳細に記載してくれていて、非常に面白く読むことができた。特に、職種のところで、システムアナリスト、営業などの立場も紹介して、それぞれと、システムエンジニアがどのようにつながっていくかも説明してくれているのは面白い。「運用系」「開発系」の切り分けで、システムエンジニアを二分しているのも今まであまり見ることのなかった切り口だが、それぞれの役割、苦悩を的確に指摘していると思う。また、最後のおまけ的な、あるシステム開発企業とユーザーの物語は抱腹ものだった。
システム開発の現場にかかわる人で、それぞれの立場の人がどのような考えを持っているかを知ることができる良書だと思う
2008年6月18日に日本でレビュー済み
間違いなく5点目白押しかと思ったが
ユーザーからの高評価とSEからの袋叩き
面白いように票が割れている
裏づけのある暴露本的な性格がそのまま評価に表れているというべきか
(こんな本は初めてだ)
業界人にはわかりきった話で片腹痛し
そもそもSE向けではないのだ
あくまでITに無邪気な幻想を抱くウブなユーザ向き
勉強嫌いのアホ上司さえ一気に読みきるだろう
解決策を示していないという批判はどうだろう
本書はITと建設業界との酷似を指摘している
標準化の先例に見倣えば風穴は開く
すでにそういう雲行きだ
とりあえず金は払えるユーザーと
土地と建材なら用意できるエンジニア
SE個々の努力には敬意を払うが
業界としてのITはまだこの程度だろう
何でもいいから良い家では良い作品など無理
ヒアリングと施工が未熟な工務店とて同罪あるいはそれ以上
モデルルームでいいのに一からオーダー
似合わないのにデザインルーム
気にくわない家に長居はできない
苦し紛れの家並みが続くシステム開発の現状が
少しずつであろうと改善へ向かって行くのだろう
その一里塚に5点捧げよう
ユーザーからの高評価とSEからの袋叩き
面白いように票が割れている
裏づけのある暴露本的な性格がそのまま評価に表れているというべきか
(こんな本は初めてだ)
業界人にはわかりきった話で片腹痛し
そもそもSE向けではないのだ
あくまでITに無邪気な幻想を抱くウブなユーザ向き
勉強嫌いのアホ上司さえ一気に読みきるだろう
解決策を示していないという批判はどうだろう
本書はITと建設業界との酷似を指摘している
標準化の先例に見倣えば風穴は開く
すでにそういう雲行きだ
とりあえず金は払えるユーザーと
土地と建材なら用意できるエンジニア
SE個々の努力には敬意を払うが
業界としてのITはまだこの程度だろう
何でもいいから良い家では良い作品など無理
ヒアリングと施工が未熟な工務店とて同罪あるいはそれ以上
モデルルームでいいのに一からオーダー
似合わないのにデザインルーム
気にくわない家に長居はできない
苦し紛れの家並みが続くシステム開発の現状が
少しずつであろうと改善へ向かって行くのだろう
その一里塚に5点捧げよう
2008年5月5日に日本でレビュー済み
ここに出てくる話は、やや古い時期のものだと思います。
バブル期のころ各金融機関は、システム化=絶対善と思い込み、コンピューター知識が
全くないユーザーが、金は出すから良いシステムを作ってくれと、わけのわからないまま
ジャブジャブ、システム開発にお金を注ぎ込みました。
その結果、多量の不良プログラムが発生しました。
(しかし、当時は誰も責任をとることにはなりませんでした。そういう時代でした。)
現在は、ユーザー側のコンピューター知識が格段に進むとともに、開発資金の見積り、
費用対効果の見積りが、極めてシビアーになり、ここに書かれているよう露骨な失敗は、
ほとんどなくなったように思います。
この本が、過去のことを語ったものだとしたら、私の経験と完璧に一致します。
私は、懐かしくなって、けっこう笑ってしまいました。
バブル期のころ各金融機関は、システム化=絶対善と思い込み、コンピューター知識が
全くないユーザーが、金は出すから良いシステムを作ってくれと、わけのわからないまま
ジャブジャブ、システム開発にお金を注ぎ込みました。
その結果、多量の不良プログラムが発生しました。
(しかし、当時は誰も責任をとることにはなりませんでした。そういう時代でした。)
現在は、ユーザー側のコンピューター知識が格段に進むとともに、開発資金の見積り、
費用対効果の見積りが、極めてシビアーになり、ここに書かれているよう露骨な失敗は、
ほとんどなくなったように思います。
この本が、過去のことを語ったものだとしたら、私の経験と完璧に一致します。
私は、懐かしくなって、けっこう笑ってしまいました。