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京都の空間意匠 (光文社新書 405) 新書 – 2009/5/15
京都で生まれ育ち、環境との調和を探る建築家が、
「見立てる」「巡る」「組む」「間をとる」「光と闇」など、
12のキーワードから古都の魅力を新たに探る。
五感で愉しむ散策ガイド。
◎ 本書内容
私は海外の空間をそれ程知っているわけでもないが、
日本の空間にはどうも他では見られないとても特徴的なものがあるように思っている。
それがどのような理由によるものかはまだよくはわかってはいない。
だが、その地にあったもの(素材)とその地の気候(風土)、
そして人々の信じたもの(宗教)によって形作られたのではないかといったことを
今は朧げながら想像している。
(「まえがき」より)
京都は、神社、寺院、庭園を始めとして日本的な感覚が巧みに表現されている。
京都で生まれ育ち、環境との調和を探る建築家が、
「見立てる」「巡る」「奥へ」「光と闇」など、
12のキーワードから古都の魅力を新たに探る。
◎ 本書目次
第 一 章 分けて繋ぐ
第 二 章 見立てる
第 三 章 巡る
第 四 章 奥へ
第 五 章 くずす、ずらす
第 六 章 組む
第 七 章 間をとる
第 八 章 透ける
第 九 章 光と闇
第 十 章 水を生かす
第十一章 生けどる
第十二章 墨絵の世界
◎ プロフィール
清水泰博(きよみずやすひろ)
一九五七年京都市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。
東京芸術大学大学院美術研究科修了(環境造形デザイン専攻)。
黒川雅之建築設計事務所を経て、一九八七年にSESTA DESIGN設立。
代表作は御母衣ダムサイドパーク(御母衣電力館、岐阜県)、
月見橋(静岡県)、平和の交響(兵庫県)、ユニオン・ランドポールシリーズなど。
一九九一年、一九九五年に環境芸術大賞受賞。
現在、東京芸術大学デザイン科准教授。一級建築士。
著書に『景観を歩く京都ガイド』(岩波アクティブ新書)がある。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2009/5/15
- ISBN-104334035078
- ISBN-13978-4334035075
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2009/5/15)
- 発売日 : 2009/5/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 288ページ
- ISBN-10 : 4334035078
- ISBN-13 : 978-4334035075
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,000,363位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,275位光文社新書
- - 64,906位アート・建築・デザイン (本)
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ありがとうございます!
著者の清水泰博氏は、東京芸術大学大学院美術研究科修了(環境造形デザイン専攻)で、現在、東京芸術大学デザイン科准教授で、一級建築士の方です。
日本の芸術教育のトップにある東京芸術大学のデザイン科で教鞭を取っておられる方ですし、実際に授業として「古美術研究旅行」で京都や奈良の歴史遺産を訪ねた経験や講義を通して本書のアウトラインが形作られたようです。
歴史的な背景はあまり書かれていませんし、それぞれ取り上げられたキーワードは感覚的なモノが多く、対象物を深く掘り下げるといったところでは物足りませんが、斬新なモノの見方は教えられることが大でした。
京都で生まれ育ち、仕事をされていたわけで、当然京都の社寺に対するアプローチは的確です。写真も多く(モノクロ)、視覚的につかめるようにも配慮されています。巻末に索引と地図が掲載してありますので、京都観光のガイドブックとしても優れモノだと思います。平易な言葉で綴られていますから、感覚的なコメントも理解しやすいと思いました。
ご参考までに、本書の内容と項目、取り上げた場所を列記します。これをみられるだけで本書のイメージがつかめると思いますので。
第1章 分けて繋ぐ(結界、象徴させる 取り上げられた場所や社寺です(以下同じ)下鴨神社、河合神社、上賀茂神社 、大田神社、木嶋神社、伏見稲荷大社、貴船神社)
第2章 見立てる(自然の見立て、庭園に見られる見立て 自然崇拝、神木、山、岩・盤座、森と泉、桂離宮、慈照寺(銀閣寺)、竜安寺、大徳寺・大仙院、等持院)
第3章 巡る(空間の見え隠れ、人は何故回遊するのか、庭園を巡る、寺院境内を巡る、建築内を巡る 桂離宮、修学院離宮・上の茶屋、等持院、南禅寺・金地院、清水寺、大覚寺)
第4章 奥へ(神社に見られる「奥」、寺院に見られる「奥」、街中に見られる「奥」 石清水八幡宮、伏見稲荷大社、大徳寺・高桐院、詩仙堂、法然院、永観堂、大徳寺・孤蓬庵、石塀小路(高台寺)、二年坂・産寧坂(三年坂)から清水寺)
第5章 くずす、ずらす(ずらされた建築空間、『作庭記』に見られる「ずらす」手法、外部空間の中のズレ、崩れてゆく中の美 京都御所、二条城、曼珠院、酬恩庵(一休寺)・方丈北庭、竜安寺、泉涌寺、禅寺のアプローチ(塔頭寺院)、西芳寺)
第6章 組む(積む文化(石造)と組む文化(木造)、塔、門、寺院本堂、橋 東寺(教王護国寺)・五重塔、仁和寺・五重塔、醍醐寺・五重塔、法観寺・五重塔、岩船寺・三重塔、海住山寺・五重塔、知恩院・三門、南禅寺・三門、仁和寺・二王門、東本願寺・御影堂門、清水寺・舞台、大覚寺・回廊、渡月橋)
第7章 間をとる(古い時代の枯山水、大徳寺の庭、江戸期の枯山水、近代の枯山水 西芳寺・洪隠山枯山水、竜安寺、大徳寺・龍源院、大徳寺・芳春院、大徳寺・大仙院、妙心寺・東海庵、南禅寺・本坊、南禅寺・金地院、東福寺・光明院、東福寺・芬陀院)
第8章 透ける(「中間領域」の魅力、建築と庭との関係、自然の中の「透ける」空間、街中の中間領域 大覚寺、永観堂、詩仙堂、孤蓬庵、大徳寺・高桐院、建仁寺・本坊、西村家別邸(旧錦部家)、嵯峨野・竹林の道、町家の軒先)
第9章 光と闇(外部空間に見る「闇」、寺院に見る「闇」、庶民の生活の中の陰翳と闇、暗闇の意味 瓢亭、禅寺の庫裡、大徳寺・孤蓬庵、青蓮院、延暦寺・根本中堂、吉田家(無名舎)、角屋、わらじや、重森三玲庭園美術館(旧重森三玲邸)、清水寺・随求堂)
第10章 水を生かす(隔てる―「向こう」をつくる、池泉回遊式庭園―余白としての池、流す、映し込む 平等院、浄瑠璃寺、桂離宮、城南宮、上賀茂神社・社家町、南禅寺あたりの住宅街、白川あたりの風景 、高台寺)
第11章 生けどる(借景の庭、借景でなくなった庭、「生けどられる」場所から見る京都 円通寺、正伝寺、無鄰菴、円山公園 、修学院離宮、天龍寺、鹿王院、真如堂、等持院、大徳寺・真珠庵、将軍塚、大文字山)
第12章 墨絵の世界(京都の伝統的建造物群保存地区、寺院境内とその周辺、瓦屋根のつくり出す風景 祇園・新橋、石塀小路・二年坂・三年坂あたり、嵯峨・鳥居本、上賀茂・社家町、大徳寺・妙心寺境内、今宮神社とその門前、西陣 ・五条坂)
本書は、京都の景観について、分けて繋ぐ、見立てる、巡る、奥へ、くずす/ずらす、組む、間をとる、透ける、光と闇、水をいかす、生けどる、墨絵の世界という12のキーワードから紹介したもの。
「分けて繋ぐ」なら、下鴨神社や上賀茂神社を例にとりつつ、神域と結界の関係が語られる。「光と闇」なら、わらじやの暗い空間で食べる体験、旧重森三玲邸での照明を抑えたつくりなど。
アイデアとしてはおもしろいし、新たに見えてくる京都というものがあるが、全体としてはイマイチよく理解できなかった。
実際に授業などでスライドを見せつつ解説してくれたなら、もう少し納得できるかも。