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ニワトリ 愛を独り占めにした鳥 (光文社新書 445) 新書 – 2010/2/17
ニワトリは人類とともに
何をしでかしているのか----。
地球上に110億羽!
現代の「食の神話」を支える
「家畜の最高傑作」の実力と素顔を、
注目の遺体科学者が徹底公開!
◎ 内 容
日本人にニワトリを知らない者はいない。
もちろん、好き嫌いはあるだろうが、
標準的日本人は三日間と鶏肉を口にせず
暮らすことはできないだろう。
本人が意図せずとも、街で生活しているだけで、
必ずや口にニワトリが入ってくる。
人間にとってニワトリとは、そういう相手だ。
他方、生きたニワトリを見る機会は、
現代の日本人にとって決して多くはない。
また、先進国の大多数の人々が、
自分たちの栄養源となる命が、どう生まれ、どう生き、
どう殺され、どう運ばれてくるのかを知らずにいる。
誰もが知る鳥と、誰も知らないその本当の姿----。
現代の「食の神話」を支える人類8000年の伴侶の実力と素顔を、
注目の遺体科学者が徹底公開!
◎ 目 次
まえがき
第1章 なぜ人はニワトリを愛でるのか
第2章 家畜の最高傑作、ニワトリ
第3章 ニワトリの栄光と苦悩
第4章 日本人とニワトリ
第5章 答えのない旅
あとがき
◎ 著者プロフィール
遠藤秀紀(えんどうひでき)
1965年東京都生まれ。東京大学農学部卒業。
国立科学博物館動物研究部研究官、京都大学霊長類研究所教授を経て、
現在、東京大学総合研究博物館教授。博士(獣医学)、獣医師。
動物の遺体に隠された進化の謎を追い、
遺体を文化の礎として保存するべく「遺体科学」を提唱、
パンダの掌やアリクイの顎の呼吸器などで発見を重ねている。
著書に『ウシの動物学』『哺乳類の進化』(以上、東京大学出版会)、
『パンダの死体はよみがえる』(ちくま新書)、
『解剖男』(講談社現代新書)、
『人体 失敗の進化史』(光文社新書)などがある。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2010/2/17
- ISBN-104334035493
- ISBN-13978-4334035495
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2010/2/17)
- 発売日 : 2010/2/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 288ページ
- ISBN-10 : 4334035493
- ISBN-13 : 978-4334035495
- Amazon 売れ筋ランキング: - 369,751位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,405位光文社新書
- - 5,605位生物・バイオテクノロジー (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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鳥ではあるが野鳥ではなく、進化の過程に人間が介入していて、個々の品種の来歴は非常に複雑である。
ニワトリを観察、考察することは同時に人間についても観察、考察することになる。
ニワトリを飼育したいので、ニワトリを知ろうと読み始めた書籍だが、その深淵を覗くに至り、将来は絶対にニワトリを飼うことを決めた。
ニワトリを飼育するということは、人類史を抱えた存在を手に入れるということでとても面白い。
文章はわかりやすく、時に辛辣な表現は笑いを誘う。
非常に面白かったし、とても勉強になった。
ニワトリといえば2、3品種くらいしか頭に浮かばない人にとって見聞や知見、新たな好奇心を深め広めるには充分な書物。
賛否が別れそうな点は個人的な主観が混じっていることくらいか。
筆者の人となりについては好みの分かれるところと思うので星4とさせていただきました。
これまであまり意識することはなかったが、ニワトリにはとてもお世話になっていることをまず再認識した。鶏肉と鶏卵には毎日のようにお世話になっているが、それらがそれぞれ特化されて「生産」されていることすら意識することはなかった。ニワトリが人間の経済活動に組み込まれ、効率的に改造されて生かされている存在であることを理解するだけでもこの本を読んだ価値があったと感じた。
その上で、ヒトとニワトリの並々ならぬ関係の深さ、それを解き明かそうとする筆者の情熱が伝わってくる。
人は本当にここまでニワトリを利用する資格があるのか、読んでいて涙が出ました。鳥はとても賢い生き物です。せめて土の上を思う存分歩かせてあげたい。体に負担がかからないように育て、生かせられないなら楽に死なせてあげてほしい。鶏肉や卵の値段が上がってもいいです。今のニワトリ達の市場の値段は安過ぎます。
過去に集中して読んだ時期がありました。
最近(養鶏をやってみたいな)と思い始め、改めて読み返してみました。
本書の執筆動機は
・読者へのニワトリに対する関心喚起
だと思います。
しかし、私の読書動機が
・養鶏で成功するためのヒントがないかな?
なので、読書中は常に
(知りたい事がなかなか出てこない)
という感じを持っていました。
ただ、養鶏家にならなくても、
(いつかニワトリを飼いたい!)
と読後に私が改めて感じるほどに
筆者の強烈な“ニワトリ愛”が刺さりました。
なお読後の今、ニワトリ以外に類似した家禽が
この世に存在しないことが不思議でなりません。
牛、豚、羊は取り上げていたが、鶏だけ言及がなかったので本書を購入。
研究者でありながら、軽妙洒脱な文章は面白く一気に読了。
筆者が愛して止まない鶏だが、薄っぺらに感情移入することもなく
クールに論じているところも心地良かった。
もちろん、鶏が宗教的にタブーとならなかった理由も
解決出来た。
印象的だったのは、下記の文章か。
≪ そもそも天然記念物という概念は、文化性と郷土愛の視点を重視したものだ。十九世紀のドイツの博物学者アレクサンダー・フォン・フンボルトが地域住民に愛されている巨木に対して提起した概念といわれ、日本では植物学の三好学による導入を経て、法制度として確立されたといわれる。その経緯からしても、そもそも定量的科学性に依存して自然物の貴重度を検定し、保護策を合理的に策定する今日的な環境保全策とは一線を画している。
天然記念物は、科学性ばかり強調した挙句、固有の土地の空気と隔離されて空回りする現代の一部の自然保護施策よりも、ときに賢く、ときに力強い営みを見せる。家畜のように文化性や風土や郷土愛や歴史性と結びつく対象においては、施策を数値化することを墨守する”科学的環境保全”よりも、しばしば効果的な保護策となる。文化と学術性の香りを保護の背景に堅持しているだけでも、他の施策と一味違った意義深い活動として評価できるだろう。逆にいうと、天然記念物とは異なる今流の環境保護策には、これまでは力任せの”役人風”が散見された。たとえば、ある動物を守るためには、地域住民の生活を軽視して構わないとか、地場産業を圧迫してでも保全目標を達成したいなどといった、喩えは悪いが、成田空港闘争を髣髴とさせるような、地元無視の高転び中央行政が見え隠れしたことがある。実際、地元社会と保護に携わる現場スタッフとの間で、きな臭い争議騒動に発展する例が生じてきた。さすがに今では、どんな保護施策も地元との融合を第一に考えるようになってはきたが。
他方、天然記念物の発想は、そもそも地域の人と文化に心底根差したものだ。その精神世界は、中央が地域を見下ろす図式を作りやすかった他の日本の環境保護施策がときに欠いた視点として、大いに学ぶべきものだろう。文化や地域を大切にする天然記念物行政には、”国益”などというデフレ時代のギラついた看板は似合わない。それは必然的に、効率性ばかりを振りかざす二十一世紀の行政事業とは距離を置き、むしろ、自由な学問文化や知の探求と調和できる、優れた理念だ。生き物が合理的に守れさえすれば成功で、その生き物は学問や文化や郷土とは無関係だという冷淡な”国益”論よりも、はるかに市民文化の未来に貢献し得る保護施策だと私には思われる。少なくとも、心のエネルギーを存在の核心に抱え込んだ日本鶏の継承には、天然記念物は至極適した方策だ。≫