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恋する西洋美術史 (光文社新書 384) 新書 – 2008/12/16
恋愛----それは人類の長い歴史を通じて、
私たちの人生にとって常に重要なものであり続けた。
人類最大のメディアだった絵画表現のウラを読む、
新しい角度からの西洋美術史。
◎ 内容紹介
美術史という学問は、面白い。
絵に描かれたことは、描いた人の心情を映し出し、
その時代や地域の社会背景を浮かび上がらせ、
そして観る者の心の中になんらかの反応をひきおこす。
人類の歴史は、現代のように文字が
コミュニケーションにおける有効な手段である時代よりも、
識字率がおそろしく低い期間のほうがはるかに長い。
だからその間のことを知ろうと思えば、
最大のメディアだった絵画を「読む」必要があるのだ。
(「はじめに」より)
恋愛----それは人類の長い歴史を通じて、
私たちの人生にとって常に重要なものであり続けた。
画家たちの恋愛事情、奔放な性的エピソードに溢れた神話、
人類の恋愛の諸相を捉えた、新しい角度からの西洋美術史。
◎ オビ表
秘密の恋から
奔放な性まで。
絵画表現の
ウラを読む
◎ オビ裏
【人類永遠のテーマ】
神々は激しく愛しあい、文学作品の登場人物たちが熱く抱擁しあっている。
こちらでは抱かれる寸前の女性が木々に姿を変えようとしており、
あちらではなぜか女性が短剣で自らの胸を貫こうとしている。
そのうちにいやでも気がつく。美術作品のかなりの部分を、
恋愛のテーマが占めているということに。
(「はじめに」より)
◎ プロフィル
池上英洋(いけがみひでひろ)
1967年広島県生まれ。東京芸術大学卒業、同大学院修士課程修了。
専門は西洋美術史。現在、恵泉女学園大学准教授。
レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、
中世からバロック時代の芸術の分析を通じて、
社会構造や思想背景を明らかにする方法に定評がある。
2007年の「レオナルド・ダ・ヴィンチ--天才の実像」(受胎告知)展での日本側監修者。
著書に『Due Volti dell'Anamorfosi』(ボローニャ大学出版局)、
『ダ・ヴィンチの遺言』(河出書房新社)、
『レオナルド・ダ・ヴィンチ--西洋絵画の巨匠8』(小学館)、
『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(編著、東京堂出版)などがある。
- 本の長さ312ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2008/12/16
- ISBN-10433403487X
- ISBN-13978-4334034870
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2008/12/16)
- 発売日 : 2008/12/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 312ページ
- ISBN-10 : 433403487X
- ISBN-13 : 978-4334034870
- Amazon 売れ筋ランキング: - 557,345位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 947位西洋画
- - 1,810位光文社新書
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
古代ギリシャ・ローマから近代西欧まで全て男性主体の社会のため、各時代の性愛、恋愛表現や美的感覚がほぼ男性から見た女性観、社会における恋愛様式の解説になっている。(それは歴史の事実なのでそれについては特に何とも)
へテロセクシャルの男性主体社会が作った美術観、性愛観は女性に男性の性欲の罪を押し付けている事が浮き彫りになっている。そして女性が主体的で自立できる存在でなかった事は女性同士の性愛や恋愛が表現された美術の極端な少なさによってもわかるんだなあ(※ちゃんと女性同士の表現が少ない事は本書に明記されている)と。
(同性同士の性愛、恋愛表現がそもそもキリスト教社会では非常に抑圧されていても、男性主体、男性同士の性愛表現は芸術家になれるのがほぼ男性であったため、隠喩であってもそこそこ見られる)
想定以上に良書だった。西洋美術は宗教的背景がわかっていないと、本来の1/10しか楽しめないので得意でない。しかし、本書のように変わった角度から解説し、その時代のファッションや世俗まで見えてくると大変面白い。中でも、ブリューゲルが気に入った。『農民の婚礼の踊り』のように題材を高貴なものから庶民に変えたのは、モネ的発想の転換とも言えよう。また性愛の項目も面白い。教義として禁止された種類の絵もどうにか残そうと努力した画家も多い。過去に大英博物館で「春画展」が大成功したのもそういう素地があるのだろう。
読後、絵画の豊潤さに思いを致しました。
・・・
で、陳腐に思ったこと。
「絵画って、歴史を綴るなあ」と。
洞窟で暮らす人々の生活を写すところに始まり、キリスト教の宗教画として機能したり。ルネサンス期にはキリスト教以前のギリシア文化を描いたり、より世俗化したタッチでの聖人画や聖書の題材を描くなどしたり。パトロンの肖像画を描いたり。更には絵画(とそのパトロン)がより一般化したことによりブリューゲルらが農村の風俗を残すようになったり。
・・・
そう、何か知らんけど、妙に感心してしまったのです。
「絵画、深いじゃないか」と。
単なる美醜で見る。これもまた良いでしょう。でも、それだけに留まらないのです!
その作品の中に新たな技術を見出したり、あるいは全体の構図から寓意を見出したり、描きこまれるアイテムから聖人を特定したり。つまり、描きこまれたアイテム一つ一つを繙くと、そこには多くの意味が込められているわけです。ぞくぞくしませんか?
時に人はそれを「うんちく」と言って揶揄します。が、一定数の中高年のおじさんにはこれは蜜の味です。そして実際、端々に潜む意味・意義を教える本作、私には面白く感じました。
で、本作はそういうことを丁寧に教えてくれる作品であった、ということです!
・・・
ということで池上氏の西洋美術史の本でした。
絵の話ではありますが、習俗・風俗の話、作家の話、西洋史(文化史、宗教史、政治史)、ギリシア神話、新約聖書・旧約聖書など、色々な話が分かっていて初めて十全に楽しめる世界だと感じました。
池上氏の解説により、やっとこその一端を垣間見ただけですが、知の蓄積・集積、まさに歴史を感じた一作です。
中高年の歴史好きには激しくお勧めできる作品かと思います。
この手の本を読むと、他の本でも同様の感想を持ちますが、作者の博識さに感心させられます。
本書を類書よりも一つぬきんでていると思わせる点は、解説されている絵画の図版が多く掲載されている点でしょうか。単に掲載数が多いというだけではなく、この解説されている絵はどんな絵だろうと思うポイントに適切に挿入されているようで、心地よく読むことが出来ました。
また、Kindleで読みましたが、リンクが貼られているので、口絵にあたるカラーページの絵を見ても、本文に容易に戻れる点も大きなポイントだと思います。
このあたりは出版社/編集者の仕事ぶりが、それだけ丁寧ということでしょうか。
本書のテーマは恋愛…というより性愛と言ったほうが適切であろう。
画家たちの恋愛、西洋の神話における恋愛、男らしさ・女らしさ、結婚、不倫、売春、同性愛と多岐にわたっている。
「第1章 恋する画家たち」では、西洋近代美術の男性中心主義が分かって面白かった。
いずれにしても、性愛をとおして西洋絵画を楽しむための知識がつまっている。
以下は物足りなかった点。
入門書として考えれば致し方ないのかもしれないが、「西洋」を一枚岩に見ている感じが強い。同じヨーロッパでも北と南ではかなり違っているのだが、時代背景や生活習慣の説明はいささか乱暴に思えた(とはいっても、各箇所できちんと出典が書かれているのは良い)。
それと、性愛をテーマに広範囲に書いているのであるが、小児性愛や獣姦に関する記述が弱く感じた。
あまりブッ飛んだものを扱えない新書の限界であろうか?それとも著者は西洋美術を学んでそこらへんのタブーも内面化してしまい、知らず知らずに議論の射程から外れてしまったということなのであろうか?
見慣れない日本人にとっては無味乾燥にも見える西洋絵画の大きなバックグラウンドの一つの恋愛について、いくつか面白い話が載っており興味がひかれることは間違いない。
ただ、新書だからこのレベルでいいが、もう少し事例の豊富さがあってもいいことや、個別の事例をふまえた上で汎用的な解説もほしかったと思うのは欲張り過ぎか。
なんとなく普段読まない本を手に取ってみようという気軽な気持ちで読んでみました。
神話や宗教など個人的に馴染みの薄い話が殆どでしたが、固有名詞にさえ目を瞑ればどの解説も
わかりやすくすんなり頭に入ってきました。
絵画は見るだけでなく「読む」ものだということを知りました。
一人の女性が暖炉の前で椅子に座っているというだけの絵でも
女性はどこを向いているか、何を着ているか、手には何を持っているか、
部屋の隅や窓の外には何があるか、などの情報から様々な推測が展開されていき
まるで推理小説を読んでいるような知的興奮を感じました。
最後の章である一枚の絵画が提示され、「ここまで読んできた読者ならこの絵が何を表しているか推測できるはず」と
あったため、ページを捲る前にじっくりと絵を見ながら自分で一生懸命考えてみました。
クピドがこういう状態ということはええとつまり・・・
それぞれの女性の格好がこうで、更に視点がこういう向きということは・・・
などと考え答え合わせをしてみると筆者の解釈とそれほどズレておらず、概ね妥当な解釈が出来ていたことに感動しました。
本書を読む前なら、"なんか変な絵"くらいしか感想が出てこなかったはずです。
軽い気持ちで手にとってみて本当に良かったです。